tsプロゲーマー配信者なぎちゃん   作:ヲタクフレンズ
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おあさんからミクちゃんのファンアート頂きました!ほんとうに嬉しい……ありがとうございます!
【挿絵表示】

続きです。


じゅういちわ!

「凪沙、凪沙……おーい、起きろ〜?」

 

 体を揺さぶられる、嫌だ、後30分ぐらい寝ていたい……

 

「起きろってばー……もー、うりゃ!」

 

「ゴハァ!」

 

 腹に強烈な痛み衝撃が伝わり、一瞬で脳が覚醒した。

 

 いいいったい何者だ?!命を狙われているのか、どこのどいつだ!?

 

「おはよう。凪沙」

 

 ……ああ、なんだ。姉ちゃんか。

 

「おはよう姉ちゃん、所でもっと良い起こし方があると思うんですよ」

 

「へぇ〜?例えば?どんなのどんなの?」

 

「ゆーくりやさしく、耳元で起きてって言ってくれたら起きるよ」

 

「??じゃあ次からそーします!」

 

 姉ちゃんは純粋だなぁ、ってか今日は日曜だったはず、学校も無ければゲーム大会の予定もない、なんで起こされたんだ。自由に寝ても良いじゃないか。

 

「忘れてる?ショッピングに行く予定したじゃんか」

 

「そんな事した覚えないけど」

 

「ええっ、酷い!お姉ちゃんは泣いちゃいます」

 

「それは卑怯だろ、わかったよ行きますよ……VRフィールド?」

 

 そう尋ねた言葉に、姉ちゃんは首を横に振る。

 

「たまには、外に出てみない?最近は治安良いよ?」

 

「いや……あー、分かったよ」

 

「へへ。それじゃ着替えてね!お姉ちゃんも準備してきますのだ!」

 

 そう言って元気に部屋を開けて階段を降りる姉ちゃんを見つめて。

 

「……ああ」

 

 そうか、これはーー夢だ。

 

 

 

 

「……ん。とりあえずご飯作ろう」

 

 曇り空が窓に映る朝、オムレツでも作ろうと卵とフライパンを取り出す。食材の数が少なくなってきたので、そろそろナゲットくんに補充して貰わないと。

 

 何も考えずに料理を続ける、曲でも流そうかとホログラム上のシステムウィンドウを操作して、緩やかな音楽が奏でる。

 

「……良い形」

 

 白米をよそって、頂きます。

 

 むぐむぐ……なかなか美味しい。けどどうせならオムライスにすれば良かったな、まあ特に大きく味が変わるわけでもないし別に良いか。

 

「昨日、メール届いてたっけ」

 

 わたしのメールアドレスは基本的に司か初菜かSSS社以外に来ない、大々的に広めてないのもあるんだけど、つおったー+のDMで済む話が多いからだ。

 

 それだけじゃなく、メール送るよりVRフィールドで会って口頭で説明する方がやりやすいって人も多いと思う。けどそれは一長一短だ、文章でしか知り得ない事だってあるんじゃないかな。

 

『初めまして、なぎちゃん。

SSS社の平社員です、上司であるなぎちゃんのパパだと抜かしているアホが忙しいため、私から連絡させて頂きます。

まずは、先日のデモプレイ、ありがとうございます。見ていてとても楽しめましたし、デモプレイ自体も大成功と、感謝の極みです。

そこでですが、2回目のデモプレイ配信もなぎちゃんに任せたいと思いまして、メールを送らせていただきました。

具体的な日時ややって欲しい事は後程、返答が返ってきたらご説明します。なぎちゃん、どうでしょうか?良い返事を期待しています。

俺たちなぎ民なぎちゃん見守り隊ブルーより』

 

 ……いや最後で色々残念だよ、あなたがブルーなのか。てかその見守り隊は何人いるのさ、ブラックは何やってる人なの?

 

 んー、断る理由もない、あのゲーム楽しかったし……でもな、もう1人2人ぐらい連れて行きたい、出来ないかな、どうなんだろう。

 

『ピンポーン。先輩の為の唯一の後輩です』

 

「いや間違ってもないけどさ……」

 

 いきなりだ、何だろう?……いやちょっと待て、か、仮にだよ?仮にさ、扉を開けたら、私の視界が真っ暗になりましたとかそういう事じゃないよね?大丈夫かな、やばい。怖くなってきた。

 

『開けてください』

 

「ひゃ、ひゃい!」

 

 すす素直に開けよう!うん、それが良いですね!

