鉄血の三日月   作:止まるんじゃねぇぞ…

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レ級戦その二です
では、どうぞ。


第二十七話

 第三章「始動」第二十七話

 

 「み、『三日月』さん!?」

 

 「大丈夫、ジンツウ?」

 

 神通に向かって行った艦載機を落とすと三日月は銃口を下げる。神通に被害が出ていないことを確信すると三日月はひとまず安心した。

 

 「そ、その単装砲はどうしたのですか!?」

 

 「ん? あぁ、これ?……長月に渡されたんだ」

 

 神通が指で指し示す先には、三日月の所有していた単装砲とは違い、もう一丁の単装砲が握られていた。その単装砲は三日月と同じ形をしたものとそっくりであった。

 

 実は三日月がここに来るまでの間、行く寸前に長月から単装砲と弾薬、燃料を分けてもらっていたのだ。代わりに腰に付けていた爆雷を預けた。そして、行く直前に爆雷を装備していた両腰に単装砲を付けてここまで来たのであった。

 鉄メイスを扱う際には邪魔にならないように両腰に単装砲が装着出来るよう、事前におやっさんが単装砲に仕掛けをしてくれたおかげで落とすこともなく戦闘が出来るのである。

 

 だが、本来であればそのような機能はついてなどいない。あくまで三日月がメイスでの戦い方を知っているおやっさんの配慮によるものである。なので、他の鎮守府の装備を譲り受けた場合、入れ替えながら戦う場合は捨てるか、スカートのベルトに入れるぐらいしか方法がないのだが、現実問題捨てる以外三日月にとって選択肢がないと言い切ってもおかしくはないだろう。

 

 「い、いつの間に……」

 

 「神通と別れてこっちに来る途中で……っと!」

 

 神通に説明をしていたところ新たな艦載機が三日月に向かって接近してきたところを三日月は迎撃する。単装砲のトリガーを一回、二回と艦載機に向かって引くとカンッと軽い音を立てる。だが、軽い音とは裏腹に艦載機は上空で轟音を響かせ爆発した。

 

 「……鬱陶しいな」

 

 次々と艦載機による上空攻撃に三日月は思わず眉をひそめる。圧倒的な数を相手に一機、また一機と単装砲による砲撃を繰り返していた。そして、三日月は神通を中心として円を描くように航海する。

 

 手負いの神通は動けないことを考慮してのことだった。レ級だけではなく、艦載機の数も多い中、離脱するのは難しい。ならば、逃げられないのなら神通を守りながら戦えばいいだけのこと。そう考えた三日月は神通の周囲を警戒しつつの迎撃試みることにしたのだ。

 

 「レレ―!」

 

 「――ッ!」

 

 レ級は三日月に向かって尻尾の先端部の口を開くと砲塔を現し砲撃する。間一髪、三日月はレ級の攻撃に気付くと上体を逸らしながら急速旋回を行い攻撃を避けた。

 

 「……」

 

 カンッ! カンッ! ドゴォォォォォン!!

 

 「レッ……!?」

 

 回避をしてすぐさま三日月は敵の尻尾の先端部の口の中に目掛けて単装砲を連射する。口の中の砲塔が爆発を起こすと、レ級の尻尾はまるで苦しんでいるかのように見えた。そして、レ級の尻尾は爆発した砲塔を空に目掛けて向けると、そのまま力なく海へと倒れた。その様子にレ級の顔は酷く焦った顔つきをしていた。

 

 「……あれ?」

 

 (空にいた鳥みたいな奴の数が減ってる?)

 

 いくら撃っても撃っても、次々と現れたレ級の艦載機の数が着実に減っていることに気付く。それに、尻尾を破壊してから艦載機の様子がおかしいと感じた。動きが鈍いとでも言えばいいのだろうか。少なくとも、さっきよりかは動きが遅くなったことに三日月は好機だと思った。

 

 それに引き換え、レ級は尻尾の破壊に動揺を隠しきれずにいた。

 尻尾にはいくつか機能があった。一つは艦載機を発進させるための滑走路としての役割。二つ目は艦載機を指揮する役割。そして、三つ目は主に砲撃による攻撃である。だが、三日月の攻撃で尻尾が機能停止した今、艦載機を指揮するどころか新たに飛ばすことも出来ないでいた。

 

 本来、三日月の単装砲だけではビクともしないのだが、最初の三日月の鉄メイスの攻撃で背びれに当たる部分の滑走路の損傷と、砲塔内に内蔵されていた砲弾を撃ち抜かれたせいで一気に破壊されてしまったのだ。

 

 「レ、レレ、レレレ……」

 

 オロオロと慌てふためくレ級。こんなはずではなかった。こんなことになるとは思いもしなかった。そんな思いを抱いている合間、レ級は周囲の気配に気づく。

 

 「――レ?」

 

 「……はぁ」

 

 一息。三日月は息を吐くと上空に構えていた両腕を下すと力を抜いた。手にしていた単装砲のトリガーを引くがカチカチと音を鳴らすだけで弾が出ることはなかった。代わりに上空からはレ級の艦載機の破片が海の底へと落ちていくのである。

 

 その光景にレ級は間抜けた声を発してしまう。あれだけの数の艦載機を一人で落としたのかと。信じられないと言わんばかりの視線を三日月に向ける。

三日月は弾倉が空になった単装砲を海に放り投げると、残った武器――鉄メイスを構える。

 

 「これで――アンタだけになった」

 

 「――レ、レ、レレレレ!!」

 

 三日月の言葉にレ級は笑みを浮かべながら前髪をぐしゃぐしゃに弄る。気が済むとレ級は三日月と対峙する。そして、あろうことか自身の尻尾を引きちぎり始めた。

 

 「レ、レ、レレー!!」

 

 「……ふーん」

 

 その奇怪な行動に三日月は驚くことは無かった。おそらく使えなくなった部分を軽くして機動性を上げる為であろうと考えた。

 その考えは概ね正しく、レ級自身も重荷となった尻尾を切り離すことで機動性を上げようと考えたのだ。痛みはあるが我慢できなくはないと思ったレ級は切り捨てた尻尾を海に放り投げると三日月へと一直線に突っ込む。三日月も鉄メイスを担ぎレ級に向かって一直線に走り出す。

 

 お互いに間合いに入ると互いの武器であるメイスと拳のぶつかり合う音が辺りを響かせるのであった。




正直、レ級の艦載機の量はもっといると思うんですが、そこは……あまり突っ込まないでいただけると嬉しいです(笑)

三日月:残りの兵装・鉄メイス
         ・単装砲(自身の)→海へ捨てる
         ・単装砲(長月)→海へ捨てる
         ・魚雷管(両足)

三日月の状態:小破(なるかならないか)

さぁ、どうなる。
では、また。

※追記
感想で得た円状の缶→爆雷と直しセリフも少し変えました。
どうも、ありがとうございます。
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