「ふぅ...少しばかり重いが...許容範囲内だ。」
右手の片手剣を肩に、左のライフルは腰だめに構え、同じく構えるネプギアとユニを見据える。ネプギアはS.M.P.B.L.を分離して二刀。ユニはその後ろでこちらに銃口を向けている。
「行きます!」
先に仕掛けたのはネプギアだ。いつもの真っ直ぐの軌道。違うのはその後ろから弾幕が張られているということだ。
「来い!」
言ったと同時に二刀と片手剣が切り結ぶ。動きでわかる。ネプギアは前よりも二刀の使い方がわかってきた。攻撃の速度や緩急のつけ方を覚えている。しかしこのパターンは...
「なるほど、俺の見よう見まねか!」
「違います!私があなたを超えるために編み出した動きです!たとえそれが影さんの戦い方に似ていたとしても、これは私と、ユニちゃんで編み出した剣です!」
「だったら一撃入れてみろ!」
ネプギアの連撃を順手逆手と片手剣を持ち替えながらさばいていく。
さて、戦況が拮抗すれば押すか退くか、それを拮抗させながら考える時間ができる。こちらは押してくれば跳ね返し、退くなら追う。そのつもりなのだが。
「さしずめ納豆のごとく粘っこいな、その剣!時間が切れそうだ...けど、デュアライザーの時間切れで勝つつもりは毛頭ないんだろ?」
「当たり前じゃないですか...!けど!」
右往左往縦横無尽に俺とネプギアは動くため、いつしかユニは弾幕ではなく狙撃に移っている。ネプギアが離れたほんの一瞬の間隙を突いてくるもんだからうかつにはネプギアを弾けない。
「あぐねているのはこちらも同じ、か。やってみるしかない。」
左手に持ったライフルをついぞ一発も撃たずに投げ捨て、デュアライザーを解放する。
ネプギアはそれを必殺技の構えと思って警戒するがそうではない。
というか、一瞬で警戒に切り替えてくれたおかげでこちらはやりたいことができる。
《 purple heart》
「...!?差し替え...!?」
「そういう、わけだ!」
左のスロットに差していたMECはブラックシスター。それをパープルハートのに差し替えて再びデュアライザーをセットする。
《 reduallized!》
刹那、投げ捨てられたライフルは消え、かわりに左手には紫色のラインが走る刀が一振り。
「黒紫繚乱、神剣二刀...やはり、出し惜しみなんてできやしないか。」
ネプギアのそれとはまた性質の違う二刀でもって振り払い、拮抗した戦況を打開する。
「フォームチェンジ...そんなことができるんですか...?」
「現に今やったろうて。さて、残り約3分少々、真打でいかせてもらう!」
踏み込み、今度は俺が仕掛ける。
片手剣と刀、刃としての質が違うこの二振りをいかにして扱うかは技量の試されるところではあるが、今までいろんな種類の刀剣をこの手で扱ってきた俺ならば...
「心剣一体たりえるってなぁ!」
「んな無茶苦茶な...!」
刀の一閃をネプギアは受ける。
次いで片手剣の横薙ぎはバックステップで回避。いい動きだ。だが。
「連携がまだ甘いぞ...弾幕に巻き添えだ!」
「しまっ...!」
「たと言う間隙があるのなら、防いでみせろよ必殺剣...」
ユニの弾幕に押し付けられたネプギアが体勢を崩し、そこにほんの一瞬だけ動揺したユニ。その一瞬を逃したら、さすがにこちらが時間切れだ。
「《黒紫繚乱・七芒蓮華》!」
ネプギアとユニを中心とした七芒星をなぞるように繰り出される七連撃。
今俺が繰り出せる限界の威力。
「ふぅ...ここらでお開きということらしいな。」
最後の一閃の直後に変身維持限界がくる。
これで仕留めきれなかったらおじゃんだが...そんなことはなさそうだ。
「うぅ...」
「負けたの...?」
変身が解除されたネプギアとユニが仰向けに倒れてることを確認。
「...そうだな、俺の勝ちだ。なんで負けたか明日迄に考えておくんだな。んじゃ、先戻るぞー。」
...とは言ったが...結構受けたなかすり傷。やれやれこちらが鈍ったのか向こうが強くなったかはたまたその両方か...とはいえルウィーでは結構しんどい戦いになりそうだな。
次回、第16話「氷雪の兄妹」
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