SAO≪ソードアート・オンライン≫ 神速の剣士 作:ソウルメイジ
私自身かなり驚いております。
この勢いがやまなければいいのですが……w
始まりの街へ戻る途中、茅場にメッセージで
「キリトがこのゲームをクリアできる唯一の人間だ」と送った後のこと、今更ながらどうして俺は茅場の頼みを聞いているのかということを考えた。
よくよく考えたら、あのメッセージを削除し、無視することもできたはずだ。
ならば、どうして俺はそんな面倒なことをわざわざやってしまったのだろう。
まぁ、たぶん答えは簡単で、俺もこのゲームがクリアされることを望んでいる人間だからなのだろう。
茅場晶彦がわざわざ俺にそんなことを頼んだ理由まではわからないが、俺自身、クリアできると思える人間がこのゲームにいることを望んでいたからだ。
だから、探してしまったのだろう。
俺は、このゲームにおいて先頭に立ってクリアにも協力する気ではいるが、やはりナギサを、このゲームを頑張っている人をできるだけ支援する方に回りたいと思っている。
おごりだ、自己満足だといわれるかもしれないが、それでも俺はできる限りのことをしたい。
そうなったときにゲーム攻略はかなりおろそかになる。
それを任せられる人間が欲しかった。
この世界での死は本当の死だ。
俺は、人が目の前で死ぬのをもう、見たくはない。
兄が、目の前からいなくなった時のようなことを二度と繰り返さないために。
かならず、守るんだ。
キリト達がクリアするまでずっと。
頼んだぜ、キリト。
俺は、少し飛ばしてナギサのいる宿屋へと向かった。
☆
人間、やはり嫌なことをするには勇気がいる。
もし、その嫌なことが自分の責任であったりすることで、イヤ度合が大きければ大きいほどに必要な勇気度合も増す。
俺は、宿屋にこそかなり早く帰ってこれたものの、そのドアを開けられずにいた。
起きたナギサに事実を告げるのが怖かったのだ。
大丈夫だと無責任な言葉を言ってしまった自分に腹が立つ。
全然、大丈夫なんかじゃない。いま、俺たちのいるこの世界はいつどこで死ぬかもわからないデスゲームだ。
罠でモンスターが大量出現し、自分たちのHPバーがなくなった時点でもう、死ぬんだ。
だけど、俺が今それを告げないといけない。
もし、彼女が一人の時にそんなことを知ってしまえば、また不安にさせてしまう。それこそもしかしたら自殺なんてこともするかもしれない。
別に実証はされてないんだ、死んだら現実世界で目が覚めましたーということになるかもと考えたくなるのは当然だ。
俺も、これは茅場晶彦による悪いイタズラだとまだ思えてならない。
だが、同時にこれだけ時間がたってもナーヴギアを誰も解除してくれないということを考えると奴の言っていることは本当だと、理解していた。
理解しているからこそ、俺は彼女を一人不安にさせるわけにはいかないんだ。
フゥ―、と一息はいてよし!と言って俺は扉を開けた。
ナギサはすでに目を覚ましていた。
「君、だれ?」
彼女からの第一声はそれだった。
「俺だよ、シオンだよ」
たっぷり5秒ほど固まったうえで俺の方を指差して「シオン?」と確認されうなずくと、えぇぇぇええええ!!!!と馬鹿でかい声を彼女は上げた。
「ウソウソ!だってシオンはもっと長身で、目つきもキリッとしてたし、なにより男だったじゃない」
「俺はれっきとした男だ!」
現実でも二人連続で間違われることなんてまれだったのに……
「自分を鏡で見てみろ。アイテムストレージに手鏡があるはずだ。」
今の状況を説明するには、それが一番手っ取り早い。
ナギサは自分の姿が本来の現実の姿に戻っているのだと確認すると
またもや、「うそ、これ私じゃん!」と大暴走するのだった。
☆
10分ほどたってようやく、ナギサが普通のテンションを取り戻し、自分が倒れていたことまでを思い出し、俺はそのまま続けて今のこの状況を説明した。
「うそ……そんな……」
「悪いが、嘘でもなんでもない。これが事実だ」
「そんなの受け入れられない!ねぇ、これは単なる冗談なのよね?悪い夢なのよね。お願い、そう言ってよ!」
懇願するように彼女は俺に掴み掛った。
「……夢じゃない。現実だ」
「そんな………私が何か悪いことしたっていうの……」
掴み掛った手をはなし、彼女は力なく地面にへたり込み涙をこぼした。
彼女の嗚咽の声がなによりも俺の精神に響いた。
こればかりはどうしてやることもできない。
自分の無力さが悲しかった。
無意識のうちにグッと手に力が入る。
「ねぇ、じゃあ私たちこれからどうすればいいの?」
まだ、涙声のナギサが手で顔を覆いながら聞いてきた。
「ゲームをクリアする以外、このゲームを抜け出す方法はない」
「でも、モンスターにやられたら私たち、死んじゃうんだよ!?」
「死ぬな、確かに死ぬ。だけど、このままここで閉じこもって何もせずに腐っていくくらいなら俺は闘うことを選ぶ。」
その言葉を聞いたナギサは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにその顔を苦笑へと変えた。
「見た目は女の子でもやっぱり心は男の子なんだね。」
「最初の一言は余計だ」
ジト目をすると彼女は笑った。
「君が私を守ってくれる?」
俺は勢い強く答えた。
「約束する。俺が必ず、守るよ。たとえどんな場面であったとしても」
俺の答えに満足したのか彼女は笑顔を浮かべた。
「でも、そのなりで言われても説得力無いなー」
「ちょ、それはひどくないか!?」
「だって、ちっちゃいし、力なさそうだし。」
次々と繰り出される彼女の言葉がどんどん俺の心臓をえぐっていく。
「でも、さっきの君ははカッコよかったかな」
最後に彼女が言った言葉は小さくて俺の耳には届かなかった。
「え?なんて?」
「ううん、何でもない。それより、よろしくね、シオン」
「ああ、改めてよろしく。ナギサ」
こうして、俺とナギサの旅が幕を開けるのだった。
今回の話は正直結構書きづらかったです。
心理描写というのが私は苦手なものでして……
矛盾点や、おかしいと思う箇所が今回はいくつも見受けられるかもしれません。
私に構うことはありません、どんどん言ってやってください。
それが、私の力となりますので。
また、普通の感想なんかもいただけるとうれしいです。
よろしくお願いします。