tsプロゲーマー配信者なぎちゃん 作:ヲタクフレンズ
まぁとにかく久しぶりのなぎちゃんを見てくれ!
むくり。
時刻は朝、今日はお出かけの日だ、司と初菜を呼んで三人で遊びに行くのだ。
何を隠そう!ユニバーストスーパージャポン!略してUSJに行くのだあ!!!
なので気合を入れておめかしを頼んだのである……美容資格のあるナゲット君に!
「ということで、よろしくね」
既に私の家の前で待っていたナゲット君を家に迎え入れて、ナゲット君に全てを任せる。
どことなくウキウキした様子でナゲット君はわたしをジロジロ見てーーーおや?えーと……まずは服選び?なるほどね、おっけー
「ちょっと狙いすぎじゃん?かわいいけども、えっー?わかったよ〜着るよ〜ん」
かわいいけどもゴスロリちっくな服は……外じゃ恥ずかしいな。
本当に着るの?……も〜〜〜。
わかったよ〜!着ます、着るよ仕方ないなあ。
「え、いやわたしお化粧出来ないよ?……なにその道具?えぇ〜?、わかったわかった、座って大人しくするから」
この前の配信の後、気持ちを切り替える為にいつ遊べるか司と初菜に連絡した、二人とも忙しいだろうし数週間後とかになるんだろうなと思ってたけど、タイミング良く2日後ならおっけーとのことで。
はやくも配信の日から2日経ってしまったのだけども。
は、恥ずかしくなってくるな……やっぱり行くのやめようかな?うぬゅぅ……いやでもわたしが誘った事だしな、ぬゅ……でもなぁ、他の人もいるし視線が……ぅぅぅ〜!
「ん……?」
ナゲット君が鏡を持ってきた、どれどれ?なるほどね?ふーん。
鏡に映るわたしは文句無しにかわいいねえ……!
きらきら光るスターダストにフード紐に付属するカミナリがかわいい黒パーカー、ショート丈にふんわり広がったバルーンスリーブが……これまたかわいいねんな。
下はシンプルにすこし短めの黒スカート、そしてニーソ……今のわたしは可愛さを身にまとったさいきょうのかわいいなぎちゃんとなっている。
お顔にも化粧をしてもらった、今のわたしは無敵だあい!
「え?メガネ?」
うーん?
あぁ!なるほど、確かに変装しないとだもんね。
おこがましいかもしれないけど、わたしを知ってる人は多いと思う、わたしに気付いて話してくれる人が居るかもしれない。それは嬉しい事だけど、わたしは画面の向こうにいるなぎ民は何も知らないんだ。
リアルで知らない人に話しかけられるのは……うん、そのさ、普通にこわいよ。
なので!今日はメガネっ娘なぎちゃんなのだっ!
「ありがとねナゲット君……よし、忘れ物もないね」
バッグを持って家を出るーーーおっと、危ない危ない。
「これこれ」
赤のベレー帽を被って……よしっ!
行こう。
扉を開けていざーーーっ
「しゅっぱあ〜〜つううっわあ?!」
「おはようございます、せ・ん・ぱ・い?今日は一段と可愛いですね……ふふ」
目と目が合う瞬間、扉を開けると初菜がいた。
「な、なんで扉の前にいるのさ!」
「えっ……先輩、一人で行けるんですか?」
「うぇ、そ、それは〜……って違う違う!そうじゃなくて!」
「まあ細かい事は良いじゃないですか、ほらほら行きましょう先輩、ね?」
こ、こわこわ〜〜〜……いや本当に怖い、目が、特に目が。
「司は?」
「はて?今日は二人でデートですよね?やっと私と愛を築き上げるのでは?うん?」
「えっ……い、いや、三人で遊ぼうって言ったじゃん、ちゃんと言ったよ?わたし」
「冗談でしょ?」
いやそのセリフそのまま初菜に返すけれど?!
