恋姫†無双 七天の御使い   作:にゃあたいぷ。

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・張勲:七乃(ななの)
 袁術の片腕、袁術軍を実質的に掌握してる人物。
・雷薄:二実(つぐみ)
 袁術配下、張勲派閥。主に武官として活躍している。
・雷緒:影実(えみ)
 雷薄とは双子の妹、袁術軍に名が記されていない人物。

・楊宏大将:四ツ葉(よつば)
 袁術の懐刀、張勲に次ぐ側近。
・程立仲徳:(ふう)
 楊宏の居候。
・李豊:三日月(みかづき)
 袁術配下。特に名言していないけども楊宏派閥。

・袁姫:結美(ゆみ)
 袁術の妹、表舞台には姿を現さない。
・閻象:五色(ごしき)
 袁術配下、侍女として代々名門袁家に仕えている。


包の三日天下・弐   -袁術軍

 美羽(袁術)様に近寄ってくる者の全てが敵だった。

 まだ私、七乃(張勲)が美羽様の片腕として認識される前、今以上に幼かった美羽(みう)様を丸め込んで自らの傀儡にしようと企てた袁家の者達がこぞって集まったのが今の袁術軍の前身になる。血筋の正当性を根拠に袁術側に付く物好きも多かれ少なかれ存在していたが、美羽様を好んで袁術側に付いた者は私以外に誰一人として存在しなかったに違いない。少なくとも四ツ葉(楊弘)は血筋の正当性を理由に袁術側に付いた口であり、六花(紀霊)は皆が袁紹側に付いてしまったら可哀想だからという物好きに分類された。

 仮にも主君である美羽様を、甘言を用いて我が手足の如く扱おうとする側近の厚かましさに嫌気が差した者達のほとんどが袁紹軍へと流れていき、また能力よりも賄賂の方が重視されてしまう組織体に自らの実力に自信を持つ者達が袁紹側に付いた。

 そんな有様であるから袁術軍と袁紹軍では実力に差がある。

 結果的にではあるが名門袁家に根付いていた癌は全て、袁術軍が引き取る形になり、残った者達で新たに勢力を立ち上げたのが今の袁紹軍だった。粛清を行うこともなく、見事に患部のみを切除した形での独立を果たした形になる。

 つまりまあ名門袁家の悪い部分のみを残した袁術軍は、どうしようもない、というのが私の本音だった。

 

 今より三週間前、

 私と四ツ葉(よつば)の元に告白書が届いた。

 告発者は魯粛、知らない名前だった。何枚にも重ねられた紙にはぎっしりと文字が綴られており、その全てが名門袁家にまつわる数々の汚職と、その汚職に関する証拠の在り処であった。すぐに私は手の者を用いて告発書の内容を確認させると、その告白書に書かれた情報が全て正しいという結論に落ち着いた。

 

 そして一週間後(今より二週間前)、私と四ツ葉は決断に迫られる。

 私の屋敷、完全に防諜を整えた環境で机の上に置かれた告白書を二人で睨みつけながら唸り声を上げていた。

 この告発書に対して、私と四ツ葉の意見は完全に食い違っていた。この機を逃したら次の機会はない、という私の粛清論に対して四ツ葉は、此処に書かれている者全員を処分すれば袁術軍が回らなくなる、という意見を返す。事実、四ツ葉の意見は正しくて、魯粛の告発書に書かれた人物は袁術が抱える官吏の半数を超えている。中には汚職の元締めの名前まである始末だ。故に四ツ葉は袁術軍の体裁を保つためにも、段階的に粛清をすべき、という提案をする。少なくとも元締めを一人、処分してやるだけで汚職を抑制することができる、というなんとも能天気な意見であった。

 私の考えは彼とは違っている、あいつらは汚職の専門家であり保身の権化だ。時間を与えるとあの手この手を使って抜け道を見つけ出すと絶対的な防壁を築き上げるに違いない。故に今しかない、まだ防衛線を築いていない今、粛清の炎を用いて一気呵成に奴らを根絶やしにするべきだ。

