tsプロゲーマー配信者なぎちゃん   作:ヲタクフレンズ

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感想で待ってくれてた人いたんやなあってなってやる気上がったぜ。
ということで続きができました。


にじゅういち!

 ん……んぅ〜〜……!

 

 

 ぱっー!勢いよく起きるわたし、なぎちゃんである。

 

 

「良い朝……あれぇ、おひる?そんなばかな」

 

 

 ナゲット君にアラームして〜って頼んだ筈なのに、最近ナゲット君は反抗的だ、なんかこう、いじわるしてくる、今日もそう。

 

 いや、アラームぐらい自分でかけろよって言われたらそうなんだけど、う〜〜〜、ナゲット君が何でもしてくれるのが悪い!わたしのせいじゃないやい!

 

「ま〜いっか……今日はな〜にも予定ないし、ゆっくりしよ〜」

 

 

 

 前回のお出かけと、配信から三日、配信が楽しくて休みなく配信していたら初菜から「明日は休んで下さい、良いですね」と厳しく言われちゃった。

 

 なので今日は本当に、最近では珍しく、前までは日常だった何にも予定のない一日が出来上がったのである。

 

 せっかくだし、外に出よ〜かなって自然に思うぐらいには、最近わたしは……良い方に向かってると思う、考え方とか、そういうのが。

 

 わたしをここまで社会復帰……?じゃないね?ポジティブだ!前向きにしてくれたのは、偏に配信のおかげだから、今日もい〜ぱいやろう!

 

 ……あ、そうだった、今日は休むんだった、うーん、何かと考えれば最後に辿り着くのは配信!な辺り、わたしも配信者としての考え方が染みついちゃったぜ。

 

 

「暇な時はゲーム……でもいいけど、んー、でもせっかく出かけるなら誰かと……いっそ二度寝しちゃう?へへ、二度寝する時のちょ〜っとした悪いことした感じ味わっちゃう?どうしよっかな、何しようかな?」

 

 悩むことが多くてたいへんだ、でもそれが嬉しかったりする。

 

 悩むことが多いことって、それだけやりたいこと、やることがあるって事だから、何にもない、ただ生きてるだけ……そんなつまんない、楽しくない事より全然楽しい。

 

 今でもやっぱりまだ、過去を思い出す時はあるけど、最近やっと本当の意味で……立ち直れそうだから。

 

 長かった、のかな?短かったとは思わないけど。

 

 

「ん〜〜〜、ん?メッセージ来てる……わたし個人の端末に?誰だろっと、お、どれどれ……?」

 

 

 【拝啓・なぎちゃんさまへ

おぼえてますか?フィリス・リーベルフィールです!あのあの、いつも配信見てます!昨日の配信も見ました!勇者は眠らないV7さいこうでした!私の母上が「何故ビクトリオは死んでしまうの?」とかなしんでました、わたしもかなしい……

あ、えっと、そのその、話を変えます!

なぎちゃんさま、えっとえっと、このメールが届いている二日か三日後、そっちに行きますね!

 

ようけんはいじょうです!あ、何か邪な気配がしたら直ぐに言ってください!私が祓いに行きます!最近は第三陽陰術を会得したので呪程度なら霧散出来ます!そそそそれではお元気で!】

 

 

 ……えっーと。

 

 

 えーっと?

 

 

「まずその、うーん?ん?え?そっちに行きます(・・・・・・・・)?会いにくるの?え、会いにくるの!?」

 

 

 頭が整理してきた、尚更困惑してきた、フィリスちゃんもとい、教祖たそはああ見えてというかどう見てもその国のお姫様である。

 

 ガチでロシアの国家人物に位置する子だし、そんな子が日本に来るのはどんな理由であれわたしの家に来るという理由にはならないと思うんですけど?!

 

 お、おおおお落ち着け、それだけじゃなくて第三陰陽術のこととか教祖たそのお母さんもわたしの配信見ていたとかもかなり困惑しているけどおちつくんだ、そすう!そう、こういう時は素数!

 

 いや、あえて羊さん!ちがう!寝てどうする!

 

 

「ふぅ〜……、うん、よし、よーし、家に来ると決まった訳ではないし……てかわたしの家知ってるわけ、ないよね、ないよね?それはそれで怖いし?日本に行くよ〜〜〜って連絡だけだよね?そうだよね?」

 

 

 うん、そうしよう。

 

 わたしはあほあほ、あほなのでなーんにもわかんにゃい!てへっ!

