鉄血の三日月   作:止まるんじゃねぇぞ…

5 / 31
結構三日月のキャラを書いていて思ったんですけど、割と難しいですね。
あと、文章が下手なせいでちゃんと説明とか出来ていなかったらすみません。
描写も簡単かつ分かりやすく書けるように頑張ります


第四話

 第一章「序章」第四話

 

 「1班は武器、弾薬をありったけ持ってくるんだ! 2班はボートの用意は出来たか!? まだならとっとと用意してくれ! 外の奴らが時間を稼いでいる間に終わらせるぞぉ!!」

 

 現在、鎮守府内に存在する格納庫の一つに多くの人が集まっていた。その中心となる人物、オルガ・イツカは各班ごとに指示を送っていた。一人一人が怒声や罵声を上げながらも一つのことを成すために必死になって動き回っていた。その中の一人がオルガに向かって走ってくる。

 

 「外の4班、5班から伝達きました! もう、持ちそうにありません!!」

 

 「――ッ!? わかった! 4班、5班に連絡してくれ。離脱するようにってな。敵の様子はどんな感じだ」

 

 「依然として変わらず敵機ル級は未だ動いていない様子です。イ級の方は迎撃はしているものの傷一つないとのことで、やはり艦娘でないと対処出来ないと思われます」

 

 報告を聞いたオルガは小さくチッと舌打ちをすると右目を伏せる。深海棲艦の中でも最も弱い分類に入る駆逐艦イ級だが、それでも通常人間兵器であるRPGやグレネードによる攻撃でダメージは与えられるのではないかと、期待してないといえば嘘になるが、こうも予想通りだと作戦が困難になる。

 

 「オルガ提督! ボートと武器の類はこれで全部です!」

 

 「わかった! 3班も集まったか!?」

 

 「あぁ、今全員揃ったぞ」

 

 どし、どしっと足音を踏む締め向かってくるのは、かつてアリアンロッドの戦いで三日月と共に戦い、鉄華団の団員を逃がすために最後まで戦った男――昭弘・アルトランドであった。

 

 「4班と5班の奴らはどうした?」

 

 「怪我したやつはメリビットさんが診てくれている。動けそうな奴らは何人か連れてきた」

 

 「そうか。ありがとな昭弘」

 

 「俺はお前の指示に従っただけだ。気にするな」

 

 昭弘はオルガにそれだけ言うと腕を組みながら視線を外す。昭弘のぶっきらぼうな言い方にオルガはにやりと獰猛な笑みを浮かべた。視線を外した昭弘もオルガと同じく獰猛な笑みを浮かべる。

 

 オルガは頭に被っていた帽子を取ると、集まった班の人たちに向け告げる。

 

 「いいかお前ら! これから俺たちは遠征に向かった奴らが戻ってくるまで深海棲艦を足止めする! 今、ビスケットが他の鎮守府にも応援を要請している。連絡がつき次第、こっちに来るはずだ。だから――お前らの命、俺に預けてくれないか!!」

 

 バッと勢いよく頭を下げる。オルガの行動にシーンと静まり返った。

 正直なところ無茶な話だと思う。相手は深海棲艦。敵は一体だけではない。しかも後方には戦艦ル級が待ち構えている。今の今までイ級との交戦を行っていたが敵はほぼ無傷に対し、こちらの被害は増すばかり。実際、死人も何人か出ている。

 もし、断られるようなことがあればそれでもいいと思っている。それでも俺はたとえ一人になろうともこの鎮守府は守る。そう決意したのだから――

 

 ――だが、オルガの思いとは逆の方向へと進んでいた。

 

 「なぁに言ってんですか、提督さんよぉ」

 

 「……えっ?」

 

 「俺たちがここを守らないでどうするんだよ!」

 

 「陸の上には俺たちの家族が住んでるんだ。あいつらを守るためにも戦わずして、いつ戦うっていうんだ!」

 

 そうだそうだと周りの連中も声をそろえ始めた。呆気を取られたオルガの肩をポンと叩き一人の男が告げた。

 

 「それによ。あんたのおかげでここまで深海棲艦と対等に戦えたんだ。あと少しじゃねえか。それまで生きればいい話だろうがよ」

 

 男の言葉に胸の中に熱い気持ちが籠る。オルガは胸を握りしめると男たちに向かって感謝の言葉を込めて伝える。

 

 「――ありがとな。お前ら! 無理だけはするな! 生き延びることだけは忘れすんじゃねえぞ!!」

 

 「「「おおー!!」」」

 

