tsプロゲーマー配信者なぎちゃん   作:ヲタクフレンズ

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日真日さん うさうさなぎちゃんをありがとうございます!ドヤ顔ニヒル顔が良い味出してるんダァ……好き、重ねてありがとう!嬉しいです。
【挿絵表示】


一応精神的BLタグ付けるけど……この話にタグいるかな?


じゅうさんわ!

 朝、少し早めに起きたわたしは、体を伸ばして起き上がる。

 

 のそのそと熊さんの寝間着を脱いで、朝のシャワーを浴びる。

 

「ん〜〜っ、朝シャーさいこうか?」

 

 しっかりシャンプーもしないとね、ってか頼んでないのにこういうのも服を頼んだついでに持ってきてくれるとか、ナゲット君さまさまだ。

 

 持ってきたお礼に頭と思いしき所を撫でてやったら、心なしか喜んでるようにも見えるし、なんだか可愛く見えてきた。

 

 機械に好かれてる、かあ。

 

「何でなんだろ……でも、機械が心を持ったとしても、別に不思議な事じゃないよな、このご時世だし、実は擬似人格プログラムを使いましたって言われても驚かないぞ」

 

 十分体を綺麗にして、ふかふかのタオルで丁寧に拭く。長いシルバーブロンドを拭く動作もなかなか様になってきたと思う。

 

 鏡の中のわたしを見つめる……充分かわいいけど、うーん?やっぱり化粧とかした方がいいのかな……ど、どうだろ、もっと可愛く綺麗なわたしを見せる方が良いんじゃないか?

 

 い、いやいや!何をそこまで本気で悩む必要があるんだ、これじゃまるで司を意識してるみたいじゃないか!

 

 そそそんなんじゃないんだから!……落ち着こう、深呼吸しよう。

 

「大丈夫大丈夫……着替よう」

 

 わたしの美的感覚はそこそこだと思いたい、だから変な服装にはならないと思うんだ。……ま、まあ?でも仮に変な服になったらまずいから?調べに調べたけど?

 

「……攻め過ぎかな、合うかな」

 

 可愛らしくフリルがあしらわれた白いブラウスとコルセット付きのえんじ色のハイウェイスカートを着る。

 

 確かパールツヴァルシュ号の船員の一人のファッションデザイナーが考案したもので、別名「童貞を殺す服」とかなんとか。

 

 ……司って童貞なのか?わからん、よく海外に行くし人との付き合いも上手いから……ま、まあ、彼女は居ないでしょ、勿論彼氏も、わたしに一言も無しに作る筈ない。

 

 そんなことされたら許さないし、絶対認めない。

 

「……なんだろうこのもやもや……うー。気にしないようにしよっ」

 

 この区、というより神奈川県は赤城財閥が統治する県らしく、かなり平和的な県だ、間違っても滋賀県のように戦場じゃないし、果物が浮いたりしないし、ブラック労働に頭をやられ全裸でえろ本を買いに行く事例が発生したりはしない。

 

 いや、最後の例は、ちょっと危ないかもしれない、どこにもその危険性はある。

 

 VRフィールドにも労働のしすぎて幻想行き(現実逃避)した人間もいたと言うぐらいなんだ。

 

 一番平和なのは浮島として、実質鎖国化している北海道だろうけど、いつまで浮いているか分からないし住みたくはないな……まあ、常日頃武装して歩けってぐらい平和じゃない都道府県は無いと思うけど、危険性は常にある。

 

 と言ってもマンション周りは大丈夫。なんと死人の例が98%ぐらいしかない街なのだ、そんな所に良くわたしは住めるなと感心と、司に対しての感謝でいっぱいになりそうだ。

 

「よっし……っとそうだ、初菜のお守り付けないと」

 

 ぱっちり、鏡を見ても、心なしかいつもより可愛いなぎちゃんの完成だ。

 

 外は嫌だし怖い、良い思い出が少ないからだ。

 

 ただ、少ないだけで確かにあった、その一つが親友と、司と出会った事。

 

 また深呼吸をする、今度は深めに肺に空気を入れる。

 

「よし」

 

 一言つぶやき、わたしはドアを開けた。

 

 

 

 

 空を行き交う車やモノレール、ほうきに跨りバイクのように動く人影、人工的に作られたホログラムの虹が少しだけまぶしい。

 