 

 

 

 よし、セルフ記憶改竄完了、まさか鬱な時によく使っていたこの技ともいえないこれをこんな時に使うとは思わなかったけど、よし。

 

 さっ!ゲームしよっ!

 

 

 

 

 

 

 そんなことがあった三日後。

 

 

 チャイムの音が聞こえて、だれだろー?と外のカメラをナゲット君に見せてもらうとそこには何時ぞやに見た、見違える筈もない“その子”がやってきた。

 

 きょ……教祖たそだ……本物JCだ……いやそこじゃなくて、どうやってわたしの家を突き止めたとか、いやそもそもなんでそんな気楽に来ているんだとか、いや確かに言われたけどそうじゃなくてとか。

 

「な、なぎちゃん様!遊んでくださいっ!」

 

 ああうん。

 

 はい。

 

 まぁいっか!わーい教祖たそが遊びに来てくれたぞ〜!このこの〜!かわいいなぁ教祖たそは!

 

 前持って(ナゲット君に)部屋をきれいにしたし、誰かが来ても良いように(ナゲットくんに)お洋服も選んだし!かんぺきだ〜〜〜っ!

 

「今出るよ〜!」

 

 ドアを開いてそこにいたのは白い銀色のホワイトブロンドに、紅桔梗(べにききょう)のかわいらしい目、白いワンピースは本当にお姫様みたいで、いやまあ実際お姫様なわけで。

 

 お人形さんみたいにかわいい顔をしたわたしより一回りちっちゃい子が何処となく照れた様子で上目遣い、うーん、これは。

 

 

「かわい〜〜〜!」

 

「わっ、わ!、な、なぎちゃんさま……!」

 

 つい抱きついてしまった、これは不敬罪に当たってしまうのでは?いやもうでもだめだ!かわいいから抱きしめちゃう!なんてかわいいんだ……これはもう芸術じゃないか……!ダメだ〜〜〜もうかわいい!かわいいよお!

 

 

「おいでおいで!入っていいよぉ!」

 

「は、ひゃい!し、失礼いたします!」

 

 

 わたしは教祖たそを部屋に招き入れた、なんだろ、妹がやってきたみたいでちょっと恥ずかしいね?

 

 

「わぁ……!三音さまの言った通りです、ここがなぎちゃんさまのお部屋……!」

 

「へ?三音と知り合いなの?」

 

「は、はい、おしごとで何度か、そ、その、三音さまに教えてもらって……」

 

 なるほど?

 

 なんで教祖たそがわたしの住んでいるマンションを知っているのか合点した、三音が教えたからだ、それならまあ、そういうことならうん、いやでもそれでも一国のお姫様の立ち位置の子がわたしに会いに来るのは何故という疑問はさておき。

 

「でもわたしの部屋、ゲームぐらいしかやることないよ?」

 

「い、いえ、わ、私はなぎちゃん様と一緒にゲームをできるだけで、幸せです……」

 

「そ、そう?も〜かわいいなあ〜教祖たそ〜!」

 

「わ、わっ……」

 

 

 ちなみに。

 

 こういう時、決まって初菜が来たりするのだが今日は来ない、何やら三日前から緊急の仕事が割り振られたらしく、凄い面倒臭そうな表情でお仕事しに行ったのだ。

 

 なのでわたしは教祖たそをめちゃくちゃ安心に愛でているのだ、いやまあ、初菜がこの輪に居ても嬉しいけど拗ねて「私にも同じことして下さい」って絶対言うからなあ。

 

 初菜にやるのと教祖たそにやるのとではちょっと、うん、恥ずかしさが違いすぎる。

 

 

「何する何する?」

 

「な、なぎちゃん様のお好きなもので……」

 

「遠慮しないくてい〜よ!ふっふっふ、ゲームはね、いっぱいあるから、好きなの選べるよ!」

 

「そ、それなら……じゃあ、で、デストロイヤー剛がしたいです」

 

「凄いの選ぶな????」

 

「だ、ダメ……ですか?」

 

「そんなことないよ、一緒にやろ!」

 

 

 わいわい、がやがや。

 

 楽しいなあ、本当に妹が出来たみたいだ、素直で優しくて可愛い、わたしは教祖たその魅力にすっかりやられてしまった、もえーである。

 