 

「や、初菜、どうしたの?」

 

「先輩成分が足りなくて……入ってもよろしいでしょうか」

 

「何それ、まぁいいけどさ、あ、紅茶出すよ、頼んでもないのにナゲットくんが持ってきて扱いに困ってるんだよね」

 

 初菜を家に招き入れる、思えば初菜を部屋に入れたことはなかったので、これが初めてだ。

 

 なんの用事だろう?初菜は用事があるとき以外にわたしにこうやって話に来ないと思うんだけど……うーん?思い当たらないな。

 

「ふむ……随分機械に好かれてますね、いじりましたか?」

 

「え、そんな事してないよ、わたしを犯罪者扱いするな」

 

 そう言うと初菜は俯き考えている様子で、そんなに考える事なのかな?……うーん、まあでも深く考えたらおかしな話かもしれないが、別段気にしなくても良いと思うけど。

 

「はい、紅茶どーぞ」

 

「ありがとうございます……先輩の淹れた紅茶、ふふ……なぎ成分が高まってきました、ですが私以外の女を部屋に入れたのは感心しません、攫われたらどうするんですか、全く」

 

 いや一番わたしを攫いそうなやばいやつが目の前にいるんだけど?自分はまともみたいに思ってんじゃねーよ、もう無理だよ見る目変わってるよ完全に。

 

「っても、三音……管理人さんとだよ、初菜もあった事あるんじゃないの?」

 

「彼女が忙しい時に管理を任されていますね、所で今、赤城さんを名前で呼び捨てで親しげに愛おしげに恋人のように呼んでいましたがどういう事ですか?結婚しました?」

 

「飛躍し過ぎだろ?!愛おしげにも言ってないし恋人でもないわ!この県じゃ同性婚は認められてねえから!つーかしねえし!……別に名前呼びぐらい良いじゃん」

 

「じゃあなんで私は名前で呼んでくれないんですかー!そんなのずるい!ずるいずるい!私も名前で呼んで欲しいーー!」

 

「いや……初菜は、うん」

 

「何ですかそれ、私のどこがいけないんですかー!」

 

 ……照れるからやだ。

 

「そ、それで、何の用なのさ、初菜の事だし何か話したいことでもあるんじゃないの?」

 

「……まぁいいです、なぎちゃんはコラボ配信とかしないんですか?」

 

「なぎちゃん言うな、……今のところする予定は無いけど、なんで?」

 

「では初めて貰っていいですか?」

 

「え、まあ、良いけど」

 

「言質、頂きました。先輩の初夜は私が貰います」

 

 はぁ?!何言って……ああくそこいつボイスレコーダー持ってる!渡さねえよ!

 

「と冗談はさておき、より近くで先輩をサポートしたいので3日ぐらい前にアカウント作りました、自称プロゲーマー配信者ミクちゃんです」

 

「なぁもうツッコミする体力ないよわたし……てか絶対冗談じゃ無いし……わたしのパクられたし……」

 

「冗談が過ぎましたね、すみません」

 

 ……まぁでも嬉しいな、私から進めるまでもなく、初菜自身からこうやって始めてくれようしてるって事は、少なくとも配信に楽しみがあるって思ってくれたからだと思うし。

 

 こういうのも何だがわたしは知名度が高い、と思う。4万人までもう直ぐなわたしとコラボすれば、初菜もみんなに知って貰えるし、わたしも最初のコラボ相手が知人……違うな、親友なら、気が楽だ。

 

「……いーけど、何するのさ」

 

「なぎちゃんの振り返り動画鑑賞会とかどうです?」

 

「わたしが嫌です。次」

 

「ではまぁ、二人専用のゲームしましょうよ」

 

「んー、それだと見てくれる人が……ああいや、コラボってそう言うものか?参加型と言うよりは、遊んでるのを見るって感じか」

 

「そうですそうです、それが言いたかったんです」

 

 ……いや待て。もしかしてわたしと二人だけでゲームしたいからって事じゃ無いよな?それなら別に配信しなくても良いし、そう言う事じゃないよな?

