「ニニャ、行ってしまいましたね…」
ニニャと仲良くなった星彩が店の掃除をしながら溜息を吐く
心ここに在らずといった様子を見た王元姫は明日の販売品のリストを作成する手を止めて星彩の目の前まで行く
目の前の王元姫に気が付かない星彩を見た従業員達は怒られる!と、思いながら見ていると
「星彩…名残惜しいのは分かりますが手が止まってますよ?」
「え?あっ!ご、ごめんなさい!すぐにやります!」
「構いませんよ、人との出会いは一期一会大切になさい。」
「「あれ?」」
赤と青の双子メイドが星彩に雷ではなく優しい言葉がかけられたことを不思議がっていると
「炎那!氷華!貴女達はぼーっとしてないで早く厨房を片付けて!」
「「はっ!はい!!」」
何故か様子を見守っていた自分達が怒られた
突然矛先を向けられた2人はワタワタしながら掃除を再開した
「………………しょうがないわよね……だってあんなに可愛い男の子あんまり居ないし…マーレたんと恐怖公君ぐらいかしらね?…………うふふ美少年がまた1人…………じゅる…」
メイド姉妹を叱ってから3人から見えない場所まで来た王元姫は千年の恋も冷めるような狂気に満ちた笑みを浮かべながら呟く
「姉者……さすがにその性癖は賛同できん……何故女同士でちちくり合わねばならないんだ?姉者はショタだけじゃなくロリもイケるようになったのか?」
王元姫の前のテーブルの上に顔だけ載せた呂玲姫が怪訝そうな顔で姉(ショタコン)を見て言い、それに続けて「やはりオスの立派なモノを入れてもらってこそ…」云々とブツブツ言っている
王元姫が妹の発言の意味にハッとなり言葉の意味を確認する
「ちょっと待ってレイキ、今なんて言ったの?」
「ん?オスの立派なモノ……ムッ!コキュートスはやらんぞ!アレは私のだ!」
呂玲姫は姉の質問に答え、まさかコキュートス狙いに変更か?と警戒しながら強めに言った
「いや、コキュートス殿は取らないわ……と言うより私では受け入れられないわ!レイキと違ってそこまで身体丈夫じゃ無いもの……そうじゃなくてもっと前!ショタコンは認めるけどロリコンでは無いわよ!」
「ん?しかし…先程はそう言っていたではないか…さっき来ていた奴に欲情していたのだろう?」
「どう言うこと?ニニャ君達の事よね?…………」
勘違いした呂玲姫に反論し、否定する
しかし呂玲姫はジト目のまま王元姫を問い詰めているとそこで王元姫が違和感に気づいた
「ま、まままま、まさか…………」
「そうだろう?だってニニャとやらは女だぞ?」
それを聞いた王元姫は膝から崩れ落ち絶望的な表情で眼から光が消えた
それを見ながら呂玲姫は「ふむ、仕方ないから部屋まで運ぶか……」と、言いながら反応しない王元姫の脚を掴むと後頭部を引きづりながら階段を上っていった。
「うーん!モモンガ様は喜んでいたようですし大成功ですね!後は漆黒の剣の方々がいつ"アレ"を使ってくれるのか楽しみでしょうがないです。」
その頃玉藻こと夏侯姫はモモンガにあげたシルバーソル改めブラックソルの項目に現在はモモンガの所有物、とだけ追加してから自分の所持しているロボットの稼働状況を確認する
「クォーターはエネルギーが必要……ゲシュペンストは起動待ち……ライディーンはバードモードのまま……恐怖王もジオーマシン(仮)が起動出来ない……氷竜と炎竜はシンパレート上がらないし…………ガーZは…………」
タブレット端末のようなモノを動かしながら一機一機確認して行くと部屋の外から物音がして夏侯姫は意識をドアの向こうへと向ける
「……全く姉者もだらしのないことで………よいしょっっ……よし!…母上も忙しいようだし夕飯でも作るか……」
どうやら呂玲姫が王元姫を部屋に運んだようだ…まぁ何かあればこちらに言ってくるだろうし大丈夫かな?と、タブレット端末モドキの操作を再開した
ービーッ!ビーッ!!ビーッ!!ー
再開してすぐに玉藻の持つあるアイテムからけたたましい警告音が鳴り響く
「部屋に防音魔法かけておいてよかったですね、と言うかもう"アレ"が必要な事態に?漆黒の剣の方々はよくよく運に恵まれているようですね………………さぁ…ペテルさん言うのです…さぁ……」
夏侯姫が"アレ"の起動キーとなるアイテムを渡したペテルがあの呪文を唱える光景を見るために遠視の魔法鏡を発動して眺める
期待して止まないあのセリフを……
時は少し遡る……
「いやー良かったな!俺なんか弓だけじゃなくてローブまでもらっちまったよ、なんか……1人だけ黒くないのは仲間外れみたいで嫌なので……だってよ!いやーやっぱ夏侯姫ちゃん俺に気が……ードスッ!ー……あー無いですよね……はい……」
エ・ランテルに近づいて居たモモン達と漆黒の剣一行が固まって歩いている
ルクルットがにやけながらそう言っていると、いつかの巻き戻しの様に死獣天朱雀ことシュドナイがハルバードをルクルットの顔面スレスレに突き刺す
ルクルットは言葉を途中で断ち切り愛想笑いと冷や汗を浮かべている
「あぁ、ルクルットが何度も何度も申し訳ありません!」
「いや、構いませんよ…シュドナイさんもそれ閉まって下さい…そろそろエ・ランテル何ですから……目立つでしょう?」
もはやお馴染みになったペテルとモモンの掛け合いを見ていた周りの冒険者は一様にこう思った
[いやいや!お前の乗ってる魔獣の方が目立つから!というか何だあの強そうな魔獣?!]