 ……姉ちゃんの気持ちが少しだけ分かった気がする、気がするだけだし、姉ちゃんがわたしに思っていた気持ちと、わたしが教祖たそに思っている気持ちは、違うかもだけど。

 

 今、何しているんだろ。

 

 少しだけ、気になった。

 

 

「……?な、なぎちゃん様?」

 

「……ね、フィリスちゃんって、名前で呼んで良い?」

 

「ひゃ!え、え!そ、そんな、恐れ多いですぅ……う、でも、う、嬉しいです……!」

 

「可愛いなぁ、フィリスちゃん」

 

 

 フィリスちゃんとデストロイヤー剛を楽しんだり、せっかくだからと軽い料理を振る舞ったり、ナゲット君に覚えさせた「まねまね」芸を披露したら笑ってくれたり。

 

 ちなみにデストロイヤー剛は主人公剛くんが無数に存在する悪の者達を一切合切バッタバッタと薙ぎ倒す爽快アクションだ、クロスプレイも可能、強力プレイで悪を薙ぎ倒した。

 

 フィリスちゃんが「裁きタックル!裁きチョップ!」と悪を薙ぎ倒しながら小声で言いながらゲームするのはここだけの話少し怖かった。

 

 そんなこんなで。

 

 フィリスちゃんの時間が許す限り、それこそ……家族みたいに、フィリスちゃんをおもてなしした。

 

 

 

 

 

 

「今日はありがとうございました、なぎちゃん様」

 

 そろそろ夕方が近づいて来る頃に、フィリスちゃんはそろそろと、帰宅の支度をした。

 

 二時間?三時間ぐらいたっぷり遊んだ、でもやっぱり別れの時になるとさびしいな。

 

 でもフィリスちゃんの事情もあるから引き止めたりはしない、そんな事しなくてもまた、一緒にゲームしたり、VRで遊ぶことは出来るからね。

 

「……その」

 

「ん?」

 

「また、来ても……」

 

 何処か恥ずかしそうに、何故か申し訳なさそうに声を小さく言うフィリスちゃんに、わたしは視線を合わせるようにちょっとだけ屈んで、笑顔を作った。

 

「もちろん!また遊ぼう、フィリスちゃん」

 

「〜〜〜っ、はいっ!」

 

 その時のフェリスちゃんの、すっごいかわいい笑顔はわたしだけの秘密。

 

 

 

 

 

 

 ……ん、よし、準備完了。

 

 今日の配信もいつもみたいに、いつも以上に楽しめそうだ。

 

 ナゲット君も準備オッケー?おっけー!

 

 

 今日も配信、たのしむぞっ!

 

 

 

「やっはろー!みんな、なぎちゃんだよ〜!」

 

『やっはろー!』『はろー!』『かわいい』『かわいい』『好き』『生きる糧』『オデ、ナギチャン、スキ』『原始民も見てます』『姉も見てます』『友も見てます』『田中も見てます』『お前はダメです、仕事しろ』『うるせえ』『時給削るぞ』『何でも言ってくださいよ、へへっ!』『うわあ』

 

「今日はね、実は配信でやるまで封印してたゲームがあるんだ、何だと思う?ヒントは弾幕ゲー!」

 

『ヒントというか答え』『何年前のゲームだと』『いやVRも出てなかった?』『出てたというか、今年の新作はそっち』『あの人、生き長すぎね?』『まぁズーさん、宇宙人説あるし……』『ずっと生きててほしいわね』『一時の時代の開拓者』

 

「おっ、流石にヒントがゆるゆるすぎたかな?そうです、みんなが知ってるあのゲームの新作、少女弾幕VRをするよ!」

 

 

 説明しよう!少女弾幕VRとは、弾幕系シューティングゲームのVR化に成功した、少女弾幕シリーズの最新作である!

 そもそも弾幕系シューティングを語ればキリがないので割愛するが、VR化した弾幕系シューティングは自らが舞台である夢幻郷で起きた異変を解決する為に弾幕ごっこを用いて、元凶をこらしめに行くゲームなのだ!

難易度や初期残機、奥義や使用弾幕など千差万別に選ぶ事が出来、自分だけの組み合わせる事ができる!

 もちろんそれだけじゃない!なんとあの夢幻郷を舞台に探索できるのだ!イチオシのあの子に会いたい?なら、乗るしかないだろッ!このビックウェーブに!

