tsプロゲーマー配信者なぎちゃん   作:ヲタクフレンズ

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伏線回収回です。


じゅうきゅうわ!

「……ふぅ」

 

 一試合終えて一息つく、強かったなこのプレイヤー、今回は久しぶりにスリル味わえた、久々に負けるかも知れなかったぜ……まあ最終的には勝つんだけど。

 

「すごいねぇ凪沙は」

 

「どの口が言うのさ」

 

「いやいやお姉ちゃんこんなに早く動いたら酔っちゃうよぉ〜?ゲロインになっちゃいますね、間違いないです」

 

 とか言ってるくせに姉ちゃんとの勝率は五分五分だ、勝てる時もあれば負ける時もある、でも多分姉ちゃんが本気でやれば負けるって確信が持てる、色々と気分屋なんだよこの人。

 

「時に凪沙、神様は人の魂が見えると言いますが、では人に人の魂が見えると思いますか?」

 

「いきなりだな……うーん、無理とは言えないな、今の技術ならそのうちそう言う事も出来るんじゃないか?」

 

「面白くないこたえー!もっとメルヘンな回答が欲しかったですねお姉ちゃんとしては!」

 

「それでそれがどうしたのさ」

 

「人の魂が視えるスカウターを作ったんだけどこれが面白い事にね、その人本来の器、形、在り方、つまりは肉体と魂は必ずしも一致してないんだよ、いやあ面白いですよね」

 

 さらっと何、とんでもないことしてないですかこの人?!

 

「まあ逆に肉体と魂がちゃんと一致している人も居るんだよね、他でもないお姉ちゃんがそうなんだぜ、まあ一致している人の方が多いんですけどね、魂と肉体が一致していない人の方が少ない、これが凪沙なんだけど」

 

「うん、うん……?うん?えっ、ええ?」

 

「まあ大丈夫大丈夫!多分なんともないよ!うん!お姉ちゃんの未来予知に近い第六感がとんでもない鳥肌立ってますが!気づいてはいけない真実見ちゃったみたいな感じなんだけどさ!ね?!だからほら、うん、やっぱ言わなければ良かったでした〜〜〜!」

 

 肉体と精神……器と魂が一致しない、か。

 

「まあだからなんだって話だな」

 

「お?全然気にしてない感じですか?いや凪沙の場合は器から溢れ出てお姉ちゃんちょっと理解が追いつかないぐらいには魂の質が違うんだけど、もしかして弟、人間ではない?」

 

「失礼だな、そう言う姉ちゃんの方が人間とは思えないけどね」

 

「なに〜?!」

 

 姉ちゃんが襲いかかってこようと威嚇行動をした時、姉ちゃんの電話が鳴った。

 

「ごほん!はいもしもし、菜湖(なこ)です。ーーーはい、ええ……それはーーー」

 

 珍しい、姉ちゃんが真面目に話す時なんて人生で片手の指で数えられるぐらいなのに、よっぽど大事な話なのかな?

 

「そうですか……わかりました、至急向かいます、はい……では後で」

 

 あぁ、これは夢だ。

 

 わたしがわたしじゃなかった時、姉ちゃんと一緒に暮らしていた時ーーーわたしが家名を名乗らなくなった日。

 

「凪沙、お母さんとお父さんがーーー」

 

 両親が、他界したその日だ。

 

 

 

 

 見返したかった、お母さんはわたしを産んだ事を後悔して、最後までわたしを見てくれなかったから、そんなお母さんにわたしでもこんなに出来るんだぞって誇りたかった。

 

 見返したかった、お父さんはなんでも出来た、なんでもした。そうやって数ある世界の真理を追求してきた。名誉も地位も財産も全てあの人が自らの手で掴んだから、わたしもお父さんを見習って、いつか並び立てるぐらいの凄い人に、なりたかった。

 

 死んで欲しいなんて思ったことなかったのに。

 

 どうして?

