待ってない方も今見始めた方も良ければ本編をどうぞ
久し振りなので少しアレ?と思うかもしれませんがブランクという事でご容赦を
「それじゃ星彩ちゃんよろしくね?」
「はいっ!お任せください!」
「星彩、何かあったらこの2人も頼りなさい?」
そう言って夏侯姫は王元鬼とジャンヌを伴い出掛けて行き
どうやらこの近くの都市であるエ・ランテルまで商談に行くのだそうだ
呂玲鬼は別件で王都の方へ行くそうで店にはいない
「それじゃ開店準備しましょうか2人共?」
「了解しました星彩、では私はアイテムショップの方を……」
「じゃあ僕は料理屋の方かな!星彩!手伝って!」
新しく御主人様が連れて来た2人のメイド
青いセミロングのさらさらした髪を右側に束ねたサイドテールの氷華さん
数字が得意で王元鬼様の下でアイテムショップの手伝いをしている
もう1人が赤いセミロングの髪を左側に束ねたサイドテールの炎那さん
元気で料理が上手くてジャンヌ様の下で料理屋を手伝っている
がそれぞれ準備の為に動き出す
「炎那人参終わったよ、次は何する?」
「ん?んーー、後は大丈夫!今日はメニュー少なくしてあるし……氷華の方手伝ってあげて!」
炎那と星彩は手際良く次々と下拵えを終える
すると炎那からアイテムショップの方行ってあげて?と言われて、分かった!と返事をしてから手を洗いそちらへ向かう
「…………ん?星彩、彼方は大丈夫何ですか?随分と早いようですが……」
氷華は王元鬼に貰った伊達眼鏡というアイテムを装備して今日の販売商品の目録と確認を行っていた
手伝う事を伝えると目録の五分の一を確認して欲しいと言われて作業をこなす
順調に開店準備が整い開店予定時間より1時間くらい早く終わってしまったので3人でお茶にする事にした
「はい!僕の作ったシフォンケーキだよ!」
「うん、さすが炎美味しいです」
「美味しい!炎那美味しいよこれ、しふぉんけーき…だっけ?」
特製のケーキを食べて感想を述べると炎那はえへへ、と笑顔になる
御主人様と呂玲鬼様の薫陶を受けている炎那の料理は、この辺りでは見たことのない物が多かったがとても美味しかった
「私も料理を作れれば良いけど…どうも私はゲンキ様と同じで料理は苦手です……」
「でもでも、氷華は凄いよ!だってあんなに複雑な計算私まだ出来ないよ…昨日だって……」
「そうそう!僕はどうも計算って苦手で!こうやって料理したり、体を動かしてた方が性に合ってるよ」
「いや炎、貴女の場合は違うと思うのですが…同じAIの筈なのにどうしてこうも違いが……育成者の違いが?…」
星彩と炎那の2人で氷華の仕事を褒めていたが、炎那の発言を聞いた氷華は王元鬼の様に顎に手を当てて考え込む仕草をする
それを見た炎那は「うーん!そろそろ開けようか?外に結構人いるみたいだし?」と言い、入り口の方に視線を向ける
「うん!それじゃ開店しようか、氷華も宜しくね?」
「了解です……それでは…」
「「「いらっしゃいませ!ようこそ萬屋玉屋へ!」」」
星彩は少し声を出すのが苦手な氷華に声を掛けてから、入り口の扉を開けてお客さんを迎え挨拶をした。
「ええと…そちらのポーションは銀貨2枚で……あっそれは蘇生薬なので金貨30枚です……効果ですか?……肉体が残っていて亡くなってから1時間以内でしたら……」
「はーい!8番さんのオムライスあがったよー!次は3番テーブルのハンバーグ作るねー!」
まだ接客が苦手な氷華が、冒険者相手に四苦八苦しながらもきちんと対応しているのを見ながら厨房で炎那が作った洋食をテーブルに運ぶ星彩、時折氷華の手伝いに回ったりしているといつのまにか閉店時間が来ていたようでポツポツとお客様が店の外に出て行く
