今回は準備期間でオバロ組は恐怖公しか出ません
最後にちょこっとだけ彼が出ますがね……
玉藻は、老紳士の姿をとった恐怖公と王元鬼と呂玲鬼を連れてカルネ村と城塞都市エ・ランテルのちょうど真ん中くらいにある洋館にやってきていた。
「う〜ん、広さは問題なさそうですね?ここは本当に自由に使って大丈夫何ですか……なんか廃墟のわりに立派な造りなんですが…………」
目の前にある廃墟は、入り口と一階の正面に当たる部分だけが破壊されているが、一階のその他と二階は綺麗な洋館だったので、玉藻はこの建物を見つけて来た恐怖公に確認をとる
「えぇ、勿論でございます……何せこの物件はニグン殿達の陽光聖典…でしたかな?その方達が泊まって居た宿泊施設だったそうですが、ベリュースさんと仰る方が、「宿の人間が俺に無礼を働いた!」と言って宿の従業員を皆殺しにしてしまったそうでして……まぁ……都市と村の中間地点とはいえそこまで日数がかかる道のりでもありませんし……開業後初のお客様が彼等という不運に重ねて宿の従業員も近隣に知り合いはいない様ですからね。」
と、言って黒いコートのポケットから『リ・エスティーゼ王国発行営業許可証』と書かれた書類を取り出して、恐怖公は玉藻にその書類を渡す
受け取った玉藻は、幼い頃からの夢の1つ"お店屋さんごっこ"をやるための拠点が確保できた事で嬉しそうにしっぽをゆらゆらさせていた
………………ごっこ遊びではなく…普通の店を開くのだが、玉藻はテンションが天元突破していて気がつかなかった
「…………それにしても……異様に綺麗ですね……もっと荒れていると思ったのですが……」
荒らされて木片や残骸が広がる正面入り口から中に入り、奥にあった扉を1つ入ると異様な程片付けられている内装を見て王元鬼がポツリと呟くと、恐怖公が思い出したように、ぽんっ…と手を叩き……
「おぉ!私としたことが…発見した際に眷属を使い清掃したのを失念しておりました、アークダッシュさんとディレルビートルさんにも手伝って頂きましたので……できれば彼等にも労いの言葉をかけて頂ければ幸いです。」
「け、眷属達ですか………………いや、しかし幼い恐怖公が多数で片付けたと思えば……じゅる……」
恐怖公の眷属と聞いた王元鬼は顔を引きつらせながら器用に笑みを浮かべながら返事をするといったん目を閉じて今朝見た恐怖公の少年状態を思い出し…眷属達も同じ姿に妄想してみた…………結果口の端からナニカが溢れ、恍惚とした顔に変わった
「母上、母上の言う"お店屋さんごっこ"とはいったいどういうものなのですか?」
姉と憧れの存在がそんな会話をしているのを聞き流して呂玲鬼は玉藻にここで何をするのか説明を求める
玉藻はただのお遊びとして販売業をしてみたかっただけなのだが、モモンガからの"上位者たれ'という言葉を思い出し少し考えてから……
「……人間達に私達の不要物を販売するの…とは言えこの世界の人間達には凄いものだからそれを売ってナザリックの運営費に充てようって作戦ですよ」
と、真実(建て前)だけを告げ、真実(本音)は隠した
それを聞いた呂玲鬼は
「さすが母上、私では考えつかない…至高の存在でもある母上の物を……不要物だろうが人間共に売ってしまうなど」
と、感心したような…納得いかないような微妙な表情で腕を組みながら返事をした
「………………ん?…お母様!人間の気配がします!…………上ですね、レイキ!」
「承知!」
王元鬼が恍惚とした表情を一変させ気配を感じた先を呂玲鬼に伝えると、呂玲鬼は素早く反応して短い剣と盾を構えながら上の階へ走って行った
「……おかしいですなぁ?この建物は隅々まで掃除した際に動体反応は何もなかったのですが……申し訳ございません、私の確認不足で御座います……処分は如何様にも……」
恐怖公が疑問に感じながら玉藻に謝罪するが玉藻は首を振り
「いいえ、偶々賊が入っているだけかもしれませんし……お一人のようですから何処かから逃げて来られたのかも知れないじゃないですか?……私は公を処分する気はありませんよ」
気配感知を使用した玉藻が、こんな事で処分する気はありません、と言うとその言葉を聞いた恐怖公と王元鬼は、玉藻の寛大な心に更なる忠誠心を抱くことになるのだった
………………バン!!!!
「母上の拠点に忍び込むとは愚か者め!この呂玲鬼が引導を渡してやる!!」
「……ひっ!ど、どなたですか?」
「………………む?なんだ貴様は?賊ではなさそうだが…………」
人の気配のする部屋へ王元鬼のメッセージで誘導された呂玲鬼がその部屋の扉を蹴破ると、其処には黒髪で少し幼い顔立ちをした少女が、メイド服姿で怯えた目を呂玲鬼に向けていた
あまりにも弱そうで怯える少女にどうしようか悩んでいると背後から玉藻達が追いついてきた
「…………れじゃあ貴女が最後に来るはずだった娘ね?ごめんなさいね……賊が入って正面入り口を壊されてしまったから、一度王都まで戻って補修材料を買いに行っていたんですよ」
怯える少女に話を聞くと、どうやらこの宿の従業員として雇われたが、前の奉公先の貴族に監禁されていたらしい……なんとか逃げ出して迷惑をかけると思ったが他に行く当てもないので、勤める予定だったこの宿まで逃げてきた……しかし誰も居らず入り口は破壊されていて怖かったがここで暮らしていたと言う
面接などはして居らず冒険者ギルドの仲介で決まったらしい彼女は身寄りもなく、"本来の宿の主人"に会ったこともない事を聞いた王元鬼は玉藻にこう提案をする
「お母様?この娘を雇ってはいかがでしょう?……私達は恐怖公のお陰で情報には事欠かないですが、現地の人間の感覚と言うものは分かりません…しかしこの娘ならば貴族の下で勤めていただけはあって…話を聞く限りなかなか知識を持っているようですし……如何でしょうか?」
王元鬼の提案に賛成すると玉藻は少女に近づき腰を落として目線を合わせる
「あっ…あの、私……此処を出されたら行き場がなくて……何でもします!どうか雇って下さい!!」
追い出されると思った少女が何でもすると必死になる
玉藻は自分よりも小柄な少女の頭を撫でながら
「追い出したりはしませんよ?これからよろしくお願いしますね」
と、言うと少女は涙をぼろぼろ零しながら大声で泣いた
「そう言えば貴女のお名前はなんと言うのでしょう?」
泣き止んで大人しくなった少女に玉藻が話しかけると少女は泣き腫らした赤い眼を開け笑顔で
「星彩です……空の星に色どりの彩で星彩と言います!ご主人様どうぞよろしくお願いします!」
と、言った
その頃ペロロンチーノは…………
「…………ハッ!何やらまた幼女イベントが通り過ぎた気が……」
「……………………おい……愚弟?……私と一緒に作業するのがそんなに嫌か?……私だってお前よりモモンガさんと一緒に出掛けたかったんだが?…………アァ?!」
「…………ごめんなさい……」
風邪を引きました……バカじゃないって証明してやったぞ!!
熱で誤字多かったらごめんなさい……
体調良かったらストック連投するかも…………しれません
次回の話で玉藻の取る作戦は……
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わたしの歌を……キケ……の音響兵器作戦
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野郎ども!波に乗るぞぉ!……の物理突攻
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まさかのメタルヒーロー?投入