 空から地上に目を向ければ、二足歩行の無骨なデザインのAI、リクダムくんと、たまにナゲット君が忙しそうに動き回っている、交差点を見ればカーチェイスをしているかのような速度の車やトラックや馬。

 

 高すぎず低すぎずのマンションに、所々並んでいるお店や一軒家、公園では子供達がドローンに乗りながら空中ちゃんばらを繰り広げてる。落ちても整備された公園周りの土は衝撃を100%吸収し、子供に怪我をさせない。

 

 これがこの街の日常の光景であり、数ある日本の風景だ。

 

 わたしが当たり前と思っているこの国は、他国から見たら異常ともいうべき国で、広い視点から見てみると確かにこの国は進みすぎている文化を独自で創り出した国だろう。

 

 その全ての発端は、今から約100年前ぐらいに飛来してきたパールツヴァルシュ号の船員達の影響で、頭の良い学者さん達は口を揃えてこう言う。

 

 パールツヴァルシュ号が飛来しなかったら、世界が変わる事は無かったと。

 

 それが良いことか悪いことか、わたしには分からない。未知を未知のままにするのは愚か者と言うが、パールツヴァルシュ号が飛来してきた理由(未知)を知るのは、少なくともわたしではないと思う。

 

「……司は知りたい事は知れたのかな」

 

 いつかに、パールツヴァルシュ号が来た意味を調べて、本来訪れる世界の未来はどんなだったかを知りたいとかなんとか言ってくれてたな。その為に赤城財閥直属の会社に入って、研究とか実験とか色々やったんだろうし。

 

 それにしても早く来すぎたかな?ま、待つのは嫌いじゃないけどさ……人もあまりいないから、まさかナンパなんてされることも無いし。

 

 てかナンパする余裕のある人が公園にいるかな?VRフィールドで婚活した方がまだ成功率高いと思う。

 

 ……当たり前だが、ナンパされた事なんて無いからわからないけど。

 

「ん〜……ん?」

 

 待ち合わせにしてた公園のベンチに座って、ぼーっとしていると、目の前のナゲット君がやって来た、なんだろう?

 

「どーしたのさ、なになに?髪整えさせて?えー、良いけどさ」

 

 青色の目だと思う所が嬉しそうにピカピカと光る、後ろに回って、わたしの髪を繊細に扱う。

 

 ……美容専門のナゲット君かな、この子達は幾つ職を扱ってるんだろうなぁ、それにやっぱりナゲット君に任せ過ぎだよなぁ。

 

「ねえ、本当はサボりだろ。ダメなんだよー仕事はしっかりやらないと……え、違う?休憩時間だから?うっそだー」

 

 しゃきーんの顔文字に汗マークついてるよ、ふっふっふ、わたしに嘘は効かないぞ~?

 

「終わった?ふふっ、撫でてやろう、よしよし……この髪型ワンカールパーマでしょ?どうやってやったの?……企業秘密?そっか」

 

 わたしにヘアアレンジだけして、後は頑張れよと言うかのように空を飛んで、多分持ち場の仕事に戻っていくナゲット君……なんだったんだろ。

 

 と、タイミング良く司らしき人影が見えてきた、思わずベンチから飛び出すように立って、その方角を覗く。

 

 赤い、だけども強すぎない丁度いい赤色の髪の毛に、目を完璧に隠している黒いサングラス、何故か白衣を着ているのは何年経っても変わらないらしい、側から見るとダサいからやめろっつーのに。

 

「俺様、参上……本当ここまで長かった……はてさてどれなに?凪沙は何処だ?」

 

「司!こっちこっち!」

 

「おーそっちか、って……凪沙、だよな?」

 

「そう、だよ」

 

「ははっ、だよな、そうか……可愛いじゃん、凪沙」

 

「え、へへ……そう?」

 

 黒いサングラスで表情がわからないが、開いた口を手で閉じるような仕草をしてるから本心だろう、その場でスカートを摘んでくるっと回ってみる。

 

「その……久しぶり、司」

 

「……本当に、久しぶりだな、凪沙」

 

「うん!七年ぐらいになるのかな……?少し身長伸びた?あと体鍛えた?」

 

