今回は、人里のモブ男たちがアリスたちの風呂を覗きに行く話です。
大事な事なのでもう一度言います。覗きの話です。
特に、描写開始~描写終了の区間は結構頑張ったので、苦手な方、女性の方は読まない方が良いかと。
人里。
幻想郷の内部で、最も人間の多く暮らす集落に名付けられた場所だ。
農家や畜産などの一次産業を生業とする者が多く、それでも露天商や居酒屋、遊郭などといった娯楽も十分に揃った生活区域。
そんな、人外の脅威を受けない限られた空間の中で、屋台の立ち食い蕎麦屋で昼食を取る青年、大神と橘が何時も通り下らない会話を行っていた。
「今日も今日とて、人里は相変わらずか……何か、面白い事でもないものかな」
「異変や事件だって号外が配られても、僕たちには雲の上の話だしね」
「久々に休日が重なった事だし、温泉にでも入りに行こうか? 博麗神社と、山の麓にも似たようなのが出来たらしいぞ」
例え妖怪の脅威があろうとも、人里の人間は普通に里の外を出歩く。
夕暮以降は里を出ない、茂みや森などの暗がりに近づかない、などといった基本を学んでおけば、妖怪から襲われる可能性は格段に減る。
それでも襲われたり、妖精などからイタズラされて迷い込まされた時は、運がなかったと諦めるしかない。
幻想郷に住む人間の大半は、それだけ唐突な死を身近にあるものだと実感しているのだ。
でなければ、里の外に生活の基盤である農地や放牧場があるというのに、誰も人里以外を出歩かなくなってしまう。
「そうだねぇ――行くとしたら山の方かな。間欠泉センターだっけ?」
「あっちは河童の施設だぞ?」
「二択なら、妖怪神社よりはマシじゃない? でも、男二人だけって……」
「言うなよ。彼女なんて幻想、俺たちに出来るわけないだろ」
「おーい!」
虚しさだけが漂い始めた二人の会話に、もう一人の青年が加わる。
彼こそが今回の件の発端である、横島だ。
「どうしたんだ、横島。そんなに慌てて」
「セクハラのし過ぎで、遂に下宿先を追い出されたの?」
「ぜぇっ……ぜぇっ……その下宿先で、とんでもない情報を仕入れちまった」
昔馴染みの二人からの質問に、息も絶えだえになりながら両膝に手を突いて呼吸を落ち着ける横島。
「あのアリスさんが、これから博麗神社に出来た露天風呂に入りに行くらしい……っ」
「「……ほぅ」」
大神と橘は、まったく同じ反応を示した。
健全な人間の男子である。
絶世の美少女がこれから入浴と聞かされ、反応を示さない方が嘘だ。
露骨かむっつりかの違いはあっても、大抵の男子はスケベなのだ。
――多少の独断と偏見はあるかもしれない。
「大家さんたちとの世間話を、偶然聞いちまってよ」
「確かに凄い情報だけど、知ってどうなるものでも……て、まさかお前っ」
口に出した途中で、大神がその真意に気付いた。
覗き。世界を隔てようと、変わらない男の浪漫。
そして、同じく察した橘が大声で制止を掛ける。
「無茶だよ! 確実に殺される!? せめて、残り湯だけで我慢しなよ!」
何気に、かなりランクの高い変態性を暴露している橘だったが、友人たちからの突っ込みは入らなかった。
「だけどよ……俺、聞いちまったんだよ。アリスさん、友達も誘って行くって」
「なん……」
「だって……」
横島からもたらされた新たな情報に、今度こそ大神たちが戦慄を受けて言葉を失う。
「アリスさんの友人と言やぁ、人里に来るだけでもメイドとか夜雀とかフラワーマスターとか竹林の人とか……ともかく、その、アレだろうが!」
興奮により、最早まともな語彙すらなくなって吠える横島を、一体誰が責められようか。
人間とは思えない――実際に人間では到底ありえないような美しさを持つ者たちが、一同に会して露天風呂に入る。
アリスのそれだけでも、拝むのに命を懸けるだけの価値があると断言出来るのに、同等の価値を持つ美少女たちが同じ時間に入浴すると知り、黙っていられるはずもない。
彼は、一人の男として己の住むこの郷と同じく全てを受け入れていた。
人間という短い生。どうせ何時か死ぬのなら、覗いて死のう、と。
「まぁ、俺は確実に殺されるだろうな」
横島は元より、生きて帰されるなどとは微塵も思ってはない。
しかも、見た目はどれほど可憐でも、彼女たちはあの幻想郷内でも屈指の人外たちが集う妖怪神社を、気軽に出入りするような猛者ばかりなのだ。
身に抱く野望が実現すれば、塵一片すらこの世に残る希望はない。
