「ふふふ……あのもりくぼは森久保の中でも最弱なんですけど……」   作:べれしーと

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とあるssに影響受けてます。


女子大生の森久保 04

平日。

 

私にはこの日の行動選択肢が普通の場合よりも多い。

 

何故ならアイドルであるからです。

 

しかしアイドルの森久保乃々がいるということはつまり、アイドルじゃない森久保乃々がいるということの証左でもあり。

 

今の私は大学内で講義を受けています。

 

 

 

 

 

講義が終わり一段落。

 

(長い……慣れない……)

 

二年生になっても講義の長さにはうんざりします。

 

こう、不真面目な訳じゃないんですよ?

 

仕事の疲れが抜けてないってだけで……(社畜)

 

本当にプロデューサーさんは酷い。

 

いたいけな少女にこの仕打ち。体は既にプロデューサーさんの言いなりぃ……ぐへへ。

 

(……寝不足でおかしくなってますね。)

 

丁度いい感じの時間ですし適当に暇を潰して事務所に向かいますか。

 

(髪の毛が邪魔……とりゃあー。)

 

すい、と、耳にかかる髪を上げる。

 

(眠久保……すぅ……)

 

おっと眠っちゃいけません。

 

立ち上がって講義室から出ます。

 

(頭の中がぐわんぐわんしてて正常を保てない。)

 

もりくぼ、ピンチ。

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

大学生1(おい、森久保さんのこと見てたかお前ら。あの流し目。セクシーだったよな。)

 

大学生2(絶対俺のこと見てた。)

 

大学生3(は?)

 

大学生4(あれは眠かっただけじゃ……)

 

2(俺を見てたんだよアホ。その後、髪をかきあげてキレイな所作で歩いていった彼女……俺を誘ってるな?)

 

3(は?)

 

1(アイドルだからキレイなのは当たり前だろォ!?)

 

4(髪の毛が邪魔だったんだろ。)

 

2(お前、そんな事ばっかり言ってっから彼女出来ないんだぞ。)

 

4(三人に告白して全部フラれてるお前にだけは言われたくないわ。)

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

階下にある休憩所はそこそこ設備が整っています。

 

付随しているガーデンテラスにはいつも優雅な女性達が屯していて……眩しすぎるんですけど……

 

もりくぼは室内の小テーブルで充分です。

 

さっき買った缶珈琲を机の上に置いて、もりくぼも椅子に座りました。

 

椅子は机を囲むように東西南北四つ設置してあり、南側に座ったもりくぼは荷物を東側に置いて一休み。

 

鞄の中からレジュメを取り出して読み進めます。

 

窓硝子から射入してくるポカポカ陽気が眠気を誘ってきました。

 

いけない。缶珈琲のプルタブを開け、ぐいっと喉に流し込む。

 

ブラックが染み渡ります。冴えていく感覚がまだ新鮮。

 

もりくぼがようやくまともにブラックを飲めるようになったのが三ヶ月前で、自主的に買うようになったのが二ヶ月前です。

 

子供舌とでもなんとでもどうぞ。ふん。

 

と、いつもガヤガヤと聴こえる姦しい談笑が今日はないことに気づいた私はレジュメから目を離し、缶を机に戻してからテラスの方面を見やりました。

 

そこにいたのは、珍しく、一人で佇む麗しい女性。

 

遠目からでも分かる美しさと緑に囲まれながら本を読むその清楚な印象に圧倒されます。

 

右目を隠すほどに長い前髪でありながら肩にもかからない短さの金髪。

 

黒を基調として振るわれている服装に平均より少し高めの身長。

 

白い肌が儚さを産み出し、黒と金が麗しさを産み出す。

 

アイドルみたいです。

 

というか白坂小梅(梅ちゃん)ですねあれ。アイドルでした。

 

視線に何故か敏感な梅ちゃんはもりくぼのこれにも直ぐ反応します。

 

嬉しそうに微笑み、少しだけ袖をだぼらせた手を振ってくれました。

 

私がそれに返すと梅ちゃんは本を閉まってからとてとてとこちらへ歩いてきました。

 

 

 

 

 

「乃々ちゃんも暇潰してるの……?」

 

私の前の椅子に腰を下ろした梅ちゃんが空いた椅子の上に鞄を置いてそう問います。

 

「うん。レジュメ読んでた。」

 

そう答えると梅ちゃんは驚いた表情になりました。

 

「乃々ちゃんがプロデューサーさんの事考えてないなんて珍しい……!」

 

「うぇ!?!?」

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

1(おい!森久保さんが美しくレジュメを読んでるぞ!やっべぇな!)

 

2(あ、珈琲飲んだ…………ありゃ途中で俺の事考えちゃってそれを振り払うために飲んだんだな間違いない。)

 

3(は?)

 

4(だから眠いだけだろ。珈琲だし。)

 

2(うるせえぞ童貞。)

 

3(は?)

 

2(お前ちゃうねん。)

 

1(あ!森久保さんがテラスを眺めてる!……ふ、ふつくしい。)

 

2(俺を情景に思い描いてるんだな。全く乃々は乙女だなあ。)

 

4(あの女子見てるだけだろ。)

 

2(二人の女性が急に同じ机に座って笑い合う……ほーん。そうかそうか。女の争いっつーのは、醜いな……)

 

4(頭ハッピーセットは現実を見ろ。ポテトが正義。)

 

2(おい待てや。神谷奈緒さんを馬鹿にすんなよ。)

 

4(北条加蓮こそ正義。異論反論は認めん。)

 

2vs4(なんだァ、てめェ……?)

 

1(……森久保さんが顔を赤く染め上げてらっしゃる。てぇてぇ。)

 

2(確かにてぇてぇな。なおかれも良いぞ。仲直りしよ。)

 

4(てぇてぇ許す。なおかれ良いね。仲直りする。)

 

2and4(あははははっ。)

 

3(あれ?小梅今日は仕事だよって電話で言ってなかったっけ?大学来るんならそう言ってくれよ……)

 

1,2and4(は?)

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

珈琲を飲み干してから私は断言します。

 

「プ、プロデューサーさん以外の事だって考えますけど!」

 

ニヤニヤと笑われながら問われます。

 

「へー……例えば?」

 

「レジュメ!」

 

鞄の中をあさって、それを取り出して見せます。

 

「……プロデューサーさんとのツーショットだよ?」

 

「へっ?」

 

梅ちゃんにそう言われ、落ち着いて見てみると机にはレジュメが。

 

(そういえばしまってなかった……)

 

思いながら、手に持つファイルをこちらに向けます。

 

透けてる中身には私と彼の写った写真。

 

しかもこれは、よりにもよって、十四歳の時の……っ!

 

「あ、あうう……」

 

私はわなわなと震えて。

 

「乃々、ちゃん……?」

 

梅ちゃんの声も聞こえず。

 

「む、む、む、」

 

珈琲の苦味じゃ消えなかった焦燥と恥ずかしさのままにもりくぼは叫びました。

 

 

 

 

 

「むぅーりぃー!!!!!!!!!うわーっ!!!!」

 

 

 

 

 

×

 

 

 

 

 

この日以降、乃々と小梅はもっと仲良くなったとか。

 

それにより小梅の嗜虐的微笑と乃々の赤面も増えました(白目)

 

大学生徒四人組は知らん。

 

3は死刑。




同じ大学の学生である小梅と乃々の組み合わせ最高尊い。でもレジュメは嫌い。やだ。レポートもいや。何が論理だ俺はロンリーじゃボケェ!!
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