tsプロゲーマー配信者なぎちゃん   作:ヲタクフレンズ

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そろそろ話が進むよ。


ななわめ!

 プレデターハンターの配信から早くも一週間と3日ぐらい経って、その間わたしはなぎ民とみんなと配信で交流した。

 

 一昨日はチャンネル登録者も3000人を超えて、昨日はつおったー+のフォロワーも3000人を超えて、油断すると気絶しちゃうんじゃないかってぐらいだ。

 

 でも、なんだろうな、少なくとも始めた時よりはメンタルが鍛えられた気がする、一歩一歩ってわけじゃないけど、わたしは配信を通して人として成長を実感できているようになってきている。

 

 ……まあ、相変わらず外には出れないし、VRフィールドにも顔を出す事はないけれど。

 

 親友にはまだ、わたしの体の事は言えていない、流石にそろそろ誤魔化しの利かない所まできているのはわかってる。如何にかしないといけない事についてもだ。

 

 ……実を言えば、多分。司は、受け入れてくれる。

 

 だけど、だからって、言えるか言えないかの話にはならない、だって怖い、万が一何か、拒絶されたら?距離を置かれたら?それが最後の会話になったら?

 

 わたしは自分自身を信頼出来ていないんだ。だから、言えない。そんな恐怖にやられて、何も言い出せない。

 

「……ほんと、最低」

 

 配信している時は、たのしい。なんでかは具体的には言えないけど…全てが忘れられるようで、気楽に、わたしを引き出せる。

 

 でも、一人の時は、こんなにも心細いんだ。

 

「……この記事、親友の…?」

 

【赤城財閥、盗まれたパァールツヴァルシュ号の設計図を発見する】

 今年某月、南アジアにて世界的問題、日本の技術革命の始まりであったパァールツヴァルシュ号、設計図の一部を発見したそうだ。

 各世界に散らばった部品とオーパーツの数々、それらの大半は日本に返上されたものの、今回の例の様に某国で制作、核に匹敵する何かを作り出そうという憶測が広まっている。

 焦土兵器の所持以来、日本は他国と三歩上の次元へと向かったと言われた、その溝を埋めるのはまだ、時間がかかるのかもしれない。

 別の話になるが、昨日の滋賀県で唐突に始まった市民同士での戦闘行為はこれらとなんら一切関わりはない。

 幸いにも死者は出ず、戦闘解放区域とはいえ、滋賀県を掃除する私達の身になって欲しいと心から思う。

 

 市立ゔぁーちゃる教団、清掃部より。

 

 

 赤城財閥、100年前に地球に降り立ったパァールツヴァルシュ号の船員の一人、赤城名人の御子孫達…らしい。その革命的な技術力、VRフィールドの生みの親として有名だ。

 

 親友はこの財閥の運営している企業で働いている……本来はわたしも、居たのかな。どうなんだろう。

 

 仕事の上司……か。

 

 もしかして、管理人さんってこの財閥家の人なのかな、だとしたらこのマンションを所有する財力はあるだろうし……まあ、なんでこのマンションなのかは、わからないけど。

 

 てか最後のこの文章なんだろ……なんか、他人事のように思えないんだけど、何故なんだ、今すぐ謝りたくなってきた。

 

「……危ない橋、渡ってるのかなぁ」

 

 親友の事だから大丈夫だろうけど、心配になるな、会いに行きたいけど……会えない、こんなんじゃあだめなのに、後一歩が踏み出せない。

 

「……メールきてる」

 

 ソレスタルビーイングさんからだ、ていうか何でメールなんだろう?確かにつおったー+ではこの人らしい人は見てないけど、なんだか不思議。

 

 それに私のメールアドレスは……ああいや、そっか。SSS社とは過去に少しだけ関わりがあったんだった。

 

『なぎちゃん、君のパパだよ〜。

さて、本日は少し真面目な話をさせて頂きたいと思います、DEAD・CASLの放送以降何か私になぎちゃんの力になれるかと思案し、権力を存分に使った所、新作ゲームのデモプレイのプレイヤーにと、OKを貰えたので実演をお願いしたいと思うのですが。如何でしょうか?