最後のお客様をお見送りしてから入り口の鍵を閉める
「疲れたーーーー!!!」
「炎、はしたないですよ?星彩からも言ってやってください……年頃の女がそんなに大股を広げるなんて……」
「まあまあ、今日は御主人様も王元鬼様も呂玲鬼様も皆さんいらっしゃらない中よく頑張ったと思います、なのでこれくらいは許してあげましょう?」
「星彩は甘いですね……まぁ今日だけですよ、炎…」
「ありがと!星彩も氷華も大好…き?……」
閉店した直後に炎那がメイド服のまま床に大の字に寝そべる
氷華が咎めようとしたところで星彩に宥められ、溜息を吐き呆れながらも渋々認める
炎那は赤い髪や手足を広げ、床に寝そべりながら満面の笑みを浮かべているとふと外に30人くらいの気配がした
「……炎も気がつきましたか?………あまり良くない気配ですね、星彩どうしましょうか?」
「えっ?…えっ、どういう事?」
「んーー…簡単に言うとー…お店の周りに僕達に友好的じゃない気配がするって事かな?」
星彩が氷華の言葉に混乱していると炎那が簡単に説明してくれた
取り敢えず3人で話し合って、お店を荒らされても困る為外で迎え撃つことにした
「おお?可愛い嬢ちゃん達がお出迎えたぁ俺達ゃツイてるなぁ!!」
「アイテムだけじゃなくてこのガキ達売りゃいいカネになりそうだな?」
「頭あの青い髪の味見しても?」
「あっ!ずりーぞ!!……じゃあ俺赤いの!」
「お、オレ、く、黒髪の…娘、ヤル…」
「ばーか、テメェのじゃ壊れちまうだろ?全員遊び終わった後な?」
男達は取り囲むように店に近づくと、入り口の前に3人の少女を見つけた
口々に少女達に暗い妄想をしていると青い髪の少女が心底嫌そうに
「汚らわしい……なんて…なんて…」
と、呟き
「…味見?僕美味しくないよ?」
「私もですよ?それにこの歳で男の人に遊んでいただかなくても……」
意味を理解していない2人は揃って美味しくないよ?と話している
その横で氷華は額を抑えながら深い溜息を吐いた
「兎に角…友好的ではないのですからやりますよ?」
氷華は、後でこっち方面の教育が必要ですね…と呟きながら右腕に青く薄っすらと光るトンファーを取り出す
「え?やって良いの?じゃあ僕も!」
氷華が武器を出したのを見て嬉しそうに左腕に赤く色づくトンファーを出してぶんぶん素振りする
「えっ?2人とも何処から?とと、私も…いざ…参ります。」
2人が何処から武器を取り出した事に驚きながらも、星彩は腰の刀に手をかける
「頭〜このガキ達逆らう気ですぜ?どーしやすちょっと痛い目見せてやりましょうかー?」
「俺達ゃ泣く子も黙る"八本指"窃盗部門所属の三つ目狼だぞ?小娘共にコケにされたとあっちゃ……痛い目に合わせてやらなきゃいけないよなぁ?おい野朗共!心は壊して良いが身体は壊すなよ、後で奴隷部門に高値で売りつけるんだからな?」
その金でいい女を買うぞ!と頭が言うと周りの盗賊が興奮したように声を上げる
星彩と炎那も何となく嫌な感覚がしたようで気分を悪そうにしている
ーヒュッ!……キン!…グシャッ!ー
右方向の木の上に居る盗賊が氷華に向かってボウガンの矢を撃ち込む
氷華は其方をちらりとも見ずに右腕のトンファーで打ち落し、カウンターで第三位階魔法のアイスボールで反撃をした
すると木の上の狙撃手は氷の塊に頭を押しつぶされ残った体は地に落ちて潰れたトマトの様な光景が広がった
「気をつけろ!今のは第三位階の魔法だ!全員青髪のガキを抑えろ!」
盗賊の1人が叫ぶ、それを聞いた仲間が一斉に氷華へ殺到すると其処に成人男性を優に飲み込む程大きな火の玉が撃ち込まれた
「……な、何だ……」