 

「……最近は、寝てる時泣いた事なんてないのになあ」

 

 どうして姉ちゃんはわたしの前から消えちゃたの?なんでわたしを置いていくの?

 

 それがどうしても、一番辛かった。

 

 置いていかないで欲しかった、それだけなのに。

 

「何してるのかな……」

 

 沈んだ気持ちとは裏腹に、雲ひとつない晴天に浮かぶ太陽だけが嫌に眩しく輝いていた。

 

 

 

 

 教祖たそとの初の配信から一週間経った、その間もプライベートで教祖たそと何回か遊んだりしている。もちろんゲームでね?

 

 教祖たその気弱なイメージとは裏腹にプレイスタイルは昔のわたしを思い出すかのような速度重視の近接型で、FPSでもショットガンを好む辺りに親近感。生き別れの妹なのでは?と勝手に思っちゃうぜ。

 

「わ〜すごいにゃあ、宮崎県のバイオ汚染問題解決したんだ……」

 

 えー何々?『焼酎飲んでたら気付いたら出来てました、お酒って凄いですよね、政府の皆様から頂いた7億円は酒造店に寄付しました、美味い酒が飲みたい!ので宮崎県の皆様はお酒を私にくれると、助かっちゃうぞ?☆』……いやそうはならんやろ。

 

 初菜は最近忙しいみたいであんまり連絡が取れない、ちょっと寂しいとか思ったり思ってなかったりするけど、仕方ないのかな。

 

「アンノウンくん、FPSで狩人さんに勝ったんだ〜やるじゃん」

 

 司も忙しいみたいだ、宮崎に飛んだら問題が解決して、解放されるかと思ったら次は青森に飛ばされたらしい、仕事変えた方が良いと思う。

 

 わたしが養える様になればそんな事しなくて良いのにな……

 

「そろそろかな」

 

 そんな暇を持て余してるわたしに三音《みつね》ちゃんから連絡が来たのは昨日のことだった、わたしの数少ない友達の一人である。

 

 遊びに来たいそうだ、わたしの部屋で遊ぶ事なんてそれこそゲームしかないんだけど、どうやら鍛えて欲しいらしい、そう言うことならなぎちゃん、がんばっちゃうよん!

 

 玄関のチャイムが鳴った。

 

「今開けるよ〜!」

 

 ガチャリと扉を開ける。初めて会った時と変わらない、気品を感じるウェーブのかかった金髪ツインテールが美しい。

 

「お久しぶりですわ〜!」

 

 次の瞬間わたしは抱き着かれた、でけぇしやわらけえ……

 

「って何々?!」

 

「私のなぎなぎ成分が急速に回復していきますわ……一家に一人なぎちゃんが欲しいですわね……いやもういっそ、グッズ化してしましょう?」

 

「し、しないよ。恥ずかしいな」

 

 でも抱き着かれて役得だと思うなぎちゃん(わたし)なのであった。

 

「そうだ、三音。三音が来ることをナゲット君に伝えたらお菓子持ってきてくれたんだ、えーっとね、これ!」

 

 改めて三音を家に上げて、ナゲット君から貰ったダヌエを振る舞う。なんか高いらしいけどよくわからない。

 

「ダニエルのお菓子ですわね、これを?よろしいのですか?」

 

「うん、もちろん!」

 

「ありがとうございましてよ、では頂きますわね?」

 

「紅茶も入れるね〜」

 

 一通りお菓子と飲み物を揃えた後、次にやる事はひとつ。

 

「特訓です」

 

「お願いしますわ……!このままでは赤城の恥、私赤城三音にはどうしても勝たなければいけないライバルが居ますのよ!その相手を!けちょんけちょんの!コテンパンに!ぼっこぼこにしてやるのですわーーー!」

 

 気合い入ってんな……煽られたりしたのかな。

 

「教えて欲しいのはPCゲームの方だよね、わたしが横で見て適宜アドバイスするから好きなゲームやってみて」

 