 

「はは、ではそれでいきましょうね」

 

「何だその取って付けたような誤魔化し方は……オフ?オン?」

 

「ゲームしている先輩を横から見てたら多分我慢出来ないので、ボイスチャット繋げてやりましょう」

 

 我慢出来ないって?!どういう意味だよ……何を言っているんだこの女、一体清楚は何処に置いたんだ?髪切った勢いで無くしたのか?そうなのか、おい。

 

「ふへへ〜〜……司先輩には悪いですが先輩は私が美味しく頂けそうです……へ、ふへ、はぁ〜……」

 

「いや頂かれねえから!」

 

 

 

 

 と、言う経緯から急遽配信をする事にした、本当は今日はやらない予定だったんだけど、まぁいっか。

 

 初菜もとい、ミクちゃんのチャンネルを見てみると私が何もしてなくても既に2000人以上の人が登録しているらしく、3日で2000人はわたしより伸びが良いのではないか?

 

 生放送は初回だけで、後は動画がメインみたいだ、ゲーム動画より実験動画みたいなのが多い、危険な事はしてないようで安心する。

 

 ……わたしは動画編集はセンスがないみたいで、やってないから素直に尊敬する。

 

 てか初菜は凄いな……最初から顔出ししてて、確かに初菜は人見知りって訳じゃなく、社交的でわたしよりコミュ力は高い。

 

 成長、とは違うのかもしれない。わたしが関わらなかった分、尖っていた所が抑え気味になったのかな、良い事なのかもしれないけど……どうなのかな。

 

「てすとてすと、あーあー、きこえてる?大丈夫?」

 

「大丈夫です、もう始めますか?」

 

「まだ!ち、ちょっと待って!落ち着かせて」

 

「緊張してるんですか?なぎちゃんはかわいいなぁ」

 

 なぎちゃん言うな!……うー、初のコラボで緊張しない方がおかしいでしょーよ……なんでそんな落ち着いてられるんだ。

 

「気負う必要なんてないんですよ、私が、先輩がやりたい事をするだけですから」

 

「で、でも見られてるんだよ?な、何かあったら恥ずかしいし……怖いじゃんか」

 

「私より配信してる自称プロゲーマーが怖がり過ぎる件についてってスレでも立てます?」

 

「お、おま!ふざけんな!」

 

「ふふっ……まぁ大丈夫ですよ。それよりほら、そろそろ時間です」

 

 ほんとだ……ふう、よし……やるよ。

 

「にゃはろー!自称プロゲーマーのなぎちゃんだよー」

 

「同じく、自称プロゲーマーのミクちゃんです、初コラボ相手頂きました」

 

『うおおおおお!?』『にゃはろー!』『神回確定』『ミクちゃん配信者だったん?』『3日前に始めてるぞ』『配信者と言うよりは動画投稿者?』『はえー、やば』『桃源郷』『まじかよ』『うおおおおおおお!』『ミクちゃんが敬語……?』『うらやま』

 

「わあ、見てくださいなぎちゃん、なぎ民がわらわら私の配信画面にきますよ、気持ち悪いですね」

 

「なんて事を言うんだこの子は!?炎上するからやめろ!」

 

『草』『草』『ありがとうございます!』『ありがとうございます!』『我々の業界では御褒美です』『初手罵倒、心地良き……』『配信開いたら罵られるとか最高か?』『変態しかいねえ、ありがとうございます!』

 

な、なんなんだ……それでいいのかなぎ民は、プライドとか尊厳とか無いんですか?

 

「配信中のなぎちゃんもかわいいなぁ」

 

「ちょ、えあ……む、無表情で言うな!」

 

『かわいい』『かわいい』『クールななりして百合なんだよなあ』『無表情レズ』『なぎちゃんの前ではそうでもなくない?』『確かに』『尊い』『需要が足りてる』『足りすぎて爆発するわ』

 

「所でなぎちゃん、今日の朝食は何ですか?」

 

「え、今聞く?オムレツだけど」

 

『家庭的ななぎちゃんかわいい』『料理できるのかわいい』『かわいい』『嫁にしたい』『娘に欲しい』『パパは嬉しい』『あ、無能だ』『一家に一人欲しい』『あーんしたい』『されたい』

