tsプロゲーマー配信者なぎちゃん 作:ヲタクフレンズ
続きました……
少し寝不足なお昼、わたしになってから少しポジティブになったわたしは、冷蔵庫を開ける。
朝には自立配達ロボ、ナゲットくんが私が寝ている間に昨日頼んだ野菜とお肉と卵を冷蔵庫に入れてくれたみたい。
どれだけ技術の進歩を遂げても、自己学習能力を身につけたAIとかを
だから、五感全てを体現出来るVR技術があったとしても、現実で何も食べないと、しんでしまう。
わたしも同じ、でもせっかくなら美味しいモノが食べたいから、今日の昼はオムライスでも作ろうと思った。
カップ麺は本当の所、たまに食べたいから。
それはそれとして、ナゲットくんが勝手に部屋をハッキングして入る怖ろしさと図々しさは慣れない。
ナゲットくんが誕生してからずっとそうなのだが、やっぱり怖い。でもうれしい。
卵で作ったオムライスを頬張っているところに、電話が来たので渋々受け取ると。
『なぎちゃんかわいいよ!なぎちゃん!』
「や、やめ……そんなの知らない」
『またまた〜〜、今までに無いぐらいノリノリだったじゃんかよ!』
「それは…そういう、キャラ、作らないと……話せないから」
『ああ〜なるほどな、……ん?なら別に今はなぎちゃんしなくて良いだろ?』
…………?なぎちゃんしなくていい、とは?
あ、ああ!そうか、わたし前は男だっけ!?それとも元?!てか3日でおんなのこの心に慣れ過ぎじゃないわたし!?
「いや、あの、それは。えっと………その、う…えぁ……」
『ハッ!俺様解ったぞ!さては』
「えっ………ば、ばれ……」
『なぎちゃんの声、気に入ったんだろ!!!』
……まあそれは間違ってないけどさ。愛すべき親友よ、キミがバカでよかった。
「ば、ばれちゃったか」
『フッハッハッハッハ!俺様、だからな!』
「ハハハ、ハハ、ハ……そ、それで今日は何?」
『ん?ああいや、特に用事はないぜ?ただなんというか……その、話したくなったじゃ、ダメか?』
かわいいなこいつ、でもわたしも寂しかったし…おあいこだね。
「ん……そんな事、ない」
『そ、そっか…………』
「……ねえやっぱホモでしょ」
『違わ〜〜い!!!ていうかなあ!それちゃんと理解して言ってんのか?!』
「うん、でもそういう扱いしろって言ったのは親友じゃんか」
『ぐぬッ……じゃあホモでいい』
飲んでいたお茶を思わず吹き出した。
『汚ね!ってか大丈夫か?』
「げほっ、いやいや…笑わない方がおかしいっつ〜の」
『………やっと、前の親友の………』
「ん?……何か、言った?」
『何でもない、そろそろ仕事だから切るぞ?』
「はい。お仕事、頑張ってね」
『……………録音しとけば良かった』
んん?!ちょっとそれどういう意味だ!?って電話切れたし……親友は仕事かあ。
忙しいから、配信しても見てくれないんだろうなって思ったけど、そっか、アーカイブで見てくれたりしてるのかな。へへっ……恥ずかしいけど嬉しいや。
……え、いや待って、それじゃあもしかしてわたしの手とか見られてるって事でしょ?それはつまり…どういう事だ?
バレ………て、無いんだよな?そもそもそんな可能性に至る筈がないだろうし、整形技術も昔と比べて随分進歩してるけど、さすがに骨格や遺伝子レベルを一から変貌までは出来ないし、というかそれはもう整形というより生まれ直しだよ。
「ま、まあいいか!うん、深く考えるのはやめよう!……ぱくっ…もぐ……オムライスウマー!」
ご馳走様でした。
さてと、今日は放送前につおったー+でアカウントを作ってみたり。やっぱり告知とかするべきだろうし、何時何時にやるとかわからないと、ダメだよね。
でもこわいなあ、住所特定とか……いや、このアパートはお隣さんが私財で買ったNSSマテリアルフィールドで外部からのサイバー攻撃や違法アクセス、垢乗っ取りとか地震防止とかを土地に展開してたっけ。
って、最後の地震防止ってなんだよ!それはなんか違くない!?
「……はわ!もしかして、喋ってる声聞かれてたりするのか?!……そんな事ないよね、うん、無い無い。完全防音だし、大丈夫ダイジョウブ………」
外に出ないから顔を合わせた事すら無いが、もし騒音とかになってたら申し訳ない……今度親友にそれとなく伝えておこう。
っと、これをチャンネルの概要ランに貼って、告知ツイートしてーと……ってフォローはやいな、この人初回のコメでいたな……へへ。
「フォローは……んー、保留で」
今回やるゲームは何にしようかな、戦闘系は一回間を置きたいし……お絵かき配信はありだなあ、あっでもでもせっかくだから視聴者さんたちとも何かしたいなぁ。
「森する?それとも戦車道?う〜ん、ガチガチの対人系はこわいから、やるとしたら協力系以外ありえないんだけど、それでいてわたしもみんなも楽しいゲームかぁ………VRならいっぱいあるんだろうけど、それはつまりわたしの周