鉄血の三日月   作:止まるんじゃねぇぞ…

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まず始めに……すみません。
なにが、とは言えませんがすみません。
まあ、読んでいただければわかると思います
では、どうぞ。


第十四話

 第二章「再開」第十四話

 

 時は夕刻。復興作業から半日が経過していた。三日月たちは微力ながらも復興作業の手伝いを行っていた。

 

 「よーし!今日はここまでにしよう。お前ら! あとはゆっくり休んでくれ!」

 

 オルガの号令に作業員たちはそれぞれ労いの言葉をかけて仕事から上がっていく。

 

 「……ふぅ」

 

 三日月もオルガの言葉を聞き、最後に片づけていたものを終えると、黒いセーラー服の袖で額の汗を拭う。三日月は生前の時のように上手くいかないと思った。

 

 (……やっぱり、前みたいに上手くいかないや)

 

 少女の体のせいかすぐ疲れやすく、重いものを持つのも一苦労であった。生前の三日月は男性にしてCGS時代から体を鍛えていたこともあって体力もあった。だが、今回はそうも言っていられないようだ。

 

 「……また、鍛えないと」

 

 こんなんじゃダメだ。そう思い、三日月はどこか鍛える場所がないかと探しに向かおうとしたところに――姉妹艦である長月、菊月がこちらに向かってくる。

 

 「おーい『三日月』! そっちは終わったのか?」

 

 「ん? あぁ、今終わったところだけど」

 

 「ほう! そいつはよかった。今から菊月と一緒にお風呂に行くんだが『三日月』も行かないか?」

 

 「……お風呂かぁ」

 

 どうしようと心の中でつぶやく。正直、今は鍛錬したい気分であったが、目の前の長月と菊月の眼からは期待に満ちた視線を向けられていた。どうでもいい奴からとかなら断ったりするのだが、仮にも妹であり家族の頼みを無下に断りづらいと思った。

 『三日月』もお風呂に入りたいと言ってるのが聞こえると、仕方ないと思いつつ長月の提案に乗るのである。

 

 「いいよ」

 

 「――ッ!! そうか! なら、早く行かないと夕飯に遅れてしまうからな!」

 

 「――ッ!! ふっ、礼は言わぬ……」

 

 長月は三日月の左手を、菊月は右手を取ると共に走り出し、それについて行く三日月であった。

 

 

 ♢

 

 

 「……はぁ」

 

 ……疲れた。オルガは両手を腰に当て背中を逸らすと一息、ため息をこぼす。凝り固まった肩を回す。ゴキゴキと肩を鳴らしていると作業を終えたビスケットがこちらに向かってくる。

 

 「お疲れ様、オルガ」

 

 「あぁ、ビスケットも今日はサンキューな」

 

 「気にしないでよ。当たり前のことをしただけなんだから」

 

 「それでもだ。お前にはいつも感謝してるんだぜ?」

 

 ニィと笑みを浮かべ振り返ると、ビスケットもオルガにつられ笑みをこぼす。オルガとビスケットは食堂である間宮のところに向かおうと足を運ぶ。

 

 「そっか。なら、これからはもっと頑張って貰わないとだね」

 

 「あぁ、わかってる。ミカも来たんだ。俺たちのやることはここから始まるんだからよ」

 

 「そうだね。あ、そうだ。オルガに伝えとかなきゃいけないことがあって」

 

 「あん? 伝えとかなきゃいけないことって?」

 

 「間宮さんの手伝いにアトラとハバの女将さんが手伝いに来てくれたんだけど……」

 

 「……」

 

 ビスケットの言葉にオルガは歩くのを止める。ビスケットは歩くのを止めたオルガに振り返ると、そこには呆然と立ち尽くしていたオルガの姿があった。

 

 「……アトラが来てんのか?」

 

 「う、うん。そうだけど?」

 

 「……」

 

