tsプロゲーマー配信者なぎちゃん 作:ヲタクフレンズ
『俺様の親友と後輩が自称プロゲーマーな件について』
「は、ははは……司もやる?配信者」
『俺様がゆりレズワールドに入ってみろ、言わなくてもわかるよな?』
「う、うーん……確かに」
お昼時、お昼ご飯の海鮮丼を食べた後、タイミング良く司から電話がかかってきたので、話しているところだ。
『しっかし凪沙が引きこもってから、初菜ちゃんも全然外に出なくなったから良い傾向かもな、親友の成長も芳しいし、俺様感心!いやぁ嬉しいぜ』
「何目線だよ……ねえ、いつぐらいに来るの?」
『んお?寂しがりやだなぁ親友は、3日以内には着きそうだぜ、いやぁ飛行機に久々に乗ったけど快適快適』
「そっか……わたしの手料理、食べさせてあげようか」
『まじで?!メイド服着ておかえりなさいませご主人様って言ってくれる!?』
「へゃ!?やややだよ、バカ!アホ!スケベ!三音にメイド服なんて持たせやがって!このすかぽんたん!」
『す、すかぽんたん……だって見たいし〜、なぎちゃんのメイド服手料理配信見たいなー?』
「お、お願いされたってしないんだから!……それに寂しくなんてない」
『嘘つけ、まぁつーことて後数日で着くから、安心しろよ』
「ん……待ってるから、それじゃ切るよ」
『ああ待った!なぁ凪沙、最近変わったことってないか?何でも良いんだ』
これは、わたしの体についてを言っているのかな、それとも別の事だろうか?
「……なにもないよ、うん。何も変わってない」
ごめんね、会ったら……話すから。
『そっか~……わかった、じゃあまた近い内にな、配信頑張れよ?無理しない程度にな』
「ん、がんばるよ……また」
司との電話を切り、ふっとため息……嘘なんて付きたくないのに、どうしてついてしまうんだろう?
わからない、わたしは司の事をどう思っているんだろうか、司はわたしの事をどう思っているんだろう?
会えば、それも分かるはず……ただ。
ただ、数日後司と合う時、どういう顔をすればいいか、今のわたしには何一つ思いつかなかった。
☆
お悩み相談配信というのをやってみようと思う、今現在わたしがいろいろと悩んでいることについては置いておいて、ゲームする気分でも無いからだ。
音ゲーでもしようかなとも思ったけど、PCでする音ゲーはあんまり需要ないんじゃ無いかな、体全身を使った音ゲーの方が良いと思う。
そういう機材は持ち合わせて無い、高校生の時の部室には有ったので多分初菜が持っているけど、今は居ないし……後日借りよう。
……やっぱ、配信開始前のこの時間は慣れない。
コラボ配信や、企業さんからのデモプレイとかで自信は大分ついてきたとはいえ、それ以上にわたしを見てくれている人の期待や、多さにただただ驚くだけだ。
気負う必要なんてないと初菜は言った、その通りだと思う。
……考えたって何か変わる訳じゃない……なぎ民と話すのは、配信する事が楽しいのは事実なんだ。
ならそれで良い、それで良いはずなんだ。
「ずっきゅん!自称プロゲーマーのなぎちゃんだ〜よ!」
『ずっきゅん!』『どっきゅん!』『ばっきゅん!』『伝わらないネタやめろ』『今日もかわいいなぁ』『顔赤らめてるのかわいい』『かわいい』『かわいい』『好きです』『初手告白、僕も好きです』
「……はい、今日はお悩み相談回です……まぁ雑談だね、長くて2時間ぐらいやろうかなって思います」
『うおおおおお!?』『なぎちゃん見てると悩みもなくなる』『なぎちゃんが可愛すぎてそれが悩みです』『わかる』『それな』『パパもそう思います』『兄も思います』『ちょっと!偽パパさん!仕事終わってないよ!』『狂いそう』『草』『草』『草』
「はいはい、じゃあ仕事頑張ってね、アーカイブは残すから後で見てね」
……よし、勇気を出そう、初菜ともコラボできた、三音とも友達になった、なら……身内以外の人とも、話せるはずだ。
「お悩み相談回だから、実際に通話でお悩みを聞こうと思うよ……単純に話したい人でも、まぁいいよ」
『うおおおおお!』『うおおおおお!』『まじ?』『やばい』『やばい』『緊張してきた』『え、話せるんですか?』『君は仕事』『最高か?』『なぎちゃんに下手な事言ったらわかるよな』
「この通話アプリ使うから、もし入れてなかったら概要欄にDL場所あるから、是非ダウンロードしてね」
説明しよう!通話アプリ『シンプルボイス』は単純明快!リアルタイムで会話するだけ!
