どうにもならない、そんな時…なんだけどさぁ! 作:#任意の文字列
ウルトラマンガイア3話『その名はガイア』、初エスプレンダー、初金属生命体、初クァンタムストリームそして初アグルと初物尽くしだった回。金属生命体、カラータイマー型器官をもつ異形の中ではスマートかつウルトラマンからはきちんとかけ離れている鎧い姿なのホント好き。なお、作者はミーモスがあまり好きじゃなかったりする。色も見た目も違いすぎるし、やっぱりタイマーがないと。
続けて4話『天空の我夢』、これまで我夢を認めてこなかった梶尾リーダーが我夢の覚悟に触れ、徐々に態度を軟化させていくきっかけとなる回。波動生命体、ぶっちゃけ無敵のクラゲ状態も実体化した首長竜状態も両方好き。メザードは個人的にお気に入り。でも設定が強すぎて出せん…後この配信で知ったんですけど、この回すでにサイコメザードの伏線張ってたんですねぇ…気になる人はラストをチェックだ!
オバロ要素とガイア要素をさらに排除してしまう二次創作者の屑
新たなる巨人・序 前編
夜の星空を、たくさんの青い光が流れていく。地上から見れば、それらは流れ星のようにも見えるかもしれない。しかし、それらは皆星のように流れていくのではなく、生きているかのように不気味な動きで空を駆けていた。
そう、それらは星などではない。青白く光り、全体に黒い筋が走ったそれらは、ここではないどこかで悪魔のように恐れられた、れっきとした生命体である。そしてそれらは、見るものが見れば―例えば、この世界においてウルトラマンガイアたる少女、アルシェ・イーブ・リイル・フルトのような怪獣をよく知るものが見れば、一目で何者かを言い当てることが出来る程に有名だった。
宇宙球体スフィア。彼らこそ、ネオフロンティア時代を迎えた地球人の前に現れたバケモノである。
彼らはしばらく上空を旋回し、やがて一つの山に目をつける。希少金属のとれる山として有名なその山は、夜間故に現在は誰もいない。これは幸運な事である。ここで働いていた者たちは、彼らと一つにならずに済んだのだから。
スフィア達は山の方向を見てしばらく静止すると、いくつかは離れ、彼方へと去っていく。そして残った者たちは、鉱山目掛けて一斉に接近する。そのまま彼らは鉱山に食らいつき、同化を開始した。
スフィアには周囲の物質を取り込んでスフィア合成獣と呼ばれる怪獣となる能力が存在する。彼らはその能力をもって、鉱山を瞬く間に同化していく。やがて同化が完了すると、鉱山は消え、代わりに土の色をした怪獣が立っていた。怪獣には五つの目があり、胸に光り輝く何かの器官、そして背にはこの世界には存在しない変電所を彷彿とさせる、周囲にリングが巻き付いた突起物―コイルが4本存在していた。
怪獣の名は、サンダーダランビア。彼は生まれると同時に、スフィアの命に従い歩き始めた。スフィアは高度な知性を持ち、目的をはっきりと持つ存在だ。ここにいるサンダーダランビアもスフィアの目的のために生み出された存在であり、そして強大な力を持つ存在でもある。少なくともサンダーダランビアを止められるほどの強き者は、今この場には存在しない―本来ならば、そのはずであった。
サンダーダランビアはしばらく山々の間を歩き続け、不意に足を止める。そして背中の突起物に力を籠め、その名の通り電流を生み出し始める。そして周囲を焼き払わんと、その電流を開放する―だがその瞬間、青い隕石が地上に落ちる。スフィアの光とは全く異なる、温かな青い光が、地上に向けられた電撃の前に降り立ち、受け止めたのだ。そして、その青い光が止むと、そこには青色の巨人の姿があった。
巨人は美しい青に覆われており、胸元には自身の状態が『V2』であることを示す黒と金のライン、そして光り輝く『ライフゲージ』が存在を主張する。
彼もまた、こことはちがうどこかでかつて根源的破滅招来体の襲来に対し、地球が遣わした巨人。彼の名は、ウルトラマンアグル!
