どうにもならない、そんな時…なんだけどさぁ!   作:#任意の文字列

16 / 20
感想を見てふと思ったのですが、ひょっとして漫画「ULTRAMAN」って作者が思っているほど流行ってない…?あれ見たらベムラーが誰かなんて察しが付くように書いているつもりですが、その前提条件が満たされていない…?
これはいけません。皆も月刊ヒーローズなり単行本なりを入手して、「ULTRAMAN」を見ましょう。空想特撮シリーズウルトラマンから派生した物語、面白いのでぜひ見てくれよな!(クソ宣伝マン)

ウルトラマンガイア10話『ロック・ファイト』、ついに最後のファイターチーム、チームクロウが登場しました。チームクロウ、女性だけのチームという要素以上に独特なノリというか、アクの強いチームでした。堤チーフはなかなか出撃させなかったけど、ぶっちゃけすぐやられる北田や大河原などよりはるかに役に立ちそうなんですけど。命令もきちんとこなしてくれるし。
そんなチームクロウも今回で本格参戦、今回はライトニング、ファルコン、クロウの3チーム勢ぞろいとなりました。防衛組織内でいくつもチーム編成があるのはガイアにしかない魅力ですね。
今回の敵はコッヴを運ぶ惑星破壊機ヴァーサイト。この回、44話「宇宙怪獣大進撃」を見るとめっちゃ考えさせられますね。ヴァーサイトは「向かう惑星の環境に適応した生物を生み出す」力を有していますが、それって惑星で上手く暴れてもらうための調整とかそういうのじゃないんですかね。多分コッヴとヴァーサイトは違う系列の存在なんじゃないかなと作者は思っています。
そしてもう一つの敵がコッヴⅡ。実は新造なのですが、まあ形が違うしそんな気がする。それよりこの後シャザックに改造された事実の方がすごい。面影ないやん!
コッヴⅡそのものに関しては、見るからに未成熟というのがわかるのがグッド。強さはまあしょうがない。クァンタムストリームさんが今回一度の失敗は挟んだもののきちんと成功したのが良かった点だと思います。

そして『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア ~超時空の大決戦~』も同時配信!いやー、何度見ても「僕らの世界にウルトラマンがやってくる」という構図、夢がありますね。作者ももちろん映画館まで行って見ましたが、当時の作者がうらやましいと思ったのって確か炊飯器にガイアのビデオがあったところだったような…何故かそこが強く記憶に残っている…このヒーローがテレビの中にいるという、現実世界に限りなく近い世界を描写するタイプの作品、作者はこの映画が初めてでしたが他にも昔からあったのかな?最近のモノだと仮面ライダージオウの冬映画が近い感じじ。仮面ライダージオウと冬映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』、面白いと思える作品であるはずなので見ましょう(ウルトラマン以外も宣伝するクソ宣伝マン二代目)。仮面ライダージオウは本編でのレジェンドの扱いが現状かなりいい感じなので、一端仮面ライダーから離れてしまった方にもおすすめダゾ!
映画に話を戻すと、今回は第一章という事でガイアがサタンビゾーの前に立ちはだかるところまで。ちょっとだけ先の話をさせてもらうと、異世界ではウルトラマンのエネルギーの消耗が激しいというハナシが出たのはこの映画が最初なのかな?そして赤い球がやはり怖い。なんて言ったって世界を滅ぼさせるように持ち主に干渉して願いをかなえさせるわけですからね。勉少年は偉大だった。この作品はオタク少年多めですが、その中でも希望を最後まで捨てなかった彼は本当にすごいと思います。
登場怪獣は巨大異形獣サタンビゾー。面白いのは、勉少年が見ていたビデオには、第42話『我夢VS我夢』にも登場した黒い我夢が出ていたこと。映画とテレビ本編のサタンビゾーはバックボーンに違いがあるのですが、この時すでにサタンビゾー周りの設定はある程度固まっていたんですかね。もしかしたら単なるファンサービスだったのかもしれませんが、なんであれよくできてると思いますね。

結局特殊な要素を投入せずにはいられない二次創作者の屑


さらばベムラー…?

「おお、わしの恵比寿様!戻ってきてくれたかぁ…!」

「はい、怪獣がやられた場所に、落ちていました。釣り竿がなくなって、後鯛が取り外し可能になっちゃいましたけど…」

「いやいや、ここに戻ってきただけで良しとするよ!君たちありがとう!ウルトラマンとやらにも、感謝したいのじゃが…」

「それなら、自分たちが代わりに伝えておきます。ウルトラマンと遭遇する事、多いですから」

「そうかそうか!何から何までありがとうな!お嬢ちゃんたち」

 

 恵比寿様が戻ってきたことに喜びを隠せないでいる店主さんに、ではお大事に、と伝え、自分は店を後にした。

 あの後の話をしよう。自分たちはコダイゴンジアザーを撃破した後、無事に元に戻った恵比寿様の回収に成功し、それを店まで運んだ。流石に戦いで破損したり鯛が吹っ飛んで行ったりしたので恵比寿様にも変化が生じてしまったが、それでも喜んでもらえたのは、素直にありがたい。

 店の外にでると、入口の前でラキュースとイミーナが待っていた。二人は二人で何か話をしているようだったが、自分が近づくとこちらの方を向いた。

 