 別に全員を粛清する必要はない、と四ツ葉はあくまでも穏健的な姿勢を崩さない。無法地帯になっているのは犯罪を取り締まる者がいないからだ、きちんと犯罪を取り締まる者がいれば自ずと犯罪も減る。と彼はお優しい言葉を口にするのだ。

 いずれにしても粛清には準備が必要であり、その根回しのために私達は分かれて動くことになる。

 結論は粛清の準備が出来てから改めて意見を交わしてから出すことになった。

 

 四ツ葉には城外、私は城内。

 護衛として六花(紀霊)を連れた四ツ葉が城を出て行ったのを見送った私は、二人の人間を屋敷に呼び出した。

 一人は雷薄、真名は二実(つぐみ)。袁術軍では武官として名が知られる少女、袁術軍の中では兵を纏めるのが上手いと言われている。もう一人は雷緒、真名は影実(えみ)。雷薄とは双子の妹であり、彼女は袁術軍の人物表には名を記されていない人物だ。

 二人共に私個人に忠誠を誓ってくれる人物であり、私個人の意見を聞き入れてくれる数少ない味方だった。

 

「ねえねえ七乃様、私達を呼び出すってことはまた悪いこと企んでるんだよね? 次はどんなことをしでかしちゃうの?」

 

 目を輝かせながら身を乗り出す妹に、こら、影実! と二実が声を上げる。

 

「ちゃんと敬語を使いなさい、それにはしたないわよ。七乃様、いつも妹が無礼で申し訳ありません」

 

 深々と頭を下げる二実に、ふーんだ、と影実が不貞腐れた顔で乱暴に椅子へと座り直す。

 

「二実ったら固すぎるのよ。それに、ちょーっと私よりも生まれるのが早かったからってお姉さんぶらないで欲しいんだけど?」

「たった数十分でも私の方が生まれるのが早かったんだから私がお姉さま、妹を立派な淑女になるように世話を見るのが姉としての務めよ」

 

 それに呼び捨てはやめなさいって何時も言ってるじゃない、と付け加える姉に影実は目を逸らしたままだんまりを決め込んだ。

 こんな二人ではあるが無能ではないのだ。孫家の将とは比べものにならないどころか、袁紹軍の両翼である顔良と文醜の足元にも及ばないが――それでも袁術軍においては貴重な使いようのある人間だった。

 私は手を叩いて、二人の注意を引いてから用件を言い渡す。

 

「これから袁術軍の塵を一掃したいと思います。犯罪者は獄を抱かせ、悪党は労役を課し、塵屑は処刑台にて吊るしましょう」

 

 楊弘を城から追い出したのは邪魔をされないためだ。

 あのお人好しは倫理と道徳を優先し過ぎる癖がある、故に合理的な思考を損なわせることが多々あった。

 粛清は躊躇してはいけない、粛清をする時は徹底しなくてはならない。後に禍根を残してはならない、仮に禍根を残したとしても自然淘汰される程度には徹底して力を削がなくてはならないのだ。それに下手に余力を残させてしまった結果、死に物狂いで反抗された時が最も厄介であり、そうなってしまった時の損失は膨大なものになる。そして今でさえ瀬戸際にある袁術軍には、その内部抗争に耐えきるだけの体力がなかった。

 そんな合理的な結論とは別に、私は純粋に塵屑達のことが気に入らなかった。楊弘も気に入らないが彼はまだましだ。彼は美羽様に忠誠を誓わずとも、美羽様のことを想っての行動であることは分かっている。

 だが塵屑めは、あろうことか美羽様を手篭めにすることに躊躇しなかった。まだ子供もできない年齢から既成事実を作ってしまおうと考えた人間以下の屑がいて、子供の内から快楽漬けにして何も考えられない傀儡にしようとした塵がいた。

 故に私は確信を持って天へと問いかける。

 