なぎちゃんは見た所対人に難ありのくそよわメンタルですから、本社に来て貰わなくても構いません、こちらで新作ゲームのデータを送りますので、明日の配信にやって頂けると嬉しい限りです。

なぎちゃん、どうかな、パパ頑張ったけど、やってくれるかな』

 

 ……いやいや。まず整理をさせてほしい。

 

 確かにDEAD・CASLを一人で作ったお偉いさんなのは、わかってたし、そこそこ上の立場の人なんだな〜、もしかしたら何か案件貰えたりするのかな?って思ってたけどさ。

 

 新作の!?デモプレイ!?配信で……!?

 

 VRゲームみたいだけど……いやいや、そこじゃない!突っ込み所はそこじゃないよ!

 

 ってパパじゃないよ!いい加減諦めてよ、毎回毎回懲りないなぁ全く。

 

「……受けない理由はないけど、ないけどぉ……実際にこうなってみるとしゅごいこわい…え、わたしでいいの?デモプレイって事はSSS社の人たちも観にくるよね…うわあ、下手なこと言えないじゃんかぁ……ああやば、今緊張してきた。な、なんて返せば……」

 

 ええっと……ええっと……?

 

 と、取り敢えず……ありがとうございます。先ずあなたはわたしのパパじゃないです。本当に嬉しいのですが、わたしなんかで宜しいのでしょうか?っと……これでいいかな。

 

 わ、直ぐに返事返ってきた。

 

『反抗期かな?パパは悲しい。

もちろんです。他でもないなぎちゃんだからこそ、やって欲しいんです。如何ですか?』

 

 ……そう言われると、嬉しいじゃないか、拒否なんて出来るはずはないじゃんか。

 

「わかりました。やらせて頂きます、……反抗期でもないよっ!」

 

 もう……でも一度ぐらいは言っても……良いよ。

 

 しょうがないなぁ、没にしようと思ったけど、こんな嬉しい事されたら無視出来ないじゃないかよ。

 

『ありがとうございます。では本社の方でも大々的に発表しますね、視聴者1万人は軽く超えるようセッティングします。』

 

 ひょえ?

 

 ままっまって!ちょっと待って!

 

 有能無能偽パパとメールで話した結果、配信の終わりにわたしが宣言して、配信が終了したらSSS社から発表する事になりました。

 

 

 

 

 配信準備が完了する。

 

 今日の配信はマキシスカートを着てみる事にした、大人らしい清楚感がある服に仕上がってると思う。ハーフパンツはもう着ないんだから。

 

 つおったー+で宣言した通り、今回は登録者3000人突破記念と言う事で、台詞リクエスト生放送だ、思えばこういう事はしたことなかったので、緊張というよりも恥ずかしい気持ちの方が強い。

 

 ってか…要求する台詞ほとんどが恥ずかしいものばっかだよ、なんだよ僕とデートしている時の台詞って、そんなの没です〜!ぼつぼつ!

 

 ………まぁでもこうして台詞をくれるのはありがたい、待機しているなぎ民の数はもう2000人を超えてる……ああもう、見ないようにしよう!じゃないと出来ないよ。

 

 いや、まぁ、明日になるとこの数倍の人達が見にくると考えると、うぅ………。

 

 き、切り替えよう…時間だ。たのしんでもらおう。

 

「ぴーす!自称プロゲーマーなぎちゃんだよ、始まるよ〜」

 

『うおおおおおお』『1コメ』『なぎちゃん〜!』『3000人突破おめでとう!』『なぎ民も多くなってきましたね』『台詞楽しみだ』『いやー今回も楽しみだね』『あれなんか声震えてない?』『緊張でしょ』『毎回してて草』

 

「3000人突破ありがとう!本当に、本当に…うれしい。みんなのおかげで……わたしは今が楽しいよ、ありがとう…」

 

『かわいい』『好き』『好き』『こちらこそありがとう』『生まれてきてありがとう』『こっちの台詞だ』『ロングスカートの清楚感すこ』『備考、中は白』『清楚系プロゲーマーなぎちゃん』『なぎママ……?』『業が深い』

