ペロロンチーノ「えっ?でも読むと……同じじゃ?」
玉藻「"REIDEEN"です!偉大なる勇者ではなくて黄金の女神の方です!お兄ちゃんは勉強不足です!」
ペロロンチーノ「そ、そうなんだ……」
クレマンティーヌは焦っていた……薬屋の男を一人拐うだけの楽な仕事だと思っていたから護衛の冒険者で遊んでいたのに……
「何なんだよテメェ!……まさか?テメェが噂の漆黒の…いや、確かモモンって名前だったはず…っ!……」
「よくも俺の仲間を!お前には俺が引導を渡してやる!」
いつもなら適当に仲間を殺して、激昂した愚かな冒険者の顔を相手の攻撃を適当にあしらいながら愉しみ飽きたら絶望するまでボロボロにしてトドメを刺すところだ
しかし、この目の前の鎧には少し冷静さを失っていたとはいえ、この場所で出せるほぼ全力の突きを弾かれていてどういうわけか鎧の継ぎ目も分からない
とっておきのスティレットに封じられた第三位階の魔法ー雷撃ーを試そうとするがもし効かなかった時に完全に詰みになる
クレマンティーヌはカジットに助けを求めようとするとカジットはマジックキャスターを殺してンフィーレアを担いで外に出る所だった
「ちょっと!ちょっとカジッちゃん!助けてくれないの!」
「愚か者め!だから遊ぶなと言ったではないか!幸い目的は達成した、取り敢えず撤収するぞ早く来い!」
カジットはクレマンティーヌが助けを求めるのを拒み逃げるように促す
「この英雄の領域に踏み込んだ私が……名前も知られてない冒険者を相手に逃げる?……このクレマンティーヌ様が?……チッ!覚えたかんな!漆黒の鎧のペテル!お前は必ず私が殺す!絶対にだ!」
クレマンティーヌは何度か鎧関節部や首筋を狙ったが効果が無く、切り札を出す場面ではないと冷静な部分は言うがとても腹立たしい……結果、眼を血走らせて憎らしい鎧を睨みながらそう言ってカジットと供に去って行った
ーピーー……ー
ペテルが逃げた2人を追おうとした時、ゲシュペンストから音が鳴り出して解除される
ーカラン…ーと、音を立てて膝をついたペテルの前に夏侯姫から受け取ったアクセサリーがころがった
「…………すまない……すまない皆んな……仇を討てなかった……」
心臓を一突きされて死んでいるルクルットとダイン、何か魔法をくらったのか一部が焦げて嫌な匂いとプスプスと音を立てて動かないニニャを見て自らの無力を嘆くペテル…力を込めようとするが全く動く気配が無い…自分もこのまま死ぬのかなぁと思って意識を手放す
「ヒイィー!どういう事じゃ!何でワシの店がこんなに荒らされとる!?ンフィーレア?!ンフィーレアやーい!」
「ペテルさん!大丈夫ですか!コレを飲んで下さい」
気を失っていたのか老婆の叫び声で気がつくと、誰かに抱き上げられて何かを口に流し込まれる
「…………がはっ!……はぁ……はぁ…ぁ…も、モモンさん…皆んなが…皆んなが…」
おそらくポーションを飲ませてくれただろう漆黒のフルプレートを着たモモンにペテルは、仲間が訳もわからず殺されたことを伝えようとしたが周りにも誰か居るようだ……誰だろう?ナーベさんかな?と思ってよく目を凝らすと……
「おいっペテル!死ぬんじゃねぇぞ!お前が死んだら誰がオレたちのリーダーやるんだよ!」
「そうである、ペテルまだ逝くのは早いのである。」
「ペテル!起きてください、私まだ貴方に恩を返してません!お願いです!返事をして!」
「……!?皆……んな…どうして……」
モモンの周りに死んだはずの仲間の姿が見えて俺も死ぬのか…と思ったがどうやら違うようだ、ポーションのおかげか意識がはっきりとしてくると仲間と生きている事を喜び合う
「……モモンさんが言うにはコレのおかげらしいぜ?」
落ち着いてからルクルットが懐から出したのはルクルットが玉屋で買って俺たちにくれた御守りだったが焼け焦げていた
ダインとニニャも取り出すが2人のものも焼けている
