みんなの大好きな白音ちゃんがメチャクチャになるといいね。
だから白音ちゃんがいぢめられるのが嫌な人はこの小説を二度と見ない方が良いよ。
そうすれば白音ちゃんは君だけのモノだよ。
ちなみに後半はほとんど18禁になりそうだからお気を付けて。
冥界の暗い空間が歪み、悪意と敵意がごちゃ混ぜになったように空間が無理矢理支配されていく。支配された空間の中で4人が警戒心を最大限まで高めて戦闘意志を表していた。
上空では猿と龍が戦闘の火花を散らして暗黒の空を赤い戦場のような夜空に変えていた。
「にゃん」
舌で乾燥した下唇を一時的に
「……姉さま。私はそちらへ行きます。だから、二人は見逃してあげてください」
恐怖に折れたようにもう一匹の白い猫又が震えきった弱い声音で戦わず敗北を悟る。
赤い髪の主がその言葉に怒りではない何か嫉妬のような感情を持って彼女を抱きしめるが彼女は折れた心を戻しはしない。
「……ダメです。姉さまの力を私が一番よく知ってます。姉さまの力は最上級悪魔に匹敵するもの。部長とイッセー先輩では……。元龍王のお力があっても幻術と仙術に長けている姉さまを捉えきれるとは思えません……」
「いえ、それでも絶対にあなたをあちら側に渡すわけにはいかないわ!あんなに泣いていた小猫を目の前の猫又は助けようともしなかった!」
白い猫又の白音が敗北を悟っても主のリアス・グレモリーはそれを許しはしない。許せるわけが無かった。眷属をあんな最低な悪魔に渡したくはなかった。
「だって、妖怪が他の妖怪を助けるわけないじゃない。ただ、今回は手駒が欲しいから白音が欲しくなっただけ。そんな紅い髪のおねえさんより私のほうが白音の力を理解してあげられるわよ?」
姉の猫又のセリフはそれだけだった。手駒が欲しい……たったそれだけだ。自分だけで行動することが不可能なことを妹に手伝ってもらう、それだけ。
「………イヤ……あんな力いらない……黒い力なんていらない……人を不幸にする力なんていらない……」
白音は小さく震え、涙を地面に落としてタダでさえ小さい体をビクビクと大きく震えさせている。
「なら白い力をくれてやろう。黒ではなくても強い力を得られるぞ」
『!?』
突然どこからか声がかかる。一誠とリアスは声の発せられた方向を見るがあるのは古ぼけた樹だけで人の気配は感じない。
黒歌へ警戒を向けると黒歌の隣に大柄な男が居た。身長は軽く180を超えているであろう巨漢。発せられるナニカは男や女の持つ色気とは違うナニカを秘めている。まるで吸い込まれるようにその人物を見つめてしまう。
「黒歌……呼んでおいてこの状況は変なんじゃあないか?私の力を貸してほしいと聞いて来てみれば……ただ妹の勧誘。そんなことで私を失望させるな」
「DIO、ごめんなさいね。でも私じゃあちょっと白音の説得は難しかったから……ね」
DIOと呼ばれた男は小さい舌打ちをすると血のたぎるような灼眼を一誠に向けた。目を向けられただけなのに心臓がドクンと鼓動を刻む。心臓の活動が活発になり血液が体内を駆け巡り呼吸が荒くなる。
男から目を逸らして地面に目を向ける。気が付くと地面に膝を着けて今にも倒れそうな体制になっていた。荒くなった呼吸を静めていくと足音が聞こえる。サクサクと気味の良い音を鳴らしながら男の足がリアスと白音に近づいていく。止めなければいけないのに足がすくんで動けない。
男への恐怖が体を包み込んでいく。吐き気と共に頭痛や呼吸困難に襲われた。
「……………」
「近寄らないで!」
クルリとつま
白いストレートのショートヘアの髪の下から小さい猫の耳が付いていて、尻からは波上のカーブをした尾が生えている。そこまでは黒歌の妹を連想させる。だが一つだけ違うところがあった。
『眼が違う』
白音の目には
「……そんなに怯えることはない。お前を仲間にしてやろうと言っているだけじゃあないか。白音、お前に
その言葉を聞いた瞬間、白音の目の集点がふっと消えた。そして糸の切れた
「小猫!」
リアスが
すると目の前に目を見開いた男の顔が至近距離に置かれていた。
「ッ!?」
「
リアスが手の魔力を解き放つ瞬間男の指がリアスの首の血管に突き刺さった。そして男の腕が上方に上げられるとその指に引き寄せられるようにリアスの体は男の指を支点として吊り下がった。
「クッ!?―――――ッ!」
「
リアスが首に突き刺さった指を引き抜こうとするが外れずに男の小さな呟きと共に血が自分の首から男に渡って行くのが分かった。
血が男の元へ送られていく
「やめろ………」
リアスの背後から声がかかった。今にも消えそうな小さい声で呟いた。
「やめろ………」
「…………」
白音を背負った黒歌が一誠に目を向ける。
震える足を地面に突け、意志の籠った眼をDIOに向けている。
「部長から離れろ!」
一誠の口から怒気の籠った声が出る。DIOは
「
一誠が独立した意識の中でボソリと呟くと左腕に赤い龍のような装飾のされ、中心にエメラルド色の球体の埋め込まれた籠手が出現していく。
『Boost!』
「うおおおおおおおおおおっ!!!」
出現した籠手から機械音が鳴り響くと同時に一誠からゆらゆらと
その姿を見ながらDIOは小さな舌打ちをした。黒歌に目配せをしてここから離れろと伝えると黒歌は苦渋の表情を浮かべて白音を連れて魔法円の中へ飛び込み本拠へ逃走した。