 オルガはビスケットの返事に上を見上げる。

 以前、クーデリアのお嬢さんと会った時に聞いたことがある。俺が死んだ後、ミカはアリアンロッドの戦いから団員を守るために最後まで戦ったそうだ。アトラとクーデリアのお嬢さんも最後まで三日月が帰ってくると信じて待っていたらしいが、結果は望んでいたものと違った形になってしまった。二人はその後一緒に暮らして最後まで過ごしていたらしい。

 

 きっと会わせてやれば問題なんてねえはずだ。だが、今のミカを本当に会わせてもいいのか? 中身は俺たちの知ってるミカだけど姿形はまるで別人なんだぞ。ミカのことが好きだったアトラの前に今のミカを会わせられるのか。

 

 「……ねえ、オルガ」

 

 「ん? なんだよ、ビスケット」

 

 「今アトラと三日月のことを考えてなかったかい?」

 

 「……」

 

 「あの子なら今の三日月を見てもきっと大丈夫だよ」

 

 ビスケットの言葉に目が点になるオルガ。だが、ビスケットの表情からオルガはふと息を吐くと、右目を瞑り口角を上げ笑みをこぼす。

 

 「……ったく、お前は何で俺の考えていることがわかんだよ」

 

 「何を今更言ってるんだい。俺がオルガの近くでどれだけ見てきたと思ってるの?」

 

 「……そっか。アトラなら大丈夫か」

 

 なら早く知らせてやらねえとな。そう思いオルガはアトラの場所に向かおうとしたが、一つ聞きたいことがあったのを忘れていた。

 

 「……そういやビスケット。ちょっといいか?」

 

 「うん? なんだいオルガ?」

 

 「ミカを知らねえか? さっきから姿が見えねえんだけどよ」

 

 「あぁ、三日月なら今お風呂に行ってるんじゃないか?」

 

 「――風呂、だと?」

 

 「? うん。長月と菊月と確か一緒だったと思うけど――って、オルガ!?」

 

 「はぁ……はぁ……!!」

 

 オルガはビスケットの静止を聞かずに、全速力で風呂場へと走り出す。

 

 (ま、待ちやがれミカァアアアアア! 今のお前の状況分かってんのか!? 今のお前は女なんだぞ!? しかも相手は幼女だぞ!! 何やってやがるんだお前!!)

 

 オルガは艦娘専用の風呂場に着くと、既に風呂から出た後の状態をした三日月と長月たちが入り口に立っていた。オルガは三日月達のところに到着すると肩で息をして呼吸を整えるのであった。

 

 「……オルガ?」

 

 「し、司令官? 『三日月』に用でもあったのか?」

 

 「あ、あぁ、悪い。ちょっと借りてくぞ」

 

 オルガは三日月の手を取り、長月達から少し距離を離すと小声で話しかける。

 

 「……なぁ、ミカ」

 

 「どうしたの、オルガ?」

 

 「お前……今は女だっていうこと忘れてないよな?」

 

 「何を言ってるの、オルガ?」

 

 そんな当たり前なことを何故聞くんだと言わんばかりの視線をオルガに送ると、オルガは開いた口が塞がらないでいた。

 

 「ミカお前……あいつらとお風呂に入って何とも思わなかったのかよ」

 

 「別に、普通でしょ?」

 

 それだけ言うと三日月は「また後でね、オルガ」とだけ言い残し、長月達のもとへと戻っていく。オルガの後を追いかけてきたビスケットは息を切らしながら近づいてくる。

 

 「はぁ、はぁ……急に走り出してどうしたの、オルガ?」

 

 「……なぁ、ビスケット」

 

 「……なに、オルガ?」

 

 なんか今日同じ光景を見た気がする。そんな気を感じたビスケットはとりあえずオルガの話を聞くことにした。

 

 「……すげぇよ……ミカは……」

 

 「だから何の話?」

 

 ビスケットの疑問に答えることもなく、オルガは長月達と歩く三日月の背中をただ眺めるだけであった。




入浴シーンはいつか書きます。
今回はすみませんが勘弁してください。
あと、オルガの動画とか見るとどうしてもこんなキャラになってしまう傾向にあるんですが、なんとか頑張ります(笑)
いつも読者の皆様には感謝しています。
これからも頑張ります。
では、また。
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