 「よし! 各員ボートに乗り込め! 武器を忘れるな! それからあくまで時間稼ぎだってことを憶えといてくれ! アイツらならきっと来てくれるはずだからな!!」

 

 オルガの言葉に各自ボートに武器を詰め込むと、準備が出来次第発進する。近くにいた昭弘はオルガに腕を突き出すと、オルガも昭弘に腕を突き出し重ね合わせた。

 

 「また先に死ぬんじゃねえぞ、団長」

 

 「あぁ、わかってる。お前も死ぬんじゃねえぞ、昭弘」

 

 「ふん……言われるまでもねえ」

 

 昭弘は満足気にオルガとのやり取りを終えると大量の重火器を抱え込みボートへと向かった。

 

 「さてと……俺も行くとするか」

 

 オルガも昭弘と同じく自分が乗用するボートに向かうと、ボートの操縦席に背中を預け待っていた男がいた。

 ――ユージン・セブンスターク。

 かつて鉄華団発足する前からオルガとは衝突しあっていたものの、副団長として彼に尽くし、CGS時代の中でもアリアンロッドとの戦いから生き残った人物でもある。

 

 「おせーぞオルガ」

 

 「悪いなユージン。待たせてすまなかったな」

 

 「別にいいからよ。早くアイツらに指揮を出さねえと不味いだろうが」

 

 「あぁ、そうだな。――行くぞ」

 

 「おう」

 

 ユージンは短く答えると、ボートの鍵を回しエンジンを起動させ、アクセルを踏むのであった。

 

 

 ♢

 

 

 「明石。準備は出来たか?」

 

 「こっちはオッケーだよ。んじゃ『三日月』ちゃん。準備はいい?」

 

 「うん。いいよ」

 

 明石は三日月の背中に円柱状の缶を固定させ、脊髄の辺りを触れると小さな窪みを感じさせる。三日月は背中の違和感に気付くとおやっさんに質問した。

 

 「阿頼耶識システムはないんじゃなかったの?」

 

 「あん? 確かに阿頼耶識システムは無いって言ったがよ。お前は他の奴らとちょっと違うんだよ」

 

 「違うって?」

 

 三日月の疑問におやっさんはうねり声を上げ、頭を掻き始める。隣で作業していた明石はというと、「阿頼耶識システム?」とハテナマークを頭に浮かべていた。

 

 「まあ簡単に説明するとな。お前みたいな奴をこの世界では『建造』って言われる分類に入るんだよ。それと、そこにいる明石っていう奴は『適合者』と言われている」

 

 この世界の艦娘には二つの分類に分けられている。

一つは『建造』と呼ばれている方法で生み出された艦娘。そして、もう一つが『適合者』と呼ばれる分類であった。

 

 『建造』された艦娘は沈んだ船の核となる部分、つまり動力源を媒体として生まれてきた存在である。彼女たちは船本体が人の形となったものと言っても過言ではない。故にその船の性能を引き出すことが可能である。

 

 また、明石のような存在は『適合者』と呼ばれている。『適合者』とは艦娘の元となる船の艤装とのシンクロ率を意味する。ようは元となる人間と艤装とのシンクロ率が高ければ高いほど、艤装の性能が発揮されるということだ。

 

 「もっとざっくり言うとだな。お前が阿頼耶識システムで動かしていた時みたいに感覚的に動かせることが出来るのが『建造』って方だな。逆に阿頼耶識システム無しのない奴らのことをここでは『適合者』って言えばわかるか?」

 

 「えっと……つまり俺はバルバトスのようなもんなの?」

 

 「そういうこった」

 

 「そっか」

 

 おやっさんとの話に胸をなでおろす三日月。就学経験のない三日月にとってこの手の専門的な話は苦手であった。今までは理解できずとも、阿頼耶識システムのおかげでバルバトスを動かすことが出来たのだ。それが今回もってことなんだろう。

 

 「なんにせよ、阿頼耶識システムに似たようなのが今のお前にあるってことだけわかってればいいんだよ」

 

 「うん。わかった」

 

 「えっと……それじゃあ『三日月』ちゃん行くよ?」

 

 明石は三日月に告げると脊髄の辺りの小さな窪みに、円柱状の缶からケーブルジャックらしきものを引っ張り出し、窪みに差し込む。カチッと音がなると明石は外れないよう固定し三日月から離れる。すると、三日月の頭の中に大量の情報が一気に流れ込んだ。

 

 「あ、ぐっ!?」

 

 「み、『三日月』ちゃん!?」

 

