ハイスクールD×D 漆黒の意志    作:ケンシロー

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プロローグ

 

ナニモナイ(うつくしい)

 

 

「……こっちは終わったよ」

 神父は微笑む

 

 

コレガジゴク(これが天国)

 

 

「そうか……分かったよ」

 吸血鬼はたたずむ

 

 

コレハテンゴクカ?(これは地獄か)

 

 

「チッ、新しいスーツが台無しだ」

 殺人鬼は後悔する

 

 

ナンダコレハ(ふつうではない)

 

 

「俺はこの世界でも絶頂で在り続ける……どの世界でもだ!」

 ボスは吠える

 

 

シンジラレナイ(ありえない)ホド

 

 

「たかが下級生物ごときが……図に乗りおって……」

 究極生命体は見下す

 

 

サイゼン(さいあく)だ。

 

 

「我が故郷……我が国の繁栄のため……待っていろ……すぐにでも戻る!」

 大統領は目指す

 

 

 

男たちの足元に転がるのは死体。

男たちに付く液体は血液。

男たちにあるのは願望。

 

☆ ☆ ☆

 

男が居た、彼は死んだ。

 

だが彼はギリシアの彫刻のように美しさを基本形としていた。

 

だが死んだ。

 

地球から追い出された。

 

人間には負けていない。

 

地球に見限られた。

 

 

そんな究極生命体(アルティメット・シイング)

 

 

☆ ☆ ☆

 

男が居た、彼は死んだ。

 

だが彼は魅力、知能、巧みな話術で人々を引きつけ、世界が変わるまで影響を及ぼした。

 

だが死んだ。

 

最後に太陽に殺された。

 

人間には負けてはいない。

 

運命に裏切られた。

 

 

そんな吸血鬼

 

 

☆ ☆ ☆

 

男が居た、彼は死んだ。

 

だが彼は静かに暮らしていた、顔まで変えた、全て捨てた、静かな暮らしのために。

 

だが死んだ。

 

最後に町に殺された。

 

人間には負けていない。

 

町が彼を裁いた。

 

 

そんな殺人鬼

 

 

☆ ☆ ☆

 

男が居た、彼は死んだ。

 

だが彼は麻薬をイタリア全土にばら撒き莫大な利益を得て、外部に自分の情報を漏らさなかった。

 

だが死んだ。

 

最後に麻薬に殺された。

 

人間には負けていない。

 

麻薬が彼を裁いた。

 

 

そんなギャングのボス

 

 

☆ ☆ ☆

 

男が居た、彼は死んだ。

 

だが彼は親友の意志を継ぎ、運命を操作する方法、人類が幸福になることが出来る方法を探した。

 

だが死んだ。

 

最後に空気に体を奪われ、殺された。

 

人間には負けていない。

 

運命が彼を殺した。

 

 

そんな神父

 

 

☆ ☆ ☆

 

男が居た、彼は死んだ。

 

だが彼は国のため、国民が平和と栄光を手に入れるため、聖人の遺体を集めた。

 

だが死んだ。

 

最後に爪と銃弾の決闘となり、わずかに及ばず頭部に爪を受けて死亡した。

 

最後に自分の正義は間違いはないと主張した。

 

人間には負けていない。

 

ほんの小さな余裕が彼を殺した。

 

 

そんな大統領。

 

 

☆ ☆ ☆

 

究極を目指す

 

無駄な時間はいらない

 

静かに暮らしたい

 

絶頂のままでいたい

 

天国へ向かう

 

アメリカを世界の中心に

 

 

願望は叶ったが失った物も多かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは?」

 

誰かが口走った。

誰が言ったかは分からない。

その場にいた全員が思ったことだろう。

だから誰が言おうと同じだった。

 

「異世界……どこにも位置しない世界です」

『ッ!?』

 

その声を聞きその声の主を全員が見る。

 

男は何もせずに感情のこもっていない瞳でその場にいる全員を視界に収めていた。

 

「どういう意味だ?」

 

また誰かが口走る。

その言葉に対して男は口を動かし始めた。

 

「ここはあなた方の居た世界とは全然違う世界です、平行世界(パラレルワールド)でもありません」

 

その場に居る者は皆その男に不信感を抱きながら話を聞いていく。

 

「あなた方はある一族に敗れました、『ジョースター』という言葉に心当たりのある人は数人ほどいるでしょう」

 

実際にその場にいた者たちにはジョースター一族と関わりがあった。

 

「ジョースター一族に敗れたあなた方をわたしが連れてきました」

「連れて来た?肉体はどうなった?元の世界ではこの体は砕け散ったはずだ」

「わたしが同じように作り直しそこに魂を吹き込みました。その行為のおかげであなた方は生きております」

「そうか」

 

誰かが納得する。

 

「あなた方が元の世界に帰る方法はあります」

『!?』

 

その場にいた者たちは全員驚愕した。

まだ自分は帰る場所が残っている。

 

「ですが、条件があります」

 

そんな簡単に事が運ぶとは思ってはいなかった。

 

「わたしに協力してほしい」

 

男の条件はそれだけだった。

その場に居た者たちは内容も聞かずに返答する。

 

―――――Yes

 

皆、元の世界に帰りたいのだ。

動物は皆、帰巣本能がある。

人間であろうと吸血鬼であろうと……。

 

そして男と6人は手を組んだ。

 

深い理由は無い。

 

 

元の世界に帰り、頂点を……。

 

 

元の世界へ帰り、復讐を……。

 

 

元の世界に帰り、平穏を……。

 

 

元の世界に帰り、絶頂を……。

 

 

元の世界へ帰り、天国を……。

 

 

元の世界に帰り、国家を……。

 

 

 

『求める物』は違えども、『求める事』は同じだった。

1人と異世界の6人は協力関係を結んだ。




さて悪は6人とは限らんよ。

バリバリ裂けるクレバスや最低なゲスだって……奴らも漆黒の意志は持ってるんじゃないの?

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