キラパティの開店準備を終わらせ、ついにオープンしたのだが……
「誰も来ない……」
「場所が悪いのですかね?」
オープンしたのは良かったのだが、未だにお客が来なかった。俺たちはと言うと……
「着替える必要はなかったみたいだな」
「まぁまだ始めたばっかりだから仕方ないんじゃないの?」
俺はスーツ姿で、コルネリアはいちかたちと同じ格好をしていた。そしてもうひとりも……
「捕虜になったのに何でここの手伝いをしないといけないのよ」
この間捕虜にしたメズもまたウェイトレスの格好をしながらため息を付いていた。
「まぁまぁいいじゃないの。折角なんだしさ」
「あっちみたいに拷問でもかけてやればよかったか?」
「悪いけどそんなことしても口は割らないよ」
そもそも拷問やら情報を聞き出そうとは思っていないからな。そういうのは禁止といちかたちに……特にひまりに言われてるからな
「というかよく考えてみろ。お前はこっちの捕虜として他の羅刹四鬼と戦うことになる」
「うんうん」
「先輩である奴らと本気で戦う……ワクワクしてこないか?」
「いや、それはあんただけじゃないの?まぁ本気で戦えるっていうのはいいかもしれないけど……」
「とりあえずメズの方はこれで納得したって言うことでいいね」
「だな」
これで何とか説得は完了したって言うことだな。するといちかたちは場所を移動しようと言いだし、新しい場所を探すことになったのだった。
「試食いかがですか~」
近くの公園でお店を出すと、公園に集まっていた子どもたちが集まってきた。
だが俺を見て怖がってるやつがいるのだが……
「ちょっとクロトだっけ?顔が怖いからお店の中にでもいたら?」
「お前、馴染むの速いが……まぁ仕方ないな」
メズに注意され店の中に待機することになった俺。しばらく子供たちの声が騒がしく聞こえてきた
『はい、それじゃ三人には街の子供達と遊んでもらうわね』
懐かしい頃のことを思い出すな……アヤ副隊長の指示で子どもたちと遊ぶことになったことを……
そして今日みたいに子供が俺のことを怖がってしまったから、待機したことを……
『顔が怖くっても、クロトが優しいのは私、知ってるからね。落ち込まなくってもいいよ』
『別に落ち込んでなんかいないよ……』
『……ねぇクロト。帝国はこのままなのかな?』
『……さぁな』
『私はね。帝国を変えたいの……』
『だったら裏切るでもして、革命軍にでも行ったらどうだ?』
『それは一つの道だけど、私は中から変えたいの……だからもしものときは手伝ってね』
「クロトさん、どうかしたんですか?」
「ひまり?いやちょっとな。それでどうしたんだ?」
「いえ、また移動することになったんで」
「またか……」
何というかこの建物自体自由に移動できるからいいけど、一つの場所にとどまってもいいのにな……
色んな所に移動していくがここと言った場所がなく、ようやく落ち着いた場所につくと帽子をかぶった男が入ってきた
「いらっしゃいませ。さっきのお兄さんですよね」
「さっきの?」
「さっき、公園であった人ですよ」
「なるほどな」
「すみません、クッキーを探してるんですけど」
「クッキーはないんですけど……」
ないのかよ。そこら辺は揃えておいたほうがいいんじゃないのか?まぁまだ始めたばっかりだから仕方ないけど……
「……やっぱりみどりちゃんへの告白は無理……」
「告白?」
いちかは男にお菓子を渡して、話を聞くことにした。
話を聞くとどうにも子供の頃から好きだった女の子と大人になって再会したのだが、未だ気持ちを伝えられていないらしい。そして思い出のクッキーがあれば勇気が出るんじゃないのかということでクッキーを探しているらしい。
いちかたちは話を聞いてクッキーを作ってあげようといい出すのであった。