「…」
サンダーダランビアと相対するアグルは、静かに右腕を相手の方に向ける。サンダーダランビアはアグルを敵として見ているのか、五つの目で睨みつけ、電気を生み出す。静かなるアグルと、光り輝くサンダータランビアがまさに激突するかに思われたその時―アグルの姿が、いきなり消滅した。
突然の出来事に、目を剥くサンダータランビア。だが驚くのはまだ早い。次の瞬間、彼はいきなり尻尾から誰かに持ち上げられたのだ。尻尾を引っ張り上げられたことで前方に倒れこみ、突然の出来事に思わず混乱するも、必死に自身の後方を確認するサンダータランビア。果たしてそこには、瞬間移動で回り込みつつ、彼の尻尾をつかみ取ったアグルの姿があった。
アグルはそのまま両腕をフルに使って尻尾を軸にサンダーダランビアの巨体を持ち上げ、そのまま怪獣の体を思いっきり振り回し始めた。
「アアァァァァァ…デゥアァァァ!!」
そして、十分な勢いをつけた所で怪獣を放り投げる。サンダーダランビアはその勢いのまま宙を舞い、地面に激突した後も滑るように地面を壊して進んでいく。そして、山の中腹に激突し、その山を大きく崩して停止した。
サンダータランビアが上手く起き上がろうとする中、アグルは両腕を下に広げる。突き出した両手の間にヒカリのラインが現れると、アグルはそれを折りたたむように両手を胸元に寄せる。光のラインが球体に変わった時、アグルは思いっきり両腕を前方に突き出す。
「アァァァ…デゥアッ!」
アグルの咆哮と共に放たれた渾身の『リキデイター』が、サンダーダランビアを襲う。サンダーダランビアは何とか立ち上がりアグルの方に体を向けるも、その次の瞬間、『リキデイター』が着弾するという結果となった。
だが、アグルの攻撃はこれでは終わらない。両腕を突き出した姿勢のまま、次々と光の球を生み出し、発射する。何としてでも怪獣をここで倒すという意思を乗せた、鬼気迫るといった様子で発射された光球の群れが、次々に着弾していく。当然すべてがサンダーダランビアに当たったわけではなく、光球が地上を吹き飛ばしていく光景も見られた。
やがて土煙が完全に怪獣を覆い隠したところで、アグルはやっと自身の必殺技を停止させた。一瞬、静寂が夜の山間部を支配する―だが、その次の瞬間、土煙を払いのけられる。そこから、必殺技を受けたはずのサンダータランビアが、傷はついているもののダメージがあまり見られない姿で現れた。
サンダータランビアに限らず、スフィア合成獣の中には亜空間バリアと呼ばれる障壁を使うものが存在する。亜空間バリアはウルトラマンの必殺光線を防ぐことが出来るほど優秀で、このサンダーダランビアもまた、亜空間バリアをもってアグルの猛攻をしのいだのだ。サンダーダランビアはそのまま、背中の突起より電撃を放つ。反応がいいのか、アグルは軽やかにそれを回避するも、焼き払われた地面の様子から、その威力の程がうかがえた。
アグルは地面を一瞥すると、右の拳を左手に打ち付ける。左手から引き出されるように現れた『アグルセイバー』を正面に構え、アグルはその姿が消えたと錯覚させるような速さをもって、サンダーダランビアへ一気に詰め寄った。当然サンダータランビアもこれに反応し、強力な電撃を放つ。だが、アグルは自身の光の剣を振るい、これを完璧に切り払い、凌ぎきる。そしてサンダーダランビアが剣の間合いに入るや否や、アグルは詰め寄った勢いのまま、神速の斬撃を浴びせる。その速さにサンダーダランビアは反応しきれなかったのか、それとも『リキデイター』を防いだ時点で破壊されていたからなのか、亜空間バリアは貼られることなく、斬撃を顔面に浴びる結果となった。
悲鳴を上げるサンダータランビア。彼の五つの目は、アグルの手によって斬りつけられ、完全につぶされてしまった。だがアグルはその悲鳴に応えることはなく、淡々とした動きでサンダーダランビアの体を両腕でつかみ取ると、それを背後へと思いっきり投げ飛ばした。反応することもできず、宙を舞うサンダーダランビア。目を潰されてしまっては最早為す術もなく、地面に打ちつけられ、もがき苦しむことしかできないでいた。
そして、アグルは怪獣を確認すると、両腕を『ライフゲージ』の近くに構えたのち、大きく広げる。右腕を掲げ、光をかき集めるような仕草と共に、アグルの周りに青白い光が生まれ、やがたてそれが球の形に収束し、両腕に宿る。
