キラキラ☆プリキュアアラモード 黒の鬼神   作:水甲

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第2話 パティシエと世界というもの

オウガデーモンを発動させ、全身に鎧を身にまとわせた俺。怪物は俺のことを見て怯えていた。

 

「そ、そんな姿をしてもただの見掛け倒しに決まって……ぶほっ!?」

 

襲いかかってくる怪物を俺は金棒で思いっきり殴り飛ばした。

 

「殺すつもりでやったのに効いてねぇな……」

 

「あ、あの殺すのは……」

 

「だったらお前が何とかしろ!ウサ耳」

 

「なんとかしろって……」

 

するとウサ耳女のポーチからまばゆい光が放たれてきた。ウサ耳少女はポーチからパクトを取り出した。

 

「これって……」

 

「キラキラルの力ペコ!かき混ぜて使うペコ!」

 

「そっか、よーし、かき混ぜすぎに注意っと」

 

ペン上のもので何かをかき混ぜ始めると何かのクリーム状のものが現れ、怪物を縛り上げていく。

 

「キラキラルの力!あれは俺のものだ!」

 

「誰のものじゃないよ!キラキラルはみんなを幸せにする力!キラキラキラルン、キラキラル!」

 

「ギャ~覚えてろよ~」

 

生クリームに縛り上げられた怪物は小さな姿に変わり、吹き飛ばされていった。

さて、俺は……

 

「おい、こら女!!お前が俺をここに連れてきたのか?」

 

黒髪の女に金棒を向けると、女は笑みを浮かべていた。

 

「貴方の思っているとおりよ。それにしてもオウガデーモン……ハイト様曰く使用者は激しい痛みに襲われるっていう話を聞いたのに……普通に使用できるなんてね」

 

「ハイト?誰だそりゃ?それにあのぐらいの痛み……耐え抜かないとなあの二人と戦えないんだよ!!」

 

俺は黒髪の女に向かって思いっきり金棒を振り落とした。だが、女はいとも簡単に避けていた。

 

「面白い子ね。私はハイト様助手の一人、カノンよ。今後ともよろしくね」

 

カノンはそのままどこかへ姿を消していく。ハイトとかって何者なんだ?

 

「ちっ、逃げられたか」

 

「えっと、大丈夫ですか?」

 

ウサ耳少女が心配そうに声をかけてきた。俺はオウガデーモンを解いた

 

「心配そうに声を掛けるなウサ耳少女」

 

「あの私はウサ耳少女じゃなくって……」

 

「名前知らないんだから見た目で呼ぶしかねぇだろ!!」

 

「そ、そうでしたね。えっと私は……」

 

ウサ耳少女は変身を解くと、明るい茶髪のツインテールの女の子に戻った。

 

「私は宇佐美いちかって言います。さっきの姿はえっと……」

 

「伝説のパティシエ・プリキュアだペコ。ペコリンはペコリンっていうペコ」

 

「そうそう、キュアホイップっていうの」

 

「そうか、俺はクロト。帝国警備隊……つってもこの世界じゃ通じねぇか」

 

「ん?帝国……あれ?どこかで聞いたような……」

 

いちかが聞き覚えあるみたいだけどあんまり期待しないほうが良いな。さてこれからどうするか……

 

「おーい、いちかちゃん。大丈夫かい?」

 

するとこっちに一人の男が駆け寄ってきた。いちかの知り合いか?

 

「ナタラさん、どうしたんですか?」

 

「急に飛び出していったから……それに何か大きな音が聞こえて……彼は?」

 

「えっとこの人は」

 

「俺はクロトだ。お前のその手に持っている薙刀……帝具か?」

 

「帝具を知っている!?まさか君は俺と同じように……」

 

どうにもこいつは俺と同じ世界から来たみたいだな。こりゃ色々と話さないといけないみたいだな。

 

『オッホッホッホ、どうやら積もる話があるみたいジャバね』

 

突然木の上に引っかかっている鞄から声が聞こえてきた。ペコリンが鞄を下ろし、開けた途端、建物が出来るのであった。

 

「これも帝具か?」

 

「いや、こんな帝具、聞いたことないけど……」

 

「と、とりあえず中に入ってみよう」

 

全員で建物の中に入ると特に変わった様子がなく、何というかお店みたいなものだった。

 

「わぁ~凄い!?キッチン!凄い」

 

いちかは嬉しそうにしながらオーブンを開けると中に白い毛のモジャモジャが詰まっていた。

 

「どうジャバ?スイーツ工房は?」

 

いちかはそっとオーブンを閉め、俺達の方を見た。

 

「えっと……」

 

「今のって……」

 

「危険種か何かか?」

 

俺はベルトをつけようとするとオーブンの中をすり抜けてさっきのモジャモジャが出てきた。

 

「危険種というのではないジャバ。わしは妖精たちの長老。訳あって今は実体がないだけジャバ」

 

要するにおばけみたいなものか。

俺達は長老からプリキュアのことを聞き始めた。

 

「スイーツには人を元気に、幸せにする力、キラキラルが満ちておる。そしてプリキュアとは、キラキラルを操り世界を元気にする」

 

「伝説のパティシエペコ」

 

「つまりいちかちゃんがそのプリキュアに選ばれたっていうのか?」

 

「うん、そうみたい」

 

「キラキラルにプリキュア……あっちの世界じゃ聞いたことないな」

 

「主らの世界について教えてほしいジャバ」

 

「そうだね。いいかな、クロト」

 

「良いんじゃねぇのか?」

 

ナタラは俺達の世界のこと、帝具について、臣具について語った。

 

「えっと私はナタラさんから聞いてたけど、クロトさんは同じ世界の住人で良いんだよね」

 

「あぁ、つってもどうにもおかしいな。ナタラ、俺とお前は本当に同じ世界か?」

 

「どういう事だい?」

 

「俺がここに来る前の帝国はオネスト大臣が処刑されて平和になったけど、お前の話だとまだ生きているって言うことになるな」

 

「平和になった世界……時間がズレているって言うことか……それに俺の場合は……」

 

ナタラは何かを言いかけるが、いちかを見てすぐに言うのをやめた。なにか隠しているのか?

 

「まぁ時間のズレやここに来た理由はさっきのカノンって奴に聞いてみるのが一番だな。それにオウガデーモンが帝具じゃなく皇具って呼んだ理由もな」

 

「皇具……それに俺達をここに転移した首謀者であるカノンっていう女……」

 

「つうわけだ。いちか、お前に協力してやる」

 

「いいんですか?」

 

「あぁ、あの女、さっきの怪物と一緒にいたからな。一緒に行動したほうが会いやすいだろ」

 

「いちかちゃん、俺も協力するよ」

 

「クロトさん、ナタラさん……ありがとうございます」

 

いちかは頭を下げお礼を言うのであった。おっと協力する前に……

 

「おい、いちか、言っておくが俺が危険な目にあっても庇おうとするなよ。そしたらお前の耳を引きちぎるからな」

 

「は、はい!?」

 

「庇うのが駄目って、一緒に戦うのにかい?」

 

「庇うのが駄目なわけじゃねぇ、女が男を守ろうとするなってことだ」

 

「そ、そうか………」

 

いやでもあのときの光景が思い浮かんじまうからな。血に塗られたあいつのことを……

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