「どうやらこの護符は南方の貴重な物らしいのである、モモン殿が先程教えてくれたのである」
「そうなんですよ!貴重だけどまだ生産方法が残っているからモモンさんも何枚か持っているそうですが……」
「いや、皆さんは運が良い…この護符は私も駆け出しの頃お世話になったものです…今は効果が無いので良かったら差し上げますよ」
そう言いながらモモンさんが焼けた物と同じ護符を差し出してくる
「今は効果が無い?どういうことですか?」
モモンの言葉に疑問を抱いたペテルが質問すると、モモンは
「この護符はある程度の力量になると効果を発揮しなくなってしまうのですよ、幸か不幸か私の知り合いがコレの作成者なんですが私にはもう効果が無いから助けたい冒険者に渡してくれ…と、言われているんです。」
恐らくまだ皆さんなら効果があると思いますよ?と、言いながら護符を差し出すモモンさんからありがたくいただく
「それにしても先程の鎧はいったい…」
「アレは夏侯姫さんから頂いたマジックアイテムで"ヘリオス・ギムレア"という古代の遺物らしいです…ピンチの時に…とは言われましたが渡された当日に使う事になるとは思いませんでした……」
明らかにユグドラシル製の鎧?だった為ペテルに質問したモモンは答えを聞いて即座に玉藻にメッセージを送る
〔「玉藻さん!見てるんでしょう?ペテル達が危険だとなぜ教えてくれなかったんですか?」〕
〔「あっ…ごめんなさいモモンガ様、つい見とれてしまって……でもでも!若葉の護符渡してあったんですし……追加報酬の鎧も30レベルくらいまでの攻撃は防げる物を渡しましたし…「でもダインとルクルットは防具貫かれてますけど?」………ごめんなさい!」〕
ゲシュペンストが見たかった……そしてシチュエーションが完璧すぎてコレが現実だという事を忘れていた玉藻は即座に謝る
謝罪を聞いたモモンガはフルプレートの鎧姿のまま深いため息をついた
「モモンさんにもご心配をおかけしました……そうだ!ンフィーレアさんが!」
「ンフィーレアがどうかしたのか!ウチの孫はどこにいるんだい!」
モモンガの玉藻に対するため息を、ペテルが助かったことによる安堵と勘違いしてペテルは礼を言う
そしてンフィーレアが拐われたことを伝えようとしたがンフィーレアの名前を聞いたリィジー・バレアレに摑みかかられてしまう
「ンフィーレアが……ンフィーレアが拐われた?……一体どうして……」
「申し訳ありませんが私達では全く相手になりませんでした…少なくともミスリル級……いや、もしかしたらアダマンタイト級の冒険者じゃないと勝てないかもしれません。」
「何じゃと…アダマンタイト級なぞ王都に行かんと……どうすれば良いんじゃ………」
ペテルの言葉にがっくりと膝を落とし天を仰ぎ観るように祈るリィジー
「しかしながらリィジー殿、もしアダマンタイト級の冒険者が居たとしても奴等の逃走先がわからない事には救援に向かえないのである」
「そうですね…マジックキャスターの方はカジットと呼ばれていましたが…それだけでは…」
ダインとニニャが情報を出来る限り思い出すが名前以外に手掛かりは無い
「リィジー・バレアレ、ンフィーレアの持ち物はあるか?…」
「ん?勿論あるが……何をする気じゃ…………ほれ、ンフィーレアの使っているペンじゃ、コレで良いのか?」
「……ナーベ…」
「ハッ!」
悲壮感の漂う中モモンがリィジーにンフィーレアの持ち物を持ってくるように促す
リィジーは疑問に思いながらも藁をも掴む思いでンフィーレアが皮洋紙に書き込む羽ペンをモモンに渡す
羽ペンを渡されたモモンはそれをナーベに渡しアイテムバックからスクロールをいくつも取り出しそれもナーベに渡す
「……いったい何を?」
「ぷにっと萌えさん直伝のらくらくPK術さ、ナーベやれ。」
「ハッ!」
いくつものスクロールを消費していくナーベ
それをただ見守るモモン達
「見えました…映します。」
ナーベがそう言うと壁に鮮明な映像が映し出される……其処には、