しかし、それでも彼の決意に揺らぎはなかった。
友人らに語った理由も、これから散る愚かな自分を、誰かに知っておいて欲しかっただけに過ぎない。
「だけどよ――俺、その光景を見れたら、あの世で閻魔様にこう言ってやれる自信があるんだ。「貴女がどんな判決を下そうと、俺の人生は最高でした」ってな」
この台詞が格好良く聞こえたら、末期である。
「「横島……」」
そして、そんな末期が二人居た。
友人というものは、得てしてこういった似た者同士が集まるのかもしれない。
「ふっ――お前一人にだけ、良い恰好をさせると思っているのか?」
「行こう。誰も見たことのない、その美しい景色を求めて。僕たち、友達だろ?」
旅は道連れ、男の哀れ。
ここに、紳士という名の変態たちによる覗き連盟が発足した。恐らく、今日中に解散するものと思われる。
「お前ら……仕事か女を口説くのにその元気使えよ」
最初から、全ての会話を聞いていた屋台の店主の正論は、三人に届く事はなかった。
◇
地底の異変によって湧き出すようになった間欠泉を引き、博麗神社の近くに建造された、名付けて博麗温泉。
脱衣所と、そこから伸びる二方の柵。湯船は岩造りで、標高の高い立地なので崖に近い傾斜側から見晴らしの良い景色が一望出来る、見事な露天風呂だ。
入浴料は神社への賽銭という、妖怪神社に近づく根性があれば実に良心的な施設である。
広々とした露天の湯に肩までしっかりと浸かる私の横では、長く綺麗な髪を後頭部で団子にした紫の魔女が、岩に頭を置いて全身の力を抜きぷかぷかと湯船の中に浮かんでいた。
「あ゛~……これはヤバイわぁ」
知識では知っていても入るのは初めてだと言っていたパチュリーは、普段では決して見る事の叶わないだろうだらしない表情で、溜息混じりの蕩けた声を上げている。
パチュリーの口からヤバイとか、初めて聞いた気がするんだけど。
そっちの方が、色んな意味でヤバくない?
昨日の内から、パチュリーと一緒に温泉に入る約束を取り付けていた私は、朝からうきうきしながら人里での買い物などで時間を潰し、昼過ぎに紅魔館へとお邪魔して彼女をこの地へと連れて来ていた。
「紅霧異変」後、館に掛けられていた結界が解除され幻想郷との交流を開始したパチュリーたちとは、こうして何度も遊びに誘っては外出を行っている。
生憎、この七曜の魔女は出不精で面倒臭がりの為断られる頻度の方が多いのだが、だからこそ受けてくれた時の喜びはひとしおだ。
しかも、今この温泉を利用しているのは私とパチュリーだけではない。
「はあ~、良いお湯ねぇ。これじゃあ、美味しいお出汁が取れちゃいそう」
「今年の冬の最後を景色で眺めながら、湯船で一献――生きてて良かったわぁ」
手拭いを頬に当てる夜雀のミスティアに、湯船に浮かんだお盆に徳利とお猪口を乗せ、露天酒を楽しむ冬妖怪であるレティ。
「くすっ、みんな骨抜きだ。温泉って面白いね」
そして、身体を洗いながらそんな面々を見て笑うのは、夜に舞う蠱毒のリトルプリンセス、阿礼乙女著の妖怪図鑑において「虫を見たら大体こいつのせい」扱いされている不憫な玉繭の姫、リグル・ナイトバグ。
道中で、偶然出会った暇そうな知り合いの妖怪たちも誘った結果、その少女たちも交えて裸の付き合いへと突入中なのである。
勿論、全員が一糸まとわぬ姿をしており、その美しい肢体を余す事なく私へと見せ付けてくれている。
いやー、眼福眼福。
皆綺麗だし、可愛いし――ぐふふふふっ。
おっと、いかんいかん。私とした事が、はしたない。
流石の私も、こんな場所までうぜぇ丸人形を連れては入らないからね。ここは、可能な限り彼女たちの生まれたままの美を記憶して帰らねば。
異変や事件に首を突っ込んでは散々死に掛けて来たりもした私だが、この光景を見れただけで今まで必死に生きてきた甲斐があったのではないだろうか。
ここは、そんな私の感動を可能な限り表現する為に、全員の描写をがっつり行いたいと思う。
冗談抜きで本気でいくつもりなので、ここにさとりが居ればドン引きされる事うけあいだ。
だが、それでも私はやる。
私がやらねば、誰がやる。
そう、これは私のなさねばならない使命なのだ。
そんな謎の責任感に背を押され、私は湯と戯れる美少女たちを改めてじっくりと観察し始めた。
◇――描写開始――
「あ゛~……何だか、このまま溶けてしまいそう……」
まずはパチュリー。
私より頭一つ分背の低い彼女は、何度か服を作らせて貰って既に知っているが着痩せするタイプだ。