 

「顔赤いですよなぎちゃん」

 

「うるさいやい!……ミクちゃんは?」

 

「そりゃなぎちゃんと同じの〜……えへ」

 

「怖えよ!なに?!何食ったんだ!言え!」

 

『怖い』『こわい』『尊い』『尊いか?』『会話してるだけで面白い』『ミクちゃん相手だときょどんないのな』『友達じゃねーの?』『恋人でしょ』『冗談でも言わない方が良い』『やめておけ』

 

「カップ麺です、ぬぅどるの」

 

「またそれ?ちゃんと料理しなよ、不摂生だぞ」

 

「めんどくさいんですもん……じゃあなぎちゃんが作って下さいよ」

 

「……いやまあ、良いけど」

 

『尊い』『好き』『今時の若い子の会話ええなあ』『ええなあ』『やっぱ友達か』『なぎちゃんに友達いたんやなぁ』『三人ぐらいしかいなそう』『わかる』『わかる』

 

 三人でも友達がいるだけ良いだろ!それに友達は量じゃなくて質なんだぞ……

 

「さて、フリートークもこれぐらいにして」

 

「早速ゲームやってくぞ〜?今回は二人でタイムクラシック8をやるぞ〜!」

 

『うおおおおお!』『二人専用ゲームやん』『百合営業』『百合(ガチ)』『ガチなのはミクちゃんだぞ』『なぎちゃんもだぞ』『出たー!先月にVRゲームに続編が発売した、タイムクラシックシリーズの8作目だー!』『続編出てたん?』『有能』

 

 説明しよう!タイムクラシック8とは、タイムクラシックシリーズでお馴染みの協力型タイムアタックFPSゲームである!

 

 元々ガンシューティングとして名を馳せた過去のゲームを、とどーる社が『せや、FPSにして新しくシリーズとして作ったろ』と勢い任せで制作!無事完成して見事流行に乗った。

 

 今作では思い切って二人用のゲームとして出し、売り上げが伸びなかったのでVRゲームの方で新作を出したとの噂もあるそうだ!

 

 されど侮る事なかれ、ゲームシステム、難易度、助け合いを重視したアクションは、過去作の中でも一二を争う程だ!

 

 迫り来る武装兵をばったばったと撃ち倒し、転がる丸太をコマンド入力で避け!二人で協力し合いながら制限時間までにボスへと辿り着き、全10ステージを網羅しよう!

 

「だからみんなも、やろう!」

 

「ステマ乙ですねなぎちゃん」

 

「楽しいものはみんなもやるべき!……でしょ?」

 

『かわいい』『天使や』『ミクちゃん一万人おめでとう』『爆速やん』『はっや』『なぎちゃんも4万人超えたぞ』『二人ともおめでとう』『おめでとう』『今日も祭りだ!』『うおおおおお!』

 

 よ、よんまんにん……視聴者も10000人以上も見てくれてる……なんて言えばいいんだ、もう……本当に、嬉しい。

 

「四万人おめでとうございます、なぎちゃん」

 

「そ、そっちこそ……ほ、ほら!ゲームやるよ!」

 

「照れるなぎちゃんはかわいいなぁ」

 

 てて照れてねえし、そんなんじゃないからぁ!

 

『照れ照れなぎちゃん』『なぎかわ』『かわなぎ』『ミクちゃんもおめでとう』『微笑ましい顔してるミクちゃんは母親か何か?』『友達だぞ』『ヤンデレだぞ』『ヤンデレ…なぎちゃん…追いかけ…閃いた!』『描かないぞ』『なぜー!?』

 

「じゃあ前衛わたし、後衛ミクちゃんで」

 

「はい。設定はハイスピードのクライシスモードですか?」

 

「OK、たまには真面目にやろーよ」

 

「良いですよ。ではスタート」

 

『操作が早い』『難易度くそ難では?』『必要最低限の会話で草』『つよつよか?』『つよつよなぎちゃんか?』『プロゲーマー見せるのか?』『ミクちゃんのパソコンゴツくねえか?』『どっちの画面見れば良いんだ』『二つの画面も追えないの?そんなんじゃ甘いよ』

 

「なぎちゃんの画面見れば良いと思いますよ、前衛ですし」

 

