…………言い訳を言わせてください……
風邪とバーゼがいけない……間違いない……
バーゼはヤバい……気づくとバーゼを触っている……
ナザリック大墳墓に激震が走った。
今まで欠かさずに行われていた朝食会(モモンガとぶくぶく茶釜は人化の指輪装備)に玉藻が現れなかったからだ
メイドに理由を聞くと「お兄ちゃんに……はしたない姿を見られて……血が……熱くて…恥ずかしい…」と、玉藻の言葉が良く聞き取れなかったが、聞き取れた単語だけを羅列していき、トドメには……真っ赤な顔で白い液体を身体中に浴びて服を変える途中だった…………と言われた…………それを聞いたモモンガがまず行ったのは、正面に何食わぬ顔で座り朝食を待つ変態バードマンに対して
「ペロロンチーノォォッ!……貴様ァァッ、いったい玉藻さんに何をしたァ!!」
と、人化により精神の鎮静化が発動しなかった為、転移後初…怒りを露わにして
ペロロンチーノの実姉のぶくぶく茶釜は、人化により玉藻レベルの美女になったピンク色の長い髪を後ろに流しながら、笑顔と青筋を浮かべながら…無言でペロロンチーノの顔を見続けていた。
玉藻の伯父にあたる死獣天朱雀は、出されているお茶を啜りながら遠い目をして
「…………そうか……玉藻も遂にそんな歳か…………ペロロンチーノ………本気ならいいが……もし……もしもだぞ?」
と、呟きながらペロロンチーノの隣に歩いて行き、肩を叩き顔を近づけて……
「…………遊びで玉藻に手を出したのなら…………命はないと思えよ?」
と、目が笑っていない笑顔で、最後の部分を強調して言った
そこから先のペロロンチーノの動きは早かった…………ぶくぶく茶釜の「……愚弟……とりあえず正座……」の言葉に即座に反応し、ジャンピング土下座……そこから地獄も生温いと言わんばかりの質問タイムが始まった……しかし、昨日の事を覚えていないペロロンチーノには正に寝耳に水の出来事であった
その頃……玉藻は…………ベッドの上で昨日の出来事を思い出し、赤面して身悶えしていた。
「あぁ……せっかくゲンキが持ってきてくれた甘酒が…………さっきのメイドさんには悪い事をしてしまいました…………まさかお兄ちゃんの事を考えただけであんなに混乱するなんて…………」
そう……玉藻はメイドが迎えに来てペロロンチーノとの出来事を思い出して断片的な言葉を紡いでいたが、焦って王元鬼が持ってきてくれた甘酒を零して服と髪を汚してしまったのだ
混乱してメイドに何を言ったか憶えていないが、今日は食事には行かないという意思はしっかり伝えたので一息つく
そこで思い出した…そう言えば恐怖公の眷属が報告に来て、この間の襲撃があった辺りでちょうどいい建物が"空いた"との報告を受けていたのだった。
「ちょうど良いですね…ちょっとだけお出掛けしましょうか…………でも…何も言わずにいくのも……」
そこで初めてぶくぶく茶釜にメッセージを送った玉藻は、専用の食堂でペロロンチーノが受けている地獄も生温い様な質問責めを知り、誤解を解くために一度その場まで向かう事になった。
「…………という訳で、お風呂で倒れたお兄ちゃんを私が介抱しただけです……心配して来てくれたので覗きに来た訳でもないですし…」
食堂に入ると、お姉ちゃんが凄い形相でお兄ちゃんを問い詰めていて、伯父様もお兄ちゃんの両肩を掴みながら「ペロロンチーノ君……吐けば楽になるよ?真実を教えてくれないかな?かな?」と、焦点が合っていない遠くを見るような目でお兄ちゃんの顔を下から覗き込んでいた。
モモンガ様が私が部屋に入った事に気付き、
「玉藻さん!身体は大丈夫ですか?大丈夫、この変態は焼き鳥にでも……」
と、イイ笑顔?で私にサムズアップしながら言ってきた。
お風呂で胸を揉まれた事がこんなに大事になっているとは思わなかった私は理由を問い掛けるとお兄ちゃん以外の3人は頭上に?と浮かびそうな顔をして「「「えっ?ペロロンチーノ(愚弟・君)に襲われたんじゃ?」」」と、ぽかんとした顔で私を見ていた。
「……ふぅ…やっと解放された…ありがとう玉藻ちゃん!」
誤解が解け、正座から解放されたペロロンチーノは背伸びをしながら玉藻に礼を言う
誤解を解く最中にペロロンチーノが昨日の記憶をなくしている事に気がついた玉藻は、この好都合な状況を利用して昨日起きた事を完全に無かった事にした。
