tsプロゲーマー配信者なぎちゃん   作:ヲタクフレンズ

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長くなったんで分割。少しシリアス多め。
何故ガールズラブを付けたのか?この回のため。


はちわめ!前編

 曇り空の朝、今日は少しだけ…勇気を出す日だ。

 

 前から思っていたのだが、わたしは隣の人が誰なのか知らない、だけど親友が言うには……わたしが良く知る人物らしい。

 

 前までのわたしは、理由もなく、ただ隣に人がいるってだけで勝手に嫌って絶対に会わないようにしていた、たまに来客を告げるピンポンの音が響いても、ヘッドホンの音でかき消して無視していた。

 

 贈り物とか渡された事も、今思えばあったと思う、それらをどうしたかは覚えてないけど、きっとわたしのことだ、見る事もなく捨てたんだろうな。

 

 悪い事をしたと思ってる。その事を謝りたい。

 

 わたしが良く知る人物で、相手もわたしの事を知っているなら。

 

 わたしはそろそろ、自分の体に、そして過去について折り合いをつけるべきだ。

 

 家族に会うのは、無理…まだ、もしかしたら一生会えない、会いたくないと思ったままかもしれない。わたしと家族に大きな誤解と隔離があるのは、わかってる。

 

 でもいつかは……絶対に会わないと行けないんだ。

 

「っよし、服装OKメイクは…まぁ出来ない、変なにおいもしないし、髪はしっかり整えたと思うし……人前に出ても恥ずかしくないはず」

 

 数週間前のわたしでは考えられない考えだ、人と会う?馬鹿らしい、会ってどうなる、何が変わる?自分が?ありえねえだろっ……そう思ってた。

 

 でも、今はもうそんな甘えられないよ、人は変化していく生き物だから、わたしは良い方に変化しないとならないんだ。

 

 震える手をひた隠しに、わたしは。

 

 七年ぶりに外に出た。

 

『ピンポーン』

 

 ああ、どうしようどうしようどうしよう!?

 

 血迷ったのかなわたし、やばいやばい緊張ってどころじゃない、勇気がもたない。

 

 こ、ころされる、体が震えて寒気が……冬でもなんでもないのにとてつもない震えが…………ああうぁうぁ…。

 

『……………誰ですか?』

 

 にゃああ!!人だ!ひとの声だ!地球生命体の声だ!本物だ!おんなのこだ?!女性!?わたしの知り合いに女性!?いやいや……んんん?

 

「あ……の、隣の、凪沙です……」

 

『なぎ…え、先輩………?』

 

 先輩…………?

 

 待って、わたしが良く知る人物……?親友も知っていて、わたしも知っている、人物?

 

『先輩?せんぱい?本当に…?そこから動かないでくださいね』

 

「ひゃい……」

 

 な、なんだかすごいこわい、やっぱりわたしじゃないって思われてたりするのかな、あうあう……どう言えば良いんだよぉ、わたし、おんなのこになってきたよ、きゃるるんっとでも言えばいいのかぁ?

 

 ふざけてんのかお前ってなぐられて終わりだよぉ……ふぇ、どうしよう。そうだ、男装すれば良かったのでは?なんで今になって思いつくんだよぉ……

 

 扉が乱雑に開く、その音にビクッと逃げたくなる気持ちを抑えて、ただやっぱり顔は俯いちゃって、せっかく開けてくれたのに顔を見れない。

 

 ああ、どうしよう、本当に気まずい。

 

「……先輩なら、私の事、覚えてくれてますよね」

 

「そ、れは」

 

「俯いてないで顔を見れば良いじゃないですか……」

 

「う、あ………そう、だね」

 

 ゆっくり、彼女を見た。

 

 最初に目につくのは、ルリマツリのように華やかで、綺麗な水色の髪。ミディアムより少し短めの髪は、何処かはねっけがあって、あまり手入れはしてない様に見える。

 

 わざわざ来客用に粗相のない様にと着替えたであろう、新品のように綺麗な、黒のパーカーワンピースを着こなすスタイルは、わたしよりも女性らしく。

 

