鉄血の三日月   作:止まるんじゃねぇぞ…

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第二章開幕です。
第二章はなるべくキャラクターを出したいとは思いますが、多すぎて話が進まない……
一章で死んだはずの仲間たちの登場に皆さんもいくつか考察があると思いますが、皆さんと期待しているものと同じであれば嬉しいです。
あと、艦娘の登場キャラが迷い過ぎてどれがいいのかと考えてますので楽しみにしていてください。 
では、どうぞ


第二章「再会」
第七話


 第二章「再開」第七話

 

 「おーい。その機材はこっちに持ってきてくれ」

 

 「オーライ、オーライ」

 

 「いくぞ……せーの!」

 

 ル級の襲撃から半日が過ぎた。応援に来てくれた他所の艦娘はまた敵が来ないよう巡回警備に回り、それ以外の人は復興作業へと回っていた。鎮守府自体はル級による攻撃が主な被害を受けたが、それ以外の建物による被害はさほど被害を受けずにいた。壊れた鉄骨やコンクリートの撤去作業に、壊れた建物の修復作業はあと一日、二日で作業が終了するほどのものであった。

 ――しかし、人事的被害はあまりにも大きすぎた。

 

 「――これが、主人のだって言うんですか?」

 

 「――はい」

 

 一人の女性がオルガの目の前に地面に膝を着け、手の中に残った一個の指輪がじっと見つめていた。

 

 「間違いありません。彼が俺に自慢げに見せてくれたものと同じでしたので間違いないかと」

 

 「まだ、あんなに小さな子が出来たっていうのに……そのために頑張って仕事するって」

 

 「……」

 

 「……主人は、立派に勤めを果たしましたか?」

 

 「――ッ。彼は新米の提督である俺を激励して支えてくれました。そして、最後までここに住んでいる人たちを守ろうと戦ってくれました」

 

 「そうですか……あの人らしい」

 

 「……すみません。俺も他に行かないといけないので」

 

 「わざわざ……ありがとうございました」

 

 オルガは被っていた白い帽子のキャップをキュッと深く被り目元を隠した。後ろに振り返り歩き出すと、女性の嗚咽が耳にこびりついく。

 オルガは生前から人の死はいくつも見てきた。生まれた時から死との背中合わせで生きてきた。生きるためにはやられる前にやらなければならない。そして、目的のためなら立ちふさがる奴は敵だと。

 

 だが、決して人の死に慣れているわけではない。特に、仲間の死は決して慣れることない。例え、そいつがどんな理不尽な死に方をしたとしても、割り切らなければ前に進めないからだ。かつての自分もそうだった。ビスケットが死んだとき、ミカが逃げ道を作ってくれなかったら、俺はあのまま何も出来ずにいたと思う。

 

 「――俺は謝らねえからな」

 

 けどよ、せめてあんたの奥さんと子ども達が平穏に暮らせる世の中にはしてみせる。そう心に誓いオルガは激励をしてくれた男を想い海を眺めるのであった。

 

 

 ♢

 

 

 「おい。それはこっちだ」

 

 「あ、すみません」

 

 昭弘は指示された資材を間違えて運ぼうとしていた青年に指摘する。

 

 「……」

 

 「あの……」

 

 「……お前、新兵か」

 

 「あ、はい。まだ学校を卒業してからそんなに経ってないです」

 

 その青年は昭弘に向かって敬礼をする。青年の敬礼からは新米だということもあるのか初々しい感じをさせる。

 

 「……そうか」

 

 「俺も、これから頑張ってこの町の人たちを守っていくつもりです!」

 

 グッと握りこぶしを作り意気込む青年。その光景にどこか懐かしさを感じる。

 

 「……頑張れよ」

 

 「はい! ありがとうございます!」

 

 青年は昭弘に一礼すると元気よく資材を運んで行った。その後ろ姿に息をつくと一人の女性が昭弘に近づく。

 

 「ねぇ……そこのガチムチ野郎。ちょっといい?」

 

 「あん? いきなりなん――」

 

 ドスンッ!!

 

 「あ、がぁ……」

 

 昭弘は女性に向かって振り返ろうとした際、溝内に腰の入った拳が一発入る。これでも昭弘は自分の体に自信を持っていた。訓練で鍛え上げられた肉体は大抵の奴なら痛くもかゆくもない。ましてや女性に負けるわけがないと思っている。だが、いくら溝内だからとはいえここまでのパンチを入れられる奴は一人しか知らない。

 

 「あ、姐さん……」

 

 「バカ! 心配したんだからね……」

 

 「……すみません、姐さん。俺……」

 

 「分かってる。アンタのそういうところが好きになったんだから。けど、無茶だけはしないで」

 

 「……そうだな」

 

 姐さんと呼ばれる女性の名はラフタ・フランクランド。タービンズ所属のパイロットであり、よく三日月達と共に戦った仲間である。しかし、タービンズ解散後にジャスレイの手下によって命を落としてしまった。

 この世界でラフタは昭弘と再会すると、生前言えなかった好意を伝える。昭弘もラフタの好意に少しずつ向き合い、今となっては最近やっと付き合うことになったのである。

 

 「お、ラフタの姐さん。久しぶりですね」

 

 「あ、オルガ! 久しぶりじゃん」

 

 オルガは手をあげてラフタに声を掛ける。ラフタもオルガに手を振り返す。

 

 「えぇ。名瀬の兄貴はどちらに?」

 

 「ダーリンならあっちにいたよ」

 

 ラフタは海岸の方に指を指すと、オルガはラフタに一言お礼を言う。

 

 「わざわざありがとうございます。 ……あぁ、それとな昭弘」

 

 「ん?」

 

 「お前には無茶した罰として明日一日謹慎な」

 

 「んなっ!?」

 

 昭弘はオルガの命令に動揺する。昭弘の表情にオルガはその場を立ち去り後ろ姿のまま告げる。

 

 「お前の謹慎場所はここじゃねえ。自分家に帰ってたまにはラフタの姐さんと過ごせ。そうすれば、お前の無茶も少しは落ち着くだろ」

 

 「……お前にだけは言われたくねえよ」

 

 「……あぁ、そうだな」

 

 昭弘は後ろ姿のオルガに頭を下げると、オルガは振り返ることなく手を振って、その場を立ち去るのでった。

 




毎日一話更新出来るよう頑張ります
あと、凄い見てくださってる方が増えてきたので有難いです。
私情ですが……ラフタと昭弘のラブラブな番外編が書けたら書きたい。てかあの二人は幸せになって欲しい。あとマサヒロも幸せにしてぇ……。
では、また
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