「...!」
間一髪、加速する弾丸の速度変化に気づいた茜が首を動かして弾丸の軌道外に避けようとする。が、それで避けられるほど加速式貫通弾は甘くない。
「ぅぐっ...ぁっ!?」
茜の左目の左側を、──もう少し避けるのが遅かったら目に直撃していたし、脳にも入っていった可能性があるが──加速式貫通弾が抉っていく。
紅い液体の飛沫。
衝撃で反り返り背中から地面に倒れる。
銃口から微かに漏れる硝煙。
手に残る反動の感覚。
指に残る、引き金の感覚。
あぁそうか。
俺は茜を撃ったのか。
「...最悪だ。今までの何十万人より、ずっと重い罪だよ。けど...俺は犯罪組織を潰さないと...」
茜に近寄る。
だがそこで俺はとんでもないものを見る。
「倒したと思った...?ふふ、残念、茜ちゃんでした。一撃と思って次弾装填も変身もしてない君の落ち度だよ...もっとも、私もこの大剣を支えにしてないと立てないから、君の勝ちなんだろうけどね...それにもうそこまで長くないか。」
「...だろうな。黙って倒れてろ。そしたら脳みその奥底から全部引きずり出してやる。」
「わぁ、猟奇的。」
「いいから黙ってやられてろ。」
手刀一閃、今度こそ茜の意識を飛ばし、担ぐ。同時にメールでイストワールに茜の記憶...俺が絡むものを数ヶ月分だけ抽出するよう依頼する。いつぞやにネプギアに対してやったことをもう一度というわけだ。女神になってしまったネプギアにはこの手はもう使えないが、茜なら、あわよくば...そんなことを考えてネプギアとユニの方へ向かう。
「片付いたぞ、ネプギア、ユニ...って、なるほどそう来ましたか...面白い。」
辺りにはのびている犯罪組織構成員、モンスター生成装置の残骸、そして抉れたり隆起してたりする地面。そして佇む紫の女神候補生。
「おおかた、ユニに正体がバレたからちょっとしたいさかいというかドンパチが起きて、ツンケンしたまんまで別れたといったところか。サブタイ要素ここだけかよ全く構成力ねぇな。」
「なんでわかるんですか...というかそのメタメタしいのはなんなんですか!?」
「まー気にすんな。昔の友人がな、見ただけでいろんなことがわかるやつだったんだよ。そいつがこいつだ。」
「気にするなって...でも犯罪組織に友人がいるってことですよね。まさか、内通者ですか貴方は...撃ちますよ。」
「そう思うのも無理はあるまい...まぁいい。こいつは捕虜だ。犯罪組織がまともなら女神1人は返してくれるだろ。」
まぁそんなことはないだろうけど。
「ちょ、どういうことですか!?」
ネプギアの驚いた声を背に茜を担いだまま変身、最短距離で病院まで行く。頭部の止血はしているからあとはプロに任せよう。
───────
「で、だ...一通りいろいろやったあとなのだが...宿が見つからない。」
「そこで車に轢かれれば眠る場所は出来ますよ?土の中っていう宿です。」
「うん、ネプギア。君は本当にネプギアかい?毒舌が上手すぎるじゃないか。...罰として最終手段を使う。悪く思うな。」
「いや、なんでベッドがひとつしかないラブホテルを選ぶんですか!?撃ちますよ!?斬りますよ!?」
「いや、最終手段だって言ったろ、あきらめろ。己が言動を呪うんだな。じゃ、おやすみ。」
次回、第8話「情報交換情報戦」
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