 

 

「ということで、早速やろう!」

 

『行くわよ』『行くわぞ』『わくわくなぎちゃん』『かわいい』『所でこのゲームの評価どう?』『おもろい、VR慣れしてないと難しい』『空飛ぶのはまぁ良いとして、敵として出てくるキャラの弾幕がまぁ綺麗なんよな』『はぇ〜』『はぇ〜』『来年も出るだろうし買え』

 

 

 電子の海に落ちていく、実を言うとこの感覚は何故だか安心できて、落ち着いて……好きだ。

 

 だからなんだってそれだけなんだけど、実は司はあんまり好きじゃなかったり、初菜も今でこそ平気になったみたいだけど、昔は強がりながらも体が震えていたりしたり。

 

 ……ああそうだ、思えば姉さんも一番最初にVRに触れた時は、わたしよりも驚いてて、それを笑ってたら焦ったような声で怒られたっけ。

 

 懐かしい記憶。

 

 どうして思い出したのだろう?

 

 ココ(・・)にいると、昔の記憶が凄い鮮明になるような気がする。

 

 

「ーーーっ、わ、とと……わあ」

 

 

 すごい、画面の外で見てたあの夢幻郷そのまんまだ、これがあの世界なんだ……すぅっと空気を吸ってみると、VRだって言うには分かっていても澄んだ空気が肺に流れ込んで、気持ちいい。

 

 

「夢幻郷だあ……!」

 

『これが自然か』『今の日本でこんだけの自然、お目にかかれる?』『群馬ならまあ』『うーん』『懐かしい光景だ、スイスを思い出す』『狩人ニキじゃん』『俺も異世界転生してここに行きたい』『良いぞ、行け』『丁度愛知にワームホール出現したで』『ちょっとあれに飛び込み勇気は無いっす……』『わかる』『それな』

 

「よーしそれじゃあ探索しよう!この世界をもっと見よう」

 

 

 そう思って極自然に、本当に無意識にわたしは空を飛んだ、飛んで気付く、飛んでいることに、え、本当に飛んでるじゃん!

 

「飛べてるんだけど!ってあれ?!服がまた違うよ?!巫女服になってる!?」

 

『今気づいたんか〜い』『みこみこなぎちゃん』『かわいい』『かわいい』『脇えちち』『えちち』『凄い自然に飛んだな』『俺も飛べるし』『俺何なら宇宙まで飛べるし』『月砕いた事あるし』『何に張り合ってんだお前ら』『サイタマいた?』『気のせい』

 

「ま、まあ、飛べたのは良いんだけど……」

 

『ちな説明、今は日常パートって言って夢幻郷のキャラ達に会えたり、夢幻郷を自由に見れるようになってる』

 

 このコメント、アンノウンくんだ、ちょっとテンション上がり過ぎて全然説明とかしてなかった……反省反省。

 

 少女弾幕VRは最近のゲームだから、わたしも初見だけど、説明出来る所は説明しないとね。

 

「ありがとアンノウンくん!日常パートで何か起きると、異変パートになって弾幕ごっこが始まるよ!」

 

『ほーん』『ほーん』『気が済むまで探索するんやで』『あっきゅん会えるで』『まじ?』『因みに林の方に行って迷うともこたん助けに来てくれたり』『神ゲーかよ』『神ゲーやぞ』『開発先SSS社だし納得』

 

 さーてどこにいこっかな?少女弾幕シリーズに出てくるキャラクターはみんな好きだし、夢幻郷の世界もとにかく好きだ、何処にでも行けるってなると悩んじゃうな、う〜ん。

 

 う〜〜〜ん、よし、決めた!

 

「神社に行こう!」

 

『お』『どっちだ?』『赤い方だと思うゾ』『やべーやつ』『緑もやべーだろ』『タシ蟹』『それなんて蟹?』『タシ蟹とは50年前に化学物質を好みとする蟹から派生し誕生した蟹である』『文献あんのかよ』『まじかよ』『因みに結構美味い』

 

「その蟹ちゃんと茹でて食べないと二週間発光し続ける体になっちゃうんだZE☆」

 

『こわ』『ZE☆』『こわ』『それで睡眠不足になりました……』『卒業式それのせいで皆から笑われました……』『新年会でやらかしました……』『被害者の会はこちらですか?』『マジでちゃんと茹でないと光るからね、仕方ないね』

 

 

 懐かしいなあ、高校生時代、司がそれでたまたま長いの当たって二ヶ月ぐらいず〜っと発光したまんまだったっけ。

 

 あまりにも長いからそれが原因で停学になる一歩前まで行ったんだっけ?その時はわたしも先生たちに説得した覚えがある。

 

 ……っと、あれかな?わたしの知ってる夢幻郷の記憶を頼りに空を浮きながら探していたらそれっぽいのを見つけたので、ぴゅ〜んと向かって、着地!