「デゥワ!オアァァァァ…」
光が集まりきった状態の両腕を腰撓めに構えると、それを全力で前方に撃ち出す。
「デゥアッッ!!」
先ほどの『リキデイター』同様、気迫のこもった『フォトンスクリュー』が、うつぶせのまま動けないサンダーダランビアを襲う。サンダーダランビアには最早どうすることもできず、さえぎられることなく『フォトンスクリュー』が直撃。そして、サンダーダランビアの体が一瞬だけ光り輝き―爆発、完全に砕け散った。
山道を歩きつつ、皆で怪獣の話をする。
「―以上の目撃情報を纏めると、おそらく今回この付近に現れた怪獣は超合成獣サンダーダランビア。凶悪なスフィア合成獣の一種」
「なるほど、流石はアルシェ…で、そのスフィア合成獣ってのを生みだす元凶が、前言ってた…宇宙?とかいう場所から来たっていう、スフィアってやつなんだっけか?」
「うん。宇宙球体スフィア…この世界ではないどこかで、宇宙に進出した人類を快く思わなくて、地球に住む命を自分たちに統合しようとした、まさに怪物のような存在…」
「…宇宙、とか地球、というのはやはりよくわかりませんが、スケールが大きいというのはなんとなくわかりました」
「そうね…宇宙、って確かこの空の向こう側なんでしょ?地球…人間だけの世界で、よくそんなところにまで行けるわね…私も行けるかしら」
「わかんない…けど、自分もいつか、行ってみたいって思ってる」
最も、ウルトラマンの力を使える以上、いつでも行こうとすることはできる。この世界の宇宙はどんな感じなのか、それがちょっと怖くて実行するまでには至っていないのだが。
それにしても、スフィアまで現れるとは。スフィアがいるという事は、その本体である暗黒惑星グランスフィアもいるのだろうか?…勘弁してもらいたい。その特性を考えると、どう考えても自分一人で対処できる相手ではない。やはり、今回サンダーダランビアと戦ったとされる巨人…アグルらしき存在と早急に接触しなくては。
そういうわけでスフィアに関して思案を巡らせつつ山道を歩く。そんな自分と自分のそばを歩くロバーテイクとイミーナに、前を行くヘッケランが声をかけてきた。
「まあ、そういう話も大切だがな…今はこの山を抜けることを考えようぜ?迷子もそろそろ飽きてきたところだしな」
…ちょっと待て。
「…この道の方がいいって言いだしたのは、リーダー、貴方…」
「…とうとうアルシェにまで言われてしまいましたねヘッケラン。最早言い逃れはできませんよ?」
「そうよ!そもそもこの迷子が始まったのは、土地勘も無いのに適当に山道に入ったヘッケランのせいでしょ!?こんな初見の場所でいきなり脇道に入るとか…アンタ何年ワーカーやってるのよ?」
「いや、この迷子の半分は怪獣が街道をつぶしやがったたせいだから…いえ何でもありません、自分が悪かったです申し訳ありませんでしたのでその拳を下ろしていただけませんかねイミーナさん…?」
「…(ニコッ)」
ブン!(拳が風を切る音)
↓
バキョ!(拳がヘッケランの顔をとらえる音)
「グフッ!?」
イミーナの気持ちのいいストレートが、ヘッケランを吹き飛ばす。…ちょっとだけ、すっとした。
…そもそも、自分たちはなぜこんな山道を歩いているのか。事の発端はゼットンを倒した後にさかのぼる。あの戦いの後、自分たち『フォーサイト』はちょっとした旅行に行くことになった。怪獣ビジネスの件でヘッケランと取引をした商人から、自分たちは王国内にあるちょっとした隠れ里みたいなところに招待を受けたのだ。結構特殊な場所らしく、そんな知る人ぞ知る秘境のようなところに行けるという事で、自分たちはゼットンの残骸を怪獣ビジネスで売りさばく準備と並行してワクワクしながら旅の支度を整えた。途中アダマンタイト級冒険者、漆黒の英雄モモンが自分を訪ねてくるというサプライズがあったが、それ以外には特にハプニングはなく、ゼットンを売る準備などやるべきことを完了させて、自分たちは旅立った。…旅立った、のだが。
「…しかし、ヘッケランの言い分もわかります。街道が先の怪獣の出現で寸断されていなければ、迂回路を取る必要はなかったわけですから」
