鉄血の三日月   作:止まるんじゃねぇぞ…

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あの……すいません。
投稿したと思ったらしていませんでした!
もう毎日投稿破ってしまった……これからは出来る限り頑張ります。
では、どうぞ。


第十六話

 第二章「再開」第十六話

 

 カチャカチャと食器を片付ける音が食堂一帯に響き渡る。それぞれが食事を終えると片づけ始める。片付け終わるとそれぞれ戻るべき場所へと戻り、就寝に備えるために足を運ぶ。

 三日月も神通たちと共に食器を片付けていた。食器皿を返却コーナーに持っていくと、間宮が食器を受け取りに来る。

 

 「ありがとう。『三日月』ちゃんは偉いわね」

 

 「別に、普通でしょ」

 

 「ふふ、いい子だね。あ、そうそう。自己紹介がまだだったわね? 私は間宮。よろしくね、『三日月』ちゃん」

 

 「ん、よろしく」

 

 三日月は間宮にそう言うと食器を渡す。間宮が受け取ったのを確認すると、自分も長月達と一緒に部屋に戻ろうとする。長月達の戻ろうとしたところに、ビスケットが走ってこちらに向かってきた。

 

 「どうしたの、ビスケット?」

 

 「はぁ……はぁ……み、三日月。今、時間あるかな?」

 

 「? 別にいいけど」

 

 「そっか……今からちょっと会ってほしい人がいるんだ」

 

 「会ってほしい人?」

 

 三日月が聞き返すと、ビスケットは「うん」とだけ言って頷く。

 

 「もしかして……オルガのこと?」

 

 「いや、オルガじゃないよ。もっと別な人」

 

 「……」

 

 ビスケットの勿体ぶる言い方に三日月は不思議に思う。

 オルガ以外にいるとしたら誰だろう? 昭弘? ユージンなのか? 一応知っている人とは既に言葉を交わしたはずだが、まだ誰かいたのだろうか?

 三日月は今日あいさつしたであろう人物をビスケットに聞いてみるが、どれも違うらしい。会ってからのお楽しみとしか言わないビスケットの後ろを、ただついて行くしかなかった三日月であった。

 

 「……この先にいるから。あとは三日月だけでいいかな?」

 

 「……わかった」

 

 ビスケットの頼みに三日月は頷く。海岸沿いをそのまま真っ直ぐ歩くが、夜の暗さのせいで周りが見えない。しかし、ある程度歩き続けていると目の前に人影がいるのが分かった。

 三日月はその人影に向かって歩き続けると、人影らしきものがこちらの存在にも気づいた様子でこちらに近づいてくる。三日月はその人影の前にたどり着くと、じっと相手の顔を見つめる。

 

 「……アンタが俺のことを呼んだのか?」

 

 「え、いや、私はビスケットに言われてアナタを待つようにって――」

 

 (あれ……この声。もしかして――)

 

 「――アトラ、なの?」

 

 「――えっ?」

 

 三日月が目の前の人物に話しかけた刹那、夜空の光が辺りを照らし出す。

 暗くて何も見えなかった人影から現れたのは、かつての仲間であり、大事な人であるアトラ・ミクスタの姿がそこにあった。

 

 

 ♢

 

 

 アトラは三日月の言葉に息をするのを忘れてしまうほどであった。目の前の少女は、先ほど食堂で見かけた人物と同一人物に間違いなかった。だからこそ、信じられなかった。目の前の少女がアトラの知っている三日月・オーガスであることだという真実に。

 

 「……ミ、三日月……なの?」

 

 「……うん。そうだよ」

 

 三日月であろう少女の言葉から放たれる声に、アトラは反応できずにいた。

 ずっと会いたいと願い続けた。アトラがこの世界に来てから鉄華団のメンバーとは何人か会ってきたが、少し年齢とかが違ったりしていたりする位で、ほとんど変わっていない人の方が占めていた。

 

 だが、目の前の少女は違った。姿形以前に性別まで違っているときた。もはや変わっている所ではない。変わり過ぎていて逆に思考が追い付かないくらいだ。

 神様は残酷だ、と言う人がいたりするがまさにその通りだとアトラは思った。よりにもよって会いたいと願った人の姿が――少女の姿をしているのだろうと。

 