途中、ぶくぶく茶釜の引っ掛けに引っかかりそうになったがなんとか誤魔化せたようだ。
そして、まだペロロンチーノの顔を直視出来ない玉藻はモモンガに外出許可をもらうために来た事を告げる、階層守護者クラスを連れていく事で許可すると言われたので探索が得意な恐怖公を連れていく事を伝えるとモモンガから「うーむ…」と顎に手を当てて悩むような声が聞こえた
「……玉藻さん…もう少し人間に近い者では駄目ですか?この世界に恐怖公の様な種族がいたとしても人間種に受け入れられるかどうか……」
「それでしたら私が持っている人化の指輪をはめて貰えば解決ですね!それでは行ってまいります!」
モモンガ様から人間に外見が近い者…との意見を聞いた私は恐怖公に渡せば解決ですね!と笑顔で返しながら部屋を出た
……………………背後でモモンガ様が何か呟いた気がしたがおそらく気のせいだろう……呼び止められなかったから…………
という事なので、私の持っている人化の指輪を渡す為、恐怖公を緑都に呼び出した。
「お母様……本当に恐怖公がいらっしゃるのでしょう………か?」
恐怖公を迎える為、私と王元鬼それと呂玲鬼とアークビートルの4人?で緑都と黒棺を繋ぐトラップの前で待っていると、王元鬼が若干引き攣った顔で私達に問い掛ける
「母上?私に何処かおかしい所は無いか?せっかく恐怖公御自らいらっしゃるというのに何か粗相があっては申し訳ないからな……そうか、姉者もそれを心配しているのだな?…………しかし公は出来たお方だからそこまで心配しなくても大丈夫だぞ?」
それを見た呂玲鬼は、姉の気持ちを勘違いして肩を叩きながら「な?」と、言っているが王元鬼はひくひくと引き攣った笑顔のまま「ソ、ソウデスネ」と、言ったきり銅像の様に固まってしまった。
玉藻はそんな2人のやり取りを微笑ましく見ていると傍のアークビートルが空に浮かぶトラップの入り口を指して
「……おぉ、どうやら恐怖公が御出でになる様です…」
その言葉と同時にトラップが作動して空が歪む
そこから金と黒の装甲に覆われた機獣が現れ、その上には恐怖公が乗りこちらに手を振っていた……恐怖公に手を振り返していた私は気がつかなかったが……王元鬼の顔は引き攣ったまま、青を通り越して白くなり…どう見ても血の気が引いていた
「玉藻様、皆様、ご足労頂き言葉も御座いません」
機獣であるGGフレームから降りた恐怖公は、見惚れるほど綺麗な礼をして首を垂れる
「恐怖公!緑都でお会い出来るとは夢のようです!」
私より早く呂玲鬼が足早に恐怖公に近づき、手?を取り感動している
「公、よくおいでになりました…弟達はご迷惑をおかけしておりませんでしょうか?」
「いやいや、良く働いてくれて助かって降ります…本当なら連れてきたかったのですが…いかんせん私達3人共が黒棺を離れると眷属達の抑えがいなくなってしまいますからな…」
アークビートルと恐怖公が世間話をしている背後でカタカタと震えながら次は自分の番か?と、怯えている王元鬼…それに気がついた恐怖公は……
「おぉ!私としたことが…レディを怯えさせてしまうとは……玉藻様、僭越ながら"アレ"を試しても宜しいでしょうか?」
「そうですね!"アレ"ならゲンキも大丈夫でしょうし…お願いします」
何かを試そうとして玉藻に許可を取るとGGフレームに近づき
「では…………GGフレーム!モードチェンジ!モード……天!!」
恐怖公がGGフレームに手を触れながら一言叫ぶと四つ脚のGGフレームが変形していき胴体部が開いていく……恐怖公が開いた胴体部分に吸い込まれるように消えていくと開いていた胴体部分が閉まり、人型に変形していく。
「…………変形合体!!恐怖公!ゴールドフレームモードォォ!!」
変形が完了した先にはコキュートスと同程度の大きさを持った金と黒の装甲に身を包んだ人型ロボットが現れた。
「お嬢様…怖がらせてしまい申し訳ありませんでした、もし良ければコチラを……」
と、言って優雅な仕草で、引き攣った顔をア然とした顔に変えた王元鬼に一輪のバラを差し出す。
「…あ、ありがとうこざいます…」
