今回も番外編の閑話編をお届け致します。
今話は、現在の彼の所属する部署の発足と、もう一人の男のオリキャラと彼が、お互いに舞草の構成員であることを知った時の話になります。
話の冒頭は御前試合の少し前頃の話になりますので、読まれる際にはご注意願います。
長めになりますが、ご容赦ください。
それでは、どうぞ。
―刀剣類管理局本部 彼の職場―
本部施設の一角にある、この部屋。
日頃は彼を含めた四人がここに詰めて、本部に送られてくる書類の確認や作成、あるいは刀使や伍箇伝の各校の生徒から送られてくる要望や苦情などに対して、紫や親衛隊に議題として上げる前に、ある程度ふるい分ける作業をやっていたりする。…たまに、彼のお人好しな部分が災いして、面倒な仕事を増やすこともあるのだが。
これに加えて、荒魂に対処する一般の特祭隊員向けの試作装備を、彼が率先して様々な実験に参加・協力しており、その内容の一部もこの部署で引き受けている。
荒魂討伐などで人手が必要な時には、その先遣隊、あるいは最初の増援部隊として白羽の矢が立つことも多く、程々に鍛えられた人間も多い。
彼の右隣の机でパソコンと睨み合っている、糸崎。
「お疲れさん。ほい、ブラックコーヒー。」
「…○○(彼の苗字)か。どうも。」
淹れ立てのコーヒーの匂いと、彼が自分の飲む分として準備した、ティーバッグで出された紅茶の匂いとが、室内で混じり合う。
「糸崎、今度出す文書は何割方終わったんだ?」
「ああ、もう数分くらいで終わる量だぞ。」
「……少し厚みがある程度の量じゃなかったか?」
「実はな、定型的な部分は自作のAIに任せたんだよ。速く感じるのは気のせいだろ。…終盤あたりは自力で打つ必要があるけどな。」
「…なるほど。そういや、元々お前は高専志望だったもんな。」
「今でも、機械とかにある程度触れるからいいけどな。…ええい、あの事務のおっさんめぇ……。」
自身を事務職へと連行、…もとい
「あはは…。」
乾いた笑いが出たが、彼はふと糸崎と出会ってからの事を思い起こす。
「……思えば、お前が最初にここに来た時、まさか同じ舞草の仲間だとは思いもしなかったな。」
「それはこっちのセリフだ。…あの時、早希*1が来なかったら、どっちか片方あの世行きだったぞ。もしくは両方ともか。」
「まあ、あれは状況が状況だったしな…。舞草に言ったら、構成員同士の同士討ちが起こらないように対策打ってくれたのは、まだマシだったけどな。」
そう言って、二人はその時のことを互いに思い出していた。
―一年数ヶ月程前 折神家・特別祭祀機動隊本部 局長室―
彼が自衛隊などの出向を経て、刀剣類管理局に戻ってきた頃、彼が昔お世話になった先輩の部署が改組されることになり、その改組後に新設される部署の責任者として、着任することが決まった。
その時に紫と交わした会話は、こんな感じであった。
「紫様、ちなみに何故に俺が責任者なんですかね?」
「つい先日まで、自衛隊などで出向していただろう?ならば、その働きに報いる相応の地位も必要であろう。」
「…そういう、ものですかね。」
確かに舞草の人間でもある彼にとってみれば、役職としては高い方が何かと好都合であることに変わりはない。だが個人的なところでは、もう少し低い地位で故人となった彼の先輩の遺言を果たそうと考えていたこともあり、管理職的立場で大丈夫なのかという不安も、当然ながらあったのである。
「なに、お前の負担も考慮してなるべく少人数の部隊編成にするつもりだ。」
「それは、ありがたいです。はい。」
「ついては、その紙に書いてある場所に向かえ。お前のところに配属される人間が、既に待っている。」
「はあ。…○○××(彼の名前)、現時刻より部隊長の任に就かせて頂きます。」
「うむ。では、任せたぞ。」
気の重さもあったが、渋々受け入れて局長室を離れる彼。
