オーバーロード<落書き集>   作:おしるこをしるこ

11 / 30
『六大神』の話です。

この話の中ではスルシャーナの第一の従者はヨミです。

※ヨミ
人間?ただし不老。
レベル不明。


六大神物語・死が2人を分かつまで

スレイン法国 最奥の聖域

 

 

 

 

「私は十分生きました」

 

 彼女はベッドに横たわっていた。その横にはアンデットでオーバーロードであった男が椅子に座って彼女の細くなった手を握っていた。

 

「嫌だ。何度も頼むが・・これを食べてくれ」

 

 男がそう言って差し出したのは一つの種。それは『堕落の種』。悪魔に種族を変更する為に必要なアイテムであった。

 

「私は『生まれたまま』のこの状態で死にたいのです。どうか私の我侭を聞いて下さりませんか?」

 

 彼女のその願いを……自身を創造した者たちから与えられた身体のままでいたい…その気持ちを尊重したい。だがスルシャーナの脳裏にはかつてのことを思い出す。

 

孤独。

 

自身と対等であった五人が死去した。その日、スルシャーナは孤独になった。

 

「嫌だ。彼らだけじゃなくお前たちまで私を置いて逝くのか…」

 

だがまだ残されていた彼女らの存在のおかげでスルシャーナは

 

「スルシャーナ様……最後にお願いがあります」

 

「何だ?なんでもする。だから言ってくれ」

 

「我らはあなた様の手で創造されたわけではありません。ですがもし許されるなら……」

 

 本能が告げる。これ以上は聞くなと。だがスルシャーナの中には聞かないという選択肢は存在しなかった。仲間であった五人が死去した後、生存していた者たちは彼ら……後に従属神と呼ばれた彼らだけであった。そんな彼らの大半は人間種であった。そしてそれが意味することは永遠の別れであった。

 

 

「あなた様の手で……あなた様の慈悲に満ちた手の中で…」

 

それ以上言わなかったのは彼女の優しさであろう。スルシャーナが罪の意識を感じないようにという配慮であったのだろう。

 

「……分かった」

 

スルシャーナは手を握ったまま、もう片方の手で彼女に…

 

それはまるで労いの意味を込めた花束を渡すように…

 

「ヨミ……後はお願いします」

 

女はスルシャーナの第一の従者……ヨミにそう告げる。

 

「はい……」

 

ヨミは泣いていた。彼女もまたスルシャーナと同じで不老であった。ただし人間種である。

 

「みんなによろしく頼む……」

 

「感謝致します。スルシャーナ様」

 

スルシャーナはそれを言葉に出した。

 

「<(デス)>」

 

別れは必ずやってくる。もし別れを体験し続けた場合、別れがトラウマになるだろう。そんな残された彼らはもしスルシャーナがギルドから去ったたらどうなるのか……。

 

 

 

 

百歩譲ってスルシャーナが自身で作成したNPCは大丈夫だろう。

 

 

そこに『繋がり』があるからだ。

 

 

だが多くのNPC……悪魔や蟲といった者たち……。

 

 

彼らはどのような行動に移るのか。

 

 

新たな『繋がり』を求めて旅に出るのか……。それとも『繋がり』を断ったものを滅ぼすのか…。

 

 

それは誰にも分らない……。

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。