俗に言う、「おっぱちゅりー」である。
室内派である故全体的に線が細く、白磁のようなという表現が似合う色素の薄いきめ細やかな肌を湯船に浸し、普段はゆったりしたローブの下に隠した大振りな双丘の一部を、氷山の如く水面へと浮かべている。
運動をしない、筋肉の削がれた撫で肩。力仕事を知らない、一切傷のないほっそりとした指先。
如何にも華奢といった風情の体型に、場違いなほどたわわに実った、掴めば指が沈んでいくだろう二つの果実。
粘りのある湯が突き出たその部分にまとわりつく事で、実にねっとりとした艶を演出しているのだ。
ある種の儚さの中に見える、魔性の美。
正しく、魔女と称されるべき甘美な色気である。
「ふんふーんっ、ふふふーんっ♪」
次にミスティア。
足だけを湯船に浸け、その縁に腰掛ける彼女は幼いと言うには発達し、妖艶と言うには未熟な極めて絶妙な位置にある体型だ。
出るところは出て、引っ込むところは引っ込む。黄金比と言い替えても良い。
湯に濡れて半透明になり前面に張り付いた手ぬぐいが、突き出た乳房とくびれた腰の流れるラインをより一層強調していた。
腰掛ける事で、きゅっと締まった弾力と張りのある大振りなお尻が少しだけ潰れ、濡れた髪の下に覗くうなじとの相乗効果により得も言われぬ色香を放つ。
背から生える羽もしっとりと湯を吸い込み、重く垂れ下げられた両翼の演出は彼女の姿を更なる艶めかしい美へと昇華させている。
屋台の女将として過ごす内に身に付いたのだろう、女としての楚々とした一挙一動がエロさを当社比二割り増しに倍増させ、男が見たら最初からクライマックスになる事うけあいだ。
「ちょっと空が寂しいかしらね――えい。ふふっ、あめゆじあめゆじ。風情は大事よねぇ」
そしてレティ。
原作で、弾の当たり判定の大きさから「太ましい」などと揶揄されている彼女だが、その表現は正確ではない。
彼女は、グラマラスなのだ。
むっちりと豊かでありながら、同時に張りのある肉感的な肢体。
水面に浮かぶ二つの山は量感に富み、上気した肌がその艶やかさを向上させる。
氷の滑らかさを持ったすべすべの指がお盆の上のお猪口を掴み、ぷっくりとした唇に当てられその中身を彼女の喉奥へと流れていく。
酒を嚥下し、喉を鳴らすその仕草だけですら、深く、深く妖艶だ。
普段の温和な表情が更に緩み、全てを受け入れる聖母のような雰囲気でありながら、同時にその扇情的な容姿は視線を外す事を許さない、蟲惑的なエロチシズムが覗いていた。
「普段は、汚れたら川とか湖とかで身体を洗うだけだし、皆で入ったりお湯に浸かったりって凄く新鮮な感じがするね」
最後にリグル。
今居るメンバーの中で最も幼い容姿をしている彼女だが、だからこその魅力が十二分に備わっていた。
普段が、白シャツに半ズボンというボーイッシュな出で立ちからか、起伏のない裸身は中性的な雰囲気を漂わせているものの、つつましくも膨らんだ胸やお尻、腰のくびれたちがどうしようもなく彼女を「少女」だと声高に主張している。
背中の肩甲骨辺りから生えた、昆虫の
最も少女であるが故の、背徳にも似たいたいけな可憐さ。
そこに、露天であるにも関わらず何も隠さずにぺたぺたと浴場を歩く健康的な子供っぽさが加わり、発展途上であるからこその輝きを溢れさせているのだ。
今、そんな純真さを持つ彼女に私が突然襲い掛かれば、きっと目を白黒させながら逃れようと抵抗するのだろう。
首筋に舌を這わせ、「可愛いわね、食べてしまいたいわ」などと言ってあげると、顔を真っ赤にしながら戸惑いと恐怖で瞳を揺らし、「ひゃぅっ。か、からかわないでっ」と可愛く鳴きながら、私よりも更に非力な腕で私を押し退けようと健気にもがいて――
……んー、駄目だ。
最後に頑張って妄想してみたけど、いかんせんやる気が起きてくれないや。ちくせう。
彼女たちの艶姿を細かに観察しても、どこまでも起伏の少ない自分の精神に、内心でがっくりと肩を落とす私。
感情が抑制されていなければ、思い付いた時点で確実にやれているだろうに。
しかし悲しいかな、女の子同士の過激なスキンシップを行うには、私のエロスに対する欲求が低過ぎるのだ。
この程度の悪ふざけすらも気乗りがしないとは、本当に使えない身体である。
残念なような、嫌われなくてそれで良かったような複雑な心境になりながら、私は彼女たちの観察を終了した。
◇――描写終了――
ふぃー。
んむ、頑張った!