 

「ここが……紅綺(こうき)神社」

 

『まじで紅綺神社じゃん』『ここが夢幻入り難民の砦ですか』『まじでVRとは思えん現実感』『SSS社の技術ってすげー!』『いや本当に凄いですよ、仕事上VRシステムに携わりますけど、SSS社のそれは別格ですね』『有能無能クソ野郎じゃん』『クソは余計ですね、すぞお前』『滋賀』

 

 あまりに綺麗な光景に見惚れていると、かつ、という足音が聞こえた。

 

 誰か来る、わたしの予想なら、多分。

 

 

 ……来た、わたしの知る、夢幻郷の……少女弾幕シリーズの主人公。

 

 

「珍しい、人が来るなんて」

 

『世界一位さんだ!』『よしんば二位だったとしたら?』 『世界、一位です』 『とんでもね〜クオリティ』『みこみこ』『巫女(本物』『巫女(なお性格)』『懐かしい気分になりますね』『美人過ぎね?』『夢幻郷のキャラみんな美形過ぎな』『オレ、カワイク、ナリタイ!』『お前は無理』

 

 

「は、はじめまして……なぎです……はゎ」

 

『ざこざこなぎちゃん』『よわよわなぎちゃん』『久しぶりの人見知りざこ』『登録者が50万超えてもかわんねーよわよわ』『かわいい』『かわいい』『そういやそういうやつだった』『忘れたけど人見知りだった』

 

「どーもご丁寧に、私はここの巫女、参拝?それとも散歩?」

 

「はひゃ、さ、さんぱいでしゅ……」

 

「そ、まあ好きに寛いで良いわよ、人が来るなんて本当に久しぶりだし」

 

「はえ、ぁ、ぁりがと」

 

 うわあ、わたし本当に少女弾幕シリーズの主人公とお話ししてるよぉ〜……やばは、しあわせ……とうとい……みこみこかわわ……VR紅綺ちゃんかわいすぎでわ!

 

 さてと、参拝します!

 

 二礼二拍手一礼、お詣り……何を願ったのかは、ひみつ。

 

 

「ん……?ねえなぎちゃん」

 

「ちちちゃん?!はいなぎです!」

 

『松』『竹』『梅』『花札すんな』『驚きすぎやろかわいい』『かわいい』『ちゃん付けするのか』『巫女ちゃん、なぎ民説浮上』『ありえる』『ありえる』『割と可愛い物好きなのでなぎなぎされた説はある』『それはそうよ』

 

 紅綺ちゃんがボケーとしてるようなきりーっとしてるようなよくわからない表情でわたしに近づいてくる、な、なんだろ、参拝の仕方間違えたかな……お、怒らせちゃった……?

 

 一歩一歩と近づいて、後ずさりするのも失礼だからと動かないでいると、わたしの視界いっぱいに紅綺ちゃんの顔が映る、片目を瞑って何かに集中する様に見つめてくる、は、はずかしい……まつげなが……超美人さんなんだが……!?

 

「んー、ん?ん〜……?」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「何で謝るの?不躾にジロジロ見てるのは私の方なんだから、謝る側は私だと思うけれど」

 

「あう、あう」

 

『こんなふにゃふにゃだったっけ?』『推しで限界化+人見知り=コレ』『なるほど』『そんなよわよわなぎちゃんのおぱんちゅは……白!』『たすかる』『たすかる』『隙を見せたなぎちゃんが悪い』

 

「まぁいっか、じゃあ用が済んだみたいだしそろそろーーーん、まって」

 

「ひゃあ!」

 

 怒られなかったことにほっとして別の所を探索しようとした時、がしっと肩を掴まれた、えええええなんなんなななんですか?!?!