「はぁ〜〜〜〜〜〜……司さんなら先に行ってるか後から来ると思いますよ、えぇ、その間に私と二人きりで遊んで満足してその勢いでホテルに行きましょう、そうしましょう先輩」
「しないわ!……まあ、そうだよね、送ってくれたりはしないか」
「私じゃ不満ですか、ふーん、そんなに司先輩が良いなら二人きりで行けばいーじゃないですか、なんなんですか、当て付けですか?」
「にににににゃにおいいにゃすんだ?!?!?さ、三人で行きたいの!不満でもないよ!もう!」
「てっきり私は先輩がヘタレて私を呼んだのかと」
ひ、捻くりすぎだ……!それにヘタレじゃないやい!
「……わたしがわたしになって最初に外で遊ぶ人は二人と一緒が良いって思ったんだ、だから初菜も司も一緒じゃないとダメなんだよ」
「だと思いました」
「にゃにぃ!おちょくったな?!」
「なぎちゃんはかわいいなあ」
「あっそれ外に出たら絶対言うなよ!まじで!」
☆
なんやかんやあったけどとりあえず出発!目標はUSJ!
今のこのご時世、現実世界で遊園地に行く必要はないかもしれない、実際一時期は遊園地は日本から消えるかもしれなかったし、実際数えるぐらいしか日本には遊園地は無い。
全部VRで事足りてしまう世界なのもそうだけど、やっぱり各土地の色々な問題がある、例えば滋賀県とか。
滋賀県は民戦地なのだ、琵琶湖周りの宇宙成分を浄化するとかなんとかで日々戦ってないとダメらしい、わたしも詳しいことはよくわかってない。
国民が戦い合う地で遊園地が成り立つわけが無いでしょ。
話を戻して、USJは何処にあるか、オオサカである。
オオサカといえば完全犯罪都市オオサカとして有名であり、世界でもトップクラスに治安の悪い都市であり、普通オオサカに遊園地が成り立つ訳がない。
のだが、USJは別である、オオサカの市長がマジで頑張り過ぎて何処かで狂ってしまった結果、遊園地にめちゃくちゃお金を使ったらしい。
その結果、大幅に遊園地が拡張、犯罪阻止エリートナゲットくんの大量設置、美味しい料理に美味しいお水、えとせとらえとせとら。
そうした活動のお陰かUSJは、オオサカで唯一の犯罪者ゼロを達成したのである!
……らしいよ?
「先輩、ちゃんと捕まってて下さいね」
「う、うん。でもわたし、運転したいな〜……って」
「ダメです」
「なんでさ!」
初菜の空式バイクに乗る、その名の通り空を飛ぶ為のバイクだ、風から身を守るフィールドが展開されるので運転中に落ちる事はほぼない。
「じゃあ先輩聞きますけど、一度でもその体で運転したことありますか?ありませんよね?なのに出来ると思ってるんですか?陸ならまだしも空でぶっつけ本番で私の命を預かるんですか」
「う、う〜!」
「かわいいからって運転させませんよ!」
ダメみたいだ。
「……二人で空を飛ぶのは久しぶりですね」
「そうだね、思い出すな色々と」
「あの時は私が後ろに乗ってましたね」
「今と逆だ」
「ですね、その、先輩は」
「良いよ、その先は言わなくて」
「……ですね」
わたしより少し大きくなったように感じる背中は、やっぱりどこか違和感があって。この何とも言えない気持ちがわたしの心に燻りだした。
