マイペースな私の姉、辛いです   作:mokke

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出来れば誕生日中に出したかった……
是非見ていってください!


私の姉、少し酷いです……

私の朝は早い。

7時半には家を出て学校に行くのだが、親が共働きで忙しく、唯一の姉妹である姉さんは朝にめっぽう弱い。

なので、朝ごはんと弁当は私が作るため、6時には起きる。

と言っても、ご飯は昨日の残りを使えばいいだけだし、おかずもレンジでチンするだけでいいので、一般家庭の弁当よりは忙しくないはずだ。

 

そして、姉さんと私には普段は仲が良い方だが、どうしても譲れないある事があった。

それは───────っと噂をすれば姉が2階から降りてきた。

 

「おはよう、姉さん。」

 

キッチンから振り返ると、そこには寝癖がついてる灰色のショートの髪にいかにも眠たさをアピールしてくる水色の目、寝ぼけながらも挨拶をしてくる。

 

「おぉー我が親愛なる妹よ〜おはようございますー」

 

そう間延びした喋り方で話すのはのは、青葉モカ、私の1つ上の姉だ。

しかし姿がいつもと違う。

朝ごはんを食べる時はいつもパジャマの筈なのに、今日は既に制服を着て、今にでも家を出て学校に行きそうな雰囲気だ。

私は急いで弁当を仕上げる。

 

「姉さん、もうすぐ弁当出来るからそれまで白ごはん(・・・・)でも食べといて!」

 

振り向く暇もなくチンとなったレンジからおかずを取り出し弁当箱に詰めていく。

しかし、姉さんは朝ごはんに手をつけず、早く家を出たそうに喋る。

 

「ごめんね〜、モカちゃん今日朝ごはんも昼ごはんもいらないんだよ〜」

 

今更!?とか昨日の内に言ってよ!とか色々思う所はあったが、それこそ今更だと諦め、なんとなく予想はついているのだが、一応理由を聞く。

 

「それで姉さん、朝ごはんはともかく昼ごはんはどうするの、学食?」

 

そう聞くが、姉さんはニヤニヤしながら否定する。

 

マッちゃん(・・・・・)もう分かってるんでしょ〜?

どこで朝ごはんを食べて、そこで昼ごはんも買っていくのか。」

 

そして、姉さんは真剣な顔つきになり、オチが確定し、恐らく私が聞きたくない言葉ランキング3位に君臨するだろう言葉を発言するのだと気づき、急いで耳を塞ごうとするも時すでに遅し。姉さんが喋るのが早かった。

 

「今日はモカちゃん山吹ベーカリー(嫌いな言葉3位)で食べてきまーす。」

 

どうしても譲れないある事、それはごはん派かパン派かというものだ。

当然私─────青葉抹茶(まっちゃ)はごはん派で姉さんはパン派だ。

別にこれだけならば、ただ好みが違うで済むのだけど、姉さんは私が朝ごはんを用意しているのにも関わらず、無視してパンを食べていく。

これはあの店(山吹ベーカリー)に八つ当たりしても仕方ないのではないかと思う。

 

「姉さん!

もうどっちも作ってるから持って行って!」

 

引き留めようとするも、既にリビングを出ようとしていて……

 

「夜食べるから置いといて〜それじゃあマッちゃん行ってきまーす!」

 

そう言い残し何も手がつけられていない朝ごはんと昼ごはんだけが残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーもう最悪のスタートだよ……」

「え、いきなりあこに言われても困るんだけど……」

 

今日は羽丘女子学園中等部三年になって初めての始業式。愚痴っている相手は中学に入ってからずっと同じクラスでちょっと厨二病をこじらせている宇田川あこだ。

 

「今日も姉さんに朝ごはんと昼ごはんを無視されて行っちゃって……」

 

でもあこは厨二病患者ではあるが普段はまともな子だ。

だから気遣いはちゃんとしてくれる。

 

「ええ?!

まっちゃんのごはんとっても美味しいのに!」

 

と言った後、あこが何かおかしいと思ったのか、私に質問してくる。

 

「そのモカちゃんに用意した朝ごはんって結局どうなったの?」

 

余り言いたくは無いけどわざわざ隠す事でもないので、正直に話すことにした。

 

「わ、私が全部食べたけど……」

 

そう言うとあこは先程以上に驚いていた。

だから言いたく無かったのに!

あまりにも笑うので、私は流れを変えようといつものように厨二病ネタでいじっていく。

 

「あこの黒魔術(・・・)でパンって消せないの?」

 

そう私が聞くと、急にあこの様子が変わる。

例えると……変な方向にスイッチが入ったような感じだ。

 

「フッフッフ〜我の闇のえーと……そう!破滅(カタストロフ)の力でパンなど消し去ってくれるわ!」

 

こちらからいじっているとはいえ、同じやり取りを2年近く続けているため、飽きが来てしまう。

 

「はぁ……」

 

そう露骨にため息をついてもあこは面白い反応を示してくれる

 

「いや、そっちから降ってきたんだし反応してよ!」

 

このやり取りはココ最近の日課になりつつある事を少し悪いと思いつつもやめられない……だって可愛いのだから!

