人々を苦しみ続けてきた大臣オネストが処刑され、帝国にようやく平和が訪れる中、俺は1つの墓の前に来ていた。
「勝手に死にやがって……」
俺は墓を思いっきり蹴っ飛ばした。あいつが暗殺者の一員になったのだから、殺すのは俺だと思っていたのだけど……
「セリューも死に、ミナトも死に……退屈になるな」
一人そうつぶやき、俺はひび割れたベルトに目をやった。ミナトを殺すために使ってきたが、もう使い道がなくなった。
「さて、どうするかな?」
とりあえず当てもなく旅に出ようとした瞬間、俺はまばゆい光に包まれるのであった。
気がつくと見知らぬ町に来ていた。遠くの方には変わった形の山がある。
「どこだ?ここは……」
どうにも見知らぬ場所に来たみたいだ。まぁここがどこだって構わない。あいつがいなくなった世界にはいる意味がないからな
適当に歩き出そうとした瞬間、どこからか大きな音が鳴り響いた。音を聞く限り誰かが戦っている。
「面白そうなことがおきてるな」
俺は興味があり、音の発生源の所に向かった。発生源にたどり着くとそこには怪物とウサ耳の少女が戦っている。
「正面から奪えないならスピードで撹乱してやる!!」
怪物がすごい速さでウサ耳少女を撹乱していくが、ウサ耳少女は怪物の攻撃を避けていく。
「どうして!?」
「しっかり聞こえてるんだから!」
(あの耳、ちゃんと機能してるみたいだな。だったら俺が出る幕じゃないな)
その場から立ち去ろうとした瞬間、ウサ耳少女が俺の方に向かって吹き飛ばされてきた。
「いたた……今のは……」
「ホイップ!?大丈夫ペコ!?」
「おいおい、油断してるのか?」
「えっと…どちら様?」
「ただの通行人だ」
別に名前を名乗る必要がないな。俺はウサ耳少女が吹き飛んできた方向を見るとさっきの怪物の他に一人の黒髪の少女がいた。
「こんにちわ」
「誰だお前!!」
「貴方に力を与えた人の協力者よ。苦戦しているみたいだから手伝ってあげようと思ってね」
「へっ、それだったらあのプリキュアとかって言うやつを倒せるぜ」
どうにも面倒なことになったな。仕方ない、ここは……
「逃げてください!」
「あん?」
ウサ耳少女が誰に向かって『逃げろ』って言った?もしかして俺に向かってなのか?
「おい、俺に言ってるのか?」
「は、はい……」
やっぱり俺に向かって逃げろか。しかも女が……
俺はウサ耳少女の耳を思いっきり掴んだ。
「いたた!?何するんですか!?」
「女が男を守ろうとするなよ!!殺すぞ!」
「えっ?えっ?」
「あら、貴方……そう貴方が転移してきた人ね」
「俺は女に守られるのが大嫌いだ!!だから……」
俺はひび割れたベルトを巻き付け、拳を構えた。すると怪物と一緒にいた女が何故か驚いた顔をしていた。
「そ、それは!?まさか皇具!?」
「皇具?帝具じゃないのか?まぁ何でも良い!!鬼龍転身!!オウガデーモン!!」
ひび割れたベルトが俺の体を見る見る内に黒い鎧に纏わせ、額には黒い二本の角がつけられた額当てが装着され、俺の前に真っ黒な金棒が地面に突き刺さっていて、引き抜いた。
「悪いがぶち潰す!!」
短めですが、第一話でした。