 塵屑を殺すのに理由が必要あるのでしょうか、と。

 

 名門袁家の癌を身を切るように摘出する、一切合切の全てを悉く殺して殺し尽くせ。

 これから始めるのは南陽郡を血で濡らす大粛清の始まりだ。但し、美羽様の玉座は汚させない。何故なら彼女には豪華絢爛、我儘放題、ド派手で頭が悪そうな黄金色こそがよく似合うのだ。

 与えられた期間は一ヶ月間、兵法の極意である拙速を尊ぶの真髄を見せて差し上げます。

 

 進む道を血で舗装する誘いに「喜んで!」と快諾する雷姉妹。

 粛清を終えた時、袁術軍は一時的な機能不全に陥るだろうが生き残れば問題ない。

 どんな無茶無謀も生きてさえいれば、どうとでもなる。

 

 

 首が飛んだ、幾つもの首が地面に転がる。

 ただ死刑を通告するだけの裁判を経て、翌日、また首が飛ばされる。

 城壁の外に文字通りの首塚が築き上げられて、少し離れた山の麓に胴体が糞尿と共に埋められた。疫病が蔓延しないために木屑と共に燃やされたが、果たして何処まで意味があるのか分からない。

 張勲の粛清は怒涛の勢いと呼ぶに相応しく、たったの二週間で処刑の段取りから執行に至るまでを終えてしまった。彼女の抑止力である四ツ葉が居ないにしても、ここまでの速度を誰が予想したか。誰が予測できたのか、全ての咎は張勲に集束する、何故なら袁術は彼女の傀儡なのだから。全ての罪は張勲に集められる。後はもう計画書にある通り、淡々と、粛々と、獄に閉じ込められた反逆者を粛清していくだけだった。

 その凄まじさに私、李豊は、三日月(みかづき)は震えずにはいられない。その悍ましさは私の許容範囲を遥かに超えている。死臭がする、血の臭いが収まらない。その様相は正に地獄と呼ぶに相応わしい有様であった。

 最早、まともではないと感じた私は筆を取った。

 次は私かも知れない、助けて欲しい、と震える手で手紙を書き綴る。

 

「やめておいた方が良いですよ?」

 

 ひゃんっ! と誰かの声に悲鳴を上げながら振り返ると、扉の前には頭に人形を乗せた少女が飴を舐めながら立っていた。

 

「李豊さん、もしも何かが起きた時、貴方を頼れと楊弘さんから聞いています」

 

 不躾にも無断で私の屋敷へと上がり込んだ少女は、なに食わぬ顔で部屋を見渡しながら歩み寄って来た。

 一応、知らない仲ではない。とはいえ彼女のことを詳しく知っているわけでもない。言葉を交わしたのは数えきれる程度、彼女は四ツ葉様の屋敷に住む使用人だったと記憶している。正式に、そのように聞いた覚えはないけども――初めて会った時は四ツ葉様から居候と紹介を受けていた気がする。

 名は確か、程立と言っていたか。あまり自信はない。

 

「貴方は監視されているのですよ、楊弘派の一人として。手紙なんか出しちゃったら獄送りか、良くても騒動が終わるまで取り取調室に行くことになりますかねー? 貴方は何もしていないと聞いていますので処分はされないとは思いますけども、やっぱり殺されるかもしれないと怯えながら拘束されるのは嫌ですよねー。いやはや風達……いえ、私達は今回の件については完全に部外者となってしまったようです。見たところ貴方は氣の扱いもまだ充分に体得できていないご様子で……」

 

 今はまだ鍛錬を重ねている身ではあるが、氣を練る程度のことはできる。

 そう言い返そうとすると彼女は、何故なら、と天井を指で差してみせる。

 

「ここに刺客が一人、隠れていますよ」

 

 その瞬間、カタッと天井裏で小さな音が鳴った。

 

「いけませんねー、こんな調子では私の護衛役は務まりませんよ?」

 

 程立は私のことを挑発的に流し目で見ると、寝台の上にちょこんと腰を下ろした。

 