「んー、わたしはミクちゃんの配信の方が良いと思うけどなぁ……画面酔いしないと思うよ」

 

『互いが互いをこの……わかる?』『わかる』『わかる』『ノーマルなのにムズムズしてきました』『俺も』『それな』『ゆりレズミクちゃん』『こわかわいい』『こわ良い』『好き』

 

 迫り来る兵士を打ち倒しながら進む、狙撃兵や後ろは全部ミクちゃんがやってくれるので何も問題はない、全速前進だ。

 

「前から思うんですけど、なぎ民って割と言いたい放題ですよね」

 

「そう?しっかり線引き出来てると思うけどなぁ、……あ、そこ危ないよ」

 

「ありがとうございます……それはなぎちゃんが優しいからですよ、もっとこう奴隷のようにビシバシ躾けても良いと思うんですよわたし。どうせ喜びますから」

 

「いやいや……なぎ民を何だと思ってるんだ、そーゆーの言わないの!右斜めスナイパー」

 

『強い』『強い』『雑談しながら進めるとかマ?』『プロゲーマーなぎちゃん』『文句無しのプロゲーマー』『雑談内容酷くて草』『ドSと癒しを享受している』『生きてて楽しくなってきた』

 

「……わたしがなぎ民のこと、奴隷扱いしたらみんなどう思う?」

 

『うれしい』『うれしい』『なぎちゃんの奴隷になりたい』『なりたい』『ミクちゃんの奴隷はこわい』『こわい』『奴隷のようになぎちゃんに働かせてくれ』『投げ銭しようと思ったけどコラボだった、出来ねえ』『かなしい』

 

 そんなこんなで進めていくと10分も経たないうちにボスの部屋へとたどり着いた。

 

 黒服に黒ハットの大男、手には二丁ガトリングを抱えて、圧倒的なゴリ押しマシーンとして新参プレイヤーを灰のように飛ばした、通称黒マフィア先生だ。

 

「あ、もうボス?やっぱハイスピードだと速いね」

 

「まぁ私となぎちゃんですし、そりゃあ真面目にやったらこんなもんですよ」

 

「ふふっ……二人で最強?」

 

「はうあ!」

 

『かわいい』『かわいい』『攻めには弱いヤンデレ』『イチャラブを見せられてる』『裏で出来てるでしょ』『パパは認めないぞ〜?』『お兄ちゃんも認めないぞ〜?』『夜道に気を付けろ』『あなたの後ろに這い寄るヤンデレ』

 

「うおおガトリングのスピードはっえ〜……障害物隠れるね」

 

「あ、そこは」

 

「うおああ!!なんだこれ壊れんの?!あれぇ!?」

 

「アプデ入って仕様かわりましたよ」

 

『草』『草』『やっぱこれだね』『動揺なぎちゃん』『ミクちゃんちょっとニヤってしてて草』『草』『これは策士』

 

「危ない危ない、こんな所で負けるとか洒落にならないから」

 

「なぎちゃん、全ステージやりますか?」

 

「もちろん!……今ので4分か、1時間切りしようよ、多分できるから」

 

「世界記録更新しますか」

 

『!?』『へ?!』『うっそだろ』『とんでもない事言ってない?』『まじ?』『ついに?』『世界記録幾つ?』『1時間23分52秒じゃなかったかな』『充分速い』『自称の域を超えるのか?』『ワールドレコード更新されるのか?』『つよつよプロゲーマー』

 

 1時間23分か……よし、わたしとミクちゃんなら出来るでしょ、高校生の時は多分無理だったと思うけど、今のミクちゃんの腕わたしと同じぐらいか、上だし。

 

「まぁ最近はなぎちゃんをいじめ…んん、ゆるく遊んでましたし、偶には本気でやるのも良いですね」

 

 いじめって聞こえてんぞ、おい。

 

「いやうん、昨日みたいなことはもうしないでよ……?つか、構って欲しいならいつでもゲーム出来るじゃんか、言ってよ」

 

「それとこれとは話が別なんですー!乙女心の分からないプロゲーマーだなぁ」

 

「プロゲーマー関係無くない!?なんだそれ……次のステージ行くよー」

 