 その、鋭い目線の先に見える、何かをすがる様なアクアブルーの瞳を見つめて。

 

 そして、思い出した。瞬時に今まで忘れてしまった事を後悔して、何故という思い戸惑いと、どうしてという思い後悔と、色々な感情がごちゃごちゃになって、一周回って冷静になったわたしは、彼女の名前を告げた。

 

「久しぶり、初菜(はつな)

 

「……とりあえず、中、入りませんか」

 

「そうだな……うん、お邪魔しても……?」

 

「邪魔なんかじゃ!……どうぞ」

 

 ああ、敬語なのは変わらないな、それもわたしと、実のお母さんが居る時だけだったけど、なんでだったっけ……尊敬できる人の前しか、敬語は使わないとかなんとかだったかな。

 

 尊敬されるような人じゃ、ないのに。

 

 部屋にお邪魔する、わたしと同じマンションに住んでるから、基本的な構造は変わらないけれど、どこか可愛らしい女性らしさを感じる部屋だ。

 

 猫を模様としたソファに、彼女は座った。

 

「隣、こないんですか」

 

 ああ、そうだったな。キミは何故だか、良くわたしの隣に座ってきた。

 

「……そうだね」

 

 隣に座る、ふかふかのソファは、決して安物なんかじゃないのが手に取るようにわかって、それだけで彼女が、初菜がしっかりと自分の人生を送れたと、心なしか、安心してしまった。

 

 わたしも、初菜も、言いたいことはいっぱいある、だけど、言葉が出てこない。何を言えば良いか、何を言ったら良いか、七年の年月で、わたしは話すことが出来なくなっている。

 

 違う、このままじゃあ、ダメだ。わたしは、変えに来たんだろ?なら話さないと、自分の言葉で話さないといけないだろ。

 

「初菜は……髪、切ったんだね」

 

「……」

 

「似合ってるよ、今も」

 

「……ねえ、初菜は」

 

「先輩」

 

 目が合う、わたしを信じて疑わない目だ、わたしはこんな体に、おんなのこの体になったというのに、わたしの、まるで魂を見ている様な。

 

「何で黙って行っちゃうんですか…?私は役に立たない、使えない人でしたか…?私では力になれませんでしたか?……いきなり消えて、司先輩から連絡を貰って…此処まで越しました…何があったんですか?、私は、私はあなたに……」

 

 瞳に溜まるよごれなみだを見て、わたしはどう返せば良いのかわからなかった、初菜を役に立たない人間なんて思った事は無いし、使えないなんて思った事は一度も無い。

 

「ちが…違う、初菜に迷惑を掛けたくなかったんだ」

 

「何で、そんな……頼ってください、話してよ、私は先輩の為に頑張って来たんですよ、私に出来る事を、他でも無い先輩が、教えてくれたから、頑張って来たんですよ?今度は私が先輩の力になるんだって頑張ってきたのに……他人行儀にされたって、優しくされたって……嬉しくないよ!」

 

「っ……わ、るい」

 

 他人なんて、思っても無い。でも、あれ以上誰にも迷惑を掛けたくなかったんだ、誰にも迷惑を掛けないで、居たかったんだ。

 

 もう何もかも嫌になって、消えたかった、終わらせたかったんだ。

 

 それを初菜が知ってしまったら、キミは是が非でも助けるのをわかっていたから。きっとキミに甘えてしまうのを予知していたから。

 

「……司先輩からは、何も聞いてないんです、他でも無い先輩の声で、言葉で教えて欲しかったから、だから、ずっと待ってたんです」

 

「……それは」

 

「言えませんか…?」

 

「……悪い」

 

「私はっ」

 

 私は無言で初菜を抱き締めた、言葉で伝えるにはあまりに、難しい。わたしに針の様に鋭い痛みが何本にも心臓に突き刺さるのを無視して、あの時の情景が蘇るのを無視して、ただ、彼女を優しく包み込むしか、わたしには思いつかなかった。

 

「っあ……先輩」

 

「ごめん、初菜。今じゃ、こうする事しか、思いつかない……こんなことしか、わたしは……」

 

「ッ……酷いですよ、そんなの、昔っから自分の事だけは隠して、不公平じゃないですか、私の事、いっぱい知ってくる癖に、私は先輩の事、何にも知らないなんて……そんなの嫌です、やだよ……」

 

「初菜………」

 

 言って、しまおうか。

 

 わたしの全てを、この子に、全て。

 

 隠して、後悔するぐらいなら、それなら………!