全力の描写に一人満足した私は、最後にもう一度パチュリーへと視線を移す。
「何を見ているの?」
「貴女の身体」
私からの気配を感じたのか、パチュリーと目が合ったので素直に答えておく。
隣に浮かぶ彼女は、幻想郷で私が初めて自分から服を贈った相手でもある。
出会った当初の彼女は、あばらが浮いて見えるほどのがりがりであり、腕も今より更に細く、触れるだけで折れてしまいそうなほどだった。
その癖、おっぱいばかりがそれなりに大きいのだから、ある意味恐怖だ。
捨食の魔法により、魔力を栄養へと変換出来る魔法使いは、その魔法を調整する事によりある程度体型を変化させる事が出来る。
だというのに、最低限の維持だけでまるで自分の肉体に頓着しない彼女を心配した私は、迷惑を承知でこの魔女を太らせるべく努力した。
毎度、図書館にお邪魔するのに菓子折りを持参し続けるのも、この辺りが始まりの理由だったりする。
私の考えに賛同してくれたメイド長からの様々な援護を受けた甲斐もあり、パチュリーはあの時の極限の痩せ過ぎ状態から今のやや痩せ気味ぐらいの体型に、魔法の調整を変化してくれていた。
無理強いした事は自覚しているが、これも彼女の為だ。長年の病だったらしい喘息も、健康に気を使い始めた事で幾らかマシになったそうなので、私の我侭にも価値があったという事だろう。
「前からうるさかったあの娘以上に、鬱陶しいお節介焼きが追加されたのだもの。利点もあるし、後は惰性ね」
「私としては、今の貴女の方が好きよ」
「……それ、誤解されるでしょうから他では言わない方が良いわよ」
「そう?」
付き合いが長く、「アリス」として共に過ごした時間も知り合いの中では断トツで一番なパチュリーは、本当に気の置けない友人だ。
彼女とは、例え数百年先でもこうして軽口を交し合える気がする。
ふふっ、私たちズッ友だよね。パチュリー。
「何か、気持ち悪い事を考えていない?」
「……気のせいよ」
たまに、さとりでもないのに私の心を読むのは勘弁して欲しいけど。
景色は良好、風情も十分。
少女だらけの雪見風呂は、まだまだ始まったばかりである。
◇
横島、橘、大神の三人は、博麗神社に続く舗装された道――ではなく、その横に茂る森の中を周囲に気を配りながら歩いていた。
「ねぇ、やっぱり昼とはいえ森に入るのは危ないよ。普通に参道を行った方が良くない?」
不安を隠せない橘が、おどおどと辺りを見ながら小声で前を進む二人に進言する。
「駄目だ。神社までの道にも、博麗の巫女が妖怪避けの結界を張っていると聞いた。そこから勘付かれる可能性がある」
大神の返事はどんな出鱈目だと問い返したいところだが、あの巫女ではあり得ないとは言えず、むしろ確かにと頷いてしまう説得力があった。
こんな場所を歩いているのは、恐ろしい妖怪よりも、その妖怪を退治する巫女の勘を警戒しているからだ。
もっとも、三人の誰かがぐーたら巫女の事を更に深く知っている者であったならば、例え勘で気付いても放置されるだろうと安全な参道を堂々と歩いていくのだろうが、彼らにとっては不幸な事にそうはならなかった。
「なに、護身用の装備も揃えているんだ。万が一妖怪に出くわした時は、走って人里まで逃げれば良いさ」
両腰に差した刀の一本を軽く叩き、朗らかに笑ってみせる大神。
橘と横島は、守矢の巫女をよいしょして書いて貰った数枚のお札や清めの塩などを、懐へと忍ばせている。
人間は、そこに危険があると知っていて、ただ漫然とその脅威に怯えるだけで終わらせはしない。
武で、術で、道具で――先人の知識と経験を活かし、妖怪や獣に対抗する手段は数多く伝えられているのだ。
木陰の揺れる森の中を、危険を承知で進む三人だったが、その耳に突然別の誰かの声が聞こえて来た。
『あん、だめ、そんな――』
「こ、この声は……大家さん!?」
艶めかしい女性のあえぎ声は、間違いなく横島の下宿先「秋桜荘」で晴れて大家の地位を引き継いだ、金髪未亡人のものに間違いなかった。
『服だけ溶かすヌルヌル触手妖怪なんて……そんな所、ヌルヌルしないでっ』
「大家さん! 不肖この横島が、今助けに参ります!」
声の聞こえる近くの茂みへと、背中の棍を手に猛然と突進を始める横島。
「具体的に、どんな部分がヌルヌルなんですかぁ!?」
正義感かと思いきや、やはり欲望に忠実なだけである。
「待て、横島! そんな都合の良い妖怪、幻想郷には存在しない!」
「戻って来て! 気持ちは解るけど、それは罠だよ!」
比較的冷静な大神と橘の制止など、煩悩に染まった横島が聞き入れるはずもない。
先に語ってしまえば、当たり前だがこの声の先に大家本人は居ない。
幻覚ならぬ、幻聴魔法。効果範囲に侵入した者に対し発動する、設置式の仕掛けだ。
実際に、彼女のこんな声を生で録音した訳ではなく、声質を