「何だ?アンデット……?…………てっ!おいおいこの数なんだよ?100や200どころか……」
「1000以上…………いやもしかしたら10000以上あるかもしれない……ナーベさん……これはもしかして?」
ルクルットが夥しい数のアンデットに驚き、まさか?と思いながらペテルは場所を確認すると
「……このエ・ランテルの墓地ですね、まだ増え続けているようですが。」
「終わりじゃぁ〜この世の終わりじゃぁ〜、ンフィーレア〜……」
ナーベの増え続けている発言に今度こそ終わりだと諦めの空気が漂う
「……では行くぞ、ナーベ」
「はい!モモンさー…ん」
「なんじゃお主らどこへ行くと言うのじゃアンデットの大群が外にいるんじゃろ!?」
モモンとナーベが出て行こうとするのを見たリィジーがどこへ行くのか質問するとモモンは一言
「なんだ?ンフィーレアを助けるんじゃなかったのか?あんなアンデット如きにこのモモンが怖気付くとでも思ったか?」
リィジーに「報酬を用意しといてくれ」、と片手を上げて歩いていく後ろ姿は、紛れも無く誰もが憧れる英雄の姿だった。
「よー!モモンさん俺様参上っと、助太刀するぜ?」
よっと、と腰掛けていた柵の上から飛び降りた男はモモンに声を掛ける
「来てくれたか…友よ…では行こうか、伝説の幕開けだ。」
同時刻墓地ズーラーノーン儀式場
「ハッハッハッ!予想外の抵抗もあったがコレで漸く死の螺旋が完成した!後は負のエネルギーが場に満ちるのを待つだけだ!」
「……絶対殺す……絶対殺す……あのクソ鎧……滅多刺しにして殺す…死んでも殺す…」
墓地の奥深くでカジットが喜びの声を上げ、隣で未だに眼を血走らせながら自分をコケにしたペテルに対して怨みの呪詛を言い続けるクレマンティーヌ
それを見たカジットの弟子達は、カジット様…横の人から負のエネルギー回収すれば良いのに……と、思った
「で?モモンさん?何で俺っちを呼んだんだ?ハッキリ言ってあんな30レベル以下の雑魚モモンさんなら余裕だろ?」
ペテル達と別れたモモンとナーベ、そしてロリーノと名乗る大型の弓を背負った長身の男は墓地へと続く道を歩いている
ロリーノことペロロンチーノは過剰な戦力じゃね?、とモモンに尋ねる
「大事をとって…ですよ、そしてロリーノさん玉藻さんに良いところ見せたいでしょう?」
「?!モモンガさん?!それマジで?」
「いや、茶釜さんがですね?「愚弟と玉ちゃんもどかしい!まだ認めたわけじゃないけど!モモンガさん何とかして!」と、言っていてな?その一環というか…」
「おおおお…ありがてぇ!さすが姉ちゃん!モモンさんも悪いね、でも…朱雀さんには……」
「朱雀さんも今よりはマシになるんじゃないか?…と概ね賛成?でしたし、ここで活躍しておけば後で冒険者登録するときに実績として考慮されますよ」
ペロロンチーノがモモンガに感謝していると玉藻から2人にメッセージが飛んできた
〔「モモンガ様、お兄ちゃん…えっと、が、ががが………頑張ってください!…それでは!!」〕
顔が見えなくても分かるくらい動揺した玉藻からの応援メッセージを聞いたペロロンチーノは
「よっしゃーーーー!!!!アンデット共!兵の貯蔵は充分か!」
玉藻の応援に張り切るペロロンチーノを見てモモンガはただただ不安感が募った
「…………ん?そう言えば何でモモンガさん姉ちゃんに個人的なお願いされて…………まさかな?そんなまさか……」
「駄目だ!数が多すぎる!このままでは突破されるぞ!撤退!撤退だ!急げ!」
門を守る為の部隊だが万を優に超えるアンデットの群れに隊長は撤退を決意して叫ぶ
隊長に続き部隊の兵士が街の中心部へ向けて走り出す
其処に漆黒のフルプレートを着込んだ剣士と黒い鳥のような帽子と長いマフラーを巻いた大きな弓を背負った男更にはマジックキャスターらしき美女、極めつけは何とも巨大で精強な魔獣といった一団が現れた
「おい!あんた達、ここは危険だ!早く逃げろカッパーや狩人が勝てる数じゃない!」