 

 ふっ……外れ、今日は白じゃないんだな〜。甘いぞなぎ民。

 

「さて、今日はゲームやらないよ〜、ゲーム配信を楽しみにしてた人はごめんね、でも見てくれると嬉しいです」

 

「じゃあ何をやるかと言うと、つおったー+で言った通り、台詞リクエスト配信をしようと思います!」

 

『待ってた』『待ってた』『覇道の九十六……』『やめないか!』『台詞見てくれたかなー』『プロゲーマー(台詞配信)』『まあ自称やし……』『変なもん送ってないだろうな』『パパお仕事頑張ってって送りました』『有能無能、有能!』『それ没にされてるやつやん』『やっぱ無能!』

 

 ……やっぱ読むのやめようかな。

 

 いやいや、流石にそれはやっちゃいけないよね、やり遂げないと……それに、こういうのやってみたかったし、声優さんみたいでなんかかっこいい。

 

「じゃ〜さっそく読むよ〜!……じゃあ先ずはなぎ民古参人さんから『射線上に入るなって…わたし言わなかったっけ?』…はい。様付けしたくなる台詞ですね」

 

『草』『草』『なぎちゃんボイスでやるとなんか、こう』『こわくないかわいい』『かわいい』『ぼきは怖かったです…』『読んでくれてありがとう…』『実際火力は高いんだよなぁ』『Gシリーズもいつかやってくれるかな』

 

「やる予定だよ!……シリーズ全てを持ってる訳じゃないから、全部は出来ないけど、わたしの華麗な神殺しをいつかみせてやるからな〜?」

 

「続きましては、なぎちゃんの兄さんから…ってお兄ちゃんじゃないからぁ!……『お兄ちゃん?朝ごはん出来たよ〜?起きて起きて、お兄ちゃ〜ん』……あぁ……恥ずかしいってこれ…」

 

 は、はっずかしすぎる………!なんだこの羞恥プレイ!?これぐらいならまあ良いかって選んだわたしは何を考えていたんだ!?

 

『ご馳走様です』『あぁ〜』『これは起きるわ』『絶起する』『お兄ちゃん起きるお!』『なぎ民のお兄ちゃん面率』『はずかしなぎちゃん』『体震えて草』『これはご褒美』『最高か?』『RECした』

 

「よし、パッパと行こう、パパッと、素早く終わらせよう、……こんなに恥ずかしくなるもんだって思わないよ〜……」

 

「……えー、無名の傭兵さんから『この先は通さねえぜ、わたしがいるからなァ!』……くぅ〜!言ってみたい!かっこいい!寧ろ言われたい!ありがとうね〜」

 

『かっこいい』『いつか絶対似たようなの言う』『アーカイブ探したらありそう』『平常運転』『これはかっこいい』『かっこいい』『一番まともな台詞では?』

 

「ほんとだよ!みんなまともに、それでいて普通の台詞送ってってつおったー+に書いたよねぇ?!なんでわたしの言うこときけないのさぁ……」

 

『反省しろ』『反省しろ』『いじられなぎちゃん』『卑猥な文おくった奴、手あげろ』『ノ』『よーし、君はのけ民だ!かえっていいよ』『そんなー』

 

「か、かえらなくていいよ!……それに、実際はそんなに卑猥なの送られてないからね、みんなわかっててわたしは嬉しいよ、ありがとう」

 

「続いては〜……あ、ユーさん!いつも動画編集ありがとう、でもでもっ…よわよわなぎちゃんってタイトル何さ!こわがりなぎちゃんとか、見てるからな?」

 

『草』『草』『草』『おこおこなぎちゃん』『なぎちゃん動画上げてるのユーさんなんか』『半分ぐらいそうやで』『有能』『毎秒動画編集して投稿しろ』『早く次のMAD作って?』

 

「台詞言うよー…『ちゃお!世界初、自称プロゲーマーのなぎちゃんだよー!』……なんだか懐かしい、初回放送の時の始めの挨拶だよね、最初から見てくれていたの?嬉しいです、ありがとう」