 

 

「ぴぇ」

 

『ぴぇ』『ぴぇ』『なにごと』『涙目なぎちゃん』『かわいい』『かわいい』『イベントだろ』『なんの?』『わからん』『はいカス、一生ROMってろ』『ぴぇ』『お前はかわいくない』

 

「なぎちゃん、弾幕ごっこは出来るの?」

 

「で、できまひぇん……」

 

「嘘、あなたなら出来る筈、やった事無いのは事実かも知れないのだけど」

 

 えぇ……まあモード切り替えれば出来るのは確かだけどなんで悟られたのぉ……?いやまあ、紅綺ちゃん大天才設定な上に未来予知に近い勘してるしなあ。

 

 でもそれがどうしたのだろう?なんかだめなのかな……

 

 

「あなたが考えるよりここは物騒よ、ええ、それはもうあなたのかわいさごほん、魅力んん……と・に・か・く!危険!」

 

「ひゃい!」

 

『ん?』『ん?』『正体現したね』『コレは濃厚なレの香り』『なるほど少女弾幕……閃いた!』『老若男女を虜にする美貌』『にしてはちっこい』『ちびかわ』『世界平和に近い方法、なぎなぎだしな』『なぎなぎ@とは』『考えるな、感じろ』

 

「ええそう、だからね、暇だから付いて行っても良いわよ」

 

「ほんとですか!」

 

「別に心配してるわけじゃーーー」

 

「嬉しい!え、これはデートでは?うおおやったぜ!」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

「行こ!紅綺ちゃん!」

 

「わっ!」

 

 腕を引っ張って飛ぶ、可愛い女の子がパーティーに参加しました、はわわ……推しとデート出来るとか神ゲーか?最高すぎないか?これが幸せという事ですか。

 

『こっちも正体現したわ』『久々のうおお』『受けから攻めに変わる女』『隙を見せた方が悪い』『これがなぎちゃんですか』『限界化なぎちゃん』『オタクしてるプロゲーマーがいるらしい』『デートだってよミクちゃん』『神は死んだ』『草』

 

「はぁ、もうーーー案内してあげる!付いてきなさい!」

 

「わ、はやっ、待って待って!」

 

 紅綺ちゃんに手を引かれて空を飛ぶ、空から見た夢幻郷の世界はどこまでも広大で、ここはわたしが生きているところじゃないけど、なんだろう、どうしようもなく生を感じてるんだ。

 

 懐かしい気分だ、VRに……仮想世界に、初めて触れた時の気持ちを思い出す。

 

 

 あぁ、世界はこんなにも美しい。

 

 

 

 

「気に入った?」

 

「うん!」

 

 

『かわいい』『うっ(即死)』『しんだ』『天使が過ぎる』『これがかわいいの暴力か……』『純粋無垢なこの笑顔』『あぁ〜(浄化)』『恐ろしく可愛い笑顔、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね』『結婚しよ』『結婚した』『するな』『は?』『お前は〆』

 

 

 紅綺ちゃんと空を飛びながら色んな夢幻郷の場所を案内してもらって、その度に心が踊って、当初の目的だった弾幕ごっこも頭からすっぽ抜けちゃって。

 

 わたしはただこの世界の景色に目を輝かせていた。

 

 そうしていたらいつのまにか配信時間も迫っちゃって、それはつまり、紅綺ちゃんとのお別れになる。

 

 

「じゃあね、なぎちゃん……また」

 

「また会いに来るよ、紅綺ちゃん!」

 

 わたしのその言葉にふっと笑って、頭をぽんっと撫でられる、うゅっ……はわ、お、推しに撫でられちゃった……。

 

 

『シューティング回だと思ったらデートだった』『20万人以上に公開されたデート』『は……?げんじつ?』『受け止めろミクちゃん』『負けヒロイン』『またなぎちゃんが一人堕とした』『弾幕とは?』『この様子だと二回目ありそうですね』『期待して良いんですね?』

 

 

「ーーーーーうん!また来よう!みんな、またね〜っ!」

 

 

 

 

 

 

 ……冷静になって。

 

 今日はやろうとしてた事の殆ど出来てないし、配信者としてどうかなって思うけど、うん。

 

 すっっっっごい楽しかった……!

 

「ん〜っ、お風呂入ろっと」

 

 

 ナゲット君に寝間着を用意する様にお願いして、浴室に向かって歩いている時に、ふと。

 

 

 聞き取れなかった紅綺ちゃんの呟いた独り言が何となく、気になった。

 




感想本当ありがとう!気持ちに直結するので助かります!読んでくれるのが一番の感謝。
基本週1〜3のペースで投稿する感じになりそう……
まあでも次の回は明日か明後日に投稿します、察しの通り例の回です。
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