「お疲れ、アルシェ。いつも悪いわね、こういう対応任せちゃって」

「ううん、大丈夫。ウルトラマンとして戦ったのは自分、だからウルトラマンに対する思いは、自分の心で受け止めたいから」

 

 申し訳なさそうにしているイミーナに、なんでもない事だと返す。実際いつもやってることなので、特に気になる事はない。

 

「アルシェ、あなたのやってる対応って、あなたたちのリーダーさんの仕事じゃないの?」

「ううん…最初のうちはそうだったけど、自分がやる事にした。怪獣に詳しい自分が出た方が説明しやすいことが多いし、ウルトラマンとして戦った後の事を、覚えておきたかったから」

「ふぅん…大変なのね」

「そんなことない。これはやらなきゃいけない事じゃなくて、やりたいと思ってやってる事だから。だから、気にしなくても大丈夫」

「…なるほど、ね」

 

 自分にこの対応の事を聞いてきたラキュースは、小難しい顔でそう答えた。何か、思うところがあったのだろうか。これは自分の勝手で願い出た仕事なのだから、気にしなくてもいいのだが。

 先程の店主さんへ恵比寿様を届けた時のような、ウルトラマンと怪獣の戦いに巻き込まれた人に対応するのは実は自分の役目である。この対応は怪獣ビジネスを始めた当初、こういうのはリーダーの仕事だとしてヘッケランが対応する事になっていたのだが、怪獣に詳しい自分がそれについていって話を聞いたり怪獣の事を話したりしている内に、出来る限りは自分が対応するという事になったのだ。ちなみにウルトラマンに代わりに伝える、というのは実は一種の決まり文句になっている。最初はまさか自分がこんな台詞を使う日が来ると思ったものだが、何回もやってるとどうってことなくなるものである。

 そんなことを話していると、誰かの足音が近づいてきているのを感じた。

 

「―おお、ここにいたのか」

 

 そこにいたのは、パワードスーツのような鎧を着た人物。ベムラーさんは歩きながら自分たちに手を振りつつ、至って普通に声をかけてきた。

 彼の登場に、一番に反応したのはイミーナだった。

 

「ベムラー!あなた、何処に行ってたの?」

「いや、すまない。実は少々迷子になってしまってね。アルシェ君とラキュース君に情報を伝えたのはいいものの、その後ここの事をすっかり見失って…少し探してしまったよ」

「そう…ちょっと待って?今、アルシェとラキュースに、って…」

「ああ、そうだ。二人があのウルトラマンだという事は、ウルトラマンに交信した際わかったよ」

「…そうなの?」

 

 イミーナは怪訝そうな表情で自分の方に振り向いてくる。自分はそんなイミーナに対し、無言で頷いた。

 

「…ベムラーさんは、テレパシー…特殊な方法で、ウルトラマンの中にいる自分たちに話しかけてきた」

「そうね、あのテレパシーというのにはちょっとびっくりしたけど、彼の情報がなかったら勝てなかった…改めて礼を言うわ。ありがとう、ベムラー」

「いや、どうということはないよ。最後にトドメを刺したのは君たちだ。(わたくし)はその手助けをしたに過ぎないからね。こちらこそ、あの怪獣を倒してくれてありがとう」

 

 ベムラーさんはいたって穏やかに、自分たちに対して礼を述べた。その態度には外見には表れない―鎧だからそもそも本来の外見がわからないが―威厳のようなものを感じる。この人物が先程まで地面に向かって無い無いと慌てていたりグロテスセルを落として頭を抱えていたりしていたと思うと少し可笑しく思えるが、まあこちらが素なのだろう。

 …やはり、彼があの人なのだろうか。彼を見て最初に抱いた一つの疑惑は、コダイゴンジアザーで手を貸してくれたあの人の姿を見て、自分の中で大きく膨れ上がっている。否、もはや確信に近いものを抱いている、と言い切ってもいい。それだけ太く、自分の中では彼とあの人が一本の線でつながっていた。

 そして、もし本当にそうなら、自分は彼にある事を頼まなければならない。きっとそうだ。自分はその思いを胸に、ベムラーさんに向かって一歩踏み出した。

 

「…ベムラーさん」

「うん?どうかしたのか?」

「この―」

 

 ―この世界を、守ってほしい。自分は、この世界にとって大事な言葉を伝えようとした。

 この世界に迫っている危機は、はっきり言ってあり得ない位に強大なのだ。この間ティガの地でハッキリした分でも、超古代の闇がかつてこの世界を覆っていたようだし、またスフィアの襲撃がこの世界でも発生している事もわかった。それを除いてもこの世界には多種多様な怪獣が来訪しているし、そもそも最初の怪獣がコッヴだったことを踏まえると、根源的な破滅をもたらすものがこの世界を狙っている可能性があるのだ。そんな状況に対し、世界を護る側の戦力はウルトラマン二人だけ。客観的に見れば、このままではこの世界を守り切るのは難しいという結論に至るのは当然だ。

 だが、彼がいればどうなるか。そして、彼の仲間たちがいればどうなるか。自分よりも長い時を生き、自分よりも強く戦ってきた彼らの庇護があれば、この世界にも平穏が訪れるはずだ。彼らは自分たちよりも多くの命を救ってきた、本当の英雄なのである。