『草』『なぎちゃん緊張無くなってきたね』『二人の会話だけでこっちも楽しい』『雑談しながら世界記録狙うプロゲーマーがいるらしい』『やっぱ元プロゲーマーよな』『だろうね』『そうだね』『詮索はNG』『なぎちゃん可愛いしいいか』『乙女心のわからないプロゲーマータグ付けとこ』

 

 問題なく2、3ステージとどんどん進んで行く、自分で言うのもなんだが、わたしはゲームが上手い……姉がしてたから、わたしも始めた事がきっかけだったかな。

 

 それと技術研究部では、色んなモノからの着想を得るっていうスタンスから必然的にゲームもそれなりにやっている……そういう口実で遊んでいたわけじゃないんだからね!

 

 ミクちゃんは多分経験じゃなくて、質だろう。この子は単純に一回の経験で得るモノが多すぎるんだ、良くも悪くもね。

 

「4ステージ目ですけど、なぎちゃんは今後やりたい事とか決めてますか?」

 

「んーそれ、前にも言ったかもしれなけどさ?企業さんから案件もらったり、今みたいにコラボしたりさ、……ミクちゃん、今はね?なぎ民と、もっと一緒に楽しみたい、楽しいよ、わたし」

 

「……そうですか」

 

『うーんこの』『なぎちゃん好き』『かわいい』『天使』『本当に楽しそう』『ミクちゃん嬉しそう』『かわいい』『表でも付き合ってるわ』『ワンチャン狙ってたなぎ民かわいそう』『多分そんな奴いないぞ』『お兄ちゃんが許しません』

 

「そーいうミクちゃんはどうなのさ、目標とか目的ある?」

 

「なぎちゃんの一番近い所で応援したい一心ですよ」

 

「ああうん……他には?」

 

「ん~~、教えません」

 

 なんだそれ、まぁいいや。

 

『ちな初回放送でやりたい事言ってたで』『まじ?』『アーカイブ無いんですが』『がははは、すまんな』『羨ましいんだが?』『なぎちゃんに必要とされたいとかそういうのだと思うんですよ』『確かに』『わかる』『やっぱゆりレズじゃないか!』

 

「いやですねぇ、誰でも良いわけじゃないんですよ?なぎちゃんだから好きなんです」

 

「いやその、わたしには勿体無いので……5ステージのボスなんだっけ」

 

「ティガレックスですね、私の腕の見せ所です」

 

「はい、じゃあ囮なるから後よろしく」

 

『ゲームは真面目』『ゲーム画面だけ見たら最速プレイやからなぁ』『正直ついていけてないから雑談してくれるの嬉しい』『わかる』『このゲーム知らんから雑談嬉しい』『なぎちゃん遠回しにお断りして草』『なぎちゃんはノーマルなのか?』『ノーマルでしょ』

 

 ああでも、そう言われると男性を好きになれるかは別の話になるのかな、わたしは最初から女の子じゃない……はずだ、最近はもう自分が何の姿で、どういう人間だったのかすら、曖昧に感じる。

 

 それに対して何の喪失感も、恐怖心も無い。その感情が怖い、もし最初からわたしの思い込みだったとしたら……司との、初菜との思い出は、記憶は、あの夢は何の……誰の記憶なんだ(・・・・・・・)

 

「なぎちゃん?……どうしました?」

 

「あ、ああいや、なんでもない。それより、この調子で行けば世界記録更新できるよ!」

 

「そうですね、初コラボで世界記録を取るプロゲーマー二人組としてユニットでも組みますか」

 

「え、組まないよ」

 

『なぎ✕ミク』『二人でなぎ✕ミク』『草』『草』『ミクなぎだぞ』『うーんこのゆりれずおにゃのこ』『思ったこと言っていい?』『特定云々の話以外』『じゃあ言わね』『そうしとけ』『ところで千里眼兄貴は?』『なぎちゃんにNG食らってるよ』『草』『草』『てことは今までおぱんつの色当ててたんやろなぁ』『可笑しい奴を無くした』

 

「なぎちゃん昨日白パンって本当ですか!?」

 

「うおうるせっ……違います。勘違いです、やめてください」

 

「白……なぎちゃんの純白おぱんつ……うぇへへへえへ」

 

「ば、おい!ゲームに集中しろ!もう7ステージ目だぞバカ!おたんこなす!白じゃにゃいからぁ!」

 