「だろ!?…いえ私が悪いのは承知しておりますのでそんなに睨まないでください…」
ロバーテイクのぼやきにヘッケランが反応するが、イミーナに睨まれすぐに引っ込んでしまう。正直今回のヘッケランはらしくないやらかしをしたので、しょうがないだろう。
今回の旅で、まず直面したのは街道が寸断されていたという問題だった。なんでもサンダーダランビアとアグルの戦闘でこの辺り一帯がいろいろ破壊されてしまい、そのせいで山が崩れ街道がふさがってしまったとのことらしい。かくして自分たちは山々の間を通る迂回路を、荷物を背負いつつ徒歩で歩く事になってしまった。ワーカー仕事で強行軍には慣れているが、きついものはきつい。今回はワーカーの仕事関係ない分、余計に。
そして、急に山登りをすることになった自分たちの旅に新たな問題が立ちふさがる。
「…でも、驚いた。ヘッケランが急に、こっちが近道だって言いだして…」
「…すまんアルシェ。俺も正直なんでこの道選んだのか…あの時は絶対いける!と思ったんだがなぁ…」
「なんで土地勘のない王国領内でそんな自信満々になれるのよ…今度からは無しにしてよ?」
「はい、反省してます…」
イミーナの言葉に、ヘッケランは力なく項垂れた。
…今回の旅での新たな問題。それはよくわからない山道に入り、今絶賛迷子となってしまったこと。というのも、迂回路を行こうとした際、あらかじめもらっておいた地図を手にしていたヘッケランが「こっちだ!こっちの方が近い!」と言い出したのでそのまま従ったところ、見事に現在位置がわからなくなってしまったのだ。らしくない、と言うのはこのことで、いつも慎重かつ丁寧にワーカーの仕事をしているヘッケランの姿からは今回のミスは想像もつかない。自分たちも、迷子になったと力なく喋るヘッケランに対し唖然としたものである。地図自体は丁寧に書かれている分、特に。迷子になってから結構な時間山中をさまよっており、そろそろ日も暮れてきた。野営はできるが、正直それは避けたい。
…嘆いていても仕方がない。今はこの状況を打破しないと。それに、自分には切り札がある。それを伝えんと、ヘッケランに声をかける。
「リーダー、大丈夫。いざとなれば自分が変身して皆を抱えて飛ぶから」
「…あ~…気持ちは正直めっちゃありがたいが…」
「…ヘッケラン、諦めたら?日も暮れて来たし、アンタじゃないけど山を歩くの正直飽きてきたし」
「…いや待て、たぶんここをまっすぐ行ったら森を抜ける。とりあえず、それ試してからで…!」
「…そういうわけらしいので、アルシェの案は最終手段という事にしましょうか」
なんかもういろいろいっぱいいっぱいなヘッケランに、肩をすくめるロバーテイク。とりあえず、自分の案は保留、と言う事らしい。
そういうわけでそのまま山道を進む。やがて自分たちは、森を抜け平原地帯に足を踏み入れた。まさか本当に抜けるとは。そして抜けた先には、意外な光景が待っていた。
「…みんな、見て。あそこにいるの、人だよ」
「…!天の助けだ…!」
自分の指した方向を見て、皆の表情が明るくなる。そこには、複数の人影が歩いている姿があった。人数は5人、おそらく全員女性。それぞれが武装しており、見た感じ腕が立ちそうだった。
まだ気づかれてはいないようなので、とりあえずどうするか話し合おう。
「…どうしよう。話しかけてみる?」
「そうですね…どのような方々かはわかりませんが、強そうなのはたしかでしょう」
「うーん…ここ王国だし、たぶん冒険者とかじゃない?王国のワーカーってあまり話を聞かないし、傭兵なんかには見えないし」
「…なんにせよ、このままだとまた迷子になるかもしれないからな…こっちはやましいことはしてないし、向こうも汚い連中には見えない。ここは素直に道を聞いてみるとしようぜ」
ヘッケランはそう言うと、一人前方の集団の方へと歩いて行った。
「すみませーん」
「…なるほど、事情は理解したわ。旅行者って言ってたけど、この付近の地理には詳しくないの?」
「ええ、普段は帝国にいるものでして…本当なら下の街道が使えたのですが、化け物に壊されたとかで…」
「…街道」
街道というワードが出ると、ヘッケランに応対していた女性の顔が曇る。恐らくこの団体のリーダーみたいな人物だと思うのだが、なにか嫌な思い出でもあるのだろうか。