「…俺、絶対上の立場とか向かないと思うんだけど。…取り敢えず、自分で出来そうなところはやるか。」
現在ではだいぶ慣れたのだが、元来、人に指図することがあまり好きではない彼にとって、長期に及ぶ責任を負うことになると思うと、頭を抱えたくなる。
「……一月はやってみるか。」
まさか、現在に至るまでこの部署を任されるとは、当時の彼からすれば意外と答えるだろう。
「ここか…。あまり、人通りは多くないな。」
限られた人間しか入ってこられないとはいえ、余計に人が減るエリアを歩く。これから先に彼の勤める部署の部屋の周辺は、やけに静かであった。
コンコン
「入りま~す。…誰も居ないのか?」
中から返事がなかったため、てっきり無人なのかと思った彼。
ガチャッ
扉を開くと、中に人が居る気配はなかった。
「待っているとは、一体…。」
説明と違うじゃないか、とは言いたくもなったが、もしかしたら、たまたま今ここを離れているだけなのかもしれないと思い、先に部屋の中を調べることにした。
室内は、四つの事務用で使われる机がブロック状に並べられていた。両サイドの壁にはガラス棚や本棚が並び、一部の資料は前の部署が使っていたそのままの位置に置かれていた。
「ん?あの扉は…。」
廊下側の扉から見て、部屋の左最奥にある木製の扉。
窓から射し込む日光に照らされて、少し熱を保っていた。
その扉を開けると、二人分のシングルベッドが縦並びに置かれていた。ちょっとした小棚も、それぞれのベッド脇にある。学校の保健室にあるようなカーテンレールも見え、もしもの時は仕切りとしても使えることが伺える。
開いた扉をよく見ると『仮眠室』と書いてあった。
「なるほどな。夜勤もあるから、それ用か。」
一人納得する彼。
「あれ、部屋開いてるじゃない。」
「誰か来たのか?」
廊下側の扉から、声が聞こえたため振り返ると、セミロングの黒髪と黒縁眼鏡を掛けた刀使と、自分と同い年位の男子が部屋に入ってくる。
「君達は…。」
「あっ、お客さんですか!?」
「いや待て。…アンタ、確かここの責任者になる人だったよな?」
刀使の方は状況をよく掴めていなかったようだが、男子の方は写真か何かで、此方のことを知っていたようだ。
「ああ、紫様からはそう言われている。」
「やっぱりか。」
「あの、来られなかったので、先に買い出しに行っていました。マズかったでしょうか…?」
「いや、どの道自己紹介ついでに何か要るだろうとは思っていたから、助かる。」
部屋へ入ってきた二人の両手には、菓子や飲み物の類が入ったビニール袋がぶら下がっていた。
「取り敢えず、その袋をこのテーブルの上に置こうか。」
事務用机とは別にあった、応接セットのテーブルを指差し、二人の手を自由にしようと思った彼。
二人もそれに応じ、四つの袋が机上に置かれる。
応接セットのソファーにそれぞれ座った三人。座ると同時に、彼が口を開く。
「よいせ…。さて、顔合わせとして、自己紹介からか。まず、俺からだな。」
彼と向き合うように座る、刀使と男子。二人とも、固い表情を浮かべていた。
「あー、それとお二人さん、別に畏まる必要はないから。確かに責任者となっているけど、歳自体は大差ないんだから、気楽にな。」
「「はっ、はい。」」
(…すっごく、やりにくい。)
「もう知っているかもしれないが、今回ここの部署の責任者として馳せ参じることになった、○○××だ。…まあ、俺が椅子に踏ん反りかえっているようだったら、容赦なく蹴飛ばしてくれ。よろしく。」
そう言うと、前の二人にそれぞれ握手を求め、二人もそれに応える。
「じゃあ、其方の刀使さんから挨拶をしてもらおうか。」
口調がやけに穏やかな彼だが、初対面の人にはだいたいこんな感じで話すことが多い。…他人行儀とも言うが。