「わかりましたわ!私の実力を見せて差し上げますわよ!」

 

 あの赤城財閥の令嬢だ、さまざまな機械的技術、神秘的現象への造詣が深い家系の娘っこさん。毎日が業務でゲームする暇もあまり無いぐらい忙しいと思うけど、さてプレイスキルはどれぐらいかな。

 

 三音が選んだのはみらくるカート、これで勝って業務の全てを負かした人に押し付け……託す賭けをしたらしい。

 

「では見てて下さいねなぎちゃん!私のこの華麗なてぃくにっくせんすを!」

 

「うん」

 

 うん、これはダメかもしれない。

 

「開幕から加速失敗してるよ!カウントのタイミング早いから!」

 

「ええ?!そんな事……ありましたわ」

 

「なんでバナナの皮に当たりに行くの?!コース選びが甘いよ!」

 

「私だってわざとじゃ無いんですわー!」

 

「アイテム拾えてないよ?!コースから外れてる!」

 

「どうしてなんですの〜!」

 

「右!右!右にドライブして!落ちちゃうよ?落ちちゃ……あー!落ちたーー!」

 

「いーーーやーーー!!!」

 

 

 つ、疲れる……

 

「よし、休憩しよう、ツッコミどころが多すぎる」

 

「なにおう?!私はまだ諦めてませんわよ!」

 

「闇雲にゲームをしても上達はしないんだよ、上手い人は必ず予習をするの」

 

 三音は予習以前の問題なんだけど……これは骨が折れるなあ……へへ。

 

「な、なんですのよっその笑顔は〜!かわいいですわねコンチクショー!」

 

「ぇう……とだね、とりあえず先ずはさーーー」

 

 この後めちゃくちゃ特訓した。

 

 

 

 

「よしよし、なんとか真ん中の順位までは維持できる様になってきたね」

 

「ぐぬぬ……こんなおとなしいプレイじゃあ私、満足出来ませんわよ……」

 

「だめ、余計なことしなければ並なんだから、順当に回数重ねるしかないよ、本当に、余計なことしちゃダメなんだよ、全部マイナスに転換するからね!」

 

「ここでドライブして、シュパ!ドューーーン!!……ってのを」

 

「だーめーでーすー!それができるぐらいに基礎を鍛えてからにしようね」

 

 でもやっぱり流石は三音だ、プレイ時間も10時間もやってないのに持ち前のセンスでオンライン対戦で真ん中の順位にありつけてるのは凄い。

 

 失ったレートは……まあ今度取り戻そう。

 

「でもこうして友人同士で遊ぶのは楽しいですわね〜!」

 

「そっか、社畜だもんね……かわいそうに」

 

「まあそれもありますけれども、私あまり友人と呼べる方は……うう」

 

「三音が?意外だね、いっぱい居るイメージなのに」

 

「仕事仲間達は勿論居ますわ?仲の良くしている方々もいますが、こうしてプライベートで遊ぶ友人は中々作れなくて……仕方のない事なのですが」

 

 それだけ赤城財閥のネームバリューが大きいってことなのかな、苦労してるな三音も……

 

「なので!私はなぎちゃんが友達になってくれて本当に嬉しいのですわよ!」

 

「わーーーっ」

 

 ぎゅむっと効果音のつきそうな感じでわたしを抱きしめる三音、ふくよかな温もりが……ええねん。

 

 必要とされるのは嬉しいな……

 

「さっ、さて!次は協力ゲームでもしよっか三音!どれが良いかな……」

 

「それでしたら私、これがやりたいですわ〜!」

 

 この後も時間の許す限り、私は三音と親睦を深めた。

 

 

 

 

 さて、今日も元気に配信しよう。

 

 今日配信するゲームは【ZNOX】一時期話題に上がった二人対戦カードゲームだ。

 

「よっす!3日ぶりぐらいかな?元気にしてた?なぎちゃんだよ〜!」

 