以上!ちなみにこのアプリを作った小企業の社長さん(105歳)は「80年前は若く、10分で作りました」と記事に載せているぞ!イキリおじいさんだね!そろそろくたばるんじゃないかな!
でもくたばらないで!後20年ぐらいは健康的に生きようね!
「……先に言うけど音声だけだよ」
『そりゃあまあ』『うん』『話せるだけで幸せ』『今こそ国家認定SAD型の出番ですよ!』『世界認定MKNTに勝てるとでも?』『ミクネットだとォ?!』『なぎ民のつよつよ通信スペック』『あぶれそうだけどかけるだけかけよ』
「検索ワードはなぎ民、先着順です。制限時間は無いけど〜……まあわたしが切りたくなったら切ります。わたしがルールなのだっ!」
『かわいい』『かわいい』『好き』『緊張してきた』『まじで話せるん……?』『初手デブボだったら?』『ピザポテト童貞と名付けよう』『草』『良いセンス』
そ、それはちょっと酷すぎるんじゃないかな……声だけで判断するのは良くないと思うよ、わたし。
「よーしじゃあ掛けてみるよ〜?」
緊張する……普段はコメントが流れて、それをわたしが見るって形だから、声と声とで会話するのは初めてだし、記念すべき最初のなぎ民は……誰だろうな。
「ん、繋がったかな、聞こえる?」
『えあ!あ、うおおおおおお!』
『うおおおお!』『うおおおお!』『うおおおお!』『若い』『これは19歳の声』『で誰だよ』『男か、わかってるな』『何ィ!?世界認定がすり抜けた?!』『国家認定も効きません!』『下手な事言うなよ』
「お名前、聞いてもいい?」
『ユーです!あぁ本当になぎちゃんだ……僕なんかが最初で、感無量です』
「ユーさん?わわっ、若い声だね」
『動画編集の人か』『動画編集ニキ?!』『デブ活汚じゃないのか』『ピザポテト童貞じゃないのか……』『落胆するな』『今の時代のデブは居ないぞ』『は?お前屋上』『怒らせちゃったね〜?』
「動画編集いつもありがとう、お礼にずばばーんとお悩みを聞いてあげましょう!」
『かわいい……な、悩みですか』
「うん!なんでも言って……?」
『なぎちゃんが可愛すぎて……色々と辛いです……一生なぎちゃんだけ見つめて生きていたい……』
にににゃにいってんだ?!
『草』『草』『本心からで草』『ナニが辛いんやろか』『そりゃ現実よ』『顔真っ赤でかわいい』『照れ照れなぎちゃん』『そこの男、覚えてろよ』『ヒェッ』『やべえのきた』『逃げろユー!』
「えー、うん、はい。夜道に気を付けて下さい!次!」
通話をかける……次の人は誰だろう?
『なぎちゃん、こんにちわ。私、田中と申す者です』
「あ、田中さん、やっほー?初めまして」
『田中!?』『お前…お前ェ…』『処刑』『火あぶりの刑』『ぐああ!世界認定が負けるだとォ?!』『敗北者と犯罪者』『なぎちゃんと話だけで犯罪者になる男』
い、言われたい放題だな……何でこんなに当たり強いんだろう?なにかしたのかな、うーん?