時速225kmで走る爆走空式バイクを少し荒っぽく手足のように操る彼女は今何を考えているんだろう、人の気持ちはどうしてこんなにも分からないんだろうか。
いっそ分かるようになれば、ああでも……解っていたら。
「先輩、考え過ぎると体に毒なんですよ」
「……身に染みて分かってるよ」
「何も考えず、私に全てを頼ってくれれば、私はその全てを受け入れて貴方を取り巻く全てから守って、離さないのに」
「それも悪く無いかもね」
「でしょう?例えば、先輩は私の為に毎朝朝ご飯を作ってくれるんですよ、ああその前におはようのキスからかな」
「キスはちょっと」
「ええ……まあ良いですけど」
彼女の言ってる事は痛いぐらいに本心で言っているんだろう、こんなわたしに無償の愛を与えてくれるその理由まではわたしにはわからないが、その言葉に嘘偽りが無いのは、流石に分かる。
だから、全てを委ねてみてもきっとそれはーーーーーー間違いじゃ無いんだ。
「私、頼りになるでしょう?」
「勿論」
「ふふ、良かった……」
だけどわたしはその答えの先をこの場で言ってしまったら、わたしは
だから心にだけ留めとく事にした、それが初菜にとってどういう意味になるのかも分かった上で、言葉にする事を辞めた。
「先輩は先輩ですね」
「そうだよ、きらい?」
「まさか」
その先の言葉はきっと風に流されてしまったのだろう。
心なしか、スピードが少し上がったような気がした。
☆
まるで1つの街だ、と誰かが呟いたことがあったそうな、その言葉は実に的を得ていて、開発を回された本当の狙いはいっそ1つの街として本格的に機能でき、あらゆる悪意から身を守る為のオオサカ最終防衛ラインとする目的でもあったとも考察されている。
ニューヨークとサンフランスシスコを真似た街並みは一見すると美術的価値のある大変素晴らしい、だがその実、街並みのその装甲は核爆弾にも耐えられるように設計されているようだ。
当時の市長は何を考えていたんだろう?
それはさておき、というわけで……!
ついた〜!!!
「USJだ〜!」
「ですねぇ……一日利用申請許可は取ってあるので、存分に楽しめますよ先輩」
「とりあえず司と合流しようか」
「え〜」
「えーじゃないよ、ほらっ」
初菜の手を引っ張ってこの街並みを観光しつつ司を探す。
「こんなところでまぁ……大胆ですねえ先輩」
「何が?!」
「えへへ〜」
「可愛く笑ってもわかんないよ!」
……思ったより、平気だ。
周りを見渡しても今日利用している人たちは少ないし、わたしの事を知ってそうな感じもしないし、見られているとかも無い。
……初菜の手を握って安心したのもあるかも、なんて。
ってアレ、見覚えあるぞ?……右手にクレープ左手にたこ焼き……?どんなバランスだよ?!てか待つ間に充実し過ぎだろ!
「司〜!居た居た!」
「んお、遅かったななぎちゃーーー」
「ストーップストップ!!!おおいおい?!」
「あーめんご、なんて呼べば良いんだ?」
「普通に呼べば良いじゃんか」
「……はっはっは、なあ初菜、これギャグで言ってるのか?それとも天然なのか?」
「後者ですね」
「だよなあ、いやあまあ、そういう所あるしなあ」
二人して何を意思疎通しているんだ?