 

『泣きそう』『まだ2週間ぐらいしか経ってないんだなぁ』『投げ銭明日出来るぞ、準備は出来たか?』『金の貯蔵は充分だ』『まだまだ伸びるぞ、頑張れなぎちゃん』『遠くない未来に1万の数字が見える見える…』

 

 その後もどんどん読み続ける、中には少しあぶないものもあったが、諦めの境地でやり遂げた。

 

 台詞一つ一つに反応していたら、意外にも時間は早く進むようで。

 

「じゃ〜、はぁ…そろそろ……ふぅ、次の、質問!……ミクちゃん?見てるかな?今回もありがとうね」

 

『お』『公認百合ってまじ?』『なぎミクいいぞ〜?』『ミクなぎでしょ』『息切れしてて草』『なぎちゃんの息切れボイス』『えち』『妹ボイスにやられたか』『お姉さんボイスなんてなぎちゃんには難し過ぎたんだ……』『なぎコピペ自分で言ってた時がピークの終わりだぞ』

 

 台詞の内容に目を通し、想う。

 

 でもそれは、決して良い感情だけでは無く。つい配信していることを忘れそうになった。

 

「……ん、良し、言うよ?……『先輩、わたしの事、覚えていますか?好きです』……うん。後輩シチュは今まで来なかったな、なんだか儚くて、寂しいね」

 

『好きです録音した』『くれ』『くれ』『俺も録音した』『先輩の所すこすこ』『なぎちゃんが後輩……?』『変な声出た』『出た鼻血で貧血起こした』『あぁ〜儚げでかわええんじゃ〜』『今までで一番感情がこもってた』『これは100点』

 

「じゃあ、次行こっか……ってもうそろそろ時間だね、じゃあ最後……仕方ないから言ってあげるよ」

 

「有能無能さんから、『パパ、お仕事頑張ってね?』…無理しない程度に頑張ってね、倒れちゃダメだよ、実は心配してるんだからね、頑張ってねパパ」

 

『うおおおおおおお!』『まさかの』『こんなん昇天モノやん』『ご褒美が過ぎる』『有能無能、優勝!』『なぎちゃん……ありがとう…ありがとう』『苦労が報われたな』『ピザ10枚送ってやるよ』『今日は焼肉なので』『草』

 

 あ〜〜顔真っ赤だよまったくよぉ…今回だけなんだから、次は言わないんだからね。

 

「さて、そろそろお別れの時間……ですが、ちょっと大きな告知させてください」

 

『お?』『お?』『なんだ』『ついに顔出しか?』『麗しき御尊顔を拝し奉れるか?』『ついに全身見せてくれるのか?』『逸りすぎだぞなぎ民』『おさえろ…おさえろ…』

 

 ……VRに接続するってことは、全身のトレースを済ませないといけない、全身を擬似電子体に組み込むとするなら……まあ、そういう事に繋がる。

 

 正直、良いかなって。まだ他人と話すことはむずかしい、だけれど、なぎ民と話すのは好きだから

 

 親友には色々、言わないといけないことがあるけど、多分司は何も言わない、わたしから言うのを待つはずだ。その好意に甘える自分が情けないけど、でも……これだけはそんな簡単に、割り切れないよ。

 

「実はSSS社のおえらい人からの依頼が来ました!……明日の配信で新作ゲーム、『ロストデイメモリー』のデモプレイをしようと思いますよ!わたしの初のVRゲーム配信がまさか企業さんからの依頼なんて夢にも思わなかったよ……詳しくはSSS社のHPに書いてあるので、読んでね!肝心のゲームのあらすじなどもそちらに載ってます!……これでいいのかな」

 

『うおおおおおお!!』『今日は祭りじゃ』『まじ?SSS社と?なぎちゃん?』『こりゃ明日視聴者5桁行くな』『行くね』『丁度興味持ってた』『開発もうそこまで進んでたんか』『なぎちゃん初のVRか〜!』『電子体になるプロゲーマー』『眠れないわ今日は』『良かったねなぎちゃん』『おめでとうなぎちゃん』

 

