仮面ライダーエグゼイド Fatal Death Game SAO(停止中) 作:パラドファン
後アナザービルドのベストマッチの弓道と水泳って弓道(電車)と水泳(海賊)だったのかな?
「お疲れ、エム」
「そっちもお疲れ、パラド」
スカルリーパーとの戦闘終了後、エムはパラドと労いの言葉を交わすとレバーを操作し変身を解除した。
そうして一息ついたエムに、オレンジプレイヤーの少女が問いかけた。
「あんたたちいったい何者? ……あいつらとは違うみたいだし」
「あいつら……? ここには君以外にもプレイヤーが居るのかい?」
「ええ……」
それだけ、ぎこちなく答えると少女は、さっと踵を返し立ち去ろうとする。
「それじゃ……助けてくれて、ありがとう」
「あ、待って!」
立ち去ろうとする少女をエムが呼び止める。
「何? ……まだ何か用?」
「いや……まだ聞きたいことがある。ここはいったい何処なのか」
「あなた、わたしに話しかけて何とも思わないの? わたしのカーソルみたでしょ。」
少女の発言に、少し間を開けてエムが答える。
「うん。……オレンジだ」
「あなたはどうも思わないの? ……なんで、普通に話しかけられるの」
「なら、なんで君が何でオレンジカーソルなのか……聞いたら答えてくれるかい?」
エムの問いに、少女は少し悩むような素振りを見せて、やがて重く言葉を紡いだ。
「…………人を、殺したから」
「「……!?」」
少女から明かされた衝撃の事実に、二人は思わず言葉を失う。
それを見た少女が、少しだけ寂しそうな表情をして、突き放すように言ってきた。
「これでわかったでしょ? わたしとは関わらない方がいい」
またも立ち去ろうとする少女に、手を伸ばしたのはキリトだ。
「ちょっと待ってくれ!」
「……言ったわよね。わたしとは、関わらない方がいいって」
差し伸ばされる手を拒むように振り払う彼女に、キリトは尚も縋る。
「エムの質問に答えてくれないか? 関わる関わらないにしろ、最低限の情報は欲しい」
そんなキリトの様子に少女も観念したか、ポツポツと話し始める。
「……ここのことはよくわからない。わたしは一か月前に飛ばされてきたんだけど……生き残るのがやっとで、ほとんど探索できてないから」
「一ヵ月!? まさか、ここは《クリスタル無効化エリア》……」
キリトの反応に、エムは即座にアイテム欄を探る。
そして転移結晶を取り出して、タッチをする。クリスタル無効化エリアならば、ここで使用不可能のログウインドウが出てくるのだが……。
「……? あれ、普通に使える?」
通常通り、音声認識でない場合の階層や場所の指定を求めるログウインドウが出現し、使用が可能であることが分かった。
「ここの階層とかはわからなくなってるけど、アイテムやメッセージは普通に使える」
ならば、と二人は思った。
彼女の装備等を鑑みても、ここに来たのが一か月前だとするならば、その頃には回廊結晶は無理でも転移結晶は各プレイヤーが二、三個は所持している筈なのである。
「転移結晶を持ってないだけなら、余分に持ってるから、それを分けられるけど……」
「遠慮するわ」
エムの提案は即座に拒否される。
「……君には何か、事情が――」
そう問おうとしたその時、エムの声を掻き消すように周囲に謎の電子音声が響き渡った。
『《ホロウ・エリア》データアクセス権限が解除されました』
「……なんだ、今の?」
謎の音声に、何かあるのかと周囲に気を配るが、何か起こる気配もなく、突如少女が叫んだ。
「あなた達、それ!」
少女はエムとキリトの手を指差す。
見ると、二人の手に謎の光輝く紋様が浮かび上がって来ていた。
「何だこれ!?」
「これは一体……?」
「ちょっと見せて」
少女は急いて、キリトの手を取り輝く紋様を観察し始める。