「先輩先輩、実の所その格好ぜんぜん変装出来てませんよ」
「えっ」
「フルフェイスぐらいはしないといけなかったな我が親友よ!」
「それだと台無しだよ!」
「まあもうバレてる様ですし?気にしなくて良いんじゃないですか?」
「うそ、それは流石に……ほら、周り誰も見てないよ」
「世の中には知らない事もあるからな!」
うん?どういう事だろ
「まあいいや!遊ぼうぜ!」
「だな!じゃあたこ焼きとクレープ食い終わるまで待ってくれ」
「待たないよ!わたしは行きたい場所があるのだ!ていうかそれ寄越せっ!」
「あぁ!俺様のクレープが!」
「先輩可愛いなぁ……たこ焼き私が貰いますね」
「やらん!」
やっぱ二人と居るのは楽しい。
ずっと続くと思っていた、でも続かなくて、でもやっぱり続いたこの関係が、わたしに全てを与えてくれる
今きっとわたしはーーーーーー
「次はこっちだ〜〜〜!」
「俺様、さっき行った」
「私もあんまり興味は……」
「なんでさ、じゃああっち!」
「俺様、そこも行った」
「司先輩置いて二人で行きましょう、教会とかどうですかせんぱい?」
「俺様、一人はちょっと寂しいぞ」
「似合ってますよ」
「おーおー、やめろ辞めろ?泣くぞ?すぐ泣くぞ?ほら泣くぞ?」
「……あれ、先輩は?」
「遅いよ二人とも!こっちこっち!」
「……良い笑顔してらぁ」
ーーーーーー心の底から笑顔を浮かべているんだろうな。
☆
「さぁなぎ民のみんな、待たせたにゃん?今日の配信を始めるよ!」
『うおおおおおおおおおお!!!!!』『うおおおおおおおおお!』『テンションたっか』『にゃん……だと?!』『全身の穴から血出たわ』『うーん(昇天)』『おいおい、あいつ死んだわ』『語尾ににゃんを付けるだけで人を殺す女』
「さてっ!さっそくやるぞやるぞ〜?今回のゲームは……ずばり!『きゅん♡がん☆ゔいあ〜るっ!』だ〜〜〜!!!」
説明しよう!『きゅん♡がん☆ゔいあ〜るっ!』とは、ひょんなことから超モテ男になってしまい、その効果によりちょっと見つめただけで多くの女の子をメロメロにさせてしまった主人公にアタックするべく無数の女の子がひしめいていくのだ!
次々と襲いかかって(?)くる女の子たちをかわしながら、意中のあの娘に想いを伝えられるのだろうか?って感じのFPSゲームである!
ひしめく女の子をめろめろガンでハートを打ち抜いて行動不能にし、意中のあの娘にたどり着け!
「バカゲーだよね、でも面白いんだよなあ……VRは手を出した事無かったから、一応初見になるのかにゃ?」
『にゃ?』『にゃ?』『にゃ?』『に“ゃ”ぁ“あ“あ”あ“!”!“!”!“!”!“!”』『うわあ!タツヤだ!』『馬鹿な?!地下労働暮らしの筈では!?』『いやもしかしたら生徒かもしれん』『殺し屋専用食堂のオーナーかもよ』『全部やろがい!』『ど“ほ“し”て“』『お”お“お”』
「さてさっそくやるよ〜!りんく!」
『リンクスタート!』『りんく!(透き通る声)』『テンション高めかわわ』『かわわ』『かわいいガール!胸が張り裂けそうデース!』『これにはベガサスさんもにっこり』『なぎ民になったJさん』『なぎちゃんはトゥーンの女神だった……?』
VRにリンクして、次の瞬間にはわたしは完全再現された昔の“渋谷”に立っていた。
ワームホールの出現だったり、パァールツヴァルシュ号の船員の一人が住んでいる噂だったりと色々あった渋谷だけど。
宇宙船がやってくる前は……んーっと、こういう時、なんて言うんだっけ……あ!そう!ハイカラ!
「ハイカラですね!」
『ハイカラですね』『ハイカラですね』『メガネくいってして言って欲しいですね』『はぇ〜セーラー服なぎちゃんですか、うっ(即死)』『うっ』『死んだ』『死ぬな』『むりだ、てぇてぇ』『は?くそ可愛すぎるだろ、ありえん』『ありえてしまった現実がこれ』
「わぁ!本当だ、セーラー服になってる?!ちょっと恥ずかしいんだけど……なんで?」
『かわいい』『かわいい』『恥ずかしがってる先輩可愛いなあ襲いたい』『襲いたい(ガチ)』『きたわね』『きたわよ』『帰って』『んでなんでセーラー服なってんの?』『学生設定だから』『なんで渋谷なの?』『エンドレスモードだからじゃね?』
「そうなの!ストーリーモードはちょさくけんがやばばなので、エンドレスでバッタバッタ女の子をバタンキュー、させちゃうぞ!」
ということでさっそくエンドレスモード、スタート!
