「ふふふ……あのもりくぼは森久保の中でも最弱なんですけど……」   作:べれしーと

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私はこの小説を何処に向かわせたいのだろうか(自問自答)


男の娘の森久保 06

紅茶を嗜みながら休憩していた俺の元へ何人かのアイドルがやってきた。

 

一人目。

 

「どしたの森久保。そんな世界の終わりみたいな顔して。」

 

「何か女性関係の事情で困ったら俺に話せ……そう言ってましたよね?」

 

「え、うん。」

 

「そういうことです。」

 

森久保乃々。男。しかし可愛い。

 

二人目。

 

「そして後ろにいる凛は何でそんな怖い顔をしてらっしゃれるの……?」

 

「この前堂々と廊下で抱き締めあってた二人なら分かるんじゃない?」

 

「まだそれ言います!?」

 

渋谷凛。女。かっこよくて、可愛い。

 

……三人目。

 

「愛海は凛の後ろに立って何をお狙いでございますか?」

 

「え!?あ、愛海!?やられる!?」サッ

 

「いや、その対応は酷いと思います凛さん。」ワキワキ

 

「その手さえなければこんな対応しないんだけどね。」

 

「猟奇的。」

 

棟方愛海。女。あざとくて、可愛い。

 

四人目。

 

「にしても三人共良い所に来てくれた。俺を助けろ。こいつをどうにかしてくれ。」グイーッ

 

「あぁ~^良い匂い~^クンカクンカ!!」ギューッ

 

「な、何してるんですか志希さん!?」

 

「志希……懲りずにまたプロデューサーに抱きついて匂い嗅いでるの?それ飽きない?」

 

「凛ちゃんだってたまにやってるじゃーん。」

 

「「「え」」」

 

「ファッ!?そんなこと、そんなことしてない!!してないよ!?」

 

「「「…………」」」ジーッ

 

「してないってば!!風評被害ィ!!」

 

「……まあそれは追々訊くとして先ずお前は離れろ。野性解放しちゃいそうだから。」

 

「どーぞ解放してください。」

 

「誘うなアホ。」ベリッ

 

「うぇ。」

 

一ノ瀬志希。女。色気が凄い。しかも可愛い。

 

さて、俺を含めて五人の人間がプロジェクトルームに集まった。俺が召集をかけた訳でもないし雰囲気からして乃々が一枚噛んでいるのだろう。一体何が始まるんだ。

 

「プロデューサーさん。話があります。」

 

森久保が俺にそう言った。なんの話だろう。流れからして凛の事なんだろうが……

 

「なあ森久保。その前にさ、こんなに人いて大丈夫なのか?」

 

乃々に問う。だって、ねえ?

 

森久保が男、凛と共に来る、女性関係の話、そしてビビり久保と怒凛……

 

バレてんじゃんこれ。アレがさ。

 

周りに沢山の人がいるこの状況で話していいのかなって思うのは人として普通だよね?二人とも乃々が男だって知らない筈だし。

 

「バレてるんでいいです。」

 

「え!?」

 

ごめん知ってたみたい。

 

「ねえ。二人しか分からない会話止めて。」

 

愛海の方を見る。

 

「うん?ああ、うん。知ってる。」

 

「ま、まじかよ。知らなかった。」

 

「おーい。」

 

驚愕を隠せない。まさか俺以外にこの事実を知っている奴がいたなんて。ちょっとだけ独占欲的なものが傷ついた。ホモではないです。

 

引き剥がした志希の方を見る。

 

「臭いで分かるよーそりゃー。」

 

「……まあ、お前は予想してたしいいけど。」

 

「なんかアタシの扱い酷くないかな?」

 

「私の扱いも結構酷いと思うんだけど?イジメ?これイジメ?」

 

そうか……バレてるのか。

 

「他には?」

 

俺が森久保に質問するといいえという答えが帰ってきた。

 

つまり森久保が男だと知っているのはここにいる四人か。

 

「そろそろ心が痛いよ。ねえ。」

 

考えてみると半年くらいこの事務所にいてこれだけの人にしか森久保の正体がバレていないって逆に奇跡なのでは。

 

180人近くの内の四人だぜ?森久保も頑張ってるよな。その下半身のテン……ゴホンゴホンッ!