「似てる、あれに……」
「君はこれを知っているのかい?」
似てる、そう漏らした少女にエムは尋ねる。
何か分かれば、この場所をことをもっと知ることの出来るチャンスだ。
「これと同じ紋様がある場所を知ってる」
「本当か、ならそこに行けば何かわかるかもしれない」
「確かに、行ってみる価値はあると思う」
少女の答えに、キリトとエムは彼女の言う場所に向かうことを決める。
「よかったら、この紋様と同じのがある場所まで案内してもらえないかな?」
エムが聞けば、少女はまたそれを拒絶しようとする。
「信じるの? 私はオレンジ……レッドなのよ。」
対しエムは、少女に向けて穏やかに微笑む。
「僕には君が好きに人を殺すようには見えない。何かやむを得ない状況になって、それで殺してしまったんじゃないかな?」
「なんで、そんな風に思えるの?」
「……人を殺したっていうんだったら僕らも同じことをしたことがあるから」
――言って、僕は思い返す。あの最悪の日のことを。
「え……?」
「ラフィン・コフィン……知ってるよね?」
「え、ええ。最悪のレッドギルド……」
「そう。彼らの討伐作戦には僕らも参加した。命と命のやり取り、言葉にすれば響きもましになるけど……実態はそんなものじゃない」
――ラフコフの連中は、SAOで生まれた狂気の集合体のような連中だった。
「醜く命を奪い合う、本当に凄惨なものだった」
――理由もなく、ただ快楽を満たすためだけに大勢の命を奪った連中と、目の前の少女は明らかに違う。
「君が僕らを拒絶するのは、奪ってしまった命と向き合うのが怖いから……誰かといると怖くなってしまうから、違うかい?」
――彼女は僕らを拒絶した。怖いから、そう思えるのなら彼女は僕らと同じだ。
「俺もキミが人を殺すようには思えない。さっき俺達と一緒に戦ってくれたし、充分信頼できる」
キリトも、先までのエムの言葉に同意するように少女に向かって微笑んだ。
微笑みを受けた少女は少し困ったように、やがて渋々と二人の提案を了承する。
「わかったわ。その紋様と同じのがある場所まで案内してあげる」
「本当に! ありがとう」
「別に。わたしも気になるから、一緒に行くだけ」
「……そっか」
素っ気無い返事だが、これで一歩前進か……。
エムは内心でそうごちて、出発の呼びかけをしようとしたところで、ふと口籠る。
「それじゃあ、行こうか。……えっと」
「……フィリアよ」
名を呼びあぐねていると、少女からため息交じりに自己紹介が入る。
「僕はエム。よろしくね、フィリアさん」
よろしくと声を掛ければ、少女――フィリアはこくりと頷く。
「俺はキリト。よろしく、フィリア」
「……よろしく」
続くようにキリトも声を掛ける。すると、今度はぼそりとながらもフィリアも答えた。
「さ、案内するわ。行きましょう」
◆◆◆◆
フィリアが導く場所まで向かう道中、幾度か出現したモンスターとの戦闘になることもあったが、いきなりスカルリーパーが現れてくるといった危機的状況などは起こらず、比較的安全に進んでいた。
その道中で、ふとフィリアがエムに問いかける。
「……そういえば、エムだっけ? あなた、姿が変わったり増えたりしたけど……あれは一体?」
「え、ああ……」
姿が変わったりとはライダーシステムのことだろう。
簡潔に説明するには……と少し言葉を探り、やがて思考を終えて口を開く。
「さっき僕の姿が変わってたのは、《仮面ライダー》に変身したからだよ」
「仮面ライダー……って、あの?」
「うん。フィリアさんが思ってる通りだと思うよ」
血盟騎士団の《仮面ライダー》と言えば、アスナの閃光の名にこそ劣るがそれなりに通る名だ。
実際、エムにそのことを聞いたフィリアも驚きで目を見開いている。
「じゃあ、あなたが血盟騎士団の副団長なのね」