わたしの前に生み出された「きゅん♡DESU!ガン☆」を装備して、さぁいざどこからでもかかってこ〜い!
……ん。
ん?なんか、こう、地震?
『やばい』『やばい』『なぎちゃん設定間違えたでしょ!』『あほあほだ』『あほがーる』『これ難易度もエンドレスにしてるね』『※過去この難易度でゲームクリアしたのは世界で十数名です』『やば』『やば』
「わ、わぁ!ちょ、なんかとんでもない女の子達が四方八方から!」
怖いよ怖い!ハートマークの千差万別な女の子がいっぱいやってくるんだけど!いやでもわたしにはこの「きゅん♡DESU!ガン☆」がある!
するとその時、わたしはほぼ直感で跳ねた。
「ひぃ!地面から手が!って空にも居るんだけど!なにこれ聞いてないよ!え、え?!」
『見え……!』『ないです』『鉄壁のスカート仕様だと!?』『つか反応やば』『シックスセンス◎』『ゾンビ映画かよ』『囲まれたらR17.9されるらしい』『ま?』『ま?』『まじ』
空から飛来してくる女の子をぱきゅ〜んしてめろぱわ〜を解放させて、わたしが着地する所にいる女の子を同じ要領でぱきゅ〜んする。
や、やばい、キリがない所の話じゃない!囲まれたらやばい!なんかこう……身の危険を感じる!そんなゲームって聞いてないのに!
『滋賀県民並みの立体軌道で笹』『絶滅危惧種パンダさん!?』『偶にゴリラになるパンダさん?!』『琵琶湖の渦を止めたパンダさん!?』『パンダすげえな』『過去には動物園にも居たんやで』『嘘だろ』『はいはい弁慶乙』『マジやぞ』『やば』
「ふっーーー!は、ね、ねえ!これ!エンドレスって!あぶにゃ!ぉぉぉ?!な、いつ、いつ終わるの!」
『余裕無いなぎちゃんかわいい』『かわいい』『かわいい』『R17.9はまだですか』『起きてもナゲット君が録画停止するぞ』『いや俺達のナゲット君なら……!』『君は……!ヒーローに、なれる!』『そんなヒーローにはなりたくないでしょ』『とか言いつつ?』『やれっ!そこだ!押し倒せ!』
誰も答えてくれないんだけど!そんなにわたしが押し倒される展開がいいいのか!ひどいよ!
らぶぱわぁ〜♡が溜まってきた……よし、これなら、あれが使える!
「この一帯を消し炭にしてやるぜ!」
『台詞が魔王』『魔王なぎちゃん……続けて?』『続けて?』『何が起きるんドゥス?!』『一定のらぶぱわぁ〜♡が溜まったから終末浄土_てぃんくるDESU_を使いますねこれは』『知っているのかライデン!』『デン!』『何が起きるん?』『女の子がらぶの覇王色で倒れる』『意味わかんねえなこのゲーム』
ちゅーーーーーーーどぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!