 だから、彼らにこの世界を守ってもらおう、という自分の考えは、正しいもののはずなのだ。

 

「―この…」

 

 …なのに、声が出ない。次の台詞を口にすることが出来ない。まるでそこから先を告げるのを、自分の体が拒絶しているかのようだった。

 

「…アルシェ…?」

 

 口ごもってしまった自分を心配したのか、不安そうな顔のイミーナが自分の方を覗き込んでくる。ラキュースも、怪訝そうな表情でこちらを見つめている。ベムラーさんは黙して語らず、特に変わった様子もなく、ただこちらを見つめているだけだ。

 何故。何故、次の言葉が言えないのか。彼らの庇護を受けたいとを願い出ることが出来るのは、おそらく自分だけだ。世界の危機はすぐそこまで迫っているかもしれない。どれだけの危機がこの世界に迫っているのか、わかったものじゃない。だからこそ、この世界とこの世界に住む人々を護るために、彼らの力が必要なのだ。必要だからこそ、今自分が動かなくてはならない。

 …そんなことは分かり切っているというのに、自分の体は動こうとしない。自分の行動に、人々の命がかかっているというのに。

 

(…本当に、それでいいの?)

 

 自分の心にも、明確な迷いが生じる。はたして、彼らの庇護を得ることが正しい選択なのか?彼らはまさしく宇宙を守る平和の使者たちだが、それでもただ救いの手を差し伸べるだけの存在ではない。自分たち人間が、ギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って、それでもどうにもこうにもならない時助けてくれる存在。それが彼らのはずだ。今の自分は、そんな境地に立っているのだろうか?自分は、ウルトラマンの名に恥じない戦いを、まだ行えるのではないか?自分というウルトラマンがいまだ健在なのに、一体どうして彼らの助けを呼べると―

 

(―あれ?)

 

 そこで、自分の思考の変化に気が付く。

 

(…なんで、自分の事が出てきた?)

 

 自分の心が、自分自身の事を考えているという事実に、我ながら驚く。いったいどうしたのだ。今ここで考えるべきなのは、世界の平和だ。人々の安寧だ。自分がどうしたいかではなく、より多くの命を救うためにどうしたらいいかで考えていたはずだ。それ故の彼らに託すという結論だったというのに、どうして。

 でも、それを真っ当だと考える自分がいるのも、事実。彼らの庇護を受けるのに、まだ自分が顕在しているというのはおかしいのではないか。自分はまだ戦える、自分はまだ、皆を守れるというのに―

 

(―ああ、そっか)

 

 そこまで思考を重ねたことで、ようやく、自分の中にあった迷いの原因が見えてきた。

 

(自分は、自分自身の手で守りたいんだ)

 

 それが、自分が見つけた答え。自分は、自分自身の手で、皆の、そしてこの世界の未来を切り開いていきたい。他でもない、自分自身の手でやりたいのだ。ウルトラマンだから戦うのではなく、ウルトラマンとして守りたいから、戦うのだ。

 それに自分には、かけがえのない仲間が出来た。自分の後ろで自分のいるべき場所を守ってくれる者達、そして自分の隣に並び立って戦ってくれる者。皆は自分が今まで戦ってきたからこそできた仲間だ。そんな彼らと共に、自分にしかできないやり方で守っていきたい。自分を支える仲間たちに、応えていきたい。たとえそれが最適解ではなかったとしても、自分なりの答えを出していきたい。それが、自分の中にあった迷いの源だった。

 …もう、答えは出た。自分は意を決して、再びベムラーさんに一歩踏み出す。まだ何も言わないベムラーさんに、精一杯笑顔を作りつつ、自分ははっきりと口にする。

 

「…ううん、なんでもないです」

 

 自分の口から、はっきりとすべてを無かったことにする言葉が放たれた。…これでいい。あの結論は必要なのかもしれないが、あんなものを自分の口から言えたものではない。自分が自分である限り、言ってはならない。だから、それは自分の中で硬く封印すると心に決めた。

 ベムラーさんはというと、自分の言葉に対して何も語らない。いったい何を考えているのか、鎧に包まれた彼の顔からは何も読み取ることはできない。…ひょっとして、自分の言葉を待たされた上なんでもないと言われたのに気分を悪くしたのだろうか。だとしたら、謝らないといけないが。

 だが自分のそんな予想に反して、ベムラーさんはゆっくりと自分に近づくと、自分の頭をゆっくりと撫でた。ベムラーさんの手は、鎧越しだというのに、すごい暖かなものを自分に伝えてくれている気がした。

 

「―心配はいらない」

 

 その言葉は、本当に穏やかで、温かいものだった。

 

「君の思いは、伝わった」

 

 まるですべてを見透かしているかのような口ぶりで、ベムラーさんは語る。その言葉に思わず顔を上げるが、ベムラーさんは自分と目を合わせ、優しい口調のまま続けた。

 

「この世界に迫っている危機は、おそらく私の想像以上に巨大なものなのだろう。ひょっとしたら、私が未だかつて経験したことがないほどの…それを見過ごすほど、私は年を取っていないつもりだ」

「ベムラーさん…でも」

「わかっている。君は自分自身の手で守りたい、そう思ったんだろう?」

「…!!」

 