「うん……うん!本当に嬉しい!この場をお借りして、ソレスタルビーイングさん!本当にありがとう……たまになら、パパって呼んだげる、たまにだよ」

 

『うおおおおお!』『娘の反抗期が……ついに…!』『公認有能無能パパ』『これはパパ』『有能パパ』『パパありがとう』『有能無能、そんなに偉かったんか…』『もしかして部長…?』『うむ、いかにも』『仕事自分に丸投げしないでくださいよ!』『コメントでコントするな』『娘さんを僕に下さい』『有能無能、完全勝利!』『パパにクレーム送った』『ぐう畜なぎ民いるぞ』

 

「じゃあ今日は〜……もう少しだけ続くよ!」

 

「みんな、わたしの歌を聞けーーーっ!」

 

『うおおおおお!』『うた!?』『まじで祭りやな』『のりのりなぎちゃん』『テンション上げてけ』『上げてけ』『歌!?』『なぎちゃんのおうた…!?』『うおおしか言ってない奴いるぞ』『動画編集こりゃ頑張らないとなあ』『上手いのか?』『上手そう』『やばいやばい感動やばい』

 

 実はこの日に向けて練習して来た、身体的スペックが上がるってことは、声も綺麗になってるので、人前で歌える声ではあると思う。自分で聞く声と相手に聞かせる声は違うが、多分、恥はかかないと思いたい。

 

 緊張は、もうない。

 

 わたしはたのしむ為に、たのしませる為にここで歌う。

 

「行くぞ〜〜!最初の曲はーーーーー」

 

 歌を、始める。

 

 わたしはロックが好きだ、女性シンガーのかっこいい曲のロックが好きだ、なんというか、みんなで楽しめているって、そう思う。

 

『かっこよすぎない?』『これがなぎちゃんの本気か』『ってかこれ内臓マイクだよな……』『声ハウらないのしゅごい』『やばい惚れる』『まるで伝説の水樹さんみたいだ…』『伝説って?』『ああ!』『歌うまプロゲーマーなぎちゃん』『プロゲーマー(歌ガチ勢)』『この娘わりと何でも出来ない…?』『確かに』

 

「まだまだ行くぞ〜〜!さぁ楽しもうぜ!」

 

 だからわたしは、なぎ民と楽しむこの配信の時が、好きになったんだ。

 

 

「ふぅ〜………歌った〜!」

 

『8888888』『88888888』『うまかったよー!』『お疲れ様』『目の汚れ取ってくる』『明日も楽しみだ…』『生きる糧』『ありがとう』『楽しかった』

 

「なぎ民たち、最後までありがとう!明日の配信も見に来てね……?またね、じゃあね!」

 

『絶対行く』『行きます』『ありがとう』『今日もお疲れ』『明日楽しみだあ』『楽しみだなぁ…』『つおったー+で宣伝しないと』『お疲れ様でした』『いやー今日も楽しかったね』『二次会会場行こうぜ』

 

 配信を止めて、賑やかな祭りの終わりを告げる。

 

 確かな実感と満足感、私は今を生きている、明日は初の企業からの依頼、絶対に成功させよう。

 

 でもその前に……やらないと、いけない事があるんだ。

 

 暫く経ってから、水を飲んだ後わたしは携帯の電話を掛ける。

 

『うおおっ、このっ……ちょ、ちょっと待ってな!?』

 

「あ、仕事中?ごめんね、今じゃなくてもいいよ」

 

『いやそうじゃない……うおわ!』

 

「ええ……?どうしたのさ」

 

『試験管に入れてた微小生命体が跳ねて逃げ出してさあ……っと、もう解決したよ。それで?』

 

「うん、えーとね……」

 

 隣の人について、教えて欲しいんだ。




祭りを楽しみ、人との繋がりに『生』を感じた。
次は一歩、その足を踏み出そうと、そう決意した。

ということで。
評価感想誤字報告ほちょにありがとう、考察とか見るとしっかり考えてくれてるなあって…嬉しいです。
そのうち短編とかで一週間の間の配信書くかも。みんなそういうの欲しいでしょ(決めつけ)

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