「私達に粛清を止める手立てはありませんよ、何故なら私達には止めるだけの力がないからです。武力、権力、財力、その全てが足りていませんからねー。だから私達は粛清が終わるまでの間、部屋の隅で震えて待つしかないんですよ」

 

 程立は胸元で両手をギュッと握り、がたがたぶるぶる、と楽しそうに小声で口にする。

 こうして見ると可愛らしい子供のはずなのだが、どうにも胡散臭さが拭い切れない。

 それに今の状況も掴めているわけではない。現状の把握に思考を費やそうとすれば、そうそう、と程立はまるで今思い出したかのように言葉を紡いだ。

 

「私は楊弘さんから、このようにも言われているのですよー。本当にどうしようもなくなった時は貴方を守って欲しい、と」

 

 この子は私が見張っておきますよー、と程立は何処かに潜む誰かに伝えるように声を大きくした。

 カタッと小動物が動いたような音が天井裏より聞こえる。何処かに去ったのだろうか。注意深く気配を探ってみるが分からない、おそらく誰もいないと思うが――視線を落とすと程立が悪戯っぽい笑みを浮かべながら私のことを見つめていた。

 そして寝台に腰を下ろしたまま私に手を差し伸べてくる。

 

「以上が私の御主人様のお話ですが……ですが私、ちょっとお姉さんに良いところを見せときたいのですよねー」

 

 協力してくれませんか、という程立の誘いに私は何も答えられなかった。

 どういう意図の発言なのか分からず、ただただ困惑するばかりで一向に状況が掴めなかった。

 少し性急過ぎましたでしょうかー、と間延びした声で仕切り直すと、少女は添えるように口元を飴で隠した。

 

「よお、嬢ちゃん。あんた楊弘ってヤローにゾッコンなんだろう? ここらでちょっと良いところを見せてやろうぜ?」

 

 そんな言葉と共に急に彼女の頭の上にある人形が喋った。

 腹話術だろうか。いや、ちょっと待って欲しい。今、この人形は、いや、少女が? どっちだって構わない。この人形は今、何を喋った。四ツ葉様のことをヤロー? ――いや、私が四ツ葉様にゾッコンと?

 彼女が言った言葉の意味を正しく理解した時、ぽふんと頭の中で何かが弾けた。

 顔が耳まで熱くなる。

 

「なななななにを言っているのででですかぁーっ!!」

「あ、こら。宝譿、初心な乙女に愛だとか恋だとか直球に聞いてあげるのは御法度なのですよ」

 

 メッと可愛らしく頭の人形を叱る少女

 愛だとか、恋だとか。何を言ってくれちゃっているのか。私は女で、四ツ葉様も女だ。女同士で好き合うとかありえない、はしたない! いやでもギュッと抱き締めたい、守りたい。しかし、それは純粋に四ツ葉様のことを慕っているだけであって、襲いたいだとか、無理矢理に唇を奪いたいとか考えている訳ではないのだ。あわわ、はわわ、と真っ赤になる顔を抑え切れず、何故か頭の中の巡る妄想を止めることができない。そんな白馬に乗った私が彼女の危機に駆け付けて、そんなはしたないですわ、と逃れようとする四ツ葉様の手を掴んで強引に接吻を迫るなんてひゃわわわわっ!

 

「女同士でとかありえませんっ!」

「……女同士? あれま、知らなかったのですか?」

 

 そう言うと程立は私に歩み寄ると、ここだけの話ですよ、と私にそっと耳打ちする。

 ごにょごにょと知らされた衝撃の事実に、ぼふんと私の頭は爆発した。そのまま全身の力が抜け落ちて、足から崩れ落ちるように前のめりに倒れ伏せる。

 その時、打ってもいない鼻から赤い液体が垂れるのを感じ取った。

 

「初心な乙女には少しばかり刺激が強すぎましたかー。いやはや女心とは複雑怪奇なものですねー」

 