 …この人は、本当にすべてを見透かしているのだろうか。それとも、今の自分みたいな人に関する経験があるのだろうか。どちらにせよ、彼の言葉はまさしく正しい。その事実に、心が少し揺れ動く。

 だがそんな緊張を和らげるような慈しみのようなものを籠め、ベムラーさんは言葉を紡いでいく。

 

「君が何を知り、何を思って何に迷いを抱いたのかは、私にはわからない。だが、私は知っている。今の君の瞳は、自分で戦いたいと決意した戦士のそれだ」

「戦士の…」

「ああ、そしてそれは、とても立派な決意だ。その決意を持っているのなら、この世界を託すこともできる。だから、その決意を持ったことは、何よりも正しいことだ」

「ベムラー、さん…」

 

 ベムラーさんの言葉に、胸が軽くなる。自分で守りたいという思いを身勝手なものだと捉えていた自分の心の一面が、小さくなっていく。ベムラーさんが彼だと思っているから…否、ベムラーさんの人格に触れたからこそ、その言葉はとても強い励みになった。

 そしてベムラーさんは自分から手を離すと、ふわりと浮かび上がった。

 

「私はこの世界とこの世界に住む人々の事を、決して忘れることはない。この世界の事は、私の仲間たちに必ず伝えよう。そして、今度は仲間たちと共にこの地にやってくることを、ここに誓おう。」

「ベムラーさん…」

「だから、それまでは、君たち二人がこの世界を守ってくれ。君たちなら、守れるはずだ。私は信じている…それでは、また会おう」

 

 ベムラーさんはそう言うと、浮かび上がった状態から天を仰ぎ、そのままかなりの速さで飛び立った。ベムラーさんの姿は、空のかなたに消え、星のようにきらめいた。

 後に残ったのは、自分たちだけ。少しの間をおいて、ラキュースが自分に近づいてきた。

 

「…アルシェ、ベムラーさんは何が言いたかったの?」

「…あの人は、この世界の平和を、自分たちに託してくれた。自分たちの事を、忘れないって言ってくれた。それは、ハッキリ言って奇跡のような出来事」

「…よくわからないけど…アルシェは、どう思ったの?」

「自分は…」

 

 そこで、ベムラーさんの言葉を、そして自分の決意を思い出す。一瞬の間を置き、ラキュースの視線を捉え、はっきり答えた。

 

「…とっても、嬉しかった。戦いへの思いが見えて、そしてそれを認めてもらえて…今なら、自分の戦いへの思いが、正しいものだって考えることが出来る。だから、これからも戦える。皆と、一緒に」

「…そっか。アルシェにとって、ベムラーさんはそんなにすごい人なのね」

「うん!」

「…なら、信じるわ。私はあなたを、信じているから」

 

 ラキュースは笑顔でそう言い、自分の頭を撫でてくれた。気が付けば自分の表情も、ほころんでいる気がする。ベムラーさんの事、今度詳しく皆に話してあげよう。

 そして、一つ大事なことがあるのを思い出した。自分はラキュースから離れると、待っているイミーナの元へ向かう。イミーナの表情に疑問の色が浮かんだのを見て、自分は大切なことを伝えようと口を開いた。

 

「イミーナ…ありがとう」

「…え?」

「イミーナの祈り、自分たちにも伝わった。イミーナがあんなに自分の帰りを待っていてくれたなんて知らなかった」

「…!!」

 

 イミーナの顔が驚愕に染まる。やはり、ベムラーさんは断りもなく自分にイミーナの思いを伝えたのだろう。それについては一言言うべきなのかもしれないが、今の自分はありがたさの方が上回っていた。今度会ったときは、先に感謝を伝えようと決心する。

 それはそうと、今はイミーナである。驚いた表情で固まるイミーナに、言葉を伝える。

 

「イミーナの思いが、自分に力をくれた。イミーナの思いがあったから、この戦いは勝てた」

「アルシェ…!」

「だから、ありがとう。そして…ただいま」

「…おかえりなさい、アルシェ!」

 

 イミーナはそう言って、自分の事を抱きしめた。ひょっとしたら、涙が浮かんでいたのかも知れないが、そこは深く考えないことにした。イミーナの頭を、今度は自分が撫でてみた。

 そこで、自分の空いている手の中に、輝きが生じる。イミーナもそれに気が付き、自分から離れた。自分の手の中に温かさと硬い感触が生まれたのを感じ、手を開いてみた。

 

「…これって…」

「…ルーブクリスタル」

 

 近寄ってきたラキュースの声にこたえるように、自分はそれの正体を告げた。

 そこにあったのは、二つのルーブクリスタル。片方は赤く、片方は青い。赤い方には『炎』と書かれ、赤と銀のウルトラマンが描かれている。青い方には『鎧』とあり、そこには青く胸元に銀の星が輝くウルトラマンが存在する。まさしく『ウルトラマンメビウス』、そして『ウルトラマンヒカリ』のルーブクリスタルであった。

 …なぜ、ここにこれがあるのかは、よくわからない。だが、これらの登場は、自分たちの未来を祝福するものからの贈り物のように思えた。自分はそれを懐にしまうと、なんとなく空を見上げる。

 

「…ありがとう」

 