それを複雑そうな表情で受け取る王元鬼…………恐怖公の姿が変わってしまって面白くない呂玲鬼は「せっかく公のセクシーな身体が見放題だったの
に……」と、心底残念そうな顔で呟いた。
「それで恐怖公?以前にお願いしていた探索に同行していただきたいのですが…宜しいですか?」
「おぉ…なんともったいないお言葉…私はいつでも玉藻様の命に従う準備は万端で御座います…どうぞお命じください」
「ありがとうこざいます……それで、恐怖公にこれを付けて頂けないかと……」
探索について来てくれるとの事なので、恐怖公に人化の指輪を渡して装備してもらう
パァ!と一瞬光り輝く…光が徐々に回復して人化した恐怖公の姿が見えてくる
「……おぉ、これが人化の指輪の能力です……ふむ、悪くないですな」
光が晴れて来た其処には、黒いハットとマントその下には黒いタキシード?を着て、腰に金の剣とステッキを指した老紳士が立っていた
「良いですね!それでは公は今より……ジオ…ジオさんなんて如何でしょうか?」
「ジオ……で御座いますね?……ふむ、では……このジオ!!如何なる時も玉藻様の剣であり!矛であり!盾にもなろう!!」
と清々しい顔で言いきった
その口上を聞いた玉藻は、外に遊びに行けるのが楽しみで、しっぽをブンブン音が鳴るくらい振っていた。
幕間…………
「そう言えば恐怖公。1つ聞いてもいいだろうか?」
「ん?…なんですかな呂玲鬼さん?」
一度合体を解除して元の姿に戻っていた恐怖公は呂玲鬼の質問を聞く
「フレームモードでは老紳士だったが……そのお姿から人化すると如何なるのでしょうか?」
呂玲鬼の質問は確かに気になった為、恐怖公に元の姿のまま指輪を装備してもらう
先程と同じく強く光り、収まると其処には…………
「……えっ、……えぇ〜!!き、恐怖公で御座いますか?…………」
「えぇ、私ですが……王元鬼さん?如何致しました?」
先程までは常に距離を置いていた王元鬼が、目の前で片膝をつきながら恐怖公に目線を合わせて驚いている
王元鬼は鼻息も荒く、呼吸も浅いのか…はぁはぁ…と、言いながら恐怖公の手を握りしめ……
「恐怖公……少し……はぁはぁ……少しだけ私の部屋に行きませんか?……大丈夫………はぁはぁ……大丈夫ですよ……気持ち……いいだけですから……さぁ…逝きま……」
危ない顔で危ない事を言っていると蔑んだ目をした呂玲鬼に頭を思いっきり叩かれる
「な、何をするんですかレイキ!」
「ナニをしようとしているのは姉者だろう?恐怖公、ウチの愚姉が失礼いたしました」
叩かれた王元鬼は、たんこぶの出来た頭をさすりながら妹の呂玲鬼に文句を言う
呂玲鬼は王元鬼の文句を聞き流して恐怖公に謝罪をする
「いえいえ、しかし先程までとは対応が違い…少し戸惑ってしまいましたが……いったい?」
「恐らくですが……現在の公のお姿がこの愚姉の琴線に触れたのかと……」
恐怖公が驚いて呂玲鬼に説明を求めると呂玲鬼は人化した"今"の恐怖公の姿が王元鬼の暴走を招いた事を伝える
…………そう、恐怖公が元の姿のまま人化すると…………
「……待ってレイキィィ!!そんな美少年!!滅多に居ないんだからぁ!!お願い!!先っぽだけ……先っぽだけでいいからぁ!!!!!!」
そう…………ショタ属性を付けられた王元鬼の性癖にどストライクな美少年になっていたのだ。
「………………さぁ、恐怖公此方へどうぞ、お茶の準備が出来ております故…」
「待ってえぇ!!!レイキィ!!!恐怖公ォォォ!!!!カムバァァァァックーーーー!!!…………」
叫ぶ王元鬼を無視して呂玲鬼は、玉藻とアークビートルが待つ応接間に恐怖公を案内するのだった
まさかの恐怖公三段階変形?
王元鬼のターゲットがマーレと恐怖公(ショタver)にロックオンされました
次回の話で玉藻の取る作戦は……
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わたしの歌を……キケ……の音響兵器作戦
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野郎ども!波に乗るぞぉ!……の物理突攻
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まさかのメタルヒーロー?投入