 意識を失う寸前、そんな間延びした声が聞こえた気がする

 

 

「……そう李豊が動いたのですね、それって大丈夫なの?」

 

 寝台に寝転がったままの少女が問いかける。おそらく、と私が返す。

 此処は美羽様の後宮になるが、彼女自身は美羽様ではなく、美羽様が寵愛する誰かでもない。ただ彼女の顔付きも美羽様とよく似ていた。名門袁家を象徴する金色を身に纏っており、その衣服や装飾の質は美羽様が着ているものと比べても遜色ない。

 それもそのはずで彼女は美羽様の血縁者であり、名を袁姫と云う。真名は結美(ゆみ)

 

「彼女には程立と呼ばれる者が付いていますので、最低限の期待には応えてくれると思いますよ」

 

 私が答えると、程立? と結美様が可愛らしく首を傾げた。

 

「楊弘の居候だか、侍女だか、よく分からない者です。ただ頭は切れるみたいですよ」

「ああ、思い出したわ。確か御姉様が最近、よく会っているっていうあの。珍しいわよね、御姉様は張勲と楊弘、あと貴方くらいにしか心を開かないというのに」

「妹様にも心を開いておいでですよ」

 

 どうかしらね、と結美様は肩を竦めながら自嘲する。

 彼女は美羽様の妹ではあるが、その存在は秘匿されがちだ。袁家の後継者争いの発端とならないようにと先代の当主様が匿い、嫡子である美羽様が名門袁家を継ぐように工作を為された。そして後継者ではなくなった結美様は争いの火種とならないように誰も使っていない後宮で匿われるようになり、美羽様の身に不幸があった時の予備として生かされ続けている。尤も結美様の生活は不幸と呼ぶ程でもないし、きちんと両親からの愛情も注がれていた。むしろ政争の道具にされないように丁重に扱われていたとも言える。

 まあそれでも袁紹とかいう糞のおかげで名門袁家が真っ二つに割れてしまっているのだから笑えない。

 結美様自身も自分の存在が袁術軍にとっての爆弾であることは自覚しているようであり、その身を公に晒すことは少ない。おかげで美羽様に妹が居ることは知られていても、その姿を知る者は少なかった。外に出してあげたいとも思っているが、私腹を肥やすことを趣味とする保身の塊が跋扈する今の袁術軍では難しい。

 それも今回の粛清で制限を緩めることもできるはずだ。

 

「分かってると思うけども貴方には李豊と程立の補佐を任せるわよ。こんな性急な粛清には冤罪がつきものだし、情状酌量を認めなければ袁術軍に残る人材は一割にも満たないのでしょう?」

「その通りです、できる限りの事はさせて貰います。張勲は少しばかり感情で動き過ぎますよ、逆に楊弘は優しすぎて謀略には不向きですね」

 

 まあ、と私は付け加える。

 

「幸いにも程立は私の存在に勘付いているようですので最悪は免れそうです」

 

 あら凄いのね、と少女が笑ってみせる。

 

「名門袁家に代々仕える情報屋の存在を嗅ぎ取るだなんて、その子はとっても優秀なのねぇ」

「諜報部の名折れですけどねぇ……お互いに上手く連携して、できるだけ救ってみせますよ」

 

 問題があるとすれば、と私が口にすると結美様が声を重ねて二人で口を揃える。

 

「李豊」

 

 そして、お互いに大きく溜息を零すのだ。

 李豊は軍人としての素質は人並み以上に持っているが、明らかに謀略向けの人物ではない。

 上手いこと程立が誘導してくれることを祈るばかりだ。

 

「まあ任せたわよ、五色(ごしき)

 

 その言葉に私は深々と頭を下げて、御意、と短く答える。

 

 

 この時、ほとんどの人物が魯粛の存在を意識の外に置いていた。

 ついでに言えば、袁術が何をしようとしていたのか配慮に入れていた人物はほとんどいなかった。




慣れない話を書いているので手探り状態、目標一週間以内。
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