無論、製作者はアリスであり、大家の声を借りる事への許可は済んでいる。
まぁ、許可を出した彼女もまさか見た目だけは鉄面皮で真面目そうなアリスが、自分の声をこんなふざけた事に使用するとは思っていないだろうが。
「あ――」
茂みの先へ辿り着いた横島を出迎えたのは、木の幹に吊るされた
幻想の園にありながら、本物の
「くそっ。居ないと解っているのに、身体が勝手に――っ」
「やっぱり僕も見たい――っ」
直後、なんだかんだ言いながら横島の後を追っていた二人諸共、白炎の爆裂が全てを飲み込んだ。
◇
「ん? 何、今の音?」
今居る博麗温泉から見て、下方にある森から聞こえて来た小さな音に、眉をひそめるパチュリー。
距離が遠く、何の音とも判別の付かないか細く短いものだったが、アリスにだけはそれが何なのか理解出来ていた。
「人の夢と書いて儚い……今、遠いどこかで夢の一つが現実によって敗れたのよ」
意味深に呟き、アリスは水面を見ながら散って行った勇士たちに追悼を送る。
まさか、あんなおバカな罠を仕掛けたとも、掛かった阿呆が居たとも言えないので、誤魔化したとも言える。
「ねぇ、リグル。貴女、最近あのフラワーマスターの所に通ってるそうじゃない。大丈夫なの?」
「そうよぉ。あの娘、結構平気で酷い事するから、貴女が心配で心配で」
「ち、近いよ二人とも。何だか恐いし」
アリスたちの対面に近い場所では、噂好きの二人から逃げられないよう左右から詰め寄られ、小柄なリグルが居心地悪そうに肩を狭めている。
「幽香とは花の異変の時に知り合って、それから時々花のお世話を手伝ってるだけだよ」
「えー、本当にそれだけ?」
「それだけって……ミスティアは、他に一体何があると思ってるの?」
「それはもう、らぶらぶとか、いちゃいちゃとか、ねちょねちょとか」
「あるわけないでしょ。幽香も私も女の子だよ?」
「愛の前には、性別なんて些細な問題じゃない! もっと熱くならなきゃダメよ、リグル!」
「えぇ!? レティって冬の妖怪だよね!?」
見果てぬ恋バナの為、無垢なリグルへと熱心に語りながら洗脳を施そうとする、ミスティアとレティ。
「元気な事ね……彼女たちって、何時もこうなの?」
段々と、温泉の魅力にもそれなりの耐性が付き始めたパチュリーが、そんな彼女たちを胡乱気な表情で見ていた。
「メンバーにもよるでしょうけれど、ミスティアとレティが一緒に居る場合は大体こんな感じね。たまに、私から話題を提供したりもしているわ」
「意外、というほどではないけれど、貴女がああいった下世話な話題を好むとは思わなかったわ」
「こんな私は嫌い?」
「その問いに、私はどう答えれば良いの?」
「「大好き」。もしくは、「愛してる」でも良いわ」
「……貴女って、時々変なところで欲望に忠実よね」
真顔の本気で冗談のような事を言うアリスへ、パチュリーが諦めの極致といった盛大な溜息を吐き出し、そのまま疲れた様子で湯船を堪能する作業へと戻っていく。
「愛してはいないけれど、貴女との時間は気に入っているわよ。嫌々付き合っているわけではないから、心配しないで……面倒だけれど」
最後の一言を黙っておかない辺りに、遠慮も不要となった二人の距離感が透けていた。
「私は好きよ、パチュリー」
「はいはい。私もよ、アリス」
無表情で直球のアリスと、物憂げで皮肉屋のパチュリー。
似ていないようで、やはり二人の魔女はどこか似ている。
「ちょっとぉ、魔女さんたちぃ」
「私たちを前に、見せ付けてくれるじゃないのぉ――突撃よ!」
そんな仲睦まじい二人に、蛍の少女を解放した夜雀と冬妖怪が襲い掛かるのは、ある意味必然の出来事だった。
◇
楽園と化した山の上とは正に天地の差で、下界の森では男たちがあちこちが破れた服となり、泥だらけの姿で荒い息を吐き出していた。
「……もう、やめよう。このままじゃ、辿り着く前に皆死んじゃうよ!」
半泣きになった橘が、悲痛を滲ませて叫ぶ。
最初に掛かった、音声を使ったブービートラップを皮切りに、落とし穴、トラバサミ、括り罠――多種多様な罠に掛かり続けた三人の体力と気力は、最早限界に近い。
罠を作らせれば右に出るものは居ない、某兎詐欺師監修のトラップ群だ。古典的ながら的確に意表を突くそのいやらしい配置は、仕掛けの一つさえ容易に見破らせはしない。
「やはり、俺たちでは力不足なのか……っ」
同じく、ボロボロの姿で大神が口惜しそうに下を向き、悔しさから拳を握り締める。
最初の爆発のように、大きな音は何度も立ててしまった。露天風呂に入っている者は、もう気付いている可能性は高い。
それ以前の問題として、三人の現在位置は未だ山の斜面にすら到達してはいないのだ。現状から移動を続けても、目的を達成出来るとは到底思えない。
「なぁ、橘、大神――」
最も罠に掛かり、二人より更に酷い恰好にも関わらず、なぜか一番元気な横島が二人に向けて口を開いた。
