「で、どうしてゲイムキャラさんを説得するシーンはカットしたんですか?」
「協力しないと話進まないからって言って脅しただけだ。否が応でも協力するだろうよ。もっとも、これは冗談だけどな。正しくはネプギアが説得していたから俺はその経緯を知らない、だ。」
現在俺はプラネテューヌ教会でイストワールに事の顛末を報告している。
「はぁ、まるでネプテューヌさんのようにメタメタしい発言ですね...どうしたんですか?」
「どうもしてないよ。多分姉の癖が移ってしまっただけだろうよ。」
「はぁ...」
姉、か。
多分ネプテューヌも俺の事は忘れてるだろうし、ブランもきっと忘れてる。ユニや、ロムラムだって...そうだろうな...
「世界なんて救えなくていいから思い出を返して欲しいよ...救うけど。」
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「で、次はラステイション...に行く途中にあるマジェコン工場の破壊だな。こりゃ俺の独壇場だろうな。多対一戦闘は得意分野だ。」
「その流れでラステイションに行くんですね。わかりました。いーすんさん。」
翌日、イストワールは俺ら二人を呼び寄せ、次の任務...マジェコン工場の破壊、ラステイションのゲイムキャラ及び女神候補生の協力を取り付けることの三点を言い渡してきた。
「雷銀式炸薬弾は残り4発か...」
「影さん、くれぐれも不要な殺生はしないでくださいね。ネプテューヌさんやブランさん、これから会う他国の女神候補生の方達のためにも。」
「...今更だよ。行くぞ、ネプギア。」
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プラネテューヌとラステイションをつなぐ道はそんなに長くない。短くもないが。
その道のりの途中、プラネテューヌ国境付近にマジェコン工場はあった。なるほどここならラステイションにも楽に納品できるというわけか。犯罪組織も賢しいものだ。
「バックドラフト作戦か雷銀粉塵爆発作戦か...それとも変身するか...さてどうしたものか...」
「...それって、要は工場にいる人間は皆殺しって意味ですか?」
「わかってるじゃないか...」
「関係ない人も、ですか。」
「...その時はその時だ。人間嫌いなのに、そこら辺の心配はするんだな。曲がりなりにも女神というわけか...気に入ってるよ。そういう所は。」
「どういう意味ですか...」
そんな会話をしていると、工場の方で動きがあった。俺らはすぐに身を隠す。
「...マジェコンをラステイションに持ってくようだな...よし、仕掛けるぞ。」
シャドウ-Cに通常のライフル弾を装填し、トラックにマジェコンを詰め込んでいる構成員へ発砲。同時にシェアデュアライザーで変身。二刀を顕現して工場内へ突入する。そこで紫一閃を連発すれば、工場は土台から崩壊するというわけだ。
「容赦無さすぎですよ...」
「おいおい、情けかけるつもりだったのかよ...さて、このマジェコンはちょいと押収させてもらおうか...えーっと、分解用、改造用、取引用の3つでいいだろ。よし、レッツラゴー、ラステイション。」
落ちてくる天井を切り抜き脱出した俺はネプギアと合流。もはや文字通り廃工場となったマジェコン工場にさらにダメ押しで炸薬弾を撃ち込み爆発させる。さっきの会話はその時のものだ。
「命をなんだと思ってるんですか...」
「さぁな...どうも思えないくらいには俺は壊れちまってんだ。まだ嫌いと思えるだけ、ネプギアは人間に失望しちゃいないのかもな。」
そんな女神候補生と存在無き悪魔は黒の大地にたどり着いたのであった。
次回、第6話「黒の弾丸、穿つ弾丸」
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