「そう。……でも、今はギルドごとの攻略っていうよりもみんなで協力し合って攻略を進める方向にシフトしたから、形だけだけどね」
現在、攻略組を実質的に率いているのはアスナ。
その方針もあって、その他各ギルドのトップがサポートに入る形で攻略組を一括で指揮している。
「へえ……、いがみあってばかりだと思ってた」
「ああ、フィリアは今、SAOがどうなってるのか知らないのか」
フィリアが《ホロウ・エリア》に囚われたのが一か月前。
攻略組が七十六層に到達したのが一週間ほど前では、フィリアは最新の情報はまるで持っていないのであろう。
「……どういうこと?」
「そのことについてはおいおい話すさ。今は、ここのことが気になる」
「……そうね」
フィリアは気にしたげだが、代わりに話題を変える。
「……それで、仮面ライダーってなんなの?」
「あ、それは俺も気になるな。エムに詳しく聞いたことなかったし」
フィリアの疑問にキリトも乗り、少し長くなる説明を強いられるエム。
「うーん、覚えてるかな? 七年前に《仮面ライダークロニクル》ってゲームを巡って起こった問題があって、それを解決するために用意されたのがライダーシステムなんだ」
「仮面ライダー……」
「……クロニクル?」
キリトとフィリアが共に首を傾げる。
「まぁ……そうだよね、二人とも十歳はいってなかっただろうし覚えてなくても当然か」
これが時の流れか、とエムが憂いているとキリトが説明を急かしてくる。
「それで、その仮面ライダークロニクルっていうのは?」
「《仮面ライダークロニクル》、史上最悪のサバイバルゲーム。前後の事件を含めて、犠牲者は数千人にも及んでる」
「そ、そんなに……」
フィリアが驚きの声を上げる。
まぁ当然だろう。千単位の被害となると国内外においても相当のバイオテロ事件となるのだから。
「まあ、多分そろそろ犠牲者の人たちを蘇らせる方法も一般化できるはずだから……」
「どういうこと?」
「詳しくは、あんまり言えないけど……もうすぐなんだ」
「「へえ……」」
二人の声が重なる。
淡白な二人の反応に、これは二度目は無いなと内心ほっと息吐くエムだった。
「さ、早く行こうか」
思えば、話し始めてからは足も遅くなっていた。
◆◆◆◆
更に進んだ道中。
今度疑問の声を上げたのはキリトだった。
「しかし、ここははいったい何なんだ? 階層も表示されないし……」
メニューを開き、キリトは各画面を操作するが、一向にこのフィールドの情報は出てこない。
「ここは《ホロウ・エリア》って呼ばれているらしいわ」
「《ホロウ・エリア》……?」
アナウンスにもあった名前だ。
「二人はどうやってにここに来たか、覚えてる?」
と、フィリアが問うので、二人は少し前の出来事に記憶をさかのぼる。
「ええと……。ダンジョン探索中に急に光に包まれて、気がついたらこのエリアに転送されたんだ」
「ああ、転送される感じはどことなく回廊結晶のコリドーに似ていたな」
蛇足気味の補足をキリトが付け加えるが、結果フィリアはキリトの方は無視して考え込む。
「突然転送された……か。わたしも同じ。ただ違うのは……その手に浮かんでいる紋様」
言って、フィリアはキリトとエムの手に浮かぶ紋様を凝視する。
「フィリアさんには、この紋様は無いみたいだね」
「ええ。というか、ここでそんな紋様のあるプレイヤーなんて見たことない」
ふと、そんなことを言うフィリア。
プレイヤーと言うからには、このエリアにはフィリア以外にも誰かいるのか……それをキリトは問うた。
「え? ここには、フィリア以外にもプレイヤーがいるのか?」
「……ええ。でも少しおかしなところもあるというか……」
「おかしなところ?」
エムが首を傾げる。
――おかしなところとは、一体……?