「初配信から見てるよね?いつもありがとう、何でも悩み聞くよ?」
『いえ、こうして話すだけで悩みも消えます、ですが強いていうなら一つ、悩みがあります』
「そ、そっか。言ってみて?」
『私、なぎちゃんのグッズやキーホルダーなどが欲しいです、いえ、本心を言うならタベストリーやおはようからおやすみのボイス、抱き枕カバーが欲しいです、人生の悩みです、どうにかして欲しいです』
『草』『草』『煩悩まみれ』『丁寧な言葉使いからこの煩悩』『ぶっちゃけ過ぎだろ』『なぎ民を代表してよう言うた』『それはそれ、まだ許されない』『許されないな』『抱き枕カバーほしいなぁ……』
「ふぇ、え、ゃ……う、うう〜〜!」
『かわいい』『かわいい』『かわいい』『なぎちゃんの真っ赤なほっぺ』『手で顔隠すのかわいい』『ほんま好きちゃねん』『実際どうなんだろう』『そういう企業がバックに付けばワンチャン』『個人では?』『出来なくはないと思うけど』
「個人ではしないよ!企業さんから話きたら考えてあげる!もう次!次です!田中さんはもう通話しないでね!」
『我々の業界ではご褒美です!』
もー……何してもご褒美になるのかよなぎ民は、変態多すぎるよ……いつからこんなに多くなってしまったんだ。
「気を取り直して、次の人に掛けてみるよ〜っと」
『テステス……あ、なぎちゃん?いやさん付けした方が良いか……なぎさん?』
え、ちょっと待ってこの声もしかしてもしかすると。
「かか狩人先生!?」
『まじ?』『まじじゃん』『声の渋みでわかる』『このダンボールで隠れてそうな声よ』『イケボ』『濡れそう』『こんなん実質コラボじゃん』『神回確定』『いつも神がかってんな』『うおおおお!』
『先生なんて照れるなぁ、呼び捨てで構わんよ』
「しょそんな!あっあのファンです!いつも見てます!あっあ……ひゃ〜!」
『落ち着け』『落ち着け』『乙女か?』『おとめななぎちゃん』『まぁプロハンニキなら許すわ』『なぎちゃんごめんそこ変わって』『わかる変わって』『人気過ぎる』『そりゃまあ、50万人登録者いるし……』
『繋いで何だけど、なぎさんに話す悩みは無くてね?ただ話したかっただけだったり』
「そっそんな、光栄です、後なぎちゃんで良いです、いっそ呼び捨てしてくだしゃい……」
『おお?それでさ、なぎちゃんは何か悩みとかあるんじゃないかな?今日はいつもより眉と声が違うからね』
へ、すっ凄い、何でわかったんだ?この人やっぱり凄いなあ。
この人なら、言っても良いかな……なんだか、安心出来る。
「……久しぶりの親友に会う時、どういう顔すれば良いか、わかんなくて」
『なるほどね……そっかそっか』
『乙女だわ』『かわいい』『へにゃへにゃなぎちゃん』『プロハンニキがまるでパパみたいだあ』『まるでというか』『有能無能よりパパ』『狩人パパ』『何だって!?許さないですよ!』『うるせえ仕事しろ』『机に貼り付けるぞ!』
『君が君らしく、それだけで良いんだよ』
「そ、そうかな……でも、親友の目から見たわたしは、わたしじゃないかも知れないんだよ?」
『いや、君は君だ。他の誰でもない……恐怖を感じるのは良い事だ、それだけ君は相手の事を思いやっているからね、だけれど、それに潰される必要は無い』
ていうか、べ、別に思いやってなんか無いし。
『これはパパ』『狩人パパ』『プロハンパパ』『なぎちゃんの親友って?』『そりゃ金髪美少女よ』『男の匂いがする』『ミクちゃんみたいな事言うな』『パパ株が徐々に奪われつつある』
『それとも君の親友は君を拒絶する薄情な人間か?』
「そんな事ない!……優しくて、頼りになる人なんだ」
『なら何も問題は無い、なぎちゃんなら大丈夫』
「……そっか」
『おっと、そろそろ勤務の時間だ、また話そうね、なぎちゃん」
「うん!狩人先生、ありがとうございました!」
『私の娘が……』『有能無能、敗北!』『敗北を知れ』『さよなら無能、ただいま狩人パパ』『これはパパ』『公認パパ』『イケオジ過ぎた』『そりゃなぎちゃんも乙女るわ』『俺もそーなの』『ようホモ』
「……よし、じゃあ次の人〜!」
一人一人と話していく、くだらない悩みだったり、真剣な悩みだったり、ただ話したいだけだったり、色んな人と話していく。
『お兄ちゃん、来週ゲープロの大会なんだけど、妹に応援して欲しいなぁ』