「ほう……それがこのモモンに何の関係がある?」
隊長は一団の首からカッパーのプレートを見て一緒に逃げるように言うがフルプレートのモモンと名乗った男は威圧的にそう言うとそのまま門の方へ歩いて行ってしまう
「な、なんだアレは!デカイ……あんなの門で防ぎきれるわけ……」
「ロリーノさん…」
「はいよモモンさん!俺様にお任せあれ!」
門の大きさを優に超える巨大なアンデットが現れ隊員が叫び声を上げるが、モモン達は意に返さずロリーノと呼ばれた男が弓を番える
ロリーノが軽い口調で応じて矢を放つ
「燃え盛れ!ブレイズアロー!!!」
放たれた矢は当たる寸前に盛大に燃え上がり当たった大きなアンデットは崩れるように消えていく
「さすがロリーノさん……ナーベ、私たちも行くぞ!」
「了解ですモモンさー…ん」
「殿〜それがしも行くでござるよ〜」
「おいおい!俺も行くぜ!」
謎の一団が門を飛び越えていくと激しい剣尖と炎と雷が上がる
しばらくすると音が聴こえなくなった…
「……おい…音聞こえないよな?」
「やられちまったか?」
「スケルトンの音も聞こえないぞ?俺ちょっと見てくる…」
隊員の1人がスケルトンがバラバラにされて門の外に散らばっている光景を目の当たりにして呟く
「俺は今…伝説の1ページを見ているのかもしれない……」
「で?モモンガさん、これからどうすんの?」
スケルトンを弓で射りながら周りに人がいない為モモンガさんと呼ぶペロロンチーノ
モモンガは少し考えながら
「ちょっとだけ、玉藻さんから頂いた黒銀火竜を使いたいんですよ」
「え?それって玉ちゃんガチャ企画で当てたコラボ龍の希少種の亜種じゃね?と言うか何で玉ちゃんが?」
「いや……ちょっとだけお願いを聞いたらくれたんですよ、ホントですよ!」
モモンガの新しいおもちゃを使いたい子供のような発言に、もらったんじゃなくてねだったんじゃねぇの?とでも言いたそうにジト目をするペロロンチーノ
「だからコープスコレクターとジャックザリッパーの他にアイツまで召喚したのか…モモンガさん大人気ない!!」
「いや、後は玉藻さんが今使っている"アレ"の真の姿を見せつけたい!と、言っていたのでその協力ですよ……黒銀火竜は玉藻さんお得意のゴーレムなのでこの辺りの雑魚を片付けるのに使うだけですよ」
「あー、"アレ"ね、確かに中位アンデットじゃ役不足だよな…派手だし…」
「茶釜さんと朱雀さんは玉藻さんとナザリックで見てるそうですので……」
「マジか!ヤッベ!もっと活躍しないと、行こうぜモモンガさん!悪の組織を倒しにさ!」
どちらかと言えば自分達の方が悪の組織じゃないか?と思いながら張り切ってひたすらに弓弓矢でスケルトンを壊していくペロロンチーノに付いて行くモモンガと
「ナーベ殿〜申し訳ござらん、拙者の所為で」
「喋らないで、持ち難い…」
フライを唱えたナーベに抱え上げられているハムスケだった
「くっ!我々だけでは苦しいか…」
所変わって門から少しだけ離れた墓地で駆けつけた冒険者とエ・ランテル在駐の正規軍がアンデットの群れを相手に奮闘している
「ぐあっ!……」
「やめ……」
「ギャー!……」
先行していた冒険者がやられているようだ、よく見るとスケルトンでもゾンビでもない何者かが物凄い速さで動き回っている
「「「「うわーーっ!!」」」」
反対側からも悲鳴が上がり何人かまとめて吹き飛ばされているのが見えた
「一体どうなってるんだ…イグヴァルジ!そっちに行ったぞ!」
「どうしようもねぇな、雑魚共が……おいお前達あっちの奴らをやるぞ、着いて来い!」
冒険者チーム"クラルグラ"リーダーのイグヴァルジの指示でメンバーはコープスコレクターが暴れる方へと駆けていく
「まったくきりがねぇ……いったい後何体居るんだ?」
「……っ!?!おいイグヴァルジ!アレなんだ!」
「アレ?……どれのことだあっちの速そうなのは相性悪りぃから無理だぞ?」