「説明が難しいの。実際に会って説明した方がいい」
「わかった。そうしよう」
一先ずとそれで納得したエムだが、同時に別の疑問が湧いて出る。
「ところで、今僕たちはどこに向かっているかな?」
何も言わずとフィリアに同行しているキリトとエムだが、今更ながらに行き先への疑問が湧いたのだ。
「ほら……あそこに見えるでしょ?」
答えたフィリアが手を向けた先、深い森の木の切れ目にフィールドには似ても似つかない、巨大な黒い球体が浮遊して存在するのが視認できた。
「あの球体か。フィリアは中に入った事はあるのか?」
「いいえ、入れないの。でも……二人がいれば入れる気がする。その手の紋様と同じのが描かれていたから」
「なるほど。……きっかけはスカルリーパーを倒した事みたいだったけど、一体何がフラグだったんだ?」
考察するエムだが、噴出する疑問を解消は出来ずに考察はそこで打ち止めとなる
「でも、わたしには紋章が出なかった。二人が取っているスキルに関係があるんじゃない?」
「こんなことが起こるスキルなんて聞いたことないぞ」
「強いて言うなら、キリト君の二刀流だけど……今は使えないし」
ライダーシステムはスキルではないし……と、やはり考えても無駄となりそうだ。
と、その時だ。周囲に先ほどと同じように謎の電子音声が響き渡る。
『規定の時間に達しました。これより《ホロウ・エリア》適正テストを開始します。』
「い、いきなり何?」
「な、なんだ今このアナウンスは?」
驚くフィリアとキリトの二人だが、エムは冷静にアナウンスを分析する。
「規定の時間、適正テスト……。フィリアさんは何かわからないかな?」
一か月間、このエリアにいるフィリアなら何かわかるのではないかとエムは尋ねる。
「わたしに聞かれても困る!」
が、フィリアにもテストの詳細はわからない模様。
「適正テスト……とか言っていたよな」
「ええ……確かに、そう聞こえたわ」
「もしかしたら、あのスカルリーパーもそのテストの一環だったのかもね」
「だったら話は早いな。モンスターを倒せば、フラグが建ってくなんて解り易くていい」
エムの言葉に反応して、キリトは笑みを浮かべる。
元々頭脳派ではないのだから、モンスターを狩る方が自分には適している――そんな考えからだろう。
「そうだね。頭を捻るのもいいけど、僕らにはコッチの方が性に合ってる」
今度はエムが、キリトに同意するように言うと、フィリアが点で呆れたようなポーズを取る。
「……こんな時に、よくそんな前向きになれるわね」
「この状況でテストとやらを回避出来るとは思えないし。それに未知のフィールドってなんかワクワクしないか?」
「それに僕とキリト君がいれば、テストなんて余裕さ」
二人の発言に、フィリアは呆れの色をより強くする。
「……お人よしなのかと思ってたけど、あんた達ってただの戦闘バカだったのね」
ふと、そんな言葉が漏れるがテンションが上がっている二人には届かない。
「ん? 何か言ったか?」
「別に、なんでも……」
フィリアの答えに、そっかとキリト。
エムの横に並び立ち、互いに戦闘狂のゲーマーらしい笑みを浮かべる。
「じゃあ、さっさとあそこまで行こうぜ! エム!」
「ああ!」
「「超キョウリョクプレイで、クリアしてやるぜ!!」」
「……ばかみたい」
背後からのフィリアの声も、やはり二人には届かない。
◆◆◆◆
適正テスト、といっても割に簡単なもので道なりに進みつつ現れる敵を倒していくといったものだった。
それなりに強いモンスターが現れ、フィリアとしては策を練ってから、と行きたかったのだが――ゲーマースイッチの入ったエムとキリトの戦闘狂コンビによって凄まじい速度で倒されていき、道は終端、残るはボス一体となってしまった。
「お、あれがラスボスか」
他のモンスターよりも二回りほど大きい体躯に、身の丈以上の巨大な斧を装備した牛の獣人。
ボス特有の《the》という定型詩を纏わせたボスの名は《マッスルブルホーン》。
「よし、いくぜ!」
事前準備も、作戦もなしにボスに挑もうと剣を構えるエム。
流石にそれは、とフィリアが制止する。
「何だよ、一気にボスを倒してゲームクリアと行こうぜ」
スイッチが入ったからか、何やら口調まで変化している様子のエムに、フィリアはもう何も言うことはないと頭を抱えた。
「本当、バカみたい…」
そんなフィリアのボヤキをさておき、エムはゲーマドライバーと二本のガシャットを取り出した。
