いちかと王子様ことあきらの二人が出かけるということで、邪魔者である俺たちは帰ろうとするが、ナタラに肩を掴まれ二人の尾行をすることになった
「なぁ帰っていいか?」
「駄目だ!」
駄目って……というかこいつは自分の気持ちに気が付いてるのか?
「ナタラ、お前どうしてそこまで熱くなるんだ?」
「なんでって……それはえっと……」
この感じ……自分の気持ちに気が付いてない感じだな。全くなんでこう鈍感だったりするんだか……
「ほら、二人を見失うぞ」
「あぁ」
俺たちは影でこっそりといちかたちの様子を見ていた。何というかあきらの奴、あれだよな……いちいち行動がイケメン過ぎるような……
二人がチョコの専門店に入り、チョコを選んでいたけど……
「なぁナタラ」
「なんだい?クロト」
「さっきから人の腕を思いっきり握りしめるのやめろ……」
「あぁ、ごめん」
咄嗟に手を離すナタラ。本当にこれはどうにかしないと駄目みたいだな……
二人が見晴らしのいい所で何かを話している。ちょっと聞き取りづらいがあのチョコレートはどうにも妹への贈り物みたいだった。
あきらの妹はどうにも病弱らしく病院にいるらしい。何というかああ言う奴も色々と大変なんだな
「そういえば聞きたいことがあるんだが」
「何?」
「お前ってどういう理由でいちかの家にいるんだ?」
「それは……俺がこっちに来た時に……」
ナタラといちかの出会いの話を聞こうとした瞬間、二人の所に悪妖精が現れた。
「キラキラル発見~俺にもちょうだ~い」
いちかとあきらの二人が悪妖精から逃げ出すが、悪妖精が翼を羽ばたかせ、いちかを吹き飛ばした。吹き飛ばされたいちかは茂みにはいってしまった。
「いちかちゃん!?」
「へへへへ、キラキラルを……」
「キラキラルはやれねぇが一撃はやるよ!!」
俺はオーガデーモンを起動させ、金棒で悪妖精に一撃を喰らわせるがギリギリの所で避けられた。
「ちっ」
「お前は!?」
「ハァ!!」
茂みに吹き飛ばされたいちかがプリキュアに変身し、悪妖精に攻撃を仕掛けるが、悪妖精は再びホイップを吹き飛ばし、あきらのチョコを奪い去っていった
「へへへへ~いっただき~」
「あ、あぁ……チョコが……」
「逃したか」
とりあえずひまりとあおいの二人を呼び出し、他の店のチョコレートを調べるがどれもこれもキラキラルを奪われたみたいだった。
「たくっ、面倒なことを」
「みくのチョコはもう……」
落ち込むあきら。いちかは心配そうにするが、あきらは
「心配しなくていいよ。あとは何とかするから」
立ち去ろうとするあきら。だけどいちかはあきらを呼び止めた。
「そんなの絶対心配しちゃいます!大好きな人に心を届けたい気持ち、私には分かるから……」
「いちかちゃん……」
「ようするにどうにかすれば良いんだな。だったらいちか」
「あ、そっか……クロトさん、ナイスひらめき」
こういうのはもう慣れたよ。要するに心のこもったチョコレートを作れば良いんだよな。
いちかとあきらの二人が一緒にチョコ作りを始め、完成したのは犬のチョコレートだった。
あきらはそれを見て
「かわいい~」
「えっ?かっこいいじゃなくって?」
いちかとあきらの二人の話を聞いていたひまりはあることに気が付いた。
「あっ、もしかして剣城さんって……」
「ひまり、黙ってろ。面白いことになってるんだから」
「いや、クロトさんもゆかりさんみたいなことを言ってないで……というかナタラさんは気が付いて……」
「全くな」
「「あ、あはは……」」
二人は同時に溜息をつくのであった
あきらが完成したチョコを持っていくのを見送る俺たち。だがまたさっきの悪妖精が現れた。俺、ナタラは武器を構え、いちかたちもプリキュアに変身し、あきらの前にいる悪妖精の前に立った
「君たちは……」
「またやられにきたのか!!」
「今度はひとりじゃない!」
ホイップ、カスタード、ジェラートの三人が攻撃を仕掛けていき、俺達も戦いに参加しようとするが俺たち二人の前に羅刹四鬼の一人、イバラが現れた
「よぉ、お前たちか」
「邪魔しにきたのか」
「あの女に言われたからな」
イバラは素早い動きで俺たち二人を撹乱していく。だがイバラはナタラに集中して攻撃をしていく
「くっ」
「まずは弱そうなお前からだ!!」
「弱いやつからか……俺を無視してんじゃねぇぞ!!オーガデーモン!!疾風!!」
オーガデーモンの鎧が形を変え、今までの鬼の姿のような鎧ではなく、より装甲を薄くし、鳥のような翼が生えた姿に変わった。
「なんだそれは……」
「ついてこれるかな?」
イバラの動きよりも早く俺は動き、イバラに対して圧倒していく。
「ぐうう、そんなもん、使ってなかっただろ!」
「あっちではお前達程度に使うわけ無いだろ!!俺が超えるべきやつはな!!」
俺はイバラの頭上に飛び上がり、落下と同時に踵落としを食らわせた。
「もっとすごいやつなんだよ」
「ぐっ、やるじゃねぇか……一旦引かせてもらうぞ」
イバラはそう言い残して撤退していった。今回も様子見か……
あとは悪妖精の方だが、あっちも動きが早く苦戦をしていた。するとホイップが吹き飛ばされ、変身が解除された。そこにあきらが駆け寄っていた。
「いちかちゃん?君だったのか」
「うぅ、あきらさん……早く行って下さい。またチョコが取られる前に……」
「いちかちゃん、君を置いていけると想う」
「えっ?」
あきらは必死にチョコを……倒れたいちかを悪妖精の攻撃から守っていた。俺は悪妖精に攻撃を喰らわせるが、倒すまでには行かなかった。
「邪魔ばっかりしやがって!」
「お前が邪魔だ!」
「ハアアアアアア!!」
ナタラも攻撃を繰り出していく。するとあきらがまばゆい光に包まれ、アニマルスイーツとスイーツパクトが現れた
「強さと愛を! レッツ・ラ・まぜまぜ! キュアショコラ! できあがり!」
チョコと犬をモチーフにしたプリキュア、キュアショコラが誕生したのか
「ハァ!!」
キュアショコラは悪妖精を圧倒していく。悪妖精が姿を消していくが、嗅覚が鋭くなったキュアショコラに居場所を見破られた
「キラキラキラルン!キラキラル!」
最後にキュアショコラが悪妖精を吹き飛ばし、無事にキラキラルを取り戻すのであった。
「というかこれでわかったんじゃないのか?」
いちかとナタラの方を見るとまだ二人は気が付いていない様子だった。なんだかもう面倒くさくなったな。
「ゆかり」
「あら?何?」
「放っておいていいか」
「いいんじゃないの」
俺はため息をつくのであった
その日の夜、キッチンで眠っているとナタラが訪ねてきた
「どうしたんだ?」
「あ、いや、実は……あきらって……女の子だったんだ」
「あぁそうだぞ」
俺はそう言って扉を閉めるのであった。わざわざ言いに来なくていいから寝かせろ……