「はぁ~。まさか気楽に、と上司に言われるとは思いませんでしたけれど。私は素の方で挨拶をさせて頂きます。」
入室時の丁寧な口調から一転、若干のやさぐれ感が伝わってくる刀使。隣に座っていた男子は、驚いたのか目を見開いていた。
「元平城学館、今は鎌府女学院に所属しています、
「平城の刀使か。本部への引き抜きは最近かい?」
「ええ。…私より適任の人は居たとは思いますが…。」
「まあ、そう卑下するな。少なくとも本部に呼ばれたということは、君も相応に強いということだ。」
「苗字呼びで大丈夫です。…では、そう受け取っておきます。」
癖のある少女だな、とそんな第一印象を持った彼。
この時は、まさか
「じゃあ、次は俺か。」
里奈の隣に座っていた男子が、襟を正す。
「中途採用で刀剣類管理局に入った、
彼の抱いた第一印象は、爽やかさのある青年だということだ。加えて、局内において男性の割合が低いなかで男手の同僚が居ることは、率直に言って彼としてはありがたかった。
「中途採用ってことは、何かあったから応募したとか、そんな類いか?」
「あっ、ああ。まあ、そんなところだ。」
実際のところは、あれよあれよという間にここに来ることになった、糸崎*2。
(何か、掴みにくい男だなぁ…。)
一方の糸崎は、彼への第一印象としてはそんなことを思った。
秩父で起きた荒魂討伐部隊の壊滅事案に対しての、言わば補充要員として採用された部分もあり、前から入っていた彼も本部の一員であるが故に、こいつも一緒だろうな、という思考が挨拶を受ける前は支配していた。
だが、直接顔を合わせてみるとどうだ。上司というにはどこか心許ないが、それでいて、この人なら大丈夫そうだという安心感があった。この感覚は、今まで経験したことのないようなものであった。ただ、自身のことは明かしたがる性格でもないというのは、同時に分かった。
この日、自己紹介と簡単なレクリエーションを行ったのち、三人で昼食を摂った。
午後には部屋へ、今後職務で必要になる書類やファイル、事務用品やパソコンなどが搬入されてくる。
改組の際に、一度大半の荷物類を部屋から引き揚げたため、再搬入することになったのである。また、パソコンの点検調査や機密情報の漏洩を防ぐため、という最もらしい理由もあったようだが。
そこから、翌日以降は毎日のように書類の往来が行われるようになった。
出来立てほやほやの部署とはいえ、休ませる暇は与えないという上層部の意思のようなものを感じたが、そんなことはお構いなく、三人は粛々と職務をこなす。
当時、姫乃*3はまだ居なかったこともあり、情報関係のものはなるべく避けてもらうように、対応してもらっていたのである。それでも、本部全体に関わるものに関しては、全員目を通すことが出来るようにしていた。
三人が会ってから一週間ほど経った頃。
この頃は残業らしい残業もなかったため、定時で帰宅することが出来ていた。
「じゃあ、お疲れ様。アンタ達も程々にね。」
「お疲れ様、中島。また明日も頼む。」
「おう、またな。」
一足先に部屋を退出した里奈。残った男二人も、早々とパソコンの電源を落としていく。
「糸崎、終わりそうか?」
「もうシャットダウンはかけた。出るか。」
「仮眠室は…、よし。先に出ていてくれ。」
「ああ。」
彼に促されるように、室外に出される糸崎。
数秒して彼も出ると、扉に鍵をかける。ここの扉は、内側のドアノブのボタンを押して勢いよく閉めるタイプのものであるため、閉める時には大きな音が響く。
「これでよし。さて、俺は先に官舎に戻るが、糸崎、お前はどうする?」
「そうだな。彼女と待ち合わせをしているし、とっととずらかるとするか。」
「えっ、お前彼女居たのか…。」
しれっと飛び出す衝撃の一言に、口がぽっかり開く彼。
「そのうち紹介してやるよ。じゃあ○○、また明日。」
「ああ…。いい時間を…。」
最早、返す言葉のない彼。そして、官舎へと