一誠は後ろに体重を
「―――――――――。諦めろ、無駄に命を浪費して何になる。悪魔は1万年に近い年月を生きられるそうじゃあないか。ならわたしと戦いここで命を散らしてどうしようというのだ。わたしとお前の力の差はお前も分かってるんだろう?あと1万年生きるか、ここで死ぬか。後者は愚かな選択だと思わないかね?君はあの少女を諦めるだけで『今』を生きることができるんだ。それでいいじゃあないか。もう一度言う。―――――――」
DIOは地面に膝をついて腰の立たないリアスを尻目に一誠を灼眼で見つめる。一誠の目にボンヤリとしたナニカが浮かんでいるのを見ながらDIOは残酷な現実を突きだす。
一誠の体が揺れると同時に呟いた。
「―――――諦めろ」
「…………ぁぁああああああああああああああああああ!!!!」
一誠の目の集点が消えかかると同時にそれを振り払うように一誠は叫んで左手の籠手を無意識に顔の目の前に出して叫んだ。そして返事をするように籠手から機械音が発せられた。
「
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』
一誠の腕に装着された赤い籠手をを中心にして一誠の体が赤い鎧に包まれていく。龍のフォルムを維持し背中にはバックパックとスラスターが装備されており一誠が体を少し動かすとカチャリと鉄と鉄が触れ合う金属音が静かに響く。
「それが君の答えか……いいだろう。来い……赤龍帝。―――――呪われし
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
DIOの言葉を聞くと一誠は覚悟を決めて背中のスラスターを最大に吹かして飛び出す。亜音速で飛び出した一誠の体にガタガタと衝撃が襲い掛かるが一誠はDIOの顔面
DIOは亜音速で飛び出した一誠に少し怯んだようだったがすぐに顔に余裕の笑みを浮かべると一誠の拳を体を
「ぶっ!?」
軽く殴っても破壊力Aのスタンドは
ツンとした感覚に一誠が気が付くと刹那、第二波のパンチが一誠の腹部を襲う。人間に本気で殴られるような感覚がまだ痛む腹を襲った。たまらず叫びそうになったが叫ぶ前に胸を殴られる。
殴られたことにより肋骨の数本が折れて肺に突き刺さり、穴の空いた肺の空気が全て口から飛び出していき頭がボンヤリとする。胸の剣を刺されたような痛みとマスク内に飛び散った
掴まれたと一誠が自覚した瞬間に一誠の体は高速で地面に叩きつけられていた。
リアスの叫び声が聞こえたが何と言っていたのかまでは聞き取れずに一誠の意識は刈り取られた。
目が覚めた白音は天井を眺めた。白く塗られた天井には一つもシミや汚れが存在せずに白一色で染められている。
眠気が払われていくなか自分は攫われたのだと実感するのは容易なことだった。
急いで上半身を起こすと頭がボンヤリとジャックされたようになる。
「………起きたのか」
なぜあの男が居るのだろう。ここはどこだと訊こうとしても喉からは震える声しかでない。
すぐに自分にかけてあった毛布を払い飛ばして自分の温もりの残ったソファからバックジャンプで距離をとるとファイテングポーズを取っていつでも戦闘ができるように構える。
「…………」
天幕の影に隠れて男の顔は隠れているがたぶん唖然としているのだろう。そう思っていると男はこちらに顔も向けずに本のページを
ますますここから逃げ出したい気持ちになった。
すると背後のドアがギギギと重たい音を立てて開かれた。急いで振り向くとまた頭が思考を停止させた。自分の
「にゃはは~~♪白音起きた~~?お姉ちゃんと遊びましょ~~」
自分の姉である黒歌は思考の停止している自分の背後に回ると抱きついてきたのだ。黒歌の豊かな胸が自分の背中に押し付けられると同時に自分の体を
「いやっ!離して!」
「白音はいじわるだにゃ~~♬」
ふざけたことを言いながら黒歌は離れようともせずに手を自分の首筋を
手の拘束がほんの一瞬だけ緩んだため腕を強く
パンと乾いた音が部屋に
「
黒歌は小さく
膝から崩れ落ちる体を黒歌が支える。そしてペロペロと動物のように
喘ぎ声のようなものが出そうになるのを咄嗟に口を閉じて防ぐ。それを見た黒歌が小さく笑みを浮かべると手を自分の陰部に当てようとしたところで邪魔をするように声がかかった。
「黒歌……数年ぶりの再会で喜ばしいのは分かるがじゃれつくなら自分の部屋でやれ、わたしの読書の邪魔をするな。お前でも………」
男の威圧を混ぜた声を聞くと黒歌はビクリと体を大きく縦に硬直させると苦笑いを浮かべて返事をした。
白音の口からは荒れた息が漏れ出ていた。自分の体が自分でなくなってしまうようだった……。
「分かったにゃ~~あなたも一緒にどう?
黒歌は柔らかな物言いでDIOを誘惑するがDIOは舌打ちをするだけで黒歌はその姿を見ると口を尖らせて白音の腕をしっかりと掴んでDIOの部屋から出ていった。
その時白音の口が
―――――――助けて、と。
誰に言ったのか分からないその悲痛な声は誰にも届くことなく白音の心の中だけに響いた。
後半18禁になりそうだね。
次回はアーシアがディオドラ君と幸せになるよ(ネタバレ)
悪いお兄さんからの質問です。
姉妹丼好き?