ハイスクールD×D 聖痕の赤龍帝    作:RAPTAR

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ソーナ・シトリーの依頼

前回までのおさらい

 

イッセーはリアス・グレモリーに正体と交渉内容を教える。

渋々承諾するリアスはイッセーを強制的に監視も兼ねて部に入るように命令する。

だが、イッセーは断った。

力尽くで入部させようとするリアス達はイッセーと決闘する。

だが、イッセーにあっという間に負けてしまい自分たちの力のなさを実感する。

 

 

イッセーSIDE

 

「~と、いうことだが、どうだ?」

「わかりました。多少は不満もありますがいいでしょう」

俺は今、生徒会室にいる。

前回はグレモリー家に今回はシトリー家の次期党首であるソーナ・シトリーと話している。

シトリー眷属は全員が生徒会に所属していて学校方面を守っている。

「いや~、こちらも助かる。グレモリー家のわがまま姫なんかよりも余程頭がいいようで」

「私もリアスと同じです。堕天使側のあなたのことは完全に信じていません」

やはり人間でも堕天使との関わりは悪魔には敵にしか見えんのか。

ソーナ・シトリーは俺にこんなことを聞いてきた。

「なぜ、あなたは堕天使に協力をしてるんですか?」

俺は首を傾げて少し考え込む。そして、しばらくたち答える。

「別に大した理由はない。十歳の時に神器があることが分かって保護してもらった。

元々、俺は正教会で生まれ持った特殊な能力の研究のために毎日のように実験や訓練の日々、

そして化け物扱いされて最終的に捨てられた。

そんな中、俺を拾ってくれたのがアザゼル総督だった。

グリゴリで力も神器も鍛え、強くなり、友もでき、愛すべき家族もできた。

あのまま拾われなかったら俺は今ここにはいない。

命を救ってもらった恩人への恩返しみたいなもんだ。

他に聞きたいことは、力のこと以外なら知ってること教えてあげてもいいぞ」

「・・・いえ、もう結構です。それではこれにて終わります」

「そうか、仕事中にすまなかったな」

俺は扉を開いて生徒会室を後にした。

 

 

ソーナSIDE

 

「会長、彼のことはどうするんですか?」

彼が去った後、私の『女王』であり副会長である森羅椿が聞いてきた。

「確かにこれは厄介なことです。ですが、彼はグリゴリ特殊戦闘員。

リアスは自分の力を過信して挑みましたが、私たちの力でなんとかできる相手ではありません。

下手に戦って犠牲を出したり、彼の討伐のために魔王様を呼んで三大勢力に問題を起こさせるのもダメです。人間一人のために今の状況に亀裂が入るかもしれません」

「・・・そうですね、ではどうします?」

「・・・確か、渡された資料の中に大公からの依頼があったわよね」

「まさか!!」

「ええ、兵藤一誠君に協力を頼みましょう。彼の実力や信頼を見るにはいいと思います」

  

 

 

三人称SIDE

 

 

イッセーは学校から帰った後、ソーナからの連絡を受け夜の公園にやってきた。

そこにはすでに到着していたシトリー眷属がいた。

「来てくださってありがとうございます」

「アザゼルの命令の一つに悪魔側との最低限の協力。

はぐれの討伐などいくらでも受けてやる」

イッセーは平然と答える。

「紹介します、これが私の眷属たちです」

まずは黒髪の眼鏡をつけた女性から始まる。

「『女王』の真羅椿姫です、よろしくお願いします」

「『僧侶』の花戒桃です、よろしくお願いします」

「同じく『僧侶』の草下憐耶です、よろしくね」

「『騎士』の巡巴柄です、よろしくね兵藤君」

「『戦車』の由良翼紗だ、よろしく」

「『兵士』の仁村留流子です、よろしくお願いします」

「・・・『兵士』の匙元士郎だ」

全員が言い終えたところでイッセーも紹介する。

「グリゴリ特殊戦闘員兵藤一誠だ」

「それでは兵藤君。今回の依頼について説明します」

ソーナがイッセーだけでなく全員を見て話す。

「今回の相手はクロアと呼ばれる男です。『浄化者のクロア』の異名を持つはぐれ悪魔で

討伐体を三隊も壊滅させるほどの力を持つと呼ばれる者です。

我々の今回の依頼はこの町のはずれにある廃病院に潜伏しているといわれるクロアを討伐することです。ですが、相手の力は未知。兵藤君の実力を確かめるためと依頼の成功の可能性を上げるために兵藤君には来てもらいました。よろしくお願いします」