「違う!アレだ、空を見ろ!」
イグヴァルジが悪態をついていると索敵に優れたメンバーが空を指差す
何言ってんだ?と、思いながらもその方向を見る
「…………何だありゃ……鳥?…………いや……アレは…………ドラゴンだと!」
「おいオメェら、あっちの少しでかいのと戦いながら後退するぞ…ありゃあ前に見たスケリトルドラゴンってぇ骨の竜だ、俺たちじゃ歯がたたねぇ」
イグヴァルジの発言に意を唱えるものはおらずクラルグラはコープスコレクターと戦いながら人知れず戦場から去っていった
「くそっ!ドラゴンまで…しかもアレは魔法に絶対耐性を持つと言われるスケリトルドラゴンじゃないか……アダマンタイトかガゼフ殿でもおらねば勝てないぞ……」
「王都への救援要請は出したのか!」
「グリフォンを持っている冒険者に頼んだが1日はかかるだろう……それまで我らが持ちこたえられるかが勝負だな……」
墓地で戦う人々の間に最悪の想定が浮かんでいる時スケリトルドラゴンが飛んで来たのと逆の空から何がが飛んでくるのが見えた
「なに……もう1体だと…くっ!総員全力を尽くせ!総力戦だ!後ろの街区には一体も通すな!」
「…………違う…アレは……アレは玉屋のゴーレムだ!」
「おおっ!俺達をミノタウルスから助けてくれた黄金の鳥だ!やったぜこれで助かった!」
「ギガントバジリスクを魔法一発で倒した力見せてくれ!!」
玉屋の護衛任務中に飛来する黄金の大鳥がこのアンデット犇く広場に現れた事で冒険者達が活気付く
しかし、「でも……魔法効かないんじゃ……」との発言が飛び出す
そんな発言が聞こえる中、黄金の大鳥は魔法でアンデットの大群を一掃していく
コープスコレクターやジャックザリッパーも巻き込まれて光の中に消え残るはスケリトルドラゴンと僅かなスケルトンソルジャーだけとなった
「おかげで助かった!しかしスケリトルドラゴンは魔法ではどうしようもないだろう周りのアンデットを排除してくれただけでも大助かりだ!」
墓地で戦っている人々に希望が戻る……スケリトルドラゴンだけなら何とかなる!……そう言い聞かせるように……
黄金の大鳥は空中から地上に降りて来た、魔力切れかと誰もが思った時黄金の大鳥は先程よりも眩い光を放つ
誰もがあまりの光量に驚き、直接見ないよう目を手などで覆い隠す
「…………歌?……」
「何で歌が聞こえるんだ……」
殆どの人が目が絡んでいてゆっくりと視界が戻ってくる
たまたま最初に黄金の大鳥の姿を見た冒険者は
「鳥じゃない……人?……いや女……?」
「きれい……おとぎ話に出てくる女神様みたい……」
「女神様……黄金女神様か……」
「そうだ!黄金の女神だ!」
冒険者や軍人が見守る中、黄金の女神と化した"REIDEEN"は錫杖の様な武器を構えると第七位階の《善なる極撃》(ホーリー・スマイト)を放ちスケリトルドラゴンを光で消し去った
スケリトルドラゴンを消し去ると空へと浮かび上がり大鳥へと姿を変えて来た時と同じ方角へ飛び去っていった
「壊れたはずの装備が直ってる?!」
「さっきの歌を聴いてから元気になった!」
「ヤベェ腰痛直った?」
「折れた剣が元に戻った!」
ドラゴンを葬り冒険者達の武器防具を直した黄金の女神はその日から伝説として語り継がれ、
冒険者モモンの話と共にエ・ランテルの定番のおとぎ話として後世に残る
因みに"REIDEEN"のレベルは50位だそうです。
次回の話で玉藻の取る作戦は……
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わたしの歌を……キケ……の音響兵器作戦
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野郎ども!波に乗るぞぉ!……の物理突攻
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まさかのメタルヒーロー?投入