『きたぜ』『うおおおおおおお!』『始まりました』『今日はどんな配信ですか?』『ツインテールかわいいヤッター!』『かわいい』『かわいい』『かわいい』『お姉ちゃんもそう思います』『ワイトもそう思います』『お兄ちゃんもそう思います』

 

「今日はなぎ民参加型のカードゲームをやるぜ、その名もZNOX!聞いたことぐらいはあるんじゃないかな?」

 

『ZNOXだ!』『なにそれ』『やった事はないなあ』『はぇ〜珍しい』『対戦カードゲームだ!』『一対一のゲームだ!』『俺の真青眼の究極竜が疼いてきたぜ!』『闇のゲームの始まりだぜ』

 

 説明しよう!『ZNOX』とは、1〜10までの10枚のカードが2セットずつ、ジョーカーが一枚で構成された対戦カードゲームである!三回勝負して二回勝った者が勝者だぞ!

 まずジョーカーを入れた21枚のカードがシャッフルされ、両者一枚カードを引き、最後の一枚を取った者が勝者になるのだ。

 最後の一枚を引くまでに1〜10のカードの効果を上手く使い相手のカードを無くしたら勝ち、ジョーカーを最後に使った者は負け、最後にジョーカーを引くと負けなど、細かいルールはやってみればわかるぞ!!!

 ちなみに配信用に設定されたZNOXは視聴者に配信者のカードがわからないように、第三者目線だぞ!試合は公平!2窓ダメ絶対!

 

「という事で、対戦相手募集だよん。わたしにカードゲームで勝てるかなぁ〜?」

 

『つよつよなのか?』『余裕っすわ!』『カードゲームなんて久々だなぁ』『なぎなぎしてきた』『得意げなぎちゃんかわいい』『かわいい』『運が良ければ勝てるし俺でもいけそう』『ZNOXはそう簡単にいかんぞ』

 

「おっ、早速対戦ルームに入ってきたぞ〜?えっと、夜繋(やづな)さん……え」

 

『初手ラスボス』『えっこの人もしかして』『そうです世界一位です』『ファーーーーー!!』『草』『草』『草』『マジもんじゃん』『オバコン一位の人だよね?カードゲームなんてやるのか』『世界大会か?』『最初からクライマックス』

 

「う〜……お、お手柔らかに……」

 

 カードを一枚引く……先攻後攻の決め方は最初に引いたカードの数字の高い方、わたしは7で夜繋さんが4。先攻はわたしだ。

 

 再度シャッフルされ、互いに一枚、そして先攻のわたしがもう一枚引く。

 

「なるほどね……」

 

 わたしの手札は6と2。

6のカードの効果は“采配”、6を捨てて、山札から二枚引く、次のターンで手札から二枚捨てる効果。

 2のカードの効果は“狙撃”、相手のカードの数字を言い当てて、当てたら即座にそのカードを捨てさせる。

 

 なのでここで2を出して当てれば一発で勝てるけど……何の情報もなしに当てれるとは思えないしなあ。

 

「まあ、ここはリロードかな」

 

『6だ!』『安パイ』『パイ?』『顔面ぶつけんぞ』『成る程ね』『うおおおおおテンション上がってくるねえ』『こういうのすき』『そういえばこの手のギャンブルゲーのファイナルシーズンやってたな』『マ?見に行くか』『これに対して夜繋さん、どうでる?』

 

「8……効果は選択!強い引きだなあ」

 

 8のカードの効果は”選択“、次に引くカードを3枚引いて一枚選べる

 

 序盤で8を出すなんて強気だな、引いたカードか最初のカードかわからないけど……数字が高い?