一旦、というのには訳があり、刀剣類管理局本部の職員であると同時に、舞草の諜報員としてやることがたまにあるため、その準備のために一度自室へ戻ることにしたのである。
…まさかこの後、彼にとっての修羅場に直面することになるとは、思いもよらなかったが。
同日夜。
「…まさか、巡回を装って施設内の部屋の確認が出来るとは思わなかったな。」
スタンバトンと
たまたま巡回警備の人間が足らなくなったと聞き、一回だけその手伝いを行うことになった次第だ。
「工作は俺の専門外だからいいにせよ、施設の怪しげな部屋があったらすぐに纏める必要があるっていうのも、なんだかなあ、という気もするけどな。」
そんな独り言を垂れつつ、懐中電灯を光らせながら本部を回る。
暗闇の中、自身の担当する部署の部屋が近づいてきたのだが、彼はある異変に気が付く。
「…?おかしいな?扉が開いている。」
退室の際、しっかりとロックが掛かったことを確認して立ち去ったはずなのだが、あろうことか部屋の扉は少し開いていた。
「…靴を履き替えておいて正解だったかもな。」
日中履いていた革靴ではなく、動きやすい運動靴にしていたのはよかったと思った。
音が殺され、静かに近づくことが出来たからだ。
部屋の扉を、音を立てないように開くと、彼のパソコンのディスプレイに明かりが点っていた。
(…シャットダウンはかけていたはず。なら、誰かが起動させたということだよな…。)
目線をパソコンから離すと、画面の明かりに照らされる人の姿が視界に入る。ご丁寧に、部屋のカーテンは閉められていた。
(セーフティーロックを解除、スタンバトンもよし。)
武器の動作確認を行うと、部屋の中の人物を制圧する準備を整える。
そして、彼は突入した。
あともう少し。
USBメモリーのデータを移し終えれば、後は俺の自室のパソコンに本部の情報を流すことが出来る。
あと一分…。周囲を見張っている早希が、誰か来れば知らせてくれるはず。
…なんで、自分の職場なのにコソコソしなきゃならないんだろうな。
「動くな!!」
一週間ほど近くでずっと聞いてきた声が、暗闇に支配された空間から、光沢の広がる視界に切り替わった途端、耳に響く。
思わず、その人物は彼の声が飛んできた方向へ、首を向ける。
左手で部屋の明かりのスイッチを押すとともに、右手で腰のホルスターから素早く自動拳銃を引き抜き、両手を銃に添える。
最初、銃を持った腕は真っ直ぐだった。だが、彼は銃口を向けた先の人間に、目を疑った。
「…糸崎!お前、こんな時間に何やっているんだよ!」
数秒ほど無思考状態になりかけたが、目の前のことは現実であると思い出すと、口を開いていた。思わず、腕を少し下げてしまってもいた。
しかし、その僅かな時間は糸崎にとって、反撃のチャンスを与えるに十分な時だった。
糸崎は何も言わず、彼に向かって隠し持っていたサバイバルナイフを向ける。
(…何でこんな時に◯◯が…。出来るなら殺しはしたくないが…。)
糸崎のミスで、うっかりサバイバルナイフなんかを出したもんだから、彼が受け取るであろう認識を鑑みても、状況は余計にこじれてしまった。
彼の方も、自動拳銃の弾倉には、海外でも使用される暴徒制圧用のゴム弾を入れているため、当たっても死ぬ可能性は低かった。それでも、自分にとっては、初めて人の命を奪うかもしれないというのは、刃を向けられた状況とはいえ、やりたくないところであった。
「はっ!」
先に動いたのは糸崎だった。
自動拳銃とはいえ、当たらなければどうということもないのが、彼にとっては救いであった。
(…拳銃を蹴り上げて、馬乗りになれば上手いこと制圧できるはず。)
仮に特祭隊員の受けている程度のものであれば、自身の積んできた軍事訓練でも簡単に抑えられる、……はずだった。
「!」
(マズい!殺られる!)