「ありがとうな。お前たちと一緒にここまで来れて、嬉しかったぜ」
照れくさそうにすすけた鼻の下を擦り、精一杯の空元気で笑う横島。
「一人で、行くつもりか……」
「あぁ。実家から期待はされず、仕事も日雇い、体力以外に才能なし――俺にはもう、失うものは何もねぇんだよ」
完全な自暴自棄である。
だが、その瞳の光は衰えて消えるどころか、更に強固な意志の輝きが満ちていた。
「最後だ――最後に一目、桃源郷ってやつを眺めてやる。俺の心が、はっきりと言ってるんだ。俺の命の懸け時は、きっとココなんだってよ」
恐らく、精神的にハイになっている為に聞こえる幻聴だろう。
「横島……うん、僕が間違ってた。僕は、まだやれるっ」
「あぁ。二人にそこまで言われたら、俺も本気を見せるしかないな」
無駄に格好良い台詞で決死の覚悟を決めた横島に、止めておけば良いのに再び心を奮い立たせる橘と大神。
そして、三人が決意を新たに一歩を踏み出した時、彼らの進むべき道に何かが立ちはだかった。
「なっ! よ、妖怪!?」
動揺する橘の言葉通り、そこに居るのは人型で見上げるほどの巨体を持つ、禿頭で鼻も口もない単眼のみの顔面をした怪物だった。
痩せ細った短足の下半身に比例するように、異常なほどに上半身と二の腕が発達した明らかな人外だ。
「バカな! 博麗神社の目と鼻の先だぞ!」
大神の叫びはもっともだが、この怪物は野良の妖怪ではない。藍の生み出した、覗き撃退用の式神である。
その証拠に、「番」と書かれた大きな紙が化け物の額から顔を隠すように垂れ下がり、迎撃範囲に侵入しない限りは襲い掛かる事のない確かな理性を持っている。
とはいえ、そんな事情を知る訳もない三人にとっては、目の前の異形が何であっても同じ事だ。
「――横島、進め!」
人里に住む人間として、妖怪の脅威をいやというほど叩き込まれて来た大神は、それでも両腰の刀を引き抜いて横島に吠えた。
「こうなったら意地だ! 道は俺たちが切り開く! だから横島、お前だけは先に進め!」
「大神!――っと」
勝ち目のない足止めを引き受けた大神に、横島が制止の声を掛けるよりも早く、そんな彼へと何かが投げ渡された。
「橘――お前、これっ!」
「うん、写真機だよ。前に教えたから、使い方は解るよね」
それは、儚げに笑い掛けている橘が香霖堂で購入し、時折趣味で使用していた一眼レフのカメラだ。
「三途の川で待ってるから、撮った写真を皆で見よう!」
叶うはずもない、ただの夢想。
しかし、その夢を笑う者は三人の中には居ない。
「行け! 行って、確かめるんだ! この幻想郷で、一番美しいその場所の景色を!」
「きっとだよ! 信じてるから!」
両手に刀を携えた大神と、懐から札を取り出した橘が化け物に向かって全力で走り込む。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ! 咲夜さんは、俺の嫁えぇぇぇっ!」
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 幽香さん、マイラアァァァブッ!」
壮絶な雄叫びと共に、二人の英雄が死へと向かって散っていく。
「くっ……うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
堰を切るように、腹の底から己を鼓舞する大声を張り上げ、最後の一人となった横島が大地を駆ける。
足へと掛かったトラップが発動、爆発、跳躍、上空から落下する岩を紙一重で回避し、木の幹を足場にもう一度跳躍、着地。
幾つもの罠で服を汚し、破られ、身体中に傷を負いながら、それでも走る。
「ぬうぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
遂に露天風呂の真下である崖に到着した横島は、あろう事か数百メートルはあるその壁を素手で登頂し始めた。
欲望によって、全ての限界を超えた男はまるでイモリの如き速さとキモさで崖を踏破し、記録的な短時間でその頂点へと手を届かせる。
しかし、さしもの横島もそこが限界だった。登り切った所で肉体が限界を迎え、託されたカメラを構えるどころか指一本すら動かせない。
「ぐ、うぅ……っ」
それでも、彼は後世にこの光景を伝え広めるべく無理やりに首を動かし、湯船に浸かる女神たちの姿を永遠に己が脳裏に焼き付けるべく、霞み始めた両目を叱咤する。
風によって湯煙が晴れ、遂にその裸体が横島の前へと完全な形で姿を現した。
短めの白髪に、金目。細身ながら、それなりに筋肉の付いた引き締まった肉体。
「――おや、君も入りに来たのかい?」
「あ……が……っ」
横島が見た光景は、頭にタオルを置いた妖怪と人間のハーフである香霖堂の店主、森近霖之助の裸体。それで全てだった。