 「――なんで?」

 

 「……アトラ?」

 

 「なんで……三日月、なんでなの?」

 

 「……」

 

 今にも倒れそうなアトラの足取りに、三日月は近づくとそっと優しく抱きしめた。アトラは三日月に抱きしめられると、黒いセーラー服の襟を力いっぱい握りしめる。そして、三日月から顔が隠れるようにアトラは三日月の胸に顔をうずめる。

 

 「……三日月……どうしよう」

 

 「……」

 

 「これじゃあ――三日月の赤ちゃんが作れないよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 「……は?」

 

 

 ♢

 

 

 「……あの、その、えっと、ごめんね? 三日月」

 

 「あ、いや、うん。アトラはもう平気?」

 

 「う、うん。いきなりごめんね? びっくりしたでしょ」

 

 「あーうん。まあね」

 

 普段はあまり驚かない三日月だったが、今回のアトラの言葉には流石の三日月も驚きを隠せずにいた。あれからしばらくして、アトラも落ち着きを見せると、三日月の胸から離れて顔を合わせる。

 

 「……本当に三日月なんだね」

 

 「そうだけど……どうして?」

 

 「どうしてって……そりゃあ、三日月がいきなり女の子になってたら普通驚くよ」

 

 「そうかな?」

 

 「そうだよ! きっとそうに決まってる!」

 

 ムッとした表情で接近するアトラの顔面に、三日月は顔を引いてしまう。そんな三日月の様子をお構いなしに続けてくる。

 

 「それに……私よりちょっと胸が大きい気が……」

 

 「え、なに? 聞こえなかったんだけど」

 

 「あ、う、ううん! こっちの話!」

 

 「?」

 

 アトラがブツブツと何か喋ったと思った瞬間、いきなり身を引き始めた。アトラの行動に思わず三日月は頬を緩める。三日月の表情にアトラも不機嫌そうな顔から優しい顔へと変わる。

 

 「アトラも変わらないんだね」

 

 「そ、そうかな?」

 

 「うん。少し、ホッとした」

 

 「三日月……あ、そうだ!」

 

 アトラは何かを思い出したかのように、パーカーのポケットから何かを探している様子だった。ポケットの中を弄っていると、お目当ての物を見つけたのか、ポケットの中から取り出すと三日月の目の前に差し出す。

 

 「――これって」

 

 「……うん。前のと同じブレスレットだよ」

 

 アトラの手の平にあるブレスレットは、かつて地球に向かう時にお守りとして渡したものと同じものであった。アトラは三日月の左手首を持つと、手の平にあったブレスレットを着けてあげる。三日月はアトラがブレスレットを着け終えると、ブレスレットを顔に近づけ大きく息を吸う。息を吐くと、どこか満足げな笑みを浮かべアトラにお礼を言う。

 

 「……ありがとう。大事にするね」

 

 「……」

 

 「……アトラ?」

 

 アトラは三日月の左手首にあるブレスレットごと両手で掴むと、願いを込めるかのように強く握りしめた。

 

 「――約束して」

 

 「え?」

 

 「もう……どこにもいなくなったりしないって……約束、して」

 

 ポロポロと溢れ出すアトラの目から涙が地面に向かって零れ落ちていく。三日月はどうしたらいいのかと考える前には、既にアトラを抱きしめていたことに気付く。三日月の腕の中で泣き続けるアトラを赤ん坊をあやすかのように、背中を優しく叩き続ける。

 

 「わかった」

 

 「……本当に?」

 

 「うん」

 

 アトラも分かっていた。あの時、三日月が戦わなければ、もっと多くの犠牲が出たことに。三日月が最後まで戦ったおかげで助かった人たちがいたことに。そして、今回も同じように大切なものを守るために戦いに身を投じるのだと。だからこそアトラは願いを込める。

 

 「――約束だよ?」

 

 「――うん。約束」

 

 もう――どこにもいかないように、と。ブレスレットに願いを込めるのであった。

 




アトラちゃんって時々こんな感じのキャラですよね?
結構oh……っていう発言してますし……いや、うん。多分大丈夫。
でも喜怒哀楽がハッキリしてて可愛いから自分的にはかなり好きです(笑)
では、また。
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