深い意味は全くありません。
ユグドラシル最終日
モモンガはナザリック地下大墳墓の地下10階・玉座の間にいた。
アインズ・ウール・ゴウンの象徴であるギルド武器、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを携えて。
「なっ…この設定は…」
モモンガがそう言ったのには理由がある。玉座の間にいたNPCの一人。守護者統括のアルベドの設定がどんなものだったかを確認しようと見た時であった。膨大な設定文の最後に「ちなみにビッチである」と書かれていたのだ。
(考えたのは…確か設定魔のタブラさんだっけ…)
「………」
(いくら何でもこの設定は…)
少し可哀そうかな?そう思ってしまった。
(ちなみにビッチである。か……)
「最後だし……いいよな?」
モモンガは「ちなみにビッチである。」を消した。
(代わりに何を入力しようか?)
「あっ…そうだ…」
(モモンガを愛してる)
そうモモンガは「モモンガを愛している」と入力した。
(……許して下さい。タブラさん)
モモンガはやがて玉座まで上がる。振り返り一言告げた。
「コマンド!平伏せ」
そう言うと先程まで付き従っていたNPCたちが平伏した。
「……」
モモンガは残り時間を見る。最早時間はほとんどない。
モモンガはギルドメンバーの玉座の間に掲げられた41の旗を見つめる。それらを一つずつ指差して数えていく。
「そして…俺」
(何やってるんだろうな…俺…)
「もう一度みんなと旅をしたかった…」
「もう一度だけみんなに会いたかった……」
モモンガは残りの時間を数える。
「後一分か……」
モモンガは思い出した。数々の思い出。
「そういえば一度もたっちさんに勝てたことなかったなぁ……」
(何度も戦った。でも勝てなかったなぁ)
ギルメンがいなくなってから今まで何度も妄想した。こうすればたっちさんに勝てるんじゃないか?こうすればたっちさんの隙をつけるんじゃ?
(結局…妄想の中でも勝てなかったっけ?)
でもそれでも…もう一度戦いたかったな。勝ちたかったなぁ。
モモンガは先程のアルベドの設定を思い出した。
(タブラさん、すみません。最後ですから。私の我侭を許して下さい。すみません)
モモンガは玉座から立つとアルベドの設定文を開いた。
「すまないな。アルベド」
『モモンガを愛している。』
モモンガはこの一文を消した。
代わりに打ち込んだ文章は……
『ちなみにたっちである』
もう一度だけ戦いたかったなぁ。
たっちさんなら、『
モモンガはアルベドの設定を閉じると、再び玉座に座った。
「本当に楽しかったんだ」
「明日は4時起きか……終了したらすぐ寝ないと…」
3……
2……
1……
0……
「アレ?」
「どうしたのですか?モモンガさん?」
「えっ…いや…」
「お困りですか?」
「あっ……はい」
「誰かが困ってたら助けるのが当たり前!!」
(えー!!アルベドがたっちさん化してるぅぅ!!??しかもそのエフェクト『正義降臨』!!?)
続かない。