 そう呟いた自分の声は、夕日の落ちたそれに消えていった。

 ―これにて、温泉地での長い一日は終わりを告げた。この後、自分たちは一仕事終えたヘッケラン達と合流する事になる。そこでこの戦いの疲れを取ろう!という話になり、この地に滞在する機関が一日増え、そこで目一杯休暇を楽しんだのは、別の話―

 

 

 

 空にも宇宙にも見えない、不思議な空間を進むものがある。虹色に煌めくワームホールと言われる空間を、鎧の男はその身一つで飛んでいた。

 

「…ふう」

 

 一仕事終えたことに、思わず溜息をつく。ベムラーはまだまだ働き盛りだが、少し老けているような仕草が目立つ。ベムラーはかつて自分の命を分け与えたという経験があり、その命を与えた分身ともいえる男にあやかってその姿を長らく使っていた。自分よりはるかに短い寿命しかないその男はやがて老人になり、ベムラーもまたその老人となった姿を借りることになった。その状態が長く続いた事が、ベムラーが少し老けた感じになっている要因なのでは、と彼自身はそう考えている。

 

「まさか、こんな大事になるとは…」

 

 今回の事件を振り返り、ベムラーは独り言ちる。今回の事件は、彼がある宇宙で密売買されていたグロテスセルを見つけたことが発端である。たまたまパトロール中に危険物質であるグロテスセルを見つけたため、それを勝手に売買する宇宙人を捕まえたのはよかったのだが、その際グロテスセルを持っていた宇宙人が、最近発明されたという時空転移装置を使い、グロテスセルを未知の宇宙に飛ばしてしまったのだ。未知の宇宙とはいえ流石にそんなグロテスセルを放置するわけにはいかないので、ベムラーはそのまま追いかけることになったのだ。

 その後の事は、アルシェたちと会った後の通り。自分まであんなミスを犯した辺り、彼の運勢は最悪だったといいえよう。

 

「…まあ、新しい戦士に会えたのはよかったか」

 

 ベムラーはそう言い、あの世界であった二人のウルトラマンを思い出す。彼女達のような将来有望な戦士と出会えることは、彼にとって至上の喜び。その出会いをもって、彼はあの世界を訪れたことは有益だったと断定した。

 

「…しかし、この鎧には大助かりだったな」

 

 今回の旅を成立させてくれた鎧を見て、ベムラーはそんな感想を抱いた。流石は、宇宙警備隊員、そのトップに位置するウルトラ兄弟の一員であり優秀な科学者でもある男の作品だ。これがなければ今回の出会いがなかったことを考えると、彼には感謝してもしきれない。とりあえず帰ったらなにか奢ろうとベムラーは考えた。

 そう、この鎧はシェイプアップ用のトレーニング機器ではない。…いや、ベムラーは最近いつも以上にマッチョになったのも、そのせいで服のサイズが合わなくなったのも、それを受けてもうちょっと痩せようかと思ったのも全部真実なのだが。兄弟や仲間にも最近筋肉が絶好調ですね!くらい言われたし。

 閑話休題。ベムラーの纏う鎧は、実は時空転移の能力を持った特別な鎧である。これはベムラーの弟の自慢の息子であり、宇宙警備隊の別動隊ウルティメイトフォースゼロを率いる若きウルトラマンの纏う鎧、ウルティメイトイージスを人工的に再現したもので、イージスみたいに装着者に力を与える能力はなく、それどころか精密機械の塊のため鎧として扱ってはいけない事になっているが、イージス並の時空転移能力を再現している。イージスの研究用に作られたワンオフ物ではあるのだが、優秀な鎧であった。

 最も、その姿を見た時、ベムラーが最初に抱いた感想は『縁起が悪い』だったのだが。

 

「…うん、このデザインだけはダメだな。不吉すぎる」

 

 ベムラーはそのことを思い出し、それを肯定した。確かに見た目はそこそこかっこよくて好評だったし製作者はこの鎧と同じデザインの鎧がある世界の事を知らないのだが、それはそれだ。装着者に自分が推薦されたのを知った時にはすわ宇宙の終わりか、と思ったし、鎧のコードネームがベムラーなのを聞いた時には思わずわざとやってんのかと製作者を殴りそうになってしまった。

 それだけではない。これはベムラーにも予想外だったのだが、本来この鎧の姿を持つ人物の事は結構有名だったのだ。その人物はレベル3マルチバース―いわゆる並行世界の人物だというのに割と詳しい所まで知られているため、ベムラーがこの鎧を着ていると必要以上に警戒されてしまうことがあった。それどころか、これはふざけているのか真面目に言ってるのかわからないが、鎧姿の自分を見るや否や「お、とうとう光の国が滅亡したのか!チャンス!」「【悲報】宇宙滅亡のお知らせ」「お星さまになったプラズマスパークに乾杯!」…などと顔なじみに言われる始末。便利な鎧だが、ベムラーにとっては自分のみを狙い撃つトンデモアーマーなのである。自分の兄が鎧姿になると英雄になるのに、この差は何なのだろうか?ベムラーは訝しんだ。

 

「…そういえば、今回もアルシェ君に驚かれてたなぁ…」

 

 ふと、自分が出会ったウルトラマン達の片割れの事を思い出す。ベムラーは初対面の時、目の前にいた二人の少女―アルシェとラキュースが特殊な力を持っていたことを見抜いていた。結果、それはウルトラマンガイアとウルトラマンアグルへの変身という形で証明されたので、これはベムラーの勘が冴えていたということである。