『マイティアクションX ゲキトツロボッツ』
ゲームエリアが展開され、周囲に極彩色のアイテムが散らばる。
「大・大・大変身!」
変身の掛け声とともに、ゲーマドライバーのスロットにガシャットを刺して、レバーを展開。
『レベルアップ! マイティジャンプ! マイティキック! マイティマイティアクションX!』
レベル2の姿を取ったエムに、ロボットゲーマが噛みつくように合体する。
『アガッチャ! ぶっ飛ばせ! 突撃! ゲキトツパンチ! ゲキトツロボッツ!』
レベル3へと変身したエム――エグゼイドは、ボスに正面から相対するといつものように宣言した。
「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」
隣に立つキリトも剣を抜き、スキルの構えを取る。
「行くぞ、エム!」
「おう!」
溜めを解放したキリトが上級剣技《ヴォーパルストライク》で一気にボスの懐まで飛び込む。
続くように、エグゼイドも一気に加速し左拳を振るう。
「これ…私手伝う必要ないかも…」
フィリアは、そんな二人をただ茫然と眺めていた。
◆◆◆◆
「喰らえ!」
『HIT!』
エグゼイドの左腕の強化アームによる一撃がボスのHPが減少させる。
「流石! 俺も負けてられないな!」
続くようにキリトも《メテオストライク》を始動させる。
打撃と剣戟を合わせた七連撃をボスが捉え、硬直状態となったところに、ボスが斧を振りかぶるが、カバーに入ったエムがキリトに命中するより早く斧を殴り飛ばす。
「一気に決めてやる!」
『ガシャコンブレイカー!』
エグゼイドはガシャコンブレイカーを呼び出し、パリィによってがら空きになったボスの胴へと剣と強化アームによる連撃を叩き込む。
ダメージにより一時行動不能状態となったボス。
畳みかけるべく、並び立つキリトに向けて、エグゼイドは声を張る。
「キリト! フィニッシュだ!」
「ああ!」
キリトはソードスキルのモーションを開始し、エグゼイドはゲキトツロボッツをキメワザホルダーへと装填し、スイッチを押す。
『GEKITOTSU CRITICAL STRIKE!』
必殺技の発動と同時、一気に拳を振り抜く。
ロボッツアームが射出され、推進力でボスを空へと打ち上げる。
「まだだ!」
追撃と、手にしたガシャコンブレイカーにマイティアクションXを挿す。
『MIGTHY CRITICAL FINISH!』
必殺技を起動させ、エグゼイドは跳躍する。
打ち上げたボスへ叩きつけるように剣を振るい、地面へ叩き落とす。落ちたボスは地面で構えているキリトのもとに、そして満を持してキリトは片手剣最上位スキルの《ノヴァ・アセンション》を放ち、見事ボスはポリゴン片へと変わる。
『《ホロウ・エリア》適正テストのクリアを確認しました。承認フェーズを終了します』
クリアを示す電子音声が鳴り響き、それを聞いたエグゼイドとキリトが拳を振り上げる。
「よっしゃ! ゲームクリアだ!」
「案外、呆気なかったな」
「いや……あんた達がおかしいだけ」
クリアを喜ぶ二人に、呆気にとられたとばかりのフィリアのツッコミが突き刺さる。
◆◆◆◆
エリアボスを倒し、承認とやらを得られた三人が向かうのは、先ほどフィリアの指し示した謎の巨大な球体。
「……あれよ」
深い森を抜け、少し開け場所に出た三人。
その奥をフィリアが指差し、エムとキリトがその方を見る。そこには、キリトとエムの手に浮かんでいる紋様と同じ紋様が描かれている石碑が浮かんでいた。
「確かに、僕たちの手の紋様と同じだ……」
「これがあの球体に入る装置だと思う。試しに、手を触れてみて?」
フィリアの指示にこくりと頷いた二人は、浮遊する謎の石碑に手を触れさせる。
直後、石碑が光輝き、同様にキリトとエムの紋様も光輝く。
「……やっぱり、関係があったのね」
「みたいだな」
「多分、これであの球体の中に入れると思う」
「よし、それじゃあ行こうか」
提案を二人がこくりと首肯し、エムは石碑に手を触れながら言った。
「転移」
通常の転移門同様に、音声認識によりシステムが起動して三人は光に包まれる。
一瞬の浮遊感の後に光が晴れると、三人の前に見たこともないようなエリアが広がっていた。
「これは、いったい……?」
「球体の中は、こんな風になってたのね」
アインクラッド全景を写すホログラムに、ホロウエリアのマップデータを写す電子画面。
その他コンソールに囲まれた不思議な異空間とも称すべき場所が、球体の中の正体だった。
