再編世界の特異点   作:Feldelt

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第14話 重厚なる力

S.M.P.B.L.を分離、銃部分をマウントし、二刀の構えを作る。

 

「行くよ、えー君。」

「あぁ、跳ぶぞ。」

「てことは...あれだね。ふふっ、嬉しいなぁ!」

 

突撃。ブレイブは己が獲物である両手剣を構え、どこからでもこちらの攻撃に対応できるようにしている。好都合だ。

 

「いくぜ!」

「ふん!」

 

ブレイブの横薙ぎとこちらの斬りかかりのタイミングは同じ。なれば!

 

「せいっ!」

「なにっ!?」

 

斬りかかると思わせた刀を投げ、バックステップで横薙ぎを避ける。そして、俺を踏み台にして茜が大剣を持ち一気に距離を詰める。

 

「振りぬいたその一撃の隙...突かない私じゃないよ!」

「ちぃ!」

 

手首を返してもう一度薙ぐよりも茜の斬り上げのほうが早い。だからブレイブは自身の胴体にある砲門を開き茜を牽制する。それを読めない俺たちでもない。

 

「精密な射撃だ、つまり軸をずらせば造作もない。」

 

雷銀式炸薬弾にてブレイブの右足首を撃ち、爆発を起こす。

 

「ぐぅ...!だが!」

「想定より頑丈...茜!」

「わかってるって!跳んで!」

「あぁ!」

 

茜は攻撃ではなく防御の構えを取り、ブレイブの射撃を受ける。

その光は茜の背から飛び出す影を隠し、確実な距離に彼を近づけた。

 

「何ッ...」

「そこだ、《紫一閃・十文字》!」

 

だがこれはジャブでしかない。本命は茜の大剣の重い一撃。

 

「効かん!」

「そこまでちゃんと把握してるよ、何を思ったか虚夜光は...私の領域把握(エリアチェイサー)を消さなかったんだからね!」

 

茜の大剣に宿る光。必殺の一撃の構えだ。

 

だが。

 

「────ッ!?」

 

突然、茜の装備が解除され、茜は膝をつく。それは勝機を逃したことでもあり、同時に窮地を呼び寄せたことでもある。

 

「茜!?」

 

ブレイブの背後に回った俺では間に合わない。より速く動ける力さえあれば...!

例えるならそう、ノワールのような速さを...!

 

「やば、きゃぱおーばー...」

「ふん、興ざめだ。全力が出せないのなら倒したところであとが悪い。この勝負預けるぞ仙道。ただし、また会ったときは...わかっているな。」

 

そう言い残し、ブレイブは去っていった。

助かった、助けられた。助けられてしまった、敵に。

 

「後味が悪い...茜、無事か?」

「ごめ、ちょっときつい...」

「...そうか。ネプギア!」

「はい!」

「ゲイムキャラの方はどうだ!こっちドンパチしてる間に原作どおり頑固通されたままか!?」

「だいたいそんな感じです!お姉ちゃんみたいにメタメタしいこと言わないでください!」

 

血族だからしょうがねぇだろ...と喉まで出かかったがやめた。

ネプギアはそれを忘れてる。

 

「そうか、なら壊すしかないな。」

「なんでそうなるんですか...!」

「必要ないだろ、何のために力を持ってるんだ、国を守るためだろ。女神を救うためだろ。出し渋るなら奪うだけだ。少しだけ時間をやる、協力するかそれとも壊されるか選ぶんだな...」

 

茜を肩に抱えながら、俺はそう言い放った。

世界を救うためにはゲイムキャラの協力が必要不可欠だ。

だが、協力を拒むのなら、それはゲイムキャラ自身が世界の破壊、女神のいない世界を容認していることに他ならない。だったら、悪魔として世界に向かい合ってきた時のように壊せばいいだけだ。

 

「あんた...どこまで外道なのよ!」

「外道さ。今更俺が歩める道なんてあるかよ。人間だろうとゲイムキャラだろうと命は命、たった一つのな。お前たちは知らないだろうが、俺はもう何人も殺してるんだよ、お前たちのためにな。だけれどもこうなってしまった。結局人間は女神の世界よりも歪んだ自堕落の罪の世界を作った。それで俺の殺戮がなくなるわけじゃない。無駄でしたもう殺しはやめますごめんなさい、んなこと言えるわけないんだよ。俺は俺が作り出した屍を敷いてその上を歩く。たった一つの目的、女神を、ブランを取り戻すというそれだけのためにな。」

「っ...」

「それでいて私を助けたあたり、ほんと矛盾してるね、えー君。」

「茜...」

 

その通りだ。どうしようもない矛盾だ。

でも、俺に茜は殺せない。

 

「......ネプギア、ゲイムキャラの説得は済んだか。」

「...終わりました。影さんの話を聞いて、ゲイムキャラさんは私たちに協力すると決めたそうです。私たちが、いつでもあなたを止められるように。」

「それでいい。いつでも後ろから撃つといいさ。」

「それと、ゲイムキャラさんからこれを預かってます。」

 

ネプギアが俺に手渡したのは黒色のSDカードのようなチップが二枚。

 

「そうか。こういう風に手に入るのか。...次はルウィーだ、行くぞネプギア。」

「待ってください。その前に...あなたを私たち二人で倒します。」

「ネプギア...えぇそうね。私たちが強くなるために、そして、こいつの腐った性根を叩き潰すために!」

 

ネプギアとユニが臨戦態勢になる。そういうなら戦いが終わった後にこの黒のチップくれたほうがそっちに有利になるだろうて...まぁネプギアの性格では無理か。

 

「嫌われちゃってるね、えー君。」

「そうだな。少し離れてろ、茜。あんまり安全は保障できない。」

「おーけー、頑張ってね。」

 

シェアデュアライザーは腰に巻いたままである。

じゃあ早速使わせてもらおうじゃないか。

 

black heart

black sister

 

「変身」

 

duallized!

 

黒一色の鎧。右手には大型の片手剣。左手にはライフル。

距離感覚が問われる一新された装備を纏った凍月影がそこにはいた。

 

 




次回、第15話「黒紫繚乱」

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