 だがそれ以外の事だと、ベムラーが話しかけるよりも、アルシェがかなり驚いていた表情をしていた事が、ベムラーの中で印象に残っていたのだ。ベムラーはあの少女の驚き様について何と無く心当たりがあった。それは、ベムラーが鎧を着て会った際、()()()()()()()()姿()()()()という事実に驚いた者達の顔だった。

 その表情をした連中は、皆あの鎧の人物が何をしていてその人物のいる世界では何が起こっているのか、そして鎧の人物とは何者なのかを把握している情報通か、その事実を見ることのできる特殊能力持ちばかりだった。つまり、あの鎧の存在そのものが深刻な事態の表れというのを知っていたからこそ驚くのである。その時の驚愕の表情にアルシェの初対面時の表情が重なるという事は、つまりアルシェも何らかの形であの鎧の人物を知っていた―と、ベムラーは考える。その考えが正しいのかはベムラーにもわからないが、それでもほぼ正解だろうという確信を持っていた。…そう考えると、やっぱりあの鎧は厄ネタだ。こんなものを自分に着せた事への恨みを晴らすため、やっぱり奢りは無しにしよう。ベムラーはひそかに決心を改めた。

 ちなみに、ベムラーは並行世界でこの鎧の姿を持つ人物を知っている。というか、その人物が登場する並行世界の事を()()()()()知っている。それどころか、彼は自分が「空想特撮シリーズ」に連なるある番組の主人公であること、そして自分の兄弟や仲間、それに加え別世界のウルトラマン達も自分の後輩としてテレビの中で活躍していることを知っていた。

 何故なら、彼はある出会いをはたしていたから。テレビの中で戦う自分たちを作り上げた、偉大なる『神様』と出会っていたから。その出会いの影響か、彼は自分たちが登場するコンテンツを把握する事となり、別宇宙の移動が活発になると、そのシリーズを派生作品含めて全部視聴することが出来るようになったのだ。この事は、下手に話すと刺激が強すぎるかな、という彼なりの判断によって、彼が良しと思った人物のみ共有してる秘密である。兄弟にもロクに話していない秘密なので、共有している人なんてほとんどいないのだが。

 ちなみにベムラーは当然現行シリーズも嗜んでいるが、その楽しみに世界を越える力を持つこの鎧が一役買っているのは言うまでもない。このことについてはもう奢ったので、もうカウントしないとベムラーは決めていた。

 そんなことを考えながら飛んでいると、ベムラーの前方にワームホールの終わりが見えてくる。そこを抜けると彼はとある空間に飛び出す。そこには、いくつもの泡が浮かんでいた。

 

「ここに来るのも、久しぶりだな」

 

 周囲に浮かぶ泡を見つめ、ベムラーは感慨深そうに呟く。周囲の泡をよく見ると、その中には宇宙のようなものが広がっている。いや、宇宙のようなものではない。これは、本物の宇宙なのだ。

 マルチバース、という概念がある。多元宇宙論とも呼ばれるそれは、現在自分が存在している宇宙とは別の宇宙が複数存在するというものなのだが、それはまさしく宇宙の真実を突いていることはあまり知られていない。ベムラーがいるのは、その複数ある宇宙の狭間。つまり彼の目の前にある泡は、いくつもある宇宙そのものなのだ。

 そしてベムラーは、その泡の中からある宇宙を探し始める。ワームホールが先程まで開いていた宇宙を見つけ出すのは簡単で、事実それはすぐに見つかった。

 だがその宇宙を見つけた時、ベムラーはかつてない驚愕に襲われた。

 

「これは…!!」

 

 彼の目の前には、彼が先程までいた宇宙、すなわちアルシェたちがいた宇宙が広がっている。だが、その宇宙は宇宙が泡になる世界の中で、異色を放つ存在だった。

 ―()()。ベムラーが最初に抱いた印象はそれだった。宇宙を表す泡全体が、黒く染まっている。こんな宇宙を彼は今まで見たことがない。だが、泡全体を包む黒をよく見てみると、ベムラーの中にある現象の名が浮かんできた。

 

「…アンバランスゾーン?」

 

 実際にその眼で確認したことはないが、光の国の資料や映像作品で見たことがある現象の名を、ベムラーは口にしていた。

 アンバランスゾーンとは、ある宇宙にて観測されたダークマター漂う未知の宇宙空間の事を指す。その中では怪獣頻出期に近いレベルの怪獣出没が観測されるが、まだ謎が多い。そんな異空間に、あの黒色は似ているのだ。もちろん、宇宙全体がアンバランスゾーン化しているなんて現象を、ベムラーはもちろん彼の所属する組織も一度も観測したことはないのだが、それを抜きにしてもこれはかつてない異常事態だとベムラーは認識した。

 

「…これが、脅威か」

 

 そして、ベムラーはこれを見て納得する。これが、この世界を覆う危機なのだと。実は彼自身、あの世界に降り立つと空気の違いを感じた。その嫌な空気を敏感に察知し、それらを踏まえ彼はアルシェとあのような内容の会話をしたのだ。故に、異常が起きていること自体には彼は納得していた。最もここまで異常事態という事はわからなかったのだが。