「お、わかっちゃうか〜?まぁ多分俺様が伸びたんじゃなく凪沙が縮んだんだろうけどな、がはは!……そうか、凪沙、やっぱりそうなんだな」

 

「……誤魔化せない、か」

 

 それは、そうだよな。最初から気付いていたはずなんだ、咄嗟にボイチェンって言った時から薄々と勘付いていたと思う、何かと勘の良い親友は、その勘の良さでわたしを救ってくれたから。

 

「とりあえず凪沙、あの店行かねーか?」

 

「そうだね……前、任せて良い?場所忘れちゃった」

 

「忘れやすいなぁ凪沙は!ならばしっかり後ろについて来たまえ!」

 

 そう言って前を先導してくれる司に合わせて後ろを歩く、わたしの歩幅に合わせてくれる優しさに、口角が自然と上ってしまう……気付かれてないといいな。

 

「司の話が聞きたい、ここ数年はどうだった?」

 

「あーと、そうだなぁ、まぁなんだ、長い旅してた気分?色々大変だったんだぜー?例えばそう、龍!龍に出会ったよ俺様」

 

「龍?」

 

「そうそう!流石に合成生物で作った偽物だろうけど、いやぁイギリスは怖かったねぇ……まぁ害は無かったんだけどさ」

 

「それは、よかった。……怪我とかしてないよね?」

 

「ははーん、ばっちしよ!」

 

「そう言えば、微生物って、何の話なの?」

 

「多分赤城さんが言ってたと思うけど、精霊作ってたんよ、その失敗作。跳ねたり飛んだりするエネルギーの塊ってとこかね」

 

「ふぅん、何だか面白そうだね」

 

「まぁ必要なモノ集めるのに半年はかかるけどな!は〜〜……お、そろそろ着くぞ?」

 

 赤色の髪を見つめながら、他愛のない話をしつつ、その店に辿り着いた。

 

 喫茶店『San=Moon』珍しい純喫茶店で美味しいコクの効いたコーヒーが特徴の、落ち着いたお店だ。

 

「お邪魔しまーすよっと」

 

 と、一言言いながら扉を開ける、背後から付いて中に入ると、数年前となんら変わらない、落ち着いた雰囲気のお店がわたしを出迎える。

 

「……変わらない、けど」

 

 そっか、それはそうだよね。七年が経つんだ、そうなるのは可笑しくない。

 

「え、お客さん?わわわ!い、いらっしゃいませ!何処でも空いてるんで好きに使ってくださーい!」

 

 ポニーテールが特徴的の元気の良さそうな可愛い店員さんだ。

 

 ここのお店は渋いおじ様が、優しい笑みを浮かべながら経営していた、もしやアルバイトの可能性もあるが、おじ様に限ってそれはないだろう、最後までコーヒーを愛したいと言っていたぐらいだ。

 

「なら、奥座ろっか」

 

「そーだな、そうすっか……あ、店員さん、ブラックコーヒーとカフェオレよろしく!」

 

「注文だ!注文だ!任せてくださーい!」

 

 つかほんと元気良いな、もしかしてご臨終なさったとかじゃないの?シリアス的展開じゃないのか?あれ、思っていたのと違うような。いや、良き事なんだけど、だけどね?

 

「あぁ凪沙知らなかったっけ、ここのおじ様ギックリ腰にやられて入院したってさ」

 

「おおう……それは、無念だろうなぁ」

 

「悔しがってたねぇ、娘に任せたら赤字になるとかなんとか」

 

「……いや、何も言うまい」

 

「我ながら良い出来だぁ……おっ待たせしましたーお客様!」

 

 いやそんなに待ってないけどね、早過ぎるぐらいだよ?早いのは良いけど大丈夫かな、ってもう奥まで行っちゃったし……可愛らしく猫ちゃんのデコレーションが描かれたカフェオレを受け取り、味を確かめてみる。

 

「あちち、ふーっ……ん、美味しい、味は何も問題ないね」

 

「だろ?ここに来ない奴は人生損してる」

 

「違いない」

 

 そこから軽い雑談に話を広げる、本当の軽い雑談で、この雑談が終われば、いよいよわたしも覚悟を決めないといけない。

 

 ……言うんだ、自分の言葉で。

 

「……司、聞いてほしい」

 

「おう」

 

「わたしね、女の子に、女の子……に、なっちゃった」

 

