入学式は一つ席が空いて始まった。
校長先生の話や電報等々が淡々とすまされていく、入学式だからこそ賑やかではない緊張感士傑高校の歴史を背負う一員として期待と共にかかるような重圧。
そして入学式は終わり……1年2組に戻ると……、先程空いていた席に紫色の髪をした目が真っ赤に充血している男が何かの紙を持って座っていた。
「…………」
窓の外をぼんやり眺めており、驚かせたら椅子から転げ落ちそうだ。
そして先生が最後に入ってくると、その出なかった生徒は立ち上がり持っていた紙を出した。その紙はよくみると警察からのこの生徒が通学のため乗っていたバスがハイジャックされヒーロー達が手間取って遅れたとのことだった。そして何事も無かったかのように再び席に座っていた。
先生もさすがに事の重大さと本人の反応とのギャップに一瞬固まってしまうが直ぐに切り返す。
「バスが乗っ取られたなら仕方がないな………本当か?大成君……」
と少し声が震えているのは仕方がないであろう、あまりにも平然としすぎているのだから。
「………ニュースあるので多分それで本当だとわかると思います、納得できないなら警察さんに聞いてくれれば。」
と確実に大事になっていることを知らせるような発言をした……先生は少し頭の整理がついていないようだがそのまま言葉を飲み込み。
「あぁわかった大変だったな大成君、今からプリント配るから。」
と平然を保とうとした。
プリントが全て配られた為見る、それは学校の連絡網のようなもので1ヶ月に1回配られるやつ等々様々で見るのにも少し苦労がかかる。俺は最初から入っていたが寮への案内もあった。
「このあとは特になにもない、明日から元気に学校に顔を見せてくれ以上解散。」
そうやって、俺たちの入学式いやこの学校の生徒となった。その後は早く帰ってしま人や友達を作ろうと談笑する人など様々で俺は寮で見たことのあった人に声をかけた多分同じ寮生だろうから話題もあるであろう。
「えっと山田 緑ちゃんだよね?寮で同じ学年だって知ってたけど君もヒーロー科なんだしかも同じクラスだし。これからよろしくねっ。」
そうすると、茶色い髪を三編みにしてきられた花が咲いているのか髪飾りにしているのかわからないがついている女性が目をおどおどさせながら。
「あっはいっそうですよねっ、まさか同じクラスになっなるとは思ってなかったのでとてもビックリしてます。確か緑谷 曲さんですよね多分。」
寮でも見えたがあがり症が少しあるようでかなり慌てていた、確かに俺でもはじめて声をかけられたらそうなる……勉強してなんとか矯正したけど。明るく振る舞うのってかなり難しいし。
「うん、緑谷 曲だよ気軽に曲君とかって読んでもあだ名でも大丈夫。え~とミドリンって読んでもいいかな?緑をもじってダメならごめんね。」
こういう相手には此方から向かうのが一番いいと思っているのは俺だけであろうか?ヒーロー科に通っている以上ある程度のヒーローを目指すゆえの性格もあるだろうし、うざいとか思ってくれないと思う。
「あっうん、いいよミドリンか……これからよろしくね曲君っ。」
と笑った、多分受け入れてくれたのかな?