 

「初菜、わたしは………ッ」

 

 

「………えへ、先輩凄い良い匂い………鼻血でそ、ふふふ……」

 

 

「ん?」

 

 今までのシリアスは?

 

「はっ、ごほん!……ほんとうは、言わなくても…良いんです。私は……先輩が、生きて、楽しんで、人生を歩んでるなら、それで……」

 

 ……わかった、初菜。聞かなかった事にするよ。

 

「今は…楽しいよ、じ、じ、じつはね!わたしね?配信やってるんだ!」

 

「知ってますよ、なぎちゃん」

 

「はぇえ?」

 

 今までのシリアスは?!

 

「……え、気付いてないんですか?気付いて私に会いに来てくれたかと……私の下の名前覚えてます?ちょっと、先輩?」

 

「初菜未来(みらい)だろ、何を今更……」

 

「未来って、ミクって読めるんですよ……ていうか昨日の放送でそれらしい台詞送りましたよね………?」

 

「あ、いや、その……うん」

 

 さっきまでの空気は何やら、じとーっとわたしを見てくるミクちゃん、もとい初菜に、冷や汗を垂らしながら、似たようなやり取りが昔にもあったな、と思った。

 

 

 

 

 初菜未来(はつなみらい)、高校生の時の後輩だ、司とわたしでやっていた、技術研究同好会の記念すべき三人目のメンバーだった。

 

 一番最初の出会いは、助けを呼ぶ声が聞こえて走って向かったら、助けを求める目をしてたからだったか……今でも、思い出すとムカついてくる。

 

 容姿よりも先に、疲れた瞳に目がいって、少しだけでも彼女の痛みを安らげることが出来るならと、色々と世話をした覚えがある。

 

 わたしはただ話をしてただけなのに、それ以来からべったり甘えて来るようになって高校時代は困りつつも、嬉しかったな……

 

 取り敢えずココアでも飲みますか?と言ってくれたので、素直に甘える事にした、話したい事はまだあるし、それは初菜も同じだと思う。

 

「……てか、疑わないんだね、わたしの事」

 

「姿形が変わろうが私には分かります、先輩は先輩です、私が愛する、私の先輩なんです」

 

 ……あれ、こんな子だったっけ、なんか目が淀んでるし……ちょっと怖いんだけど、包丁とかで刺されたりしない?大丈夫?わたしここでENDる?

 

「そんな事しませんよ」

 

「心を読んだな?!なんで!?」

 

「ふふふっ……なぎちゃんはかわいいなぁ」

 

「やっ、やめろ!」

 

 知ってる人にそう言われると恥ずかしいし、ちょっと怖いよ!

 

「まぁ……理由は聞きませんよ、男らしい先輩も好きだったんですけど……えへ、今の可愛らしい先輩を見ると、何ででしょうか、めちゃくちゃにいじめ…んん、いじりたくなるんです、はぁ………かわいい」

 

「か、帰っていいかな、初菜」

 

「何でですか?どうして?折角会えたのに?来てくれたのに?もう帰るんですか……?」

 

「アッその、はい……何でもないです」

 

 おかしい、こんな子ではなかった。高校の時は、よくわたしの一歩後ろで歩いていたり、クラスに馴染めないからと屋上で二人で昼飯食って……ああいや、たまに司が来てたか、技術研究部では真面目に研究してた子が、ヤンでいらっしゃる……。

 

「ええ、理由は…もう、良いです。無理には聞きません、先輩の姿を見れただけでも、私は嬉しい……」

 

 ……いや、わたしの命の為にもやっぱりわたしの全てを教えるべきなのでは?今からでも遅くはないはず、これ絶対後日「わたしと一緒になりましょう?」って刺してくるやつだからぁ!