 だが、この異常を見て、彼は強く決心しなおす。―この世界を、忘れてはならない。

 

「…待っていてくれ。アルシェ君、ラキュース君」

 

 この世界で戦う、二人のウルトラマンの事を思い出しつつ、ベムラーは一人誓う。決してこの世界を忘れず、いずれは仲間たちと共に帰ってくること。この世界に重大な危機が迫っていることを仲間たちに伝えることを決意し、彼は超空間から自分の宇宙へと飛び立った。

 

「…そういえば、アルシェ君とラキュース君はガイアとアグルなのか」

 

 …自分の星への帰り道、ベムラーはふと二人の戦士を思い出す。彼女たちが変身したのは、ベムラーも会った事のあるウルトラマン。地球の光から生まれた二人のウルトラマンの事は、もちろんベムラーもよく知っていた。

 だが、かつてある事件やとある長老の誕生日で出会った方のガイアとアグル、そしてつい先ほど共闘したガイアとアグルを比べてみると、ベムラーの中である疑念が生まれる。

 

「…二人は、本当にガイアとアグルなのか?」

 

 ベムラーの中では、二組のウルトラマンは姿以外がどうしても重ならなかった。内包する光に、違和感を感じたのだ。いや、この違和感はガイアとアグル同士の違いというより、()()()()()()()()()()()()()との違いに思えた。ベムラー自身と、ベムラーの同族ではないウルトラマンはもちろん違う。だが、それ以上の隔たりが、あるように思えて仕方がないのだ。まるで、アルシェとラキュースは、()()()()()()()()()()()()()ような―

 

「―いや、彼女たちはウルトラマンだ」

 

 その思考を、ベムラーは切り捨てた。彼女たちが仮に種族的にウルトラマンではなかったとしても、世界を護るという意思を感じ取れる彼女たちの姿勢は、まさしくウルトラマンの名に恥じないものだ。ウルトラマンを多く見てきたベムラーだからこそ、それは断言できる。なら、種族の差などどうでもいい。現に、ベムラーとその仲間たちは、種族的にウルトラマンとは呼べないものもウルトラマンと認めてきたではないか。例えば、悪の遺伝子を持ちながら、その運命を塗り替えた、若きウルトラマンのことを。ならば種族の差なんて関係なく、彼女たちはウルトラマンだ。それを譲るわけにはいかないと、ベムラーは固く決心した。

 

「…彼女たちの事も、話さなくてはな」

 

 そんな二人のウルトラマンの事は、皆で考えるべきだろう。ベムラーはそう心の中で決めると、帰還への足取りを速めたのだった。

 

 

 

 ―彼ら光の国のウルトラマンが、果たして危機迫る宇宙に降り立ち日が来るのか。そのことは、まだ決まっていない話―




ベムラーですが、ここで一端離脱です。所詮寄り道でしたからね。帰ったらやる事があるわけです。
そしてウルトラマンも離脱。この人いたら戦闘バランス滅茶苦茶になるからね。しょうがないね。

~用語解説~
『ウルトラマンメビウス』
未来は無限大(メビウス)だ!ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品、及びその主役であるウルトラマン。ウルトラ兄弟10番目の男、若き宇宙警備隊のルーキー。いつまでたってもルーキーな気がする人。初っ端の戦いで戦いぶりをバカヤロー!される、途中で帰還命令が出され正体がバレるも地球にとどまり続けると、かなり型破りなウルトラマン。変身者のヒビノ・ミライはシステムこそまるっきりダンと同じだが、生真面目かつ天然気味な世間知らず、と滅茶苦茶キャラが立っていた。そんな彼も、かけがえのない仲間たちと共に成長していく、というのがウルトラマンメビウスの物語。成長する、という事をレオとは違う形で体現する、様々な新風を巻き起こしたウルトラマンなのである。
またメビウスと言えば、世界観を昭和ウルトラマンと共有している事が挙げられる。この設定のおかげで、かつてのウルトラ兄弟の客演を可能とし、特に後半の兄弟ラッシュで得点を稼ぎ、設定だけだったエンペラ星人の登場を成立させた。そのおかげかマックスから時間帯が変わったにもかかわらず視聴率はネクサス以降で最高値をマークするなど大健闘。まさに誕生40周年記念にふさわしい作品だった。作者もやっぱり大好き。声が変わったのが残念だけど、もっと活躍していいのよ?

『ウルトラマンヒカリ』
年上にタメ口をきく男。ウルトラ兄弟11番目の男であり、同時に年齢順ならウルトラ兄弟No.2な男。M78世界観では初となる青いウルトラマンで、児童誌などでその存在が示唆されていたブルー族のウルトラマン。研究職向きのブルー族らしく本職は科学者で、命の固形化というトンデモ技術を編み出した張本人。そのおかげでゾフィーと同じくスターマークが与えられたが、戦闘能力もバッチリであり、その上キングからナイトブレスを、惑星アーブの知性体やアーブの大地からアーブギアをもらったりと、天はこいつに何物与えれば気が済むのか、と言いたくなる。まあ復讐の鬼になったんだけどさ…因みに作者はハンターナイトツルギの方が好き。