「じゃあまた明日ねミドリンいや寮でも会えるか……」
そうして、帰るために言ったつもりが寮でもまた会えるという真実で少し悩むと。緑ちゃんは笑って。
「うん、じゃあまた寮でね。私は部活の様子とかあったらみてみるよ入らないけど。」
そうやって荷物を纏めて俺とは反対方向に向かっていった。さて俺もそろそろ帰らないといけない……着たばかりで土地勘は全くないし街とかそういうところをうろうろしてみるのもいいかもな………
「よっこらせっ」
特に重さはないが何となくいってしまう、口癖とはこういうところで出てしまうのかとぼんやり感じた。
そして学校から出ていく、明日から授業がはじまる。
◇
とりあえず、銭湯の地図はもうもらっているがそれ以外の施設はまだ知らない。図書館とお金を引き出すための銀行と物を送るための郵便局そして教科書を購入するための本屋を確認しておきたい場所であろうか……
今街にいるが、かなりごちゃごちゃしている迷いそうだというか迷っている……一応帰る道はちゃんとわかるので重度の状態ではないはずだ希望を持とう。
「にしても色々あるなー」
なんというか店舗が色とりどりで、楽しくなるような気がする。ゲームセンターとかもあるのかなぁ最近店舗減ってきちゃってるんだよ……
「あっここ銀行か……」
それなりに大きな銀行、企業の取引も行っていると思われた………都市っぽいし利用者も多いのだろう。仕送りとかどうなってるかな無駄遣いする気は全くないけど気になってしまうと言われれば嘘はつけない。
「えーと暗証番号なんだったけな……」
そうやってぼやきながら、銀行でのお金を引き下ろす列に並ぶ……給料日の人とかもいるからなー借金の返済かなんだかわからないが顔色が暗い人もいた。
ちなみに仕送りは8万円だった……寮での家賃を払わなくていいと考えればかなりの額だろう、大丈夫かな?
戻り銀行を軽く見ると、スマホをいじりながらお金の引き下ろしでなく札束を出して硬貨に変換している大成君もいた。
突然
「金を出せっ中にいる人は抵抗するよな?燃やすぞ。」
数人が目出し帽を被り銀行内に突撃してくる、恐らくリーダー格が火炎をだして中にいる市民を脅していた。目出し帽を被っている数人の中には拳銃などを持っているものもおり相手にとっては大掛かりな作戦であろう。
抵抗するにしても俺の場合は回りの人を確実に巻き込むし接近戦に持ち込めば使える個性もあるが確実に相手を負傷させるそれに大事なヒーロー免許を持っていない、免許無しの個性の使用は禁止されているどれだけ英雄的活動であろうと戦闘での無断使用は犯罪だ。
実際ヒーロー活動をヒーロー免許なしで行う奴をヴィジランテとされ、ヴィランの一つ扱いされている。
「…………………」
しょうがないのでその場で手をあげて無抵抗の合図を真っ先に行った、スタンガン等の自営用の武器は持ってないので捨てなくてもいいと思った……いま持っているもので武器として使えそうなものは書類開けるようのカッターナイフぐらいのものだ。ちらりと大成君の方を見るとスマホを少し弄ってから同じく……少し違うのはスタンガンを所持していたことだ。
「よっよしお前らそのままでいろよ……警察には連絡するなっ!銀行員はいまここにあるだけお金を出せ偽札ならすぐわかるからなっ。本物を持ってこい。」
銀行強盗犯は中にいる人が抵抗無しと確認すると銀行員の一人に銃を突きつけてこの銀行の中にある現金を要求しだす。
「うわぁぁぁぁん」
子供が泣き出す、そりゃそうだろう外堀から見ることは多くても巻き込まれる事なんてそうそうないのだからしかもそれなりの規模。するとすぐにその子の母親らしき人物が屈み小さくこう告げる。
「きっとヒーローがすぐに来てくれるから大丈夫よ、泣かないで。大丈夫だから。」
それは子供に告げているが自らに言い聞かせているようにも見えた、抵抗するすべがない………全てをヒーローに一任してしまっている危うさが見えてしまった気がした。
「はやくしろぉぉぉ。」
と銀行員の行動の遅さに切れたのかそれともそちらがせっかちすぎるだけなのかキレたように叫ぶ。多くの市民が怯えた……。
「今用意していますか………」
銀行員が強盗犯を押さえようとした、するとそこにヒーローが遅れてやって来た。