『草』『草』『放送出来ない顔になるヤンデレがいるらしい』『速報。なぎちゃんは白』『ちなみに今日は青の縞パンだよ』『!?』『死んだんじゃ……!?』『意思を継ぐもの』『継承されし千里眼』『我は不滅なり』『ただのサブ垢だろ』『ばれました?』

 

 おまこのっ……んもう、サブ垢BANしてもまた新しいの作ってきそうだから、仕方ないなぁ。

 

 雑談しつつも、ゲーム自体は順調に進んでいき……そして。

 

「っやった!やった!優勝した!なぎ民のみんな、世界記録更新したよ!やった~~~!」

 

「58分45秒03ですね、頑張れば55分切るんじゃないですか?……難しいか」

 

『うおおおおおお!』『偉業達成』『これはプロゲーマー』『プロゲーマーでも難しいわ』『ぷろぷろなぎちゃん』『つよつよなぎちゃん』『ミクちゃんのカバーが上手すぎた』『記録塗り替えられたかぁ』『プロハンニキの?』『二人分やるの難しかったよ』『ん?』『え?』『あんた可笑しいよ何者だよ』『その動画はこちら』

 

 はえ~すごいなぁ、一人二役ってつまり、2つの画面操作したってことでしょ?人間業じゃないと思うんだけど、尊敬するなあ。

 

「ふぅ……切りよくここで終わりますか?なぎちゃん」

 

「んー、じゃあ最後に一言!……なにかある?」

 

「今日はありがとうございました、なぎ民の皆さん、なぎちゃんの初夜は私が貰いますので、そういう事で」

 

「ひゃあ!?いやだから、それは違うって言ってるじゃんか!……ったく、もう。通話切るよ?」

 

「え、ちょっとま」

 

『草』『草』『ふざけすぎたか』『無慈悲なぎちゃん』『今日も楽しかったね』『最初のコラボがミクちゃんで安心した』『なぎちゃんは成長したなぁ』『まだ一ヶ月しか経ってないんですけどね』『いうて一ヶ月』『短いようで長いぞ』『逆の事も言えるけどな』『楽しい時間をありがとう』『最終的に18000人見てたね』

 

「と、言うわけでコラボ配信でした!……ミクちゃんが最初で本当に安心したよ、これからも出来ると思いたい。次の配信は二日後になるかも!……それじゃそろそろ終わろうかな」

 

「18000人のなぎ民達、来てくれてありがとう、見てくれて嬉しいです。次の配信も来てね……?良い夢みてください!じゃあね!」

 

『おつかれさま』『おつおつ』『でミクちゃんの色は?』『知りたければわかってるよな』『ヒェッ』『楽しかったです』『コラボしたい為にアカウント作った説』『濃厚』『天才か?』『夜勤頑張るかぁ』『最高のコラボやったな』『トレンド入ってたよ』『お疲れなぎちゃん』

 

 お疲れと流れる配信コメントを見るこの時間が、いつも名残惜しい。なら延長しないのかって言われるかもだけど、最初のコラボは一時間でやろうって自分なりに決めてるから、ここは譲れない。

 

 配信を終了する。

 

 しばらくすると、電話がかかってきたので受け取る、ミクちゃん……初菜からだ。

 

『お疲れ様でした、なぎちゃん』

 

「なぎちゃん言うな……お疲れ、ありがとう初菜、また、出来るかな」

 

『ぜひ勿論!……と言いたいですが、暫く私用で部屋を空けます、ごめんなさい先輩』

 

「謝る事じゃないよ、わかった……ねえ、わたしは初菜の知るわたしだよね?」

 

『何を今更、先輩は先輩です。わたしの好きな、尊敬する、敬愛する、人生の何よりも大切な先輩ですよ』

 

 ……今はその言葉が嬉しいよ。

 

「じゃあ切るね、おやすみ」

 

 自分のことに、今更になって思う感情を隠しながら、もやついた気持ちを解消するために、久々にカップ麺の蓋を開けた。




いつも感想ありがとう!楽しく見てるよ、評価も誤字報告もありがとうな〜〜!
ちなみに今回のゲームの元ネタはタイムクライシス(アーケード版)あれ好き、楽しい。

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