割と独自解釈があるかもしれませんが……多分大丈夫だと思いたい。
それと一つ――三日月のキャラが難しすぎてツライorz
まあ、なんにせよ。あんまりおかしな内容にならないようこれからも頑張っていこうと思います。では、どうぞ。
第二章「再開」第八話
「名瀬の兄貴、わざわざすみません。こちらまで来て頂いて」
「何言っていやがる。可愛い弟分のためだ。これくらい構いやしねえさ」
オルガは名瀬と呼ばれる男に声を掛けると、手をヒラヒラと振り答える。
名瀬・タービン。テイワズの輸送部門を担当する下部組織のリーダーである。彼は行き場のない女性を受け入れるため奮闘したり、弟分であるオルガを面倒見がいいなど、情に厚い人物である。
そんな名瀬がここにいる理由はビスケットによって応援要請を受けたからである。
「全く、お前らはどうしてこうも面倒ごとに巻き込まれやすいんだ」
「す、すみません……」
「いくら着任してからまだ半年も経っていないってのに、鎮守府が崩壊。あまつさえ提督であるお前まで死んじまったら、目も当てられねえぞ」
「か、返す言葉もねえです……」
「ま、無事だったからいいけどよ」
名瀬は腰に手を置き息を吹くと、オルガはそっぽを向くと頭をかいた。
「それで? 例のやつはどうなった?」
「『三日月』のことですか?」
「それ以外ねえだろ。で、どうだったんだよ?」
「実は――」
♢
「――おいおい!? それは本当なのかよ! あの三日月が睦月型の『三日月』として蘇ったってのはよ!!」
「えぇ、正直な話、未だ俺も信じられないんですけど……」
オルガの言葉に名瀬は動揺を隠しきれずにいた。それもそのはず。
そもそも、元を辿ればオルガは三日月を蘇らせるために今日まで過ごしてきたわけではない。オルガはあくまで睦月型10番艦『三日月』を『建造』することが目的だったのだから。
この世界で『適合者』ともう一つ『建造』と呼ばれる方法によって生み出された艦娘が存在する。『建造』と呼ばれる艦娘がどうやって生み出されるのか。それは船の核となる動力源を媒体として生み出される。
『建造』方法とは、提督であるオルガが妖精に弾薬、燃料、鉄、ボーキサイトといった資材を渡すことによって作り出される。そもそも妖精とはなんなのか。その存在は未だ解明されていないが、誰でも見えるという訳ではない。むしろ、ほとんどの人が認識することすらままならない。この妖精を認識することが出来る者だけが提督へとなる条件なのだ。
妖精の役割として主なことは、艦娘の艤装。特に空母の武器である艦載機を操る際には、妖精がいなくては動かしたり出来ないのだ。そして、もう一つの役割は艦娘を生み出すための『建造』である。だが、この『建造』にはある理由が原因で普段行われないでいた。
そう――『建造』の成功率の低さである。
大量の資材を消費するにも関わらず、成功できるのは1パーセントあるかないかだ。そして、『建造』する船の種類によって資材の消費量が違うのだ。『三日月』は駆逐艦であるが、戦艦クラスを『建造』しようとすれば、駆逐艦の10倍の消費量の差がある。
しかも、その10倍の消費量が一回の成功率が1パーセントあるかないかだ。例え、成功したとしても、国自体が無くなってしまう。
それゆえに、この世界に存在する艦娘の大半が『適合者』なのが現状である。
「――ったくよ。『建造』出来るだけでも奇跡に近いのに、あの三日月が来るなんてな。お前、どんだけ三日月のことが好きなんだよ」
「え、あ、いや、その……なんていうか」
「いいぜ、言わなくても分かってるって。お前がどれだけ頑張ってたか知ってるからよ」
「兄貴……」
名瀬はオルガの肩をポンと軽く叩くと、不敵の笑みを浮かべる。オルガは名瀬の言葉に口元を緩めた。
「毎日、毎日、遠征の奴らに資材調達の任務をさせている間、お前は俺以外のところにも必死になって伝手を探しては分けてもらえないか頼みに行ってたんだよな」
「……あいつらも俺の無茶なお願いについて来てくれてるんです。新米だろうが、なんだろうが俺の出来ることをやっただけです」
「言うねえ。そういう筋が通ったところは変わらねえな、お前は」
「でも……俺だけでは無理でした。兄貴と再会していなかったら、こうはなりませんでした。本当に――ありがとうございます」
今回の修復作業による人員、資材、それに艦娘による鎮守府の警備強化のための手配は全て名瀬が受け持っていた。オルガがビスケットに頼み、名瀬に今回の襲撃について知らせると、すぐさま知り合いの鎮守府に応援要請を送ってくれたのである。
まだ、オルガはそれほど他所の鎮守府とのつながりはなく、応援を呼べるほど頼める場所がなかった。しかし、名瀬の広い顔のおかげでこうしてことを運ぶことが出来たのである。
そして、今日『建造』された『三日月』による必要な資材の支援も名瀬は出来る限りの範囲でオルガのことを支えたのだ。
「おいおい勘弁してくれ。女ならともかく男に言われると、尻の穴がかゆくなって仕方ねえだろうが」
オルガは名瀬にお辞儀をすると、名瀬はオルガに対する言葉とは裏腹に満面な笑みで言う。
「そういえばお前に前々から聞きたいことがあったんだけどよ」
「聞きたいことってなんですか、兄貴?」
「あの睦月型10番艦『三日月』の動力源のことだが……お前、この鎮守府に着任して間もない頃に俺に会いに来たよな」
「そうですが……兄貴、どうして今になってそんなことを?」
「あの時は再会できたことに頭が一杯だったからよ。今となっては気づかなかったが……オルガ。お前、誰から手に入れたんだ。あの動力源を」
「……」
「それにお前のことを俺に紹介した奴を調べてみたら聞いたことのある名前があってな。そいつの名は確か――モンタークっていう男だったんだが」
名瀬はオルガを真剣な瞳でじっと見つめると、オルガは夜が明ける日を見つめながら告げた。
「……俺たちの世界でかつて、ギャラルホルン監査局所属の特務三佐だった男――マクギリス・ファリドからです」
一応補足
この世界の建造は私たちがやっている「艦これ」のように資材を溶かすとポンッと出る感じじゃないようにしました。でないと、『建造』と『適合者』のメリット、デメリットがしっかり分けられないと思いまして。
まあそれだけの資材をどうしたんだと疑問に思われると思いますので、徐々に解き明かしていこうと思います。
では、また