「遅くなってすまないっこれで大丈夫だ、そしてヴィランお前たちはここで終わりだ。」
とそこにいたのは多数のプロヒーロー有名どころもいる、遅れたのは万全の常態で突入のするためだったのだろう。
「これで安心だ。」
「ありがとうヒーロー!」
「助けくれっ」
等来るのはこの恐怖からいち早く解放されたような声だが………今いるのは犯罪者側のテリトリーだ。大掛かりな襲撃を仕掛ける奴がプロヒーローの登場を作戦の予定に組み込み忘れるはずが無かった。
「ちっプロヒーローか………なーんてな、ここにいる全員が人質だぁっ!!!ここまで足手まとい抱えていけるのかぁヒーローは大変だなぁぁぁぁ。」
そう当然、ここにいる 銀行にいる全ての人 を人質としてとったのだ。ここの銀行はひろいそれなりの人数が利用する、膨大な数になるのは確実でありプロヒーローはそれらを守りながらヴィランを倒すしかない。
中にいる人たちが不安に煽られる、助かるのだろうか大丈夫なのであろうかと。そのなかで一人………
「………それはどうかな?あんまり舐めない方がいいよプロヒーロー、警察を。」
そう今まで口をつむんでいた、大成君がニヤリと敵に向かって見えないように笑い一言呟いたその直後…………銀行の壁がぶち抜かれた。そこからは光が漏れ、ほとんどの全員が想定外の出口が作り出された。
「プロヒーローはヴィランを倒すのが仕事だけど、最優先事項は民間市民を守ること…………遅くなってごめんね皆、はやく脱出して!押さないように。」
壁をぶち抜いた女性が避難案内を始める、混乱した市民はいち早く出ようと急ぐ……そのせいで詰まり逆に脱出が遅くなってしまう可能性も多い。
「くっそ、壁ぶち抜きやがるかよ。」
と銀行強盗犯のトップは憎らしげにいい一人でも市民を人質に取ろうとぶち抜かれた穴の方に向かうが………
「人質に取ろうとしたヴィランども民間市民が全て出るまでここは通さんよ、俺たちのヒーローがっ」
集まった多数のヒーローが銀行強盗犯を民間市民に手を出せないように応戦し始める、拘束系は邪魔をし氷を使うものは足止めを中々銀行強盗犯は手強いらしくお互い倒れるものは居ない。
そう少し呆然としていると、
「泣くなっ!大丈夫だ出口はあっちにある動けないなら肩を貸すしばらくいけばプロヒーローが何とかしてくれるっ」
大成君が場数の経験自体が違うように焦りもなく慣れたように大きく泣きじゃくり動けなくなっている子供や足腰が弱い老人を支え出口まで誘導を行っていた。そうだ、これならヒーロー資格が無くても手伝うことが出来る今の俺がやれること、焦っていて基本に頭が回らなかった。
「運ぶっ!」
ショックで倒れてしまった人に向かい走りだし、軽く肩を叩き意識を確認してから背負う意識がないためより重く感じる……軽く持てる人の背負い方等は気にするほど冷静ではない。
「君たちも早く逃げろ、後はプロヒーローがなんとかできるっ!」
プロヒーローが意識不明を代わりに担いだ、俺達二人は大分避難者の混雑が減った出口を走って通り抜けていった。
外ではプロヒーローの戦いとして、多くの巻き込まれなかった市民が見ていたカメラ等での撮影者やSMS投稿者等も多い。緊張や焦りがスッと抜けて崩れると……大成君が近寄って声をかけられた。
「お前もここにいたのか、巻き込まれたな。」
只事実を確認するように、ぼそっと何処か申し訳ないということがこもったように。
「仕送りの確認でね……大成君朝もこんな感じだったの?」
そういえば朝もこんな事件に巻き込まれていたはずだ、ヴィランによる抗議としてのバスジャック……一回でも巻き込まれるのはアレなのに一日で二回もしているのだ。
「毎回過ぎて、ずいぶん前に慣れた……もう帰るお前も巻き込まれるのはごめんなら私から離れといた方がいいぞ。」
軽く地雷を踏んでしまったのか睨まれてしまい、直ぐに帰られてしまっただけど……俺は本当はいい人なんじゃないかなと誘導の様子を見て妙に確信を持っていた。
大成君は勝己君のヘドロ事件のようなものに会いやすい被害者系主人公体質の持ち主、厄介ごとが外軽く歩けばすぐに巻き込まれるよ!ヴィランの方から勝手に現れてくるからヒーローにぴったりだね。
(別名災害ホイホイ体質)