てか初期に登場させるキャラが4人以外思いつかないのは不味いのかな……。
まあ序盤はいいとして中盤以降真面目に考えて行こう(言い聞かせ)
第二章「再開」第九話
「――ハッ!?」
三日月は目を覚ますと視界一帯にまばゆい光が襲う。意識が覚醒するにつれ、全身の鈍い痛みに思わずうめき声をあげる。
「……ここは?」
いまいち状況を飲み込めないでいた三日月は周囲を見渡そうとするが、自身にもたれ掛かっている二人の子供の存在に気付いた。
「……」
(……なにこれ?)
目に映るのは優しい緑の髪に白銀の色の髪をした少女。その二人からは安らかな表情で眠っていた。その表情から、まるで三日月のことを心配していたかのよう、静かに寝息をたてていた。
「あら、気が付いたのね」
「……アンタは」
「久しぶりね、三日月くん」
目を覚ました三日月に声を掛けたのは、かつて歳星を出立した鉄華団に監査役兼財務アドバイザーとして派遣された女性。メリビット・ステープルトンの姿があった。
♢
「あなたのことはオルガ提督――いえ、団長さんって言ったらいいのかしらね? あなたが三日月くんだってことは聞かされてるわ」
「そっか」
三日月はメリビットに短く返事を返す。そのやりとりにメリビットは柔らかな表情で三日月を見つめる。
「ほんとに変わらないのね、あなた。最初、団長さんから聞いたときは疑心半疑だったけど今なら信じられるわ。あなたが三日月くんだってね」
「あのさ、アンタに訊きたいことがあるんだけど」
「何かしら?」
「これ……なに?」
三日月の視界に映る二人の少女について訊くと、メリビットは「あぁ、その子たちね」と返事を返すと、緑の髪をした少女の髪を優しく撫でる。
「この子たちはあなたが倒れたところを助けに来てくれたのよ?」
「……コイツらが?」
三日月はメリビットに首をかしげると縦に振って肯定する。
「……そういえば、コイツらの格好って俺の着てる服と一緒なんだな」
「そうよ。この子たちはあなたの姉にあたる子たちよ」
「――はっ?」
メリビットの言葉に三日月は目を見開く。メリビットから二人の少女に視線を移す。視線をメリビットに戻すと首を横に振った。
「俺に姉なんていないけど?」
「そうね。あなたには団長さんがいるものね。……でもね? その体の子はこの子たちにとって大事な妹なの」
「……『三日月』の?」
「えぇ、そう。だから彼女の家族のこと大切にしてあげてね」
(……そっか。コイツらがお前の家族なんだな――『三日月』)
『――うん』
三日月は心の中でもう一人の『三日月』に語り掛けると、短くだが返事が返ってくる。まるで、もう一人の自分が近くにいる気配を感じさせる。三日月はふと笑みをこぼすとメリビットに向かって言う。
「わかった。アンタの言う通り大事にする」
「えぇ、そうして頂戴。それじゃあ、ちょっと用事があるからこの子たちのことお願いね」
「うん」
三日月の返事にメリビットは気分良く部屋から出ていくのを見送った。三日月は未だ眠りから覚めない姉たちを待つためもう一度眠るのであった。
♢
「……ふぁ。今何時だ?」
緑髪をした少女、長月は寝起きたばかりの体を起こすため腕を上へと伸ばす。体を震わせ眠気を払い隣で寝ている菊月に目を向けた。
「……菊月もよく頑張ったな。さすが私の妹なことだけはある」
白銀の髪が寝息をたてることにユラユラと揺れる。軽く頭を撫で労っていると、どこから視線を感じる。
「……ん?」
「……」
ジッとこちらを見つめる金色の瞳。見つめ合ってしばらく、長月は菊月の頭に置いてある手を見つめ自分がしていたことに今更ながら気づいた。
「……見たのか?」
「うん」
「……どこからだ?」
「アンタが起きたところからだけど」
「――」
カアッと顔を赤くさせ口元がパクパクと泳ぐ。三日月はコテンと首をかしげると顔を手で覆いしゃがみ込む。
「……今のは忘れてくれ」
「わかった」
ケロッと言い放つ目の前の少女に長月は思わず訝しげな表情を浮かべる。
「……本当だな?」
「うん」
「本当の本当にだな!?」
「言わないって」
「……ならいい」
「……けどさ」
「うん?」
スッと指を指す示す方向に長月は視線を向けると、さっきまで撫でていた菊月の耳が赤くなっていた。
「多分、意味ないと思うけど」
「――う、うわあああああああ!?」
♢
「うっ……ひっく、ひく……」
「「…………」」
あれから長月は部屋の隅ですすり声を上げ泣いていた。菊月は慰めようと色々しているが、長月にとって惨めでしか感じないことに気付いていない様子。三日月もこの手に関しては不得手な方だったので、どうしていいのか分からず困惑していた。
(こういうとき、アトラならどうするかな……)
以前、地球に向かう途中クーデリアが泣いてしまった時のことを思い出す。
三日月は重い体をベッドから起こして長月の所へ歩く。菊月の肩を軽く叩く。振り返る菊月に三日月は視線を送ると、菊月も何かに察したのか三日月に首を振り交代する。三日月はそっと抱きしめるかのように長月の体を抱きしめると頭を撫でた。
「……ふぇ?」
「ごめん。女の子が泣いている時はこうするのがいいって、アトラが言ってたから。これしかわからないや」
「……」
三日月の行動に思わずされるがままの長月。優しく髪を撫でる手からはどこか温かいものを感じる。しばらくして長月のすすり声が聞こえなくなると、最後にポンポンと頭に触れて離れていく。
「落ち着いた?」
「……はっ!? す、すまない! 見苦しいところを見せたな」
「別にいいよ」
長月はゴシゴシと目に残った涙を拭うと凛とした表情を浮かべる。その姿を見た三日月は胸を撫で下ろす。
「私は睦月型8番艦駆逐艦、長月だ。駆逐艦と侮るなよ!」
「あーえっと、三日月。三日月・オーガ――じゃなかった。睦月型10番艦駆逐艦、『三日月』だっけ?」
「……なんで疑問形なんだ?」
長月は決めセリフを言い手を差し出す。三日月も長月の手を取り自己紹介をするが、三日月の仕方に思わず指摘する。
「あーごめん。まだ慣れてなくって」
「そ、そうか。そういえば急だったからな。すまない」
「別に、気にしてないから」
慣れていないのは名乗り方だったのだが、どうやら勘違いをしているのに気づいていない様子だったので、特に言わなくてもいいだろうと思った三日月である。
「それで……アンタは?」
「菊月だ……共にゆこう」
「……?」
三日月は菊月の方に向くと、そっと差し出す手を受け取り握手を交わす。だが、菊月のセリフの意図が理解できず反応できずにいた。
「あーあまり菊月の言う事に気にしなくていいからな」
「そうなのか?」
「あぁ、とりあえずよろしくって言ってると思ってくれてかまない」
「ふぅーん。よろしく」
長月の説明に三日月は頷くと、長月と同じ部屋の隅で「うぅ……なんなのさ、一体……」とつぶやいているのが聞こえるが、聞こえていない振りをした。
こうして、新たな仲間が出来た三日月であった。
ストックの第二章を書き終えたんですけど……今更なんですけど、結構説明とか出来ていなかったりするかもしれないです。
出来たらでいいんで指摘して頂けたりすると有難いのでよろしくお願いします。
これからも皆さんが楽しんでいただければ幸いです。
最後に一言――やっぱり駆逐艦は最高だなぁ!!
パンッパンッ!!(銃声の音)