 

「それで。話って?」

 

話を戻す。寄り道してしまっていたからな。

 

「凛さん、もりくぼの事が気になるらしくて。」

 

「へえ。そうなのか凛。」

 

「やっと反応してくれた……」ナミダメ

 

なんか凛が涙目で可愛い件について(ラノベタイトル風)

 

「良い機会ですし、皆さんにもりくぼの事を話そうかなって。」

 

乃々がそう言った。

 

「…………いいのか?」

 

「いいです。もりくぼが''男''だってバレてしまえばこれを話す事はそんなに怖くな」ガタガタッ

 

 

 

 

 

「「「「「ん?」」」」」

 

 

 

 

 

五人の声が揃う。突然隣の部屋から発せられた物音に反応したのだ。

 

因みにこの事務所はよく統率がとれている。その為、

 

「話は後。乃々、志希、入り口押さえて。愛海は私と一緒に右横口から強行。プロデューサーは左横口。……準備は?……分かった……ゴー。」

 

瞬間の行動を可能にする。軍隊かここは(セルフツッコミ)

 

「……愛海。左お願い。私は右。」

 

「はーい。」ワキワキ

 

「それは禁止。止めようか。」

 

「は?」ピタッ

 

「そこでキレるの!?」

 

隣の部屋は物置である。小さな空間に様々な小物等が無造作に置かれているのだ。

 

そこから音がした。

 

考えられる可能性は幾つかある。

 

一つは幽霊とかの超常現象。一つは小物の落下音。一つは老朽化や隙間風による自然音。

 

そして一つは、人による作為音。

 

横口から物置に入った俺は原因を直ぐに見つけることができた。

 

今回は、どうやら。

 

「何してるんだ?まゆ。」

 

人だったらしい。

 

「の、ののののの、乃々ちゃんが、男……???」コンラン

 

「まゆ?まゆ!?」

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

「あ、あの、まゆさん、大丈夫ですか?」

 

「は、はい!大丈夫ですよぉ!!ドキドキなんてしてませんよぉ!!」

 

「???」

 

状況は混乱である。

 

物置から壊れた時計の様な佐久間まゆが出てきたのだ。

 

俺も凛も愛海も志希も勿論乃々も、混乱している。

 

「ねえまゆ。あんな所で何してたの?盗み聞きとかじゃないだろうし。」

 

「へ!?そ、そうですよね!!盗み聞きなんて悪趣味ですよね!!あはは!!」アセアセ

 

「まゆ…………(疑惑)」

 

「違いますよ!?別に、まゆの知らないプロデューサーさんを知りたかったとかじゃないですよ!?」

 

「まゆ…………(落胆)」

 

これはたまげた。ヤンデレかな?

 

「プ、プロデューサーさんが心配で……ゴニョゴニョ」

 

これはたまげた。天使だわ。

 

「というよりも!!乃々ちゃんが男って……男っていうのは!!本当なんですか!?」

 

顔を真っ赤っかに染め上げて発言するまゆ。何で照れてるんだろう(すっとぼけ)

 

「本当ですけど……その……色々ごめんなさい……」

 

顔を下に向ける森久保。

 

「あ、あわわわわわわ。」

 

「まゆさんどしたの。私が落ち着かせてあげましょうか?」スッ

 

「愛海ちゃんは動かなくていいんですよぉ?」ゴゴゴ

 

「アッハイ。ゴメンナサイ。」

 

「……乃々ちゃん、まゆの裸見たことありますよねぇ?」

 

「…………あ。」

 

は?まじ?羨ま……じゃなくて羨ましい。ん?変わってないね。

 

「あれって不可抗力とかでもなかったですし、それってつまり、」

 

意図的ですよねぇ?

 

「……私も便乗して言わせてもらうよ、乃々。女子トイレ使ってたじゃん。あれって完全に、」

 

そういう意味だよね?

 

「これはアタシも言うべきかな?言うべきだね!うーん……えっと……あ、あった!アタシを慰み者にする妄想は、」

 

楽しかったかにゃ?

 

(三人の美少女に詰め寄られるとかなんてハーレム?なーんて俺は思ってしまうが。)

 

乃々の顔はこの世の終わりを示しているかのようだ。絶望している。

 

「……む、む、む」

 

「「「ん?」」」

 

「むぅーりぃー!!!!!!!!!!!」ダッ

 

「「「あ!逃げるな!!」」」

 

乃々が常套句を発して逃走。それを三名の御方が追跡。

 

(ラブコメか。主人公乃々の。)

 

…………何しにきたのあいつら。つーか話は?どうなったんすかね。

 

「……愛海は乃々と過ごしてて何かなかったのか?」

 

この場に唯一残っていた彼女に訊く。少し気になったからだ。

 

「初日から男だって知ってたし特に何にもないよ。」

 

「しょ、初日!?」

 

「登山家なめんなぁ?」

 

え、愛海すごくね。尊敬するんだけど。これからは師匠って呼ばさせてもらおうかしら……

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

森久保のこの辛くとも幸せな日常は波乱万丈に続いていくのだろうと俺は思う。




活動報告でお話の題を募集してるんで、気が向いたりしたらどーぞおねげーします。
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