「まずあなたはお兄ちゃんじゃないです。優勝したら認めてあげなくもないよ」
『うおおおおおお!聞いたかなぎ民!俺はやるぞ!やってやるぞ!!!』
『うおおおおお!』『うおおおおお!』『頑張れ』『優勝しないで』『俺が兄だ』『プロハンニキ居ない大会で良かったな』『勝ったな、風呂入ってくる』『負けたな、飯食ってくる』『賛否両論』
「わぁ!女の子だ、なになに?なぎちゃんなんでも聞いちゃうぜ……?」
『ひゃ、あ、あの!……なぎちゃんは、VRフィールドとかで、ああえませんか?!』
「よしわかった!いいよ、二人きりの専用部屋つくろう!」
『草』『草』『ゆりゆりなぎちゃん』『レズレズなぎちゃん』『セクハラだぞおっさん』『おっさんやめろ』『ミクちゃんに気を付けろ』『ヤンデレが黙ってないぞ』『なぎちゃん……後ろに』『窓に!窓に!』
「やややめろ!本当に怖いからやめろ!……んー、そうだな……考えておくね。ありがとう」
「次の人は〜だれだだれだ?」
『くっくっくっ……アイサツ!こんにちは、なぎちゃん、にんにん!』
「アイエ!どーも、ニンジャさん……どーせVRフィールドで教え受けたんでしょ?」
『アイエ!』『草』『バレてる』『初手看破』『これは千里眼の使い手』『ニンジャ…くノ一…なぎちゃん…閃いた!』『うーん、最高!』『よっしゃ描いたろ!』『わしも描いたろ!』『えちえちくノ一なぎちゃん』
『なぜバレた?!……と、お戯れはさて置き、なぎちゃん、今日は感謝のお礼を言いたかったんです』
「へ、お礼ってなにさ……お礼されるような事なんてしてないよ?」
『謙遜ですよそれは、なぎちゃんが楽しくゲームをしているのを見て、久々に8歳の妹が笑ってくれたんです、どうしてもお礼が言いたくて……ありがとうなぎちゃん』
「……それは、ぁう……良かったね」
『ヒューマンドラマか?』『妹居たんか』『はえー感動』『なぎちゃんの存在が笑顔を取り戻した』『なぎちゃんは人を救うなぁ』『いつもより照れてんなぁ』
『で、その妹が!自分に対して当たり強いんすよ!一緒に寝ることも風呂も入ってくれる事もなくなったんだよなぎちゃん!どうすればいいかなぁ?!』
「ふふっ……別に嫌われてる訳じゃないだろうし、良いんじゃない?」
『ニンジャ許さねえ』『裏山死刑』『有罪』『ニンジャさん、滋賀県で会おう』『黒曜石の斧取り出した』『許されない』『このロリコン共め!』『思春期やなぁ』『微笑ましい』
わたしは人を笑顔に出来たのか、へへ……そっか、笑顔に出来てるんだよね。
「妹さんに伝えて?見てくれてありがとうって」
『そ、それは勿論!……なぎちゃんは天使だなぁ』
「天使じゃないから!……もー、切るよー?」
『かわいい』『かわいい』『かわいいなぁ!!!』『絶対天使なぎちゃん』『なぎちゃんは天使だなぁ』『ガチ恋量産天使なぎちゃん』『なぎちゃんが愛される理由が分かりました』『生きててありがとう』『産まれてきてありがとう』
恥ずかしいよもう……胸がいっぱいだ、優しさにわたしは支えられてる。
「こ、これ以上は火傷しそうだから……そろそろ配信を切るよ」
『いかないで』『いかないで』『話してくれてありがとう』『顔真っ赤』『耳まで真っ赤』『体温やばそう』『火照った体を冷やしたい』『お前、裏庭』『屋上』『照れのあまり配信を切るプロゲーマーがいるらしい』
「はい、じゃあ……また次の配信で会おうね」
配信を終了する、終了しても流れるコメントの画面を見つつ、配信が終わった丁度に登録者が五万人を超えた。
……わたしは自分の事を特別とかそう思ってない、だけども、感謝してくれる人が居て、悩みを聞いてくれる人が居て……それは、配信を通してわたしが得たものだ。
その機会をくれた司に対して、わたしは返せないぐらいの感謝をしないとな。
「……よし」
わたしはわたしらしく、正直に話そう……司を、信じよう。
……その前におしゃれしないと、ナゲットくんにかわいい服頼まないとなあ。
精神的BLに発展するのかしないのか……真相は明らかになってない。
感想いつもありがとう!誤字報告も助かってます、☆10の評価が200人になったようで、驚愕してます。これって…光栄ですよ。
次も早めに出せたらええなぁ。
-追記-
ファンアート+登場人物紹介の最後の方に今までなぎちゃんが配信したゲームの元ネタ貼りました!知りたい方は是非。