「見りゃ分かる」

 

「そんなわたしでも司は、わたしだって、(ひいらぎ)凪沙(なぎさ)として見てくれる?」

 

「当たり前だ、俺様は親友の味方だからな」

 

 あぁ、よかった。

 

 拒絶されなくてよかった、嫌われなくて良かった、わたしは凪沙じゃないって否定されなくて良かった、柊凪沙でいる事を許してもらって良かった。

 

 本当に……あぁ、本当によかった……。

 

「わたしは凪沙だよね?」

 

「当たり前だ、俺様の知る親友だ」

 

「そっか……そうだよな、わたしは凪沙だよね」

 

「……その体になった覚えは?」

 

「無いよ、でもわたしがわたしなら、それでもう構わない。……ねえ、もし男に戻れるとしても、わたしは受け入れないよ」

 

「ま、親友がそう言うならそれで良いけどさ」

 

 そう言うと司は手元のコーヒーを飲む、わたしに言っていない、思うことがいっぱいあるんだろう。確実に気を使ってくれている、ごめんね司、でも……今のわたしは、今のこの姿で育んだんだ。愛着が湧いてしまってる。

 

 それに、かわいいわたしは好きだ。

 

「しっかし親友がマジで超絶可愛い美少女プロゲーマー配信者になってるとは……まあ俺様が勧めたんだが」

 

「へへ、そ、そう言うなよ……照れるじゃんか……」

 

「どれ、撫でてやろう!」

 

「え、ちょっとまっ………」

 

 頭に司の手が置かれる、温かくて大きくて、安心する手だ。

 

 撫でられる感触が心地いい、このまま全部委ねたくなってしまう……

 

「ふにゃ……」

 

「おお、撫で心地のある……なぎ民にバレたら爆竹突っ込まれそうだ」

 

「あ、む……もっと撫でても良かったのに」

 

「がっはっは!……ふ〜む?」

 

 何かを考えるように腕を組む司、わたしも真似してみよ……何考えてるのかな、わたしの体について本気で考えているのだとしたら嬉しい。

 

「……ま、いいか」

 

「ん〜?」

 

「何でも無いぜ!所でメイドなぎちゃんのお料理配信は?」

 

「へんたい、いやで〜す。……土下座で頼めば考えてあげなくも無いよ?」

 

「恥を捨てろと?!良いだろう!俺様の為にメイドなぎちゃんのお料理配信をお願いします!!!」

 

 うわ本当にやったよ……まあ考えるだけでやるとは言ってないし、ふふふっ……ん?

 

 視線がしたのでその方に目を向けると、驚愕した目で店員さんが見ていた。

 

 えー、土下座の司に、椅子に座りながら見下ろすわたしの図。

 

「まままままって!違うよ?!誤解だよ!?」

 

「似てるなと思ったけどなぎちゃんって本当ですか!?ファンです!今夜空いてますか?!って違う、握手して下さい!」

 

「んんん?」

 

「おー、やっぱ近くに居るもんだなぁ、なぁなぎちゃん?」

 

 なぎちゃん言うな!

 

 

 

 それから、店員ちゃんと握手した、記念すべき初めてのなぎ民との出会いだ、合法的に女の子の肌に触って満足して。なぎちゃんは彼氏がいるんだねとか言われたので流石に否定した

 

 ……なんか視線がやらしかったけど、まさか、ははは、ねえ?

 

 その後は久しぶりに司といろんな話をした、全部が全部、なんでもないような話だったけど……それでも、それがただ楽しかった。

 

「ね、家……とまる?」

 

「がっはっは!親友よ、初菜ちゃんに殺されてしまう、俺様まだ死にたくない、マジで」

 

「……うん、ごめん」

 

 マンションまで送ってもらう事になって、どうせなら家に泊まりにくれば良いのにと思ったけど、初菜は許さなさそうだなぁ、あの子根は真面目だからおんなのこが気軽に男性を部屋に入れてはいけません!とか言いそう。

 

「まだ日本にはいるの?」

 

「暫くはな!いつでも会えるぜ……ただまぁ凪沙はこの辺りにいとけよ?間違っても他県に行かないでくれな?」

 

「な、なんでさ……まぁ、配信もあるし遠出はするつもり無いけど、過保護なんじゃないか?」

 