「だが、服も脱がずに湯殿入るとは、いささか急ぎ過ぎではないかな」
「こんなの……ありかよ……っ」
呆れと咎めを含めた彼からの忠告を受けながら、横島は遂に意識を手放した。
◇
私たちの前で、崖から這い出て来た勇者一号は、絶望の表情で何事かを呟いた後あえなくその場で息絶えた。
「……びっくりしたぁ」
とんでもない場所から突然現れた人間に、リグルが胸元を押さえて驚いている。
あの、冗談で作ったおバカトラップに引っ掛かってくれたらしいので、人里から博麗神社までの整えられた道ではなく、その隣の森と山道を抜けて来たのだろう。
まさか、まさかだ。
私、てゐ、藍の三者が用意したあのアトラクションパークを自力で踏み越えて来る人間は存在しようとは、私も想像してはいなかった。
「覗き?」
「覗きね」
「空を飛べないからと崖を登って来るだなんて……とんでもない努力の方向音痴ね」
今は全員が呆れているだけだが、冷静さを取り戻した時にあの青年の命が終わるかもしれない。
なので、一応のフォローを入れておく。これで駄目なら、彼の人生はここで諦めて貰うしかない。
「一応言っておくと、彼は何も見ていないわよ」
「え? でも今、思いっきり私と目が合ってたよ?」
「いいえ、合っていないわ」
リグルの側がそう見えただけで、実際あの青年の目はこの場のどこも捉えてはいなかっただろう。
「この温泉は、霊夢と藍が覗き防止として念入りに結界を張っているの。脱衣所以外から入って来た彼の場合、なんらかの幻覚を見せられたはずよ」
まぁ、パチュリーにだけはこんな説明必要ないだろうけどね。
人間以外では空を飛べる者も多いというのに、何の対策もなくこんな開けっぴろげな場所を作ったりはしない。
結界は、中に居る者の魔力や妖気を自動的に汲み上げて発動する仕組みらしく、内在する力の大きな者が居るほどその隠蔽効果は高いそうだ。
現在入浴中のこのメンバーならば、例え千里眼の持ち主でも覗きは不可能だろう。
「ねぇ。この人間、許してあげない?」
「リグル?」
内心で、倒れた青年の未来を想像して合掌を送っていると、リグルが眉を寄せて皆を見た。
「アリスの言う事が本当なら、この人間は何も見てないんでしょ? だったら、一回くらいは大目に見てあげても良いんじゃないかな?」
リグルマジ天使。
しかし、その考えは少々危険だ。
人間の辞書に、「懲りる」という文字はない。
「私も、今回限りでリグルに賛成ね。軽いお仕置きだけして、人里の自警団に突き出すぐらいで良いんじゃないかしら」
とはいえ、折角の楽しい時間だったというのに、目の前で死なれては後味が悪くなってしまう。
名前も知らない犯罪者だし、人間が妖怪に殺されるのは茶飯事だが、それでも一つの命。
可能ならば、助けておきたい。
「ふぅん、アリスもそっちに付くんだ。だったら、私もそれで良いわよ」
「私もー」
どうやって説得したものかと頭を捻っていたら、いきなりミスティアとレティが引いてくれた。
どうでも良い事ではあるが、ミスティアが誰かの名前に敬称を付けるのは、基本的に女将モードの時だけである。
「どうして?」
「だって、アリスって人間びいきだし、一度決めたら梃子でも動かないじゃない」
あ、私ってみすちーに、そんな頑固者だと思われてるんだ。
ひいきじゃないよ。大好きで、憧れてるだけ。
「ふふっ、アリスは甘いものねぇ。リグルのしたいようにさせて良いわよ」
「こんな人間の処遇になんて別段興味もないし、好きになさい」
レティさん、パチュリーさん、マジすんません。
どうやら、彼の命は繋げられたらしい。
皆の優しさに感謝だ。
「良かったわね、リグル」
「うん。ありがとう、アリス」
そう言って頭を撫でてあげると、なぜかお礼を言われてしまった。
「私は、何もしていないわ」
「そんな事ない。皆、アリスが好きだから私のお願いも聞いてくれたんだよ」
リグルは無邪気に笑っているが、私には良く解らない。
私は、友人の皆に愛情を向けているつもりだが、それらの大体は私が一方的に行っているものだ。
出会い方やその後の付き合い方もあり、中には苦手にされたり、嫌われたりしている場合だってある。
まぁ、少なくとも今のメンバーからは嫌われていないという事だろう。嬉しい限りだ。
「リグル? どうしたの?」
「うん、頑張ったで賞をあげようと思ってね」
湯船から上がったリグルが、ペタペタと無防備に青年へと近づいて行くと、倒れている彼を頭上から覗き込む。
「ふふっ――んー、はいっ」
妖しく笑みを深くして、人差し指を自分の口に当てると、青年の頬にその指を押し付けるリグル。
「あら」
「まぁ」
「へぇ」
彼女の暴挙を、たった三言で済ます外野。かくいう私も、驚きの余り声が出せていない。
ちょっ、それは幾らなんでも大盤振る舞いし過ぎでしょう!
