それはそれとして、メリークリスマス故人ヒロイン!!!!
架空断章 蒼翼のレゾナンスシンガー
━━━━蒼い、蒼い月が、夜空に輝いていた。
「……」
初夏の涼し気な夜風に晒されながら、それを見上げる少年が一人。
━━━━彼の名は、天津共鳴。
その眼には、輝く月のヒカリに重なって思い浮かぶ影があった。
「……竜子さん。」
━━━━呟くその名こそ、彼に掛けられた
「━━━━《手の届く総てを救う》という理想。それを……キミは俺に贈ってくれた。
……そのお陰で、俺は今、皆と共に此処に居る。だけど……もし……」
━━━━それは、零してはいけない言葉だ、と少年は自戒するだろう。
だが、
だからこそ、少年は願う。願ってしまう。
━━━━
「……有り得ない仮定だ。死者は戻らない。例外があったのは……最後の奇跡が揃ったからこそだ。」
━━━━だが、彼女にそれは無い。彼女が死んだのは人々の無自覚な悪意の坩堝の果てであり……
青年は流れぬ涙を零し、空を見上げる。届かぬ手を伸ばし、それでも、と……
◆◆◆◆◆◆◆
━━━━ギャランホルンの音色が鳴り響く。
それは、終わりの始まり。
「━━━━ギャランホルンのアラート、だとォッ!?」
━━━━音色に呼ばれ、共鳴達が辿り着いた可能性は、双翼が欠け、蒼翼と歪みながらも共に飛ぼうとする世界。
「……貴方は、あの日、助けてくれた……」
「━━━━キミ、は……」
「翼……?嘘だ……!!翼はあの日、天津とかいう奴と一緒に黒いノイズに殺された筈だ……!!」
「奏……そう……この世界の私は、あの日に……総てを出し切って、歌ったのね……」
━━━━未だ拙き蒼き月は、その拙さを握って、それでもと立ち上がる。
「響ちゃんは……どうして、私を手伝ってくれるの?」
「その……私も、お兄ちゃんに助けてもらったんです。それに、新人装者の辛さとかは、私も分かるつもりなんです。」
「あ、そっか……もしかして、そっちの世界だと、響ちゃんが三番目の装者だったの?」
「あっ、はい!!そうなんです!!」
「……そっか。そういう……事だったんだ。
━━━━だったら、今度は私が……」
「ふえ……?どうして頭を撫でるんですかー!?」
━━━━されど、黒き
「クッ……!?イグナイトモジュールが、暴走する……!!」
「あの黒いノイズ……負の想念を加速させるのか!?」
「━━━━共鳴さん、危ない!!」
━━━━蒼翼と、叢翼と。出逢う筈が無かった。出逢っては行けなかった彼と彼女達。
「ありがとうございます。共鳴さん。あの日、私は貴方に命を救われました。」
━━━━それは、二人が出逢ったあの日にまで遡る、因果の涯。
「━━━━だから、今度は、私が貴方を助ける番。
行こう、【
「━━━━絶唱。イグナイトモジュールで打倒出来ずとも、あの日の翼さんのように度外視した一撃でなら、アイツは……アイツ等だって……!!」
「━━━━ふざけるな……ふざけるなッ!!
約束……したんだ……ッ!!
《手の届く総て》ッ!!救って見せるとッ!!決して……決してッ!!」
「キミを救うッ!!奏さんを救うッ!!みんな……みんな救ってやるッ!!
だから……
「━━━━うん!!行こう、お兄ちゃん!!今度は、私達がッ!!」
━━━━空に、歌が響く限り。彼は死なない。
━━━━そして、彼は決して諦めない。手を伸ばす事を。
━━━━手の届く総てを、救う事を……ッ!!
「……ありがとう、竜子さん。俺は、キミに何度も救われた。」
「……ありがとう、共鳴さん。私は、貴方に二度も救われた。」
━━━━蒼き月は、今宵も空に輝く。遥けし遠き世界では喪われた、まろやかな姿で、光を放つ……
━━━━コレは、いつか訪れる筈の未来の物語。
だからきっと、コレを見せた事こそが聖夜の奇跡。
━━━━さぁ、こんな未来を掴む為に。
飛んで行って、彼女を抱きしめる為に。
共に行きましょう、■■■■。
欠けた遺跡の深奥の、暗く静かな海の底で、私は……貴方を、貴方だけを……待っています。ずっと、ずっと……