「わかった。しかし、クロア、かどこかで聞いたことがあるような?」

 

 

 

「ここが廃病院か?テレビで見たことあるがまんまだな」

イッセーとシトリー眷属は目的地に到着し、捜索を始めた。

未知の相手にはバラけるよりは固まって動くのが得策である。

「シトリー、一つ聞きたいんだがその悪魔が殺害した死体の死因はなんだったんだ?」

「はい、死因はどれも二つのうちどちらか一つです。窒息死か体が溶けて亡くなっています」

「・・・まさか」

イッセーは何かに気付いたようだ。

そんな中、匙がイッセーに話しかける。

「おまえ、あんまいい気になるなよ!グリゴリ特殊戦闘員だか何だか知らないが

おまえは黙って俺たちに協力しとけばいいんだよ!!」

「・・・貴様こそ、いい気になるなよ。グレモリーの『兵士』もそうだが戦士と呼ぶには遠すぎる赤ん坊が。悪魔に転生し、身体能力が上がっただけで強くなったと思うな」

「ッ!!テメー!」

匙が今にもイッセーに襲い掛かろうとするのを止める生徒会メンバー。

「第一、敵は俺たちのことなんてとっくに気づいているんだぞ。無駄口を叩く暇h・・・ッ!!」

イッセーは突然あることに気付いた。

鼻を立て遠くから来る匂いを嗅ぐ。

イッセーはこのにおいをよく知っている。

「ッ!!なるほど、思い出したぞ、クロア。

急ぐぞ、シトリー!この先に生きた女が数人否、十数人はいるかもしれん」

「ほ、本当ですか?」

全員は驚愕する。

そして、急いで奥の部屋に着く。

扉を開くと、だんだんと中の様子が見えてくる。

「こ、これは・・・」

そこには服が破かれほとんど裸のような格好をした女たちがいた。

倒れているもの、意識が失い掛けているもの、怯え震えるもの。

「あなた方、私の家に何か御用ですか」

「「「「「!!」」」」」

声のする方を見るとそこには噴出口のようなものが付いた白いコートを着た中年男性がいた。

「貴様がクロア。『ガス・チェンバー』の異名を持っていたという元アデプト12使徒の一人。

塩素を操るクェイサーか。まさか、悪魔になっていたとはな」

「随分と詳しいようで、なるほどあなたもクェイサーですか。

その通り。数年前、鉄のクェイサーと対決した時確かに私は死んだ。

だが、どこかの貴族が私の死体をどこからか見つけ出し、私は悪魔に転生させられんだ」

「・・・そして、主を殺した」

クロアは体を震えながら叫ぶ。

「そうだ!!あの野郎!!大した力も頭脳もないくせにこの私を見下しやがって!!

だから、他の下僕どもと一緒になったところを私の美しい塩素で殺してやったんだよ!

だが、私は感慨だ。何といっても、一瞬の苦しみで終わらせてあげたんだから~!!

だけど、思い出すよ、あの時の無様な姿、笑える~!!ア、ハハハハァァ~!!」

狂ったように笑いだすクロア。

それに怯える女達とシトリー眷属。

ここまで精神的に狂っている存在は厄介である。

「それで、この町まで逃げてきたのは良いが力尽きたから、

女達を攫い『聖乳〈ソーマ〉』を吸っていたということか」

「ああ、悪魔になってからは少し吸うだけで体に痛みがあるけどそれ以上に力が出てくるよ。

恐怖や憎悪のような負の感情を集中させることでわたし好みの味になる!」

クロアは近くの女の髪を引っ張り、そのまま剥き出しとなった乳房を吸う。

「ッ!!イヤァァァー~!!」

女は泣きながら目の前の存在に恐怖する。

クロアの顔は苦痛と快楽の両方を味わい顔がおかしくなっている。

 

 

 

 

 

 