わ、私には!? 私にはしてくれないの!?
突然のリグルの行動に混乱する私を他所に、彼女はニコニコと笑いながら青年の頭を撫でている。
「もう、覗きなんてしちゃダメだよ」
純粋過ぎるが故の魔性。人差し指を添えた口が、無駄にエロい。
力弱くとも、彼女もやはり妖怪だ。
さて、リグルの貞操観念の低さについては後で皆と論議するとして、このうらやまけしからん男は一体どうしてくれようかしらねぇ。
もういっそ、あのまま極刑で良かったのではないだろうかと八つ当たりにも近い考えを抱きながら、私は彼の処罰について考えを巡らせていく。
そんな感じで、最後にちょっとしたサプライズがあったものの、私たちのお風呂パーティーはおおむね平穏のままで終了した。
◇
「……生きてたな」
「……お互いにな」
「……良く、生きてられたよね」
人里の治安を守る自警団に突き出され、説教と折檻で彼らからこってりと絞られた三人は、人里の通路の一つで黄昏時の空を見上げながら、半ば呆然と自分たちの生を実感していた。
横島はそのままアリスによって運ばれ、大神と橘は藍の式神に簀巻きにされて人里の入り口に放り捨てられていたらしい。
まぁ、生かされたのならばそれだけで喜ばしい事だ。夢は敗れてしまったが、生きていればまた別の夢が見つかるかもしれないのだから。
「あぁ、そうだ。お前にコイツを返さないとな」
横島は橘から受け取ったカメラを懐から取り出し、彼へと返却する。
「ありがと――あぁ、やっぱりレンズが割れちゃってる。修理なんて出来ないし、香霖堂に行って買い換えないと」
「悪い」
「良いよ。持って行く時に、壊れる事は覚悟していたしね――あれ?」
壊れたカメラの傷などを確認していた橘が、何かに気付いた。
「どうした?」
「写真が貼ってあるよ。ねぇ横島、もしかして何か撮ったの?」
「まさか、そんな余裕なんてなかったよ」
「どんな写真なんだ? 俺にも見せてくれ」
カメラの背面に貼られていた写真を、三人で覗き込む。
無表情のまま顔の左右で両手を開き、大きく舌を出しておどけるアリス。
身体を横にして腕を組み、呆れた顔でこちらを見下ろすパチュリー。
胸に片手を添え、満面の笑顔で投げキッスをしているミスティア。
腰を捻ってしなを作り、扇情的なポーズでウィンクするレティ。
片手を腰に置いた前屈みとなり、子供を叱るように眉を寄せて人差し指を「めっ」と突き出すリグル。
「「「……」」」
何時もの服装で、温泉の建物を背景に一列で並び、思い思いのポーズを披露する美少女たち。
望んでいた絵ではなかったが、これはこれで幾ら金を積んでも手に入らない一枚である事に違いはない。
きちんと三人に行き渡るように、写真の後ろには同じものがもう二枚添付されている。
「――明日も、仕事頑張るか」
「そうだな」
「うん」
果てのない夢を求めた紙一重の男たちは、与えられた報酬を片手に日常へと戻っていく。
先程の写真が三人の家宝扱いになった事は、語るまでもないだろう。
勿論、それだけで許されている訳などあるはずもなく、パチュリーの呪いによってこれから三ヶ月ほど男性としての絶望が待っている事を、彼らはまだ知らない。
彼らが再び騒動にもならないバカをやらかすかどうかは、今後の語りとさせて頂こう。
Q・なんでこんなパロネタ書いたし。
A・他の話が上手く広げられなかったので、ヤケクソで書いたらこんなの出来たの巻。
モブ男の名前に関して、特に悪意はありません。
なんていうかもう、ほんと、ごめんなさい……orz
本来ならば、今回はリグルメインの予定だったのですが……はてさて、次回はどうなるでしょうねぇ(遠い目)