 

「だから刺しませんって…それじゃあつまらない」

 

「いやつまらないって何?!てか、心をみるなぁ!」

 

「ココア、出来ましたよ…お口に合うと良いのですが」

 

 んに……そんな笑顔されると何も言えないじゃないか。

 

「ありがと……」

 

「どういたしまして」

 

 高校の時は、わたしからココアを淹れていた事もあったな。

 

 うん……温かくて、美味しい。

 

「司先輩には…その、言ったのですか?」

 

「……この体についてなら、言ってない」

 

「……そうですか。わたしだけの秘密ですか、それはそれは…ふふ……でも、こう言うのは早く言った方が良いんじゃないですか?」

 

「いや、その……怖いよ、拒絶されたら、どうすれば良いの?」

 

「今度はわたしが先輩を家に迎えて、養って、甘えさせて、鎖で繋げて依存させて全ての外敵から守りますが……拒絶なんて、しないと思いますよあの人」

 

 ……尚更こわくなった、わたしの知っている愛らしい後輩じゃないよぉ……月日は人をこんなにも変えるのか?

 

「と言うより、多分喜びますよ、アレ」

 

「いやぁ……流石に無いだろ、ないない。そんなに変態じゃないよ司は、ただの研究バカだって」

 

「………はぁ、そーですか、まるで恋する乙女ですね、妬ましい、今からでも奪ってやろうか……」

 

 ひゃあ?!こここいする、おとめぇ……?なわけ、な訳ないだろ!何を言っているんだ!?ってか、奪うって何をだよ!怖いよまじで。

 

「ていうか多分もう……いえ、何でも」

 

「ん?……まぁ良いや、せっかくだし、さ!もっと話そうよ、七年間何してたの?わたしは……その、うにゅ……」

 

「ふふっ……じゃあ私の話をしますか、そうですね…何から話しましょうか……」

 

 そう言い話をしてくれる初菜の…少し、哀しそうな目に、わたしはどうする事も出来なくて、胸が酷く痛んで、言わないといけない事がいっぱいあるのに、言葉に出なくて。

 

 わたしは、初菜の話を聞きながら、だんだんと大きくなる虚無感をひた隠しにした。

 

「……そんな悲しそうな顔されると、話しづらいですよ」

 

「うにゅ……」

 

 不意に後ろから、抱きつかれた。ビクッとして逃げ出そうとする体を、力強くないのに、逃さないとでも言うようにぴったりと拘束される。

 

 水色の髪が首にかかってくすぐったい……

 

「今日は、SSS社の新作ゲームのデモプレイ配信なんですよね……?そんな調子では、最大限のなぎちゃんは出せないですよ」

 

「う、うるさい、なぎちゃん言うな…大丈夫だよ、配信中は」

 

「ふふっ、髪整えられてないですよ……私が整えてあげます」

 

「え、あ、ああ」

 

 ホログラムから実物に、多分自作の、最先端のセット道具を取り出した初菜は、丁寧にわたしの髪を整える。前にも、整えられた事があった。

 

 心地いい感覚に、身を委ねそうになる。

 

「……司の手伝いをしてると思ったんだけどな」

 

「私が手伝いたいのは先輩の人生以外に他ありません…私がNSSマテリアルフィールドを買ったのは先輩が少しでも快適に暮らすためって、知ってます?」

 

「いや…うんもういいや、ありがとう?でもあれ億円しなかったか?」

 

「世界有数の赤城財閥から、技術交渉を。クロック型ATシールドは高く売れましたよ……先輩の研究成果の産物の一つですね」

 

「いや作ったのは司だろ、わたしはみてただけだし…高校時代の研究、受け継いでくれたんだな」

 