「か、会長。これは一体どうすれば?」

椿はソーナに指示を聞くが彼女も顔色が優れない。

今までに見たことがないほどの危険な男。

彼女自身もどうすれば自分たちが安全にいられるかを考える余裕すらなかった。

だが、イッセーだけは違った。

「満足か。そんな女の『聖乳〈ソーマ〉』では何もできんぞ。

シトリー、協力はやはりしない。こいつは俺が相手をする。

同じクェイサーとしてコイツの思考は虫唾が走る」

イッセーが前に出るとシトリー眷属の後ろから何者かが走ってくる。

その者はシトリー眷属を飛び越え、イッセーの隣に立つ。

「来たか、ステラ」

正体はイッセーのマリアの一人であるステラである。

「遅くなりました。今回の相手はクェイサーですか。ならば、・・・」

ステラは服に手をかけ、乳房を曝け出す。

「・・・私の力を使い、あの者に裁きを・・・」

イッセーはその言葉に頷くと乳房に近づき『聖乳〈ソーマ〉』を吸う。

「ッ~!!ハァ、ハァ~!!」

甘い声を出すステラ。

外野のシトリー眷属はほとんどが顔を真っ赤にしている。

そして、最後に思いっきり吸い上げるイッセー。

行為が終わり懐から何かを出すと、クロアの方を見る。

「・・・ステラ、シトリー眷属を保護しろ。

・・・集え、我が元素!下種な罪人に裁きの一槍を!

我が極めし元素の一・・・銀!!」

イッセーは懐に会った大きめの銀のドクロが印象のアクセサリーを出す。

それは変形し、元のアクセサリーからは想像もつかない大きさの槍を形成する。

「なるほど、銀のクェイサーですか。これは珍しい。

しかし、私の美しい塩素の敵ではない!!」

クロアは塩素を放出し、イッセーに放つ。

それをイッセーは槍を高速で回し、塩素を弾く。

そして、銀の槍が段々と色素が無くなっていく。

塩素と銀が反応し塩化銀になっているのである。

「どうですか?銀は塩素と反応しやすい物質。

このまま続けたらその銀は使い物にならなくなりますよ」

「言われるまでもない!」

イッセーはクロアに目掛けて槍を投げる。

それを難なく避けるクロア。

「ならば、もっと強い銀で戦うまでだ」

イッセーはもう一つ同じアクセサリーを出し、再び槍を形成する。

「なんどやっても、同じことです!!」

クロアが再び塩素を放出するが今度の槍は変化するのが格段に遅くなっていた。

「何!!そんな馬鹿な!!」

「銀は人間界ではその比重によって種類に分けられるものだ。

今使った銀は現代の物よりも比重を上げ、銀の硬度を上げるために使用される銅の比率も上げた。

わかるか、銀のクェイサーになるには原子の銀だけでなく銅も操らなきゃダメなんだよ。

おまえの塩素じゃ、この戦闘向けの銀には勝てねえよ」

 

銀とは実は全てが銀原子で構成されているわけではない。

銀自体はそれほど硬度があるわけでなく空気中の気体と反応しやすい。

なので銀は自然的に空気中や人工的に銅元素と結びつき硬度を上げる。

 

イッセーは塩素を掃いながら突き進み、槍でクロアの足を突く。

「ッうう!!貴様、やってくれますね、ならば!!」

クロアは天井と壁に設置されていた排水口を破壊した。

勢いよく水が滝にように出てくる。

それをクロアは水を殴るようにして球のような形でイッセーに投げる。

イッセーがそれを避けると当たった壁に穴ができる。

「濃塩酸か・・・!」

「その通り。塩素を水に溶かすと濃塩酸が生成される。

如何に、その銀の槍が銅を含み反応しにくさせようとその前に君の体が溶けて無くなってしまいますよ。水はほぼ無限にありますからね、どこまで逃げきれるか!」

イッセーは濃塩酸から逃れる。

だが、イッセーが避けられる範囲は決まっている。

女達はシトリー眷属とステラが戦いの中で保護し一か所に固まっているが

濃塩酸をこれ以上放出させられると濃塩酸が気化し、ガスとなって命を奪ってしまう。

だから、イッセーは次の攻撃で終わらせることにした。

「シトリー眷属!!今すぐ、この場を離れろ!!