「過保護過ぎるぐらいが丁度良いんだよ親友は」

 

「なんだとー!」

 

 ふふふっ……わたしの親友は心配性だな、あの日から立場が逆転してる気がするよ。

 

「今日の配信も頑張れよ、俺様見るからな?」

 

「ふふん、任せろ!」

 

 今日の配信、やること決まっちゃったな。

 

 

 

 

「いえーい!今日は自称お料理お姉さんのなぎちゃんだよー!」

 

『いえーい!』『?!』『!?』『お姉さんか?』『メイド服!?』『メイドなぎちゃん?!』『ふーん、清楚じゃん』『戦闘用冥土服じゃない方だ!』『やばいやばい』『萌死んでまう……』『まじか』『食べ過ぎは太るぞ』『くそかわいい』『やべえかわいい』『生きてて良かった』

 

「えへへ……わたしは太りませーん、なぎ民は料理つくる?ちゃんと食べてる?」

 

『食べてるぞ』『作るぞ』『作れん』『チューブレーションのぶどう味』『電子融合した餡蜜美味いぞ』『週に一回かな』『えぇ……』『設備ええやん』『調味料の数おかしい』『フライパン二個やん』『一部のなぎ民どう生きてんの?』『XLピザしか食ってない』

 

 へー、チューブレーションなんてあるんだ、美味しいのかな?週に一回って本当にやばいと思う。ちゃんと食べなさい。

 

「週に一回とか本当にやばいよ、死なないで?……よーし、それでは早速作っていきますよ」

 

 今日の作る料理はオムライスを作るぞ、簡単でみんなも作れてしかも美味しい!外れがない誰にも好かれる一品だ。

 

「ふっふっふ、わたしのお料理スキルを見せてやりますよ!」

 

『イキりか?』『ドヤ顔なぎちゃん』『ドヤなぎ』『かわいさドバドバ』『めっちゃ溢れ出てる』『平日の夕方に10000人以上の前でメイド服姿でお料理配信するプロゲーマーがいるらしい』『可愛過ぎる……』『あー最高、スパチャしよ』『俺の飯代投げるわ』『俺も』『私も』『某も』

 

「だ、だめ!投げ銭するお金で自分のご飯作ってよ?」

 

 先ずは片手で卵を三つ割る、もう片方の手で予めフライパンを温めて油を引く、適当に卵を掻き混ぜて塩と砂糖を適量に入れて牛乳とマヨネーズも入れて〜〜。

 

「ふんふ〜〜ん……どうどう?」

 

『手際良い』『なんて的確』『鼻歌交じり最高か?』『かわいいよなぎちゃん』『ガチ恋』『マジで料理出来るのか』『何でも出来るなあなぎちゃんは』『毎日味噌汁作って欲しい』『家事も出来てゲーム上手くて可愛いとかなんだこのプロゲーマー?!』

 

「へへ……凄いだろ、っとそうだ、玉ねぎとグリーンピースと鶏肉をラードで炒めて、ご飯もラードで炒めて〜〜」

 

『もう美味い』『本格的では?』『食テロ過ぎる』『我慢出来ねえ!ラーメン作る!』『毎日オムライス作って欲しい』『ボリューム多くね?』『全部たべれるか?』『豪食なぎちゃん』『よくばりなぎちゃん』『大食いプロゲーマー配信者』

 

「な!失礼だな、これぐらい普通だろ、ってかさ、もっと食べるべきなんだよ、作るの楽しいし食べると幸せな気分になるでしょ?食欲には逆らえないんだよ、一日三食じゃ足りないんだ、間に食べることも必要なんだぞ」

 

『草』『草』『よく食べる子はかわいいなあ』『栄養が育まれてる』『言うほどか?』『ふとももえちじゃん』『わかる』『早口なぎちゃん』『くどくどなぎちゃん』

 

「よーしいい感じ、これをぱぱぱーと形整えて〜ケチャップ炒めてチキンライスにして〜、おっけおっけ……よっし、卵焼こう!」

 

『同じ生き物ではない、かわいすぎる』『わかるかわいすぎる』『可愛いの擬人化』『今日のなぎちゃん一段とかわいいが過ぎる』『わかる』『わかる』『猫耳つけたい』『僕はうさ耳』『じゃあ犬耳』『わしはドラゴンのツノ』『狐耳かなーやっぱ』『お、戦争か?乱闘か?』

 

「喧嘩してないでわたしのフライパン捌きを見ろ〜?そりゃ…!」

 

 気分はまるで海賊船の金髪のコック!酔いしれろ……わたしの華麗な料理に……!