そうモモンは黒いフルプレートの鎧を着込み二本のグレートソードを背負い、更には森の賢王と呼ばれる大型魔獣(ハムスター)に乗っているのだから……
「それではモモンさん!先にンフィーレアさんを送って行きますので後でいらして下さい、場所は分かりますか?」
「あぁ、一度伺っているので大丈夫ですよ……では報酬を受け取るのはその時でよろしいですか?」
「そうですね、お婆ちゃんに玉屋さんで買ったアイテムを早く見せてあげたいのですいませんが先に帰らせていただきます。」
では後ほど、と分かれる
「モモンさー……んでは我々はハムスケを登録しに行くということでよろしいですか?」
「そうだな早めに登録しておかないと要らぬ騒ぎになるかもしれんからな……シュドナイさんはどうします?ナザリックに戻りますか?」
「ふむ、そうだね宿に戻ってから転移するとしようか……では少しだけ散策してから帰るとしよう…シャドウデーモンは影に居るのだろう?では先に帰っているよモモンガさん、お疲れ様」
モモンガは、未だに言い慣れないナーベに苦笑しながらシュドナイに今後の行動を尋ねる
するとナザリックに帰るというので護衛をつけて見送る
「では行くぞナーベ!冒険者組合へ!」
「はっ!畏まりました!モモンさー…ん。」
シュドナイを見送った2人はハムスケを連れて冒険者組合まで歩いて行った
「お婆ちゃ〜〜ん!!凄いもの手に入れたよーー!…………お婆ちゃん?居ないのー?」
ンフィーレアは家に着くと祖母を呼ぶが返事が無い
「んーー〜〜待ちくたびれちゃったよ〜ーあんまり遅いから〜君のお婆ちゃん何度か殺しそうになって大変だったんだから〜〜」
「お、お婆ちゃんに何をしたんだ!」
「どうしたんですかンフィーレアさん?って!誰ですか!」
部屋の奥からンフィーレアの顔を見ながらスティレットの刃を舐める女性
祖母を殺そうとした、という発言に驚きつつも真相を聞く……そこにペテルが現れて武器を抜いている女性に警戒しながらンフィーレアを自分の背後に隠す
「ハァー?もしかして〜〜この英雄の領域に達したこのクレマンティーヌ様と戦おうってワケェ?キャハハッ!超ウケるぅ!」
「何であるか?……むむ!ニニャ!ンフィーレア殿を連れてモモン殿達の元へ行くのである!」
「そうだぜ!お前さんには貴族に連れ去られたお姉さんを救い出すって目標があんだろ!早く行け!」
「……!で、でも……」
クレマンティーヌはンフィーレアを自分から守ろうとするペテルが可笑しくて笑っていると漆黒の剣のメンバーが異変に気付き入ってくる
しかし力量が明らかに違いすぎることを悟ったダインとルクルットはンフィーレアと共に逃げるようにニニャに言う
ニニャが戸惑っていると後ろの扉からドクロのネックレスをしたマジックキャスターが入室して来た
「遊び過ぎだ、あまり時間がないのだから早くやれ」
「はぁ〜〜い、それじゃあ〜…………死んで?」
クレマンティーヌがそう言った直後ルクルットとダインが胸部を一突きされて崩れ落ちる
「アレ〜?なんか硬かったけど?まぁいいや、次は〜〜そこの剣士くん♪」
「……!?くっ!?は、速い!ニニャ!……ニニャ?」
ペテルは一瞬のうちに2人やられて驚いたが、ジオから道中教わった剣技と心得を反芻して何とかクレマンティーヌの剣を裁くことに成功したそしてニニャを呼ぶが返事がない、チラッと横目でニニャとンフィーレアの様子を見たペテルは固まった
「おいおいおいおいおいおい!雑魚が!調子に!乗ってんじゃ!ねえよっ!!!」
一度とはいえ剣を躱されたクレマンティーヌは怒り狂いペテルに無数の突きを繰り出す
気が動転していたペテルはそれをまともに受けてしまい身体中に穴が空き血が溢れてくる
衝撃と失血で意識が朦朧とする中、夏侯姫から最後に渡されたアイテムが目の前に転がってきた
「雑魚の分際で!このクレマンティーヌ様の剣を!………………まぁマグレかな〜?そうだよね〜〜だってこんな雑魚に見えるわけないもんね〜〜?」
「…………シュ…………ト…………ール…………ゲシ……」
「あ〜〜?まだ生きてんのかよ?しぶといね〜ー?…………それじゃあ寂しくないように〜〜アンタも送ってあげるよ〜、お・や・す・み〜〜!」
何かを呟くペテルにトドメを刺そうと全力の突きを放つ
そしてクレマンティーヌの放ったスティレットがペテルにあたる直前に遠視の鏡で見ていた玉藻とペテルの言葉が被さるあの言葉が紡がれる
「コォール!!ゲシュペンストォ!!!」
[コール!ゲシュペンスト!]
ーガキィン〜〜ー
「は?」
必殺の一撃をまさか自分が外したか?と思って確認するとクレマンティーヌの目の前には瀕死の剣士では無く……
「うおおおおおおおおぉぉ!!!!!行くぞ!!ゲシュペンストォ!!!!」
黒いフルプレートメイルを装備した重戦士がおたけびをあげていた
ペテル装備のゲシュペンストアーマー
重力魔法のお陰で重さを感じさせず
必殺!究極!ゲシュペンストキィーークッ!!!!!
次回の話で玉藻の取る作戦は……
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わたしの歌を……キケ……の音響兵器作戦
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野郎ども!波に乗るぞぉ!……の物理突攻
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まさかのメタルヒーロー?投入