「先輩が受け継げと言ったので、先輩のいない一年は退屈でしたよ……まあ、少しは得るものもありましたが」

 

 過去の話に花を広げる…までは行かないが。色々と思い出す事がある。あの情景は、きっと過去の最大の、太陽のように暖かかった思い出なんだろう。

 

 背後の彼女は何を思い、どう生きて、何を見ているのか。その景色を眺める事が出来なかったわたしに、罪悪感と後悔が積もる。

 

「せっかく離さないって……言ってくれたのにな、悪い初菜」

 

「っ……謝らないで下さい、もう……良いですよ、今こうして話せているなら、気にしない…とは言えませんが、妥協してあげます」

 

「……曖昧にはしない、必ず言う」

 

「約束ですよ……?」

 

 ……所で、段々と初菜の手がおむねにいっているのは、どうなんですかこれは、狙われているのかわたしは。

 

「……所で、女の子同士っていうのも、良いと思いませんか?」

 

 わたしはいまなにをいわれたのだ?

 

「いやあの……初菜さん?何をおっしゃて?」

 

「もしかして先輩……そっちの()の方でしたか……?違いますよね、私の憧れる先輩が、まさかそんな」

 

「お。おう、ホモではない。でもこれとそれとは話が別だとーーひゃあ!」

 

 みっみみ!みみ!耳舐められたぁ?!なっなにして、何してんだこいつ!

 

「ふふっ……可愛らしいこえ」

 

 いつの間にか手に手錠をかけられ拘束されていた、その細やかな指が私の服をゆっくりと下から上へと、繊細に動く、妙に生温かい吐息が首筋に当たってくすぐったい……

 

 っばか、変な声でちゃう……!まずいまずいこれはまずい!イロイロまずい!取り戻せなくなる!色々と!

 

「ここから先はR指定ですよ先輩?」

 

「なっなぁ!嫌だ!やめっ、やめろ……やめて…だめだって、そんなの……いけないから…」

 

「まぁ時には諦めも肝心って言いません?大丈夫です、気持ちよくしますから」

 

「そっそういう意味じゃ……このっ、はなっ……ひぁ……」

 

 頂かれる!いただかれてしまう!あっ……ちょっとまってほんとうにだめだって、こんなのいやだ、いやっ……

 

 

 

 

「……まじで許さないぞ、もう来ないからっ!」

 

「ふへへ〜、寸前で辞めたから許してくださいよ」

 

 このっ、ちくしょう……相手が相手だから強く言えないじゃないかよ……

 

「もーかえるっ!……いい時間だし、じゃあね初菜!」

 

「あ、待って下さい先輩」

 

「なんだよぉ!?これ以上何かあんのかよぉ!?」

 

 手に、何かを握らされた。水色の護符のようだ……お守り?

 

「配信、頑張ってくださいね……見てますから、先輩」

 

「……うん、頑張るよ」

 

 玄関の扉を開ける、送り迎えをしてくれる、少し悲しそうなアクアブルー瞳に、ちくりと胸が刺される、まだたくさん言いたい事がある、だけども一気に言えるようなことじゃない。それは初菜もきっと、同じなんだろう。

 

 だからふざけて誤魔化して、心の準備をしたいんだ。それがわかってるから本気で抵抗しなかった……いやまぁ、一線を越えたら何かが戻ってこれない予感がしたので、流石にそれは防いだが。

 

 ……ああでも。

 

「会えてよかった、また会おう……?」

 

「はい!はい……もちろんです、いつでも来て下さい」

 

「これからもゲーム、一緒にしてね、ミクちゃん」

 

「はうあ!………録音してて良かった……」

 

 ……もうツッコミできる体力はないので放っておくとして!

 

 扉を開く、わたしの姿が見えなくなるまで、最後まで手を振ってくれる初菜を見つめる。

 

 太陽がわたしの銀色の髪を照らす。

 

 曇りはもう、見えなかった。




一つの謎の解明。
ヤンデレタグは付けるべきなのか……?

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