 

「……決めさせてもらっちゃおうかな」

 

『うおおおおおお!』『2だ!狙撃!』『ンッソゲキッ!』『カズマさん?!まずいですよ!』『ここで当てたらなぎちゃんの勝ち』『いや無理でしょ』『数字も低いしまあ持っててもね』

 

「……夜繋さん、そのカードの数字は9でしょ!どうだ?ーーーあー違うかあ、だよねえ」

 

 まあそうだよなあ、さて……おっ?5かあ

 

『説明しよう!5のカードの効果は”無効“!次のカードの効果を無効にするのだ!』『説明乙』『これに対してなぎちゃんは?』『4!』『説明しよう!4のカードの効果は”地雷“!次の相手の引いたカードを問答無用で破壊!』『無効の効果で無効!』『あったまってきた』

 

「ーーーここで3!」

 

 3のカードの効果は”対戦“その名の通り、この瞬間両者のカードを見せ合い、数字が大きい方が勝つ。

 

「ふっふっふ……あまいぜ!わたしのカードはジョーカー!夜繋さんが1じゃない限り……な、ナニィーーーー!?」

 

『うおおおおおおお!』『1だ!1だぞ!』『え、どういうこと?』『1のカードの効果は“逆転”、つまり?』『ジョーカーの効果を無効にする、ジョーカーの効果は”道化“、好きなカードになれる、だけど1のカードの効果でそれを無効』『じゃあジョーカーに数字の概念が消えて?』『カードを持ってないことになりますね』

 

 つ、つよすぎる……!わたしがジョーカーを持ってなかったら負けていたというのに、く、くそ……

 

「いや、まだだ、まだ終わってない!二回戦目だ……!」

 

 次は夜繋さんが先攻だ。私が最初に引いたカードは……5

 

「ってなんてことをするんだ!初手4だと?!」

 

『初手地雷』『これは強い』『なぎちゃん負け?』『いや、途中で手札が0になったら一番下のカードから転生出来る』『なるほ』『なぎちゃんが勝つに5000ペリカ!』『夜繋が勝つに8000ペリカ!』

 

「ぐぬぬ……」

 

 これでもう転生は出来ない、だが!わたしが転生したカードは10!

 

 10のカードの効果は“王権“!相手のカードを消す!圧倒的破壊力!食らいやがれ!!

 

「これで互いに同じ条件だぜ……わたしを本気にさせちゃったねえ!」

 

『させちゃったねえ!』『ねえ!』『ねえ!』『引き強くて草』『やるねえ』『運つよつよ』『振り出しに戻ったな』『お、互いに5のカード消えたな』『なるほどね』『どっちが勝つかわからないのも醍醐味やな』

 

 夜繋さんが出したカードは6、ならわたしも6を出そうじゃん?

 

「中々思考を読ませてくれないなぁ……ここで1か」

 

 せっかくジョーカーを引いても使えないじゃないか、仕方ないにゃあ……ここで出したくは無かったけど……7を出すしかないな。

 

 7の効果は“墓場”、今までに使ったカードをシャッフルして、一枚引く……これで10が出たらわたしの勝ちなんだけどな、さぁどうだ!

 

『おっと夜繋さん、ここで3を出す』『ここで?!』『強いカードなのか?』『うおおおおおおお10だ!』『マジ?!』『えっ』『お?』『おおおおおおおお!』『なぎちゃんも10だ!』『なんつー強運対決』『はぇ〜おそロシア』『ロシア関係ないやろ!』『中々見ないぞこんなん』

 

「勝てると思ったけど……引き分けかあ、よっし、第3試合は負けないからな!爪痕残して勝ってやるぞい!」

 

 ラストターンの先攻。山札から二枚引く……びみょいなぁ、まあここは1を捨てますかと。

 

「えっ、ここで9?……9?!」

 

『強気なプレイング』『いや勿体無くね?』『あっ(察し)』『何を察したんだ』『なぎちゃんの手札は3か、引き弱いね』『9の効果は“魔法”!相手の手札を見るぞ!』『ん?……お、なるほどね』『なぎちゃん負けたわ』

 

「いやいや、手札を見られたぐらいでわたしが負けるはずないやろがい!……引き弱いなあわたし」

 

 場に出したカードは6、これで少しでも良いカードが来ればいいんだけど、さて夜繋さんの出すカードは……2?!あっこれまずいですよ!やめて!いやです!だめです!