「うわあすごい音だな?!……お、やった!一網打尽だ!」
『おーすげ』『すげ』『げす』『因みに狩人さん、この難易度クリアしてないんよ』『え』『え』『え』『なぎちゃん!後ろだーーー!』
「へ?」
むにぃ〜〜っとした感触と共に、わたしの視界の後ろから腕が回ってきた、抱きしめられた?え、なんで。
『難易度エンドレスは倒れたふりとか固有能力とか平気で使ってくるぞ』『油断したわね』『捕まっちゃったわね』『やばいですね!☆』『因みに桃色ピンクちゃんはあれぐらいじゃ倒れないし、なんなら一度捕まると……』
「ちょ……!力つよ……!全然振り解けのゃにゃぁぁぁ?!」
わたしが抵抗しているとーーーふっと、耳に息を吹き掛けられた。
「この……っ、ひぁ!やめ、うわでも癖になるようなないような……」
『息を吹き掛けられます』『Foooo!』『やったぜ』『ぁ〜〜〜ベリアルになりそう』『なるな』『地球終わっちゃ〜う⤴︎』『なんて裏山怪しからん』『ピンクちゃんになりたい』『わかる』『それな』『先輩が汚された!!!!!!!!』『びっくりマークの数やべえな』
「かわい……なぎちゃん……♡」
「え?!あ、し、喋れるの?!」
「ん〜……何でだろ?でも良いじゃん……もっといいことしよ……」
「へ、ちょ、はひ!脇はダメ!おいやめろ!っ……!」
『ナゲット君迫真のカメラワーク』『こいつ絶対感情あるぞ』『俺達側の感情持ってるわ』『あ〜^(成仏)』『してくれメンス』『いや何で喋れるの?』『おい無能解説』『えーあのですね、はい、わかんね!』『カス』『ボケ』『投げ出さないでやくめでしょ』
くそ、やばい、HPがじわじわ削られてるしそろそろ半分以下になっちゃう、ピンクちゃん以外の女の子は倒れたまんまだし新しい女の子はまだリポップされてないから、この状況さえ打破すれば……!
「こうなれば……ふっ!」
「わっ……」
『おお抜け出した』『何今の』『すげ』『先輩!!!そんな女ピーしてピーしてピーーーー!』『規制されてんの草』『林生えた』『瞬身の技じゃん、よく出来んな』『わいクソニート、ヤムチャ視点』『言葉で説明すんのめんどくさいのでパス』『そんなー』『そんなー』
「くらえ!」
間髪を容れずに発射!だけどピンクちゃんはまるでわかっていたかのようにするっと避けて、わたしに近付いてくる!
「はや!ちょ、おい!強くないか?!」
『まぁピンクちゃんストーリーモードの裏ボスだし……』『そうなの?』『設定的には主人公の幼馴染、とある条件を達成すると海外から帰ってくる』『ちな人気投票二位』『やば』『やば』『なぎちゃんがんばえ〜』
うおお今掴まれそうになった!あぶな!油断も隙もないな!倒せそうにないしこうなればーーー!
「なぎちゃん……なぎちゃん……逃がさないよ……♡」
逃げ出そうと踵を返したその時、ピンクちゃんの声が背後から聞こえたーー?!いくらなんでも速すぎる!それに足音も聞こえなかった!あ、やば、また抱きしめられた!
『瞬間移動しなかった?』『します』『この世界の女の子どうなってんねん』『なんならミドリちゃんは分身するし、アカちゃんは腕生やす』『クロちゃんなんか視界閉ざしてくるからな』『シロちゃんの「逆にほれろぱわぁ」も当たると即死』『開発者狂ってるよ……』『今更すぎるんだよなぁ……』『あ、呼びました?てへっ』『てへっ、てナンダヨ!』
「なぎちゃん……♡すべすべ……いいにおい……」
「ちょ、くすぐった……っ、ひゃ、やめっ……」
ピンクちゃんの手が太ももに近づいてきたーーーえ、ちょ、ちょっと?!ハラスメントNGなのでは?!健全向けゲームなんですけど!?それ以上は本格的にまずいって!
「なぎちゃん……ね、ね、なぎちゃん」
「な、なに……っ」
「
……え?
どういうーーー
『お?』『ん?』『エラー?』『ナゲット君裏切ったな!』『何も聞こえね〜〜〜し何も見えん』『デジャヴ』『デジャヴ』『おい無能』『システムエラーでは無いですね、意図的にナゲット君が止めてます、理由は不明です』『てことはついにR17.9なった?』『こうふんした』
コメントは動いてる、でもナゲット君が配信を一時的に止めている?これは、どういうことだ?
「なぎちゃん、ね、わたしたち、みんな、いじわるするけど、いいこだよ、ね、なぎちゃんが、すき……わたし、わたしたち、みんなすき……」
腕の拘束が緩くなっている、今なら簡単に抜け出せると思う、でもなぜか、今は抜け出そうと思わなかった、それはたぶん、ピンクちゃんに問われた事に、答えたかったからだと思う。
「……質問の意図は、正直、よくわからないけど……」
「嫌いじゃないよ、うん……すき、かも?」
顔を覗いてくるピンクちゃんの目を見てそういうと、ピンクちゃんは嬉しそうに微笑んで、あ、ちょ、拘束がーーー!