でも黒いマントを着て黒魔術の本とかクトゥルフ神話の本をを読み出したら流石に引き戻すから大丈夫……多分。

 

「そう言えばまっちゃん、昨日からのイベントのボスってもう倒した?」

 

あこはパンの話に飽きたのか、趣味のゲームの話に話題を変えていった。

私もゲームはしているが、あこ程やりこんでいる訳でも無い。

昨日からのイベントというのは、NeoFantasyOnline、通称NFOの事で、日本でかなり有名なMMORPGで私とあこともう1人の人と3人でよく遊んでる。

 

「途中までは行けたんだけど、見事に初見殺しにやられちゃったよ……

今日、一緒にNFOしてくれる?」

 

そう私が聞くと待ってました!と幻聴が聞こえる位に、ニヤリとした笑みを浮かべて即了承してくれた。

 

「しかも今日はりんりんも手伝ってくれるし、絶対勝てるよ!」

 

先程のもう1人というのが、あこが言った『りんりん』という人だ。

あこと、とても仲が良く、2人で遊びに行ったりもしてるらしい。

私は直接会った事は無いけど、3人でボイチャをしながらゲームをしている。

ゲームをかなりやり込んでいて、いわゆるランカーに名を連ねる程だ。

 

「りんりんさんが一緒なら安心だね。」

 

その後もどう攻略するかとか初見殺しの内容などゲームの話をしていると、始業式の時間になり、みんなが席に座る。

まあ青葉と宇田川じゃ出席番号が1、2と続いているから雑談は止まらなかったけど……

 

担任の先生が教室に入って軽い自己紹介、ここがアニメやラノベの世界なら昔の幼馴染や直前でアクシデントを起こした人が転校生として来るが、あいにく幼馴染と呼べる人は全員羽丘にいるし、今日の朝曲がり角で人とぶつかってもない。残念ながら転校生はいなかった。

 

 

 

 

それからは特に何も無く始業式が終わり、春休みの宿題の提出の時に後ろから「助けて〜」なんて声が聞こえた位で、いつもならあこと2人で帰るのに何故か今日は1人で帰ることになった。察してください。

 

家に着き、ゲームを開いて待っておこうかと一瞬思ったが、あこの様子を見るかぎり、夕方までは帰ってこないだろうと思い、他のことを探す。

 

「そうだ!蘭さんにもらった初めてのオリジナル曲まだ聴いてない!」

 

私は音楽に詳しい訳では無いけど、姉さんとその幼馴染がAfterglowって名前でバンド活動をしているので、偶にカバー曲を送ってくれるのだが、今回遂にオリジナル曲を作ったみたいなので聴きたい!って言ったら照れながらも録音機を渡してくれた。

 

ボーカル兼ギターで更に作詞なんかもしている美竹蘭さんによると、歌詞に普段のストレスをぶつけてるって言われて唖然としたのがついこの前の事だ。

 

でも確かに曲を聴くと、なんでも言うことを聞くような人にはなりたくないとか、自分達の足跡を残すとか、あこが聴くと目を光らせるような歌詞が並んでいた。

そして実はあこの姉さんもAfterglowのドラム担当で結構豪快な人だ。

あこもお姉ちゃんみたいになりたい!なんて言ってドラムを頑張っている。

ちなみに姉さんはギターだ。だからといって私はギター弾いてるわけじゃない。精々リコーダーが限界だ。リコーダーは吹いてるけど。

 

そんなどうでもいい事を考えながら同じ曲ヘビロテしていると、いつの間にか夕方になっていた。

 

夕飯を決めなきゃと冷蔵庫を覗きながら考える。当然主食はご飯だ。

明日の弁当事情を考えて4合ご飯を炊く。今日も両親は夜中に帰ってくるため、2人前だけでいい。

 

何にしようか悩んだ挙句、挽肉が今日までだったので、麻婆豆腐に。

作り方は簡単だ、油をかけたフライパンで挽肉をしっかりと火を通し、市販の麻婆豆腐の素や、豆腐を入れて数分焦げない程度に炒めるだけだ。

後はお好みでもやし炒めたのを乗っけたり、ごま油少し垂らしたりして完成だ。

 

しかし、いつも帰ってくる時間に帰って来ず、心配になってRainで聞いてみると……

 

『今、Afterglowのみんなでファミレスに行ってまーす。

晩ご飯いらないから〜』

 

 

この後めちゃくちゃ食ってめちゃくちゃ説教してめちゃくちゃゲームした。イベントの敵も倒せました!




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