彼に向かって、糸崎の持つサバイバルナイフの刃先が、徐々に迫ってくる。
だが、刀使や周りの人間を守るべく自衛隊などに出向していた彼にとって、糸崎の動きはまだ読める範疇のものであった。
急ぎホルスターに自動拳銃を仕舞うと、特注してもらった高硬度のスタンバトンを、左尻のあたりから引き抜き、それでサバイバルナイフを抑える。双方、ちょうど垂直に当たったため、金属音が室内に響く。
「糸崎、止めろ!」
「それはこっちのセリフだ!いきなり銃を向ける奴があるか!」
「馬鹿言うな!誰も居ない部屋が勝手に開いてたら、誰だって不審者の存在を疑うぞ!」
「百歩譲ってそうだとしても、ホイホイ銃を向けるんじゃねえ!ここは日本だろうが!」
と、このように膠着状態に陥った。
正直に言えば、スタンバトンを持っている彼の方が、糸崎のサバイバルナイフに向かって電撃を加えられるため、形成有利ではあった。
だが、もし電撃を行ってしまえば、接触している手足を介して彼にも電撃が通ってしまい、意味が無くなってしまう。
「二人とも、止めてください!」
そんな時、このまま行けば、どう転んでも地獄にしかならなかったであろう状況に、一人の少女が歯止めを掛ける。
「早希!良かった、早く◯◯を抑えてくれ!」
「嘘だろ!仲間が居たのかよ!……詰んだ。」
諦めが入るも、サバイバルナイフから伝わる糸崎の力に陰りが見えないため、彼は力を緩める訳にはいかなかった。
「糸崎君!違うの!この人は敵じゃない!」
「敵じゃない!?どういうことだ!」
「◯◯さんも、説得してください!『日本刀源流の地』のことと言えば、分かるはずです!」
(…『日本刀源流の地』…、まさか!)
何の脈絡もないはずの少女の言葉に、彼はある一つの可能性を思い至る。
「……糸崎、力を抜いてくれ。俺は『ファインマン』を知っている。」
「!?……分かった。」
ある単語を聞いた途端、刃を引っ込める糸崎。
こうして、血みどろの殺し合いになるような事態は回避されることとなった。
先に巡回を終わらせ、糸崎ともう一人の少女には、自身の部署の部屋で待つように言った彼。
部屋に戻ると、冷静になった糸崎と、付き添うようにべったりくっついた刀使らしき少女が、此方を見る。
「今、お茶出すわな。色々、聞かなきゃならないこともあるしな。」
「……おう。」
「すみません、私の分まで。」
「気にしなさんな。」
二人にお茶を出した彼は、早速本題に入る。
「糸崎、それと其方の刀使さんは舞草の人間で間違いないかい?」
「…ということは、お前もか。」
「そういうことだ。…で、君は…。」
「制服のとおり、鎌府女学院の刀使、
「お、おう。そうか。」
カップルへの対応には慣れていなかった彼。
話が脱線しかけたところで、糸崎が何をやっていたのかを問いただす。
「で、一体俺のパソコンへ何をしようとしてたんだ?」
「…情報漏洩が起こりやすいように、細工をしていたんだよ。まさか、実行その日にバレるとは思わなかったけどな。」
「なるほど。…さしずめ、三原さんは見張り役か。」
「はい。…最も、◯◯さんが来られた時には、トイレに行っていて対応が遅れました…。すみません。」
「まあ、そんなこともある。…色々、考えさせられたからな…。」
彼が最初の警告の時に、相手へ銃を向ける際には、気を付けて行おうという実例が出来た瞬間でもあった。
「取り敢えず、舞草の方に報告だな…。同士討ちは勘弁だしな。」
「◯◯、すまなかった。」
「そのお礼は、三原さんに言ってやれ。…じゃ、また明日。三原さんも、暇があればウチの部署へ顔を見せに来てもいいから。」
「考えておきます。…それでは、一緒に失礼させてもらいます。」
「じゃあな、二人とも。」
部屋から去る二人の背中を見送る彼。
この一件があった後日、同士討ち防止のための対策会議が舞草内で開かれたのは、言うまでもない話であった。
ご拝読頂き、ありがとうございました。
糸崎の名前に関しては今回初出になりますが、しばらくの間は苗字呼びで表記させて頂きます。
番外編は次話で一旦終わり、可奈美編へと戻ります。
感想等ございましたら、感想欄・活動報告にて対応させて頂きます。
お気軽にどうぞ。(^^ )
それでは、また。