「えへ、へ、へ、すき、すき……」
「ちょーーー!まって!」
「まてない、ひとりじめしたい、だめ?ね、だめ?」
「だめ!あっ……ぅ、どこ触ってんだ!うぉぉぉい!助けてナゲット君!」
あ!あいつ逃げやがった!信じてたのに!なんてやつだ!
「ああもう!それ以上すると嫌いになっちゃうよ!」
「あ……」
わたしがそう叫ぶと、ピンクちゃんはまるで叱られたワンちゃんのように悲しそうな顔をしてわたしの拘束を解いた。
……う、そんな顔されると……なんかわたしが悪いみたいじゃんかぁ……!
「き、嫌いにならないで、ごめ、ごめなさ、ひぐっ」
「な、泣かないでよ!ごめん、言い過ぎたから……」
ピンクちゃんの頭を撫で撫でしてあやす、全くもう……なんだか、最近VRに行くとわたしが本来知ってるゲームとはAIが全然違う行動するから、変な感じだなあ。
まさか本当に……いや、でも、そうとしか。
「ほら、泣き止んで?ね?」
「うん……」
「隙有り!」
まあそれはそれとしてわたしはプロゲーマーなぎちゃん!時には外道なことをするのも辞さないのだ!うつべし!ぱきゅ〜ん!
「あぅ〜〜〜……ひ、ひどい……でもすき……♡」
『お』『お』『再開したと思ったらピンクちゃんが撃たれた件について』『ピンクちゃーーーん!』『なぎちゃん息切らしてね?』『事後?』『事後』『お楽しみでしたね』『ナゲット君、無能』『独り占めするなナゲット君』『俺にも見せろ』『見せろ』『見せろ』
「あ、おい!さっき助けろよナゲット君!……は?きかいだからにんげんのことばわかんにゃい?うそつけ!」
『草』『草』『大嘘である』『中身が俺達過ぎる』『中にミクちゃん入ってる説』『だったら良かったんですけどね!!!!!』『血涙流してそう』『悔しがんなよ』
「……ふう、気を取り直して、やったるぞ〜〜〜!」
その後、ピンクちゃんとのやり取りでほぼHPが無くなっていたわたしは縦横無尽に現れ、囲んできたミドリちゃんの分身と、人気投票三位のアオちゃんのとりかこめ〜〜〜!でとりかこまれ、ドナドナされちゃったのである。
あ、もちろん完全にドナドナされる前に脱出しました、危なかった……!
☆
「ん〜……っ、楽しかった……!」
配信を終えて、お風呂は済ましてるから、後は寝るだけ。
それにしても、今日は不思議だったというか。
「……姉さんの論文、保存しとけば良かったな」
もう忘れてしまったあの論文の書いてる事を読めば、最近起きている……起きたこの現象を、わたしの中で起きている疑問が全部解決するかもしれない。
でも、それを解決してもしなくてもわたしがやることは変わらないし……別に、今じゃなくても良いんだけど、でもどうして?あのピンクちゃんの問いかけはなんだったんだろう?
「……う〜〜〜〜!わかんにゃい!」
ポフっとベッドにダイビングして、枕に顔を埋める。
「もう寝よ……ナゲット君、電気消して〜」
……まぁ、でも。
また遊ぼう、ピンクちゃん。
ということで二年ぶりです、生きてました。
ま〜〜色々ありましたがさておき、待たせてごめんよ!今更何しに来たんだ!って思われてもなぎちゃんの物語を続けたかったんだ……
そんでもって完結までほぼ(頭の)プロットは完成したから書くだけです。
とりあえず、再開開始したぜ〜!