「ふふふ……あのもりくぼは森久保の中でも最弱なんですけど……」 作:べれしーと
今日はアイドル合同レッスンの日。間近に控えたライブのため組まれた数あるレッスン日程のうちの一日です。
そのライブでもりくぼはアンダーザデスクとインディヴィジュアルズの一員として出演することが決まっています。アイドル合同レッスンは一週間あり、演者毎にレッスン日が決められていて、今日はその割り当てられた日だったという訳なんですが……
「乃々。後ろにいてね。」
「はいぃ……」
ヤバいです。
何がヤバいかというと勿論着替えの時に、つまり今、沢山の女体に囲まれているということです。
周りには美少女、美少女、美少女、美少女……
男子中学生を殺す為だけに存在している空間のようですけどォ!?(半ギレ)
とてもむぅーりぃーのワルツ(意味不明)なので凛さんの後ろでパピヨンみたく震えています。
もりくぼにもレッスンはあるので着替えないといけませんがこの状況では不可能。だってバレます。何がって、そりゃ、ナニですよ(曇りなき眼)
「……アンデスのときとか大変じゃない?」
「目を潰して鼓膜を破ればなんとか。」
「ええ……」
今日だけ異様に優しい凛さんの陰で無駄に柔らかくて快い女子の香りに包まれながら立つもりくぼ。さながらトーテムポール。
「早苗さーん!登らせてくださーい!」ガバッ
「ダメ。」ガシッ
「清良さん!?何故ここに!?」
「タイーホ。」ガシャッ
「早苗さんは早苗さんで何故手錠を!?」
……愛海さんは今日も平常運転です。
「凛ー?着替え遅いよー?」
「そう?」
と、着替え中の加蓮さんが近くに来ました。
(デ、デカいっ!てダメです!見ちゃダメですけど!)
半脱ぎ状態だった彼女をなるだけ見ないように目を横へそらします。
しかしすると、
「恥ずかしがらず早く着替えろー★」
(巨峰!葡萄!大山脈!てだからダメなんですけど!もりくぼのバカ!)
そらした先には美嘉さんがいました。こちらにジリジリと近付いてきてます。
というか何処見ても犯罪です。加蓮さんや美嘉さんや早苗さんや清良さんや…………ほんとこの事務所顔面偏差値おかしくないですか?
(にしても周りの方達を見ていたからか顔の熱さを感じます。)
やはり凛さんを見ているのが得策、というかそれしかないんですが。
でもなんか……
「わ、分かったってば!着替えるって!」
雲行きが……
「の、乃々。その……今日だけは許すから。」
怪しく……
「女同士なんだから気にせずほーら!」
(もりくぼは男なんですけどォ!)
凛さんがそっとカーディガンを脱ぎます。毛糸で編まれたそれはとても暖かそうで、もりくぼはその暖かさが今とても欲しい。心が寂しさとか孤立感でガクブルガクブル。
次に手をかけたのはブラウス。前掛けボタンを凛さんは一つずつ外していきます。白のそれとは対照的に赤い顔が状況に反して魅力的に映りました。
段々と見えてきた上の下着。どうでもいいんですが上の下着って判りづらいですね。イメージに違わず蒼い。しかし現状とは真逆です。冷静とはいえず情熱っぽい。
そう。はっきりいえばもりくぼの心はガクブルしながらも滾ってます。思春期嘗めんな。というか脱ぎかけの服から覗く寒色のブラと色素薄めの肌がとても扇情的です。頭が沸騰しそう。
「そんな舐め回す様に見ないでよ……」
涙を潤ませながらのジト目に弱々しい声。プラス赤面。アンド凛さんの着崩れ姿。これで落ちない男がいるならもりくぼはその人を神として崇拝できます。
「乃々ちゃんはなんでそんなに凛を見つめて真っ赤になってるの……?」
美嘉さんの問いも耳に入ってすぐ外へ通り抜けていきます。
何故か。
それは、
「って乃々?乃々!?」
気絶したからです。刺激が強すぎたみたい。テヘペロ。
桃源郷は、そこにありました___by 森久保乃々
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もりくぼのこの辛くとも幸せな日常は波瀾万丈に続くのだと思います。
「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ」
「むぅーりぃーなんですけど……」
「常套句だから私に通じるなんていう安易な考えじゃないよね乃々?」
「ごめんなさい忘れます。」
凛さんの自己犠牲心には感服致します。というか流石に下は憚られて書けなかった。てへ。