ここにいたらお前たちまで危険になる!!」

「わ、わかりました」

ソーナも眷属たちも女性たちを抱えこの場を離れる。

「ステラ、アイツの注意を惹きつけてくれ。五秒でいい」

「はい」

そう言うとステラは二丁の銃を出しクロアに発砲する。

当然ながら、その銃弾は当たることなく溶けて無くなる。

その間にイッセーは最初に形成した槍を拾う。

「そんな槍二本で何ができますか!」

「お前を殺すための準備は整っている。お前は一瞬の苦しみで全てが終わる」

「戯言を~!!」

クロアは濃塩酸を放出するがイッセーはそれを避ける。

そして、二本目の槍が形の変化をし、縄のような形になる。

それはクロアに巻き付き拘束する。

「な、これ程の速度での形状変化など!!」

「銀は鉄よりも延性や展性に恵め、熱による伝達で形状を変えることなんか造作もない。

おまけに、硬度も槍の時と変わらない。手がそれでは濃塩酸はできないだろ」

「だが、君のその槍では空気中の塩素を集中させれば反応して無くなりますよ!」

イッセーはクロアに最初の槍を向けると槍が伸びクロアに向かう。

「サンライト・シルバリオン!!」

塩素の中に入るが槍は勢いを止めることなくクロアに刺さる。

「っぐお!!ば、馬鹿な・・・な・・・ぜ?・・・」

言葉を失うと同時にクロアの体が燃え出し、燃え終わる頃には灰しか残っていなかった。

「愚かだな。銀の特徴の一つは強力な分子振動による熱の発生。

千度を超える熱振動の前ではたかが沸点マイナス38度では反応せずに貴様に届く。

そして、お前の体の水分は急激に失われお前の体が燃える」

 

 

 

 

それから、イッセーはシトリー眷属と合流し大公からの依頼は終了した。

保護した女達は記憶を消し、全員療養させられる病院へと移動された。

「兵藤君、今回はありがとうございました。我々だけでは恐らく殺されていたでしょう」

「俺はアイツが同じクェイサーというのにムカついた、それだけだ」

「先程から気になっていたんですがクェイサーとは何なのですか?」

どうやら、悪魔側にはクェイサーのことは知られていないようだ。

仕方ないと思いイッセーは説明する。

 

  ~説明タイム~

 

「~と、こんなところだ」

「なるほど。まさか、そんな戦士たちが教会にいただなんて」

「クェイサーは悪魔を狩るエクソシストとは違い、あくまで裏で暗躍する存在。

表舞台に出ることさへ珍しいからな。だが、その強さは上級のエクソシストに匹敵する」

イッセーが説明を終えるとソーナは暫し考えてから口を開く。

「・・・兵藤君、もう一つお願いを聞いてはくれませんか?」

「できることならな」

「では、私の眷属に少し稽古をつけてくれませんか」

「・・・何?」

「あなたは人間でありながらそれほどの身体能力を持っていらっしゃる。

私の眷属は実戦経験はリアスの眷属よりもありません。

将来のレーティングゲームのために、私の夢のために少しでも力が欲しいんです!

そのためなら、敵対組織の人間でも頼ります!お願いします!!」

ソーナはイッセーに少しだが頭を下げる。

上級悪魔のお嬢様が頭を下げたことにイッセーも驚く。

イッセーの返事は

「・・・悪いが、俺はお前の夢には興味がない」

イッセーはステラと共に後ろを向いて帰ろうとする。

だが

「・・・だが、どうやらグレモリー家の我儘姫よりはいい王の器があるようだ。

明日の朝五時に公園に来い基礎体力から鍛えてやる」

「ッ!それでは」

「そこまでされたら断れないだろ」

イッセーはOKの返事を返した。

シトリー眷属も喜んでいる。

「・・・ありがとうございます、兵藤君」

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?
微妙でしたか?一応、ソーナ達とはこんな感じで関わらせてみました。
次は婚約騒動になんとか結びつけます。
後、悩んでいるんですが。
ヴァーリと幾瀬の性格を変えて変態要素を加えるかどうか悩んでいます。
感想の中にぜひとも意見をください。
ご愛読ありがとうございました。
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