どこか気を落とした様子の女性に、すごくそっくりな二人の少女が近づく。全身によくフィットした服装をしているが、どことなく忍者っぽい。忍者だろうか?ともかく二人の少女が、女性に声をかけた。
「元気出して鬼ボス。やれることはやってる」
「そう、気にしてもしょうがない鬼リーダー。むしろよくやった方」
「…そうね。ありがとう、ティナ、ティア」
「…あ~重症だなこりゃ…悪いがこっちの事は気にしないでくれ。あんまり詮索されたくないんだよ」
「…ええ、わかりました」
落ち込む女性の隣にいた、大柄な女戦士らしき人物の要請にヘッケランが応える。何やら街道の件でよからぬことがあったらしい。詳しい内容はわからないが、何かミスでもしたみたいな様子だ。
しばらく静寂がその場を支配する。助け舟を出してきたのは、一番後ろにいた仮面の少女だった。
「…それはそうと、お前たちは何者だ?さっきから妙な気配を感じるんだが」
「…気配?」
「…私にもうまく説明はできないがな。ラキュース、お前も早く立ち直れ。過ぎたことを悩んでもしょうがない。次どうするべきかを考えろ」
「…そうね。ありがとう。では、ここで自己紹介といきましょう。ヘッケランさんもそれでいいかしら」
「ええ、構いませんよ」
「…それと、その敬語は使わなくても結構よ。なんだか窮屈な感じがするし」
「そうですか…なら、お言葉に甘えて」
ヘッケランの言葉に合わせ、後ろにいた自分たちも近づく。なんだか予期していない展開になっている気がするが、自分も向こう側の事は気になっているし、これはこれでいいのかもしれない。
「じゃあ俺からだな。ヘッケラン・ターマイト。…これも言っちまうか。普段は帝国でワーカーをやってる。俺はそのリーダーだな」
「では次は私が。私はロバーデイク・ゴルトロン。神官をやっております」
「じゃあ次は私ね。イミーナ、ハーフエルフよ。よろしく」
「…自分は、アルシェ・イーブ・リイル・フルト。よろしくお願いします」
「…アルシェ?」
自分の名前に、リーダーらしき女性が反応した。どうしたのだろう。なんか向こうの視線が一気に自分に向いている。そんなに自分に気になるところが…待て。何か、いやな予感がする。
そうこうしているうちに、自分に顔を寄せた女性の口が開いた。
「…聞いたことがあるわ。帝国の酒場には、近年出没するようになった巨大な化け物を怪獣と呼び、その全てについて詳しい情報を見てきたかのように語る、英知にあふれた少女がいる。その名は、アルシェ・イーブ・リイル・フルト…!」
「私も聞いたことがある。その知識はかの大賢獣M1号に匹敵するって」
「違う、ティナ。私は彼女が知識を求めやがて妖怪セミ女に至るって聞いた」
「二人とも何言ってるんだ?俺は確かこいつのもつ知識の量は伝説の宝玉アルゴスに蓄え得られた知識をすでに超えているって聞いたぞ」
「…いや、その話はどうでもいいだろう。だが、探していた奴に会えたのは行幸だな」
仮面の少女がそう言うと、再び視線が集まってくる。というか、ここまで轟いていたのか自分の名前は。一体誰だそんな訳の分からない噂を流したの。おそらく酔っ払いが適当に作った話だとは思うのだが、モモンさんといい本気にしすぎなのでは。
そんな自分の思いなど知らないといった様子で、リーダーの女性が自分の肩をつかんできた。ああ、ここでもモモンさんを思い出してしまう。あの時同様肩が痛い。そしてものすごく必死そうな様子で彼女が語りだすという流れも、同じであった。
「アルシェさん、私はラキュース。ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ」
「は、はい、アインドラ、さん…」
「…ラキュースでいいわ。あなたに、いえあなた達に折り入ってお願いがあるの」
そして女性―ラキュースさんは、必死さを隠すことなく、己の目的を告げる。
「私たち『蒼の薔薇』と一緒に―『ティガの地』まで来てほしい」
自分が聞き流すことのできない、言葉とともに。
後編は10月6日土曜18時ちょうどに投稿予定。本来ガイアの時間はこっちなんですよね。
さあ、皆もウルトラチャンネルでウルトラマンガイア5話『もう一人の巨人』を見よう!