 

『おお』『料理人レベル』『卵の扱いが異様に上手いプロゲーマーがいるらしい』『今日まじで機嫌高いかわいい』『見えない猫耳がぴょんぴょんしてしっぽがゆらゆらしてるぜ……』『犬だぞ』『うさぎだぞ』『ドラゴンだぞ』『狐だぞ』『狸だぞ』『天使だぞ』『わかる』『異議なし』

 

「コツはねー、ちょっと強火にして、箸でかき混ぜるより、フライパンを早く回す方が良く作れる、んで早めに形作って、裏返しにひっくり返して整えたご飯の上に置いたら……どうだ!」

 

 包丁で真ん中をゆーっくり切ると、中からふわふわの半熟卵がとろ〜りと左右に流れていく。

 

 会心の出来だ、料理師の資格取れるかもしれない……ちょっとイキリすぎかな?

 

『おぉ〜凄い』『これがなぎちゃんの夕飯ですか、うまうま』『何食うとんねん!』『ハラヘッタクウ』『メシヲクウ』『オレモクウ』『なぎ民、ついに理性が危うい』『最初から危ういわ』『五臓六腑がなぎなぎして来た』『未だに理性があるのは俺だけか』『ん?』

 

「でもこれだけじゃ終わらないぞ〜?周りにデミグラスソースをいっぱい使って、後はケチャップで……っと」

 

『これ本格的の美味しいやつだ!』『高級ファミレスの美味しいやつだ!』『おかえりなさいとか最高か?』『これはメイドですわ』『好きです』『俺を認知してくれ』『私と宮城県に行って籍入れませんか?』『ミクちゃんではないレズがおる……』『なぎなぎ…なぎなぎ…』

 

 えへへ、見てくれてるなら気付くよね?今まで本当にありがとう、これからもよろしくね。

 

「それじゃ一口……もきゅ、んー美味!」

 

「ちなみにケチャップは炒めてオイスターソースをちょっと入れると劇的に変わるよ!このデミグラスソースは貰い物だから違うけど、意外と作るの簡単だったり!」

 

『へ〜』『ほぇ〜』『食べ跡えちい』『わかるえちい』『咀嚼音が可愛らし過ぎる』『かわいいがすぎるよなぎちゃん』『色んな意味でクラクラしてきました』『これまずいは明日懺悔しにいこ』

 

 うにゅ……次からは配信の前では食べないようにしよ、うん、懺悔した勢いで心も清らかになって下さい。

 

「どうだったかな?みんな、お料理する気になった?」

 

『なった』『なったよ』『改めてお嫁に欲しいです』『パパ許さないぞ』『もうパパじゃないよあんた』『料理師の夢目指してみるよ』『頑張れ』『パーフェクトメイドが過ぎる、好き』『美味そうな料理見たら週一生活とかもう出来ないっす』『キムチーズ入れるともっと美味しいよ』

 

 キムチーズ!その手があったか〜。なるほど、まだまだ勉強になるなぁ

 

「さて、今日の配信は早いけどこの辺で終わるよ、あっでもでも、明日もやるからみんな見てね?」

 

『いかないで』『ママー!』『ママ?』『母親感じるな』『至福の時間が……』『何気に50分下回ったのって初めて?』『そうだね』『いやぁ今日も幸せだね』『料理配信ええなぁ』『忘れてたわ、料理の概念』『なぎちゃんおつかれ』『今日もかわいかった』『一段と輝いてた』『つやつやなぎちゃん』『そうではないやろ』

 

 お料理配信用に準備したカメラ専用のリモコンを使ってカメラをOFFにして、パソコンに戻って配信を終了させる。

 

「ふー……初めてやってみたけど、今日は全然緊張しなかったな」

 

 胸のもやもやが晴れたからかな?これからは、これからももっと楽しい日々が続くと嬉しいな。

 

「ふふっ……さてと、頂きます」




書いててお腹すいた。
何故ナゲット君がなぎちゃんに対して優しいのか?
考察して見ると面白いかもしれません。

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