 「お、おい、三日月!? 大丈夫か!?」

 

 おやっさんや明石が三日月に心配そうに声を掛けるが、三日月の耳には入ってこなかった。想像以上にも膨大な情報量に耐えきれず脳がショートを起こしそうであった。あまりの激痛に三日月も普段は見せない涙を目に一杯溜めこむ。

 

 『――三日月』

 

 「――あ、が、くぅ!?」

 

 『私と同じ名前だね』

 

 頭の中に直接語り掛けてくる少女の声。物柔らかそうな声色。でも、オドオドとした感じではなく、はっきりとした声が聞こえてきた。

 ――そうか。お前も俺と同じ三日月っていうんだ。

 

 『睦月型10番艦、三日月。よろしくね』

 

 「――あぁ」

 

 頭の中に入ってきた情報もようやく整理が終わると、『三日月』の艤装の性能、武器の扱いなどの使用方法といったのが理解できるようになった。三日月は目に溜まった涙を拭うと、おやっさんに残りの艤装の装着の催促を促すのであった。

 

 「三日月……大丈夫か?」

 

 「うん。だから急ごう」

 

 「しゃねぇか……明石! 行けるってよ!」

 

 「こっちも残りの兵装の装着終わったよ! 『三日月』ちゃん、無理はしないでね」

 

 「うん。わかった」

 

 明石は三日月の残りの艤装である防御盾、単装砲、三連装魚雷管を各部分に着け終える。出撃をしようとする三日月に、おやっさんは両手で鉄メイスを抱え込んでくる。

 

 「ほれ、お前にはこいつが必要だろ?」

 

 「これで……倒せるの?」

 

 「あぁ、使うことはねえと思っていたが作っておいてよかったぜ。そいつはお前以外扱えないから。まあ正直海の上で使えるかどうかはわかんないけどな」

 

 ふと頬を緩めるおやっさんから鉄メイスを受け取ると、始めて手にするそれは、かつてバルバトスに乗っていた時に使っていた感覚が手から伝わってくる。重さもそうだが、全長は三日月よりも少し高く、鉄メイスの棒の後部を地面につけると、先端分が三日月の頭一個分のデカさを持っていた。

 

 「おやっさん。これを『三日月』ちゃんに渡すつもりで?」

 

 「いや、単に気まぐれで作っただけだ。ただ、万が一を考えて奴らに対抗出来るための素材や仕込みはしたがな。……正直な話な。誰にも渡すつもりなんてなかったしな」

 

 用はお蔵入りなもんだとおやっさんは明石に答える。おやっさんのどこか含みのある言い方に明石は疑問を抱いたが、今は事が事なため、追及するのは後にしようと思った。

 

 「おやっさん」

 

 「あぁ、わかってる! 3番から出すぞ。あそこからなら敵の近くに出れるはずだ」

 

 三日月は格納庫にあった水が溜まっているスペースに足を運ぶ。すると、なんの躊躇いも無しに水の上に乗ると、沈むことなく二本の足で立っていた。おやっさんがタブレットを持ち出し操作すると、目の前のシャッターが開き水路が開かれた。

 

 「よし! いけるぞ、三日月!!」

 

 「『三日月』ちゃん! 絶対生きて帰ってきてね! じゃないと大淀に怒られちゃうからさ!」

 

 「もう怒ってますよ! ……『三日月』さん。お願いですから無茶なことだけはしないで下さいね?」

 

 「うん。ありがとう。おやっさん、アカシ、オオヨド、行ってくるね」

 

 三日月はそれぞれにお礼を言うと、そっと目を閉じ鉄メイスの柄の部分を頭に当てる。そして、意を決したのか鉄メイスを腰に添えると出撃の際にする掛け声を放つ。

 

 「行くぞ――『三日月』」

 




もし感想でこれってこの後どうするのとかキャラは何を出すのとかはなるべく言わないでおこうと思います。(設定の矛盾とかあった時に対処できないため)
なるべく、皆さんが楽しめるようなお話を作っていきたいなー

*『建造』と『適合者』のわかりやすい例え(本文では説明するときに書きたくなかった為、ここで書かせてもらいます)

ex)『建造』⇒ガンダム・フレーム(バルバトスとか)

  『適合者』⇒モビルスーツ(グレイズ・フレームとか)

違いは阿頼耶識システムがあるかないかみたいな感じです。(矛盾点があったらすみません)

徐々に本編で書いていこうと思います。わかりやすい例えは後書きに書いていけたらなーと思います。よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。