 

「あぁ〜〜〜〜!!」

 

『草』『草』『綺麗に3当てられたな』『ワンチャン3で……いや怖いわな』『6じゃ不安よな』『次転生か』『9の効果有効活用してるの初めて見た』『数字高いくせに効果雑魚のクソカードだと思ってました……』『間違ってはない』『プレイングの差だよ』『おまえは弱いけどな』『は?』『やるかおまえ』『ポヨすわ、部屋立てるから来いよオラァン!』

 

「ま、ままままだ慌てる事はない……わたしは転生するけど、そう簡単にやられんわい!」

 

 無効!これで少しでも引き伸ばしていいカードを引くぞ……夜繋さんの出したカードは2、もっと大きい数字を出して欲しかったが、問題は次わたしが引くカードだ……いいのこい!

 

「……4を出します」

 

『お?』『流れ変わったな』『UC流しとくか』『ま〜た切り取りなぎなぎされるよなぎちゃん』『また取れ高か?』『生きてるだけで取れ高でしょ』『たしかに』『たしかに?』『いやわからん』『わかれよ豚野郎』『これで夜繋さんも次転生?』『だね』

 

 きた!やった!きた!どん勝だ!

 

 勝ったーーー!わたしは勝ったんだ!わたしはジョーカーを引いた、あとは3か10を待つだけ!勝利の方程式まであと少し!3は一枚出たとはいえまだ可能性は残ってる!

 

 この勝負、いただいた……わたしの勝ちーーーへ?

 

『あっ』『草』『なるほどね』『堂々とフィールドに突き出されたカード、その名も』『なぎちゃん、哀れ!圧倒的不憫!』『やっぱ(邪)神さまに愛されてんな』『俺が蛇に見えたか……』『蛇だろうが!』『そうか……ならお前が蛇なんだ』『何ぃ?』『蛇でいてくれてありがとう…!』『疑ってくれて、ありがとう…ッ!!!』『夜繋は二度指す』

 

 10のカード、だと?

 

「わっ…わっ、な、そんなばかな!わたしは、わたしは勝っていた!ジョーカーを手にしていた、たとえ引き分けであったとしてもこの試合、勝っていたはず!なのに、な、なぜ、う。う。ぅ……」

 

『泣き顔なぎちゃんかわいい』『不憫かわいい』『いやバカみてえな引きの強さ、流石っすね』『たまたまやろ』『そのたまたまここで引くから強えんだよ』『たしかに』『導かれてしまったかな』『一生付いてくわ』『草』『録画しといて良かった〜』『流した涙はお兄ちゃんが責任を持って舐めます』『きっっっつ』『なんだァ……?てめぇ……?』

 

「ちくしょ〜!つよすぎ!夜繋さんきらい!適度に忖度して!はー……次のやつボコボコにしてやるからな〜〜!覚悟しやがれ!」

 

 

 この後めちゃくちゃZNOXした。

 

 

 

 

「ン〜〜〜!今日も楽しかった!」

 

 あの後夜繋さん以外のなぎ民の人たちにはそこそこの勝率で勝ったぜ、運も実力も上の人には……んにゃぴ

 

 配信中は配信以外に何も考えなくて気楽だ、そこに楽しいこと以外のモノは何一つない、不安も哀しみもない優しい世界。

 

 世界に、配信に出会えて良かった。

 

 でも……なんだかな、こんな気持ちで配信をやるのは違うよね。

 

「……よしっ!」

 

 気持ちを切り替えよう、その為にも……ふふっ。

 

 たのしみだな……!




めちゃ多い感想においちゃん感無量だよ……!

これ見た後に1話見てみなよ、二度美味しいっすよ。
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