ある日、散歩をしているといちかたちが猫を見つめていた。
「何をしてるんだ?」
「あっ、クロトさん。散歩ですか?」
「そんなところ……で何を?」
「あのこの猫なんですが……」
ひまりは目の前にいる額に3つの星模様の猫について語った。この猫が来たスイーツのお店は大繁盛。幸運を呼ぶ猫らしい。
いちかは早速触れようとするが猫は直ぐ様どこかへ行き、一人の少女の前で仰向けになった。
「あら、いい子ね」
「誰だ?」
「わぁ……」
「なぁに?」
「え、えっと……なんかすごくきれいだから……」
「ありがとう。よく言われるわ」
よく言われるって……どんだけ自分に自身があるんだよ。
「あのネコ好きなんですか?」
「さぁ、好きでも嫌いでもないわね」
「……何をしている」
「あら、迎えに来てくれたの?」
少女の所に軍服姿の男がやってきた。あいつの持っている剣……まさかと思うが……あっちの武器なのか?
「それじゃ」
二人はそのまま俺たちに挨拶をし、その場から去っていくのであった。
「きれいな人だったな~」
「クロトさん、どうかしたんですか?」
「今のやつ…まさかと思うけど……」
俺はスイーツハウスに戻るのであった。
「見たことのない剣を持っていて、いかにも偉そうな男?」
「あぁ、お前の知り合いにいないか?」
帰ってきて早速聞いてみることにした。するとコルネリアは直ぐ様教えてくれた。
「多分だけどナハシュだね」
「ナハシュ?」
「私達選抜組のリーダーをやっていて、私達はチーフって呼んでたんだけど……クロト、喧嘩とかしてないよね」
「少し姿を見ただけだ」
「それなら良かった……」
何だ?俺がナハシュとあったら駄目なのか?
「正直言うと相性が悪いと言うか……まぁ話したらわかるよ」
コルネリアは苦笑いをしながらそう告げるのであった。
少しした後、ひまりとあおいが訪ねてきて他愛のない話をしているといちかが今朝の少女とナハシュを連れてやってきた。
「あらあなた、ここに住んでるのね」
「朝の……名前は何ていうんだ?」
「人に名前を尋ねるときは先に自分からじゃないかしら?」
笑みを浮かべながらそういう少女。なるほど……何となく気に入らない
「クロトだ」
「クロト……私は琴爪ゆかりよ。それでこっちは私のボディーガードの……」
「ナハシュだ」
「やっぱりか。コルネリアから話は聞いてる」
「雑魚の知り合いか」
ん?こいつ、今なんて言った?
「雑魚の知り合いならお前もこの世界に突然連れてこられたということか」
「お前、人のことを雑魚とかしか呼べねぇのか?」
「雑魚を雑魚と呼んで何が悪い。お前も似たようなものだろ」
「へぇ、俺が雑魚か……表にでろ!!」
「ちょ、クロトさん!?」
「止めなくて良いわよ。よくあることだから」
「よくあることって……」
「クロトさん、怪我だけには気をつけて下さい」
俺はナハシュを外に連れ出し、殴り合いを始めるのであった。
「臣具を使わないでおこう」
「使わなくっても勝てるっていうことか?いい度胸だ!!俺も使わない」
互いに殴り合いを始め、五分くらいするとコルネリアとナタラの二人がやってきた。
「やっぱりこうなったか……」
「もしかして喧嘩するって分かってたのかい?」
「うん、チーフに関しては私達は慣れてるけど、クロトとは相性が悪そうだなって思ったけど……やっぱりか」
「止めなくて良いのか?」
「放っておきましょう」
コルネリアとナタラの二人に見守られながら殴り合いは続き、また五分後、互いに地面に倒れ込んでいた。
「やるじゃねぇか。人を雑魚呼ばわりするのもわかるな……」
「お前も……お前ほどの実力があったら知っているはずだが………」
「俺は警備隊にずっといたからな……」
「ふっ、父がお前のことを知ったら選抜組に入れていたかもしれないな」
互いに認めあっていると、いちかたちがお菓子を持って外へと出てきた。
「えっと……拳で語り合った感じ?」
「大丈夫ですか?」
「あぁ……」
「ナハシュ、貴方にしては付き合いが良いじゃない」
「たまたまだ」
ゆかりはナハシュを笑い、ナハシュは顔を背けるのであった。とりあえず早速いちかたちが作ったマカロンを食べてみることにしたが……その場にいた全員が微妙な反応を示すのであった。