『ベムラーの鎧』
突然マッチョになった体を元に戻すためのダイエット器具…ではない。もちろん星団評議会と戦うための姿でもない。その正体は言うなれば「誰でも着れるウルティメイトイージス」。イージスの持つマルチバース移動能力を誰でも使えるように作られたシロモノ。ウルトラマンエックスのウルティメイトゼロアーマーとは別アプローチのイージスの複製品だが、イージスみたいなパワーアップ能力は存在していない。現在試作品が数個存在するが、そのうち稼働中なのはベムラー用に作られた鎧のみ。因みに試作品であるためか、試作品は全て見た目が異なる上、登録者にしか使えない防犯ギミックが存在する。

『ウルティメイトフォースゼロ』
宇宙警備隊の若き戦士、ウルトラマンゼロ率いるヒーローチーム。メンバーはグレンファイヤー、ミラーナイト、ジャンボット、ジャンナインと、往年の円谷特撮ヒーロー―のリメイクキャラが顔を連ねている。最近宇宙警備隊の別動隊扱いされていることが判明した。

『ウルティメイトイージス』
別名「バラ―ジの盾」。アナザースペースと呼ばれる宇宙に伝わる秘宝で、人々の心の中にある欠片が一つになる事で完成する。守護神ウルトラマンノアの力を秘めており、ノアと同等の次元移動能力に加え、様々な力を装着者たるウルトラマンゼロにもたらす。これを付けたゼロはウルティメイトゼロという、某ダブルオーライザーチックな名前になるが、ウルトラマンを超えた存在とかそういう設定はないので注意。

『ベムラー』
今作のベムラーについて紹介。
①一人称は「私(わたくし)」。元ネタはあるキャラが漫画「ウルトラマンSTORY0」に登場した際に使っていた一人称。
②鎧に関しては、便利だがデザインが自分狙い撃ちなのが気に入らない様子。皆何故か鎧の事を知っているので、そのことで怯えられたりからかわれたりしている。
③兄弟がいる。ただし血縁関係にある兄弟はおらず、いわゆる義兄弟である。
④「空想特撮シリーズ」、いわゆる我々の世界で放映されているウルトラマンシリーズを知っている。これは、とある世界である「神様」と出会ったため。断っておくが、彼の出会った「神様」とは、ウルトラマンノアなんて目じゃない位偉大な御方である。また、現行のウルトラマンも見ているが、時折そのことを知らんぷりしないといけないのが最近の悩みの種である。元ネタはウルトラマンティガ49話「ウルトラの星」。

『マルチバース』
ウルトラシリーズで用いられる世界観の設定で、現在、自分が存在している宇宙とは別の宇宙が複数存在するとする実在の理論「多元宇宙論」をもとに作られた。超空間の中に幾つもの宇宙が泡粒のように浮かぶ「レベル2マルチバース」が存在し、その泡の一つ一つに、独自の世界観を持つ宇宙が存在する…とされている。また「レベル2マルチバース」の中には「レベル3マルチバース」という世界が無数に存在しており、既存のキャラクターが全く別の人生を歩むIFの平行世界はこれにあたる。このマルチバース間の移動には光の国に住むウルトラ族の全エネルギーを集めても一人しか送り込むことができない…とか言われていたのだが、最近は技術が発展したのかマルチバース間を移動する人が増えた。実際のところ、ウルトラマンオーブごとガイさんは、マルチバース間の移動にスターゲートという通り道を使用しているあたり、光の国が最初に行った移動方法はかなり特殊だったのだろうと思われる。この辺りの考察に関しては、小説「ウルトラマンF」の作者小林泰三氏の解釈が興味深いので、皆も小説含め一度見てみることをお勧めする。

『アンバランスゾーン』
OVA版ウルトラマンネオスに登場した空間で、ネオス劇中においては300万年に一度の周期で太陽系が突入するとされ、ダークマター漂う未知の宇宙空間であり、何が起こっても不思議ではない世界とされている。作中ではマルチバースそのものがアンバランスゾーン化していることが確認された。因みにアンバランズゾーンという単語の元ネタというか、関連が深そうな言葉にウルトラQの企画段階での名前「アンバランス」というのがあり、アンバランスゾーンという単語自体もウルトラQとよく絡む事がある単語である。


結局なんか不穏なネタが走りましたが、まあこれがこの作品における箸休め、ということで。
ベムラーに関しては、結局正体の明言は避ける形となりました。まあ隠す気は全くないので、わかった方はお好きなようにしてください。わからなかった方は、作者が挙げた参考資料を見てみると幸せになれると思います。見ましょう(パワードクソ宣伝マン)。
次回は一区切りついたので未定…だったのですが、トリプルオリジウム光線記念で来週11月21日水曜18時、いつもの時間に投稿予定です。
皆もウルトラマンチャンネルにてウルトラマンガイア11話『龍の都』を見よう!
同時配信の『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア ~超時空の大決戦~』、そしてその続編小説『ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア 超時空のアドベンチャー』もよろしく!



「SSSS.GRIDMAN」について。作者ももちろん見ています。最近ハーメルン内で二次創作が流行りだしているようで自分もちょっとネタ出ししてみたのですが、現行二次創作と比べてろくでもない話しか頭に浮かびません。同時視聴する番組は考えた方がいいですね。
「神ノ牙-JINGA-」、めっちゃ面白いので見ましょう。以上、最後まで宣伝がたっぷり詰まっているハイパークソ宣伝マンでした。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。