麦わらの一味と不思議な一週間【完】   作:シーシャ

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1.ベッドルームへの扉

部屋に戻ると他人がいた。

 

「あ?だれだお前」

 

「ゥオッフ!失礼しました」

 

部屋の真ん中でトランプをしている男の子2人と犬?みたいな動物がいた…。人がめちゃくちゃくつろいでる所に邪魔してしまったと急いでドアを閉めて思い出した。失礼しましたっていうかココ私の部屋じゃね?

 

「ってことはあの人たちってドロボー?」

 

泥棒のくせに部屋でくつろいでるとかどういうことだ。しかもなんか香ばしく焼いた肉のいい匂いとかしてたし。人ん家でBBQとか許せん!私なんて給料日前で毎食TKGだってのに!

 

「ゴルァ!不審者ども!人様ン家で何くつろいで……おや?いない?」

 

再度開けた扉の先には見慣れた自室があった。もちろん誰もトランプなんてしてくつろいでいないし、肉の匂いなんてのもない。まさかどこかに隠れているんじゃ、なんて思うけど小さな部屋に隠れる場所なんてないし、部屋の真ん中には人が座っていたような床の暖かさもなかった。

 

「……え、待って。そもそもこの部屋床に何人も座れなくない?」

 

部屋の真ん中にはローテーブルがあるし、人をダメにするあのソファもあるし、ベッドもタンスもある。しかもたしかあの人たちって床に直に座ってトランプしてて…でも、そんな空間どこにもない……?

 

「げ…幻覚とか初めて見たわ…あはは…」

 

乾いた笑い声が口から漏れたけど、内心ガタブル震えてます本当にありがとうございます。幽霊かぁ…幽霊とか初めて見た…あんなリアルに見えるもんなんだなぁ…。身体中に出た鳥肌をさすりながら早く寝てしまおうとベッドに向かって、枕の上に見慣れないものを発見した。

 

「………なにこの帽子…」

 

所々繕った跡やくたびれたところのある、赤いリボンがついた麦わら帽子がちょこんと枕に乗っていた。まさかこれも幻覚だろうかと目をこすってもなかなか消えない。思わず辺りを見回して幽霊がいないか確認したけれど、この帽子以外に何の異常もない。指先で突いて、その後おそるおそる持ち上げた麦わら帽子は、思ったままの重さや手触りだった。

 

「窓から入ってきた?ってこともないだろうし…誰のだろ?まあいっか。今日はもう寝ちゃおう…」

 

幻覚のせいでどっと疲れた。麦わら帽子を適当にタンスの上に放置して早々に布団に潜り込んだ。BBQ…いいなぁ…ひもじいなぁ…。給料が出たら絶対に肉を買って焼いて食べよう、そう決意した。こうして私の奇妙な一週間は幕を開けたのだけれど、この時の私が知るよしもなかった。

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