盗賊の頭を含めた10人は仲間が火の玉で焼け死ぬ姿と匂いを刻み付けられ呆然と立ち尽くしていた
……簡単な仕事のはずだった……腕の立つ従業員が出払った後アイテムを盗み、その稼ぎで大酒飲んで女を買って……そんな簡単な仕事のはずだったのだ……
だが現実は……目の前には焼け焦げた地面…其処に微かな破片だけ残して焼き尽くされた仲間…結成当初からずっと一緒に馬鹿をやった最古参の狙撃手は真っ先に死んだ…そして今
「……貴方が親玉でしょうか?此処までやっておいてなんですが、降参いたしませんか?こちらとしては無用な殺生は家訓でしたくはないのですが?」
と、黒髪の一番小さいメイドの刀が首に添えられて降参を要求されている
「えーー!星彩!僕降参させるって聞いてないよ!ほとんどヤッちゃったよ!」
と無邪気な笑顔で黒髪のメイドに文句を言う赤い髪のメイドが左手に持つトンファーは元々の赤い色よりももっともっと濃い緋に染まっている
赤い髪のメイドの足下には火球の爆発から生き残っていた仲間の死体が散乱している
星彩と呼ばれた少女が赤髪の方から困ったような顔のまま視線をこちらに向けると
「……申し訳ありませんが……死人に口無し、と言う事で。」
少女の刀が煌めいたかと思うと視界が宙を舞う
最後に見たのは刀を振り切った姿の黒髪のメイド服の真っ白なスカートの中だった
「見事に血塗れですね…湯浴みを推奨しますが…どうしますか?」
「じゃあ氷華水お願い!僕があっためるよ!」
「では私は夕飯の支度を…何がいいですか?」
「「ハンバーグ(が良い!)をお願いします。」」
全てを殺し尽くした後、返り血を浴びた姿を見た氷華の提案に炎那が乗り、手の空く星彩は夕飯のメニューは何が良いか尋ねる
すると氷華は申し訳なさそうに、炎那は元気いっぱいにハンバーグ!と告げた
「…くすっ…じゃあ支度するね?」
性格は違うけど姉妹なんだなぁって思い思わず笑ってしまう
しかしながらある事に気がつき疑問を投げかける
「どうしよう……お店の周り血だらけ…掃除…?で良いのかな?」
星彩が疑問符を浮かべながら2人に問いかけると2人は
「あー…後は御主人様に任せれば良いよ?」
「そうですね、此処までやってしまうと私達では燃やし尽くすが氷漬けにするくらいしか出来ませんし……」
取り敢えず3人で風呂に入って夕餉を食べた後に確認に戻ると其処に先程まであった凄惨な現場は何事も無かったかのように綺麗になっていた
その頃ナザリック
ルプスレギナはカルネ村に向かう途中戦闘メイドの部屋の隅でもぞもぞ動くエントマを発見して声を掛ける
「?エンちゃん何食ってるっすか?」
「…お掃除したからオヤツを……ケプッ…恐怖公の眷属達と…」
エンちゃん、と呼ばれたエントマは顎の下を赤く染めながら返事をした後、可愛くゲップをした
その足下ではおこぼれに預かった黒い多数の虫が……
「ひっ!ヒィーーーーーー……」
「?」
黒い眷属の大群を見たルプスレギナは恐怖で走り去って行きそれを見たエントマは疑問顔のまま赤く染まるナニカを齧り続けていた。
星彩ちゃんはガゼフさんレベルの猛者でこの世界では強者です
次回の話で玉藻の取る作戦は……
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わたしの歌を……キケ……の音響兵器作戦
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野郎ども!波に乗るぞぉ!……の物理突攻
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まさかのメタルヒーロー?投入