「《管理区》……。ここでホロウエリアを管理してるのか?」
周囲を調べる中で、コンソールを調べるキリトが言った。
「実装……? エレメント……? 何なんだ、これ?」
訝しみながら、試しとばかりにきりとがコンソールを操作する。
すると、再度電子音声が辺りに鳴り響いた。
『アクセス権限者を確認しました。転移システムの認証を解除します』
――アクセス権限? エムがまた考察に入ろうとするが、その前にフィリアが叫ぶ。
「こっちに来て!」
なにやら発見したのか、取り急ぎキリトとエムがフィリアの元へと向かう。
「何かあった!?」
「……これ、転移門かも? 少し見た目が違うけど……」
フィリアが指し示すもの、それは確かに形が多少異なれど転移門のそれだった。
「本当だ。これでフィリアさんもここから出られますね」
喜ぶエムだが、対してフィリアの表情は硬い。
「どうしたんだ、フィリア?」
キリトが聞いても、フィリアは頭を振るのみ。
「フィリアさんは一緒に行かないんですか?」
「戻ったところで、わたしはオレンジだから警備NPCに街から追い出されちゃうから……。だから、あんた達だけで帰りなよ」
「……わかった。それじゃ俺たちは一旦帰るな」
「多分僕たちが戻れば、向こうでもここと繋がるはずだろうし、また来るよ」
「その時は、わたしにメッセージを頂戴。ここにいるようにするから」
「わかった、その時は……またよろしく」
「うん」
最後にそう言い残し、キリトとエムは光の中に消えていった。
「……またな、か」
一人となった管理区。
そこで、フィリアは転移門の前に立つ。
「転移……」
通常なら、光に包まれ指定した場所に飛べるはず。
――しかし、
『システムエラーです。《ホロウ・エリア》からは転移出来ません』
無情にも、システムという壁に阻まれてしまう。
「やっぱり転移出来ない……わたしってなんなんだろう……」
一人孤独の嘆きが、ホロウ・エリア管理区に弱く木霊した。
次回はおさらいなので予告無しです。
ちなみにフェイタルバレットでヒーロークエスト森林の交戦で世界55位(ユウキでは一位)取りました♪
此処からは懐かしき再開です。
どうも、知ってる人はお久しぶり、知らない人はこんにちは。《クマさん》でございます。
垢BANされてから久しく消息を絶っていましたが、現在はパラドさんの監修という立場に落ち着きつつあります、どうも僕です。
久しく筆を執ることはなく(大嘘)穏やかに受験勉強に勤しんでいましたが、まあ衝動が抑えられぬとパラドさんに場をお借りして、つらつらと書き連ねているわけですが、せっかくですし何かやりましょう。
――ということで、こんなコーナー始めたいと思います。
~SAO ゲームシリーズ解説~
この作品はSAOのゲーム作品とのクロスオーバーということで、わからないという人の為に軽く解説をしておきたいなという思いから、このコーナーを思いつきました。
ということで第一弾、早速やっていきましょう!
現在、SAOゲームシリーズは五周年を迎え、先日も様々な発表が為されましたが、今回はその第一作目《ソードアート・オンライン ~インフィニティ・モーメント~》(以下、IM)を解説していきましょう。
IMは、SAOゲームシリーズ第一作目として2013年にプラットフォームを今や懐かしのPSPで発売された作品となります。
話としては今作(SS作品の方です)と同じく原作のアインクラッド編の最終決戦が謎のシステムエラーにより中断され、キリト達が七十六層から改めて百層までを攻略していく、といったものになります。
ゲームシステムとしては一昔前のMMORPGにアクション要素を足したARPGと言ったもので、キリトをメインにその後のゲームにも受け継がれた様々な武器アクションでゲームを進めていくことができるものになります。
また、SAOのゲームシリーズは毎度の如く《ギャルゲー》と称されるように、IMでも主要ヒロイン・凡用ヒロインの差あれど大体のNPCキャラを攻略することができます。
現在では中古販売店等でも見かけることは少ないですが、旧来のMMORPGの雰囲気を味わいたい方には是非お勧めの作品です。
ただ、グラフィックが古めという点とアクション要素が少ないという点から、リメイク版である《ホロウ・フラグメント》を始めるのもありだと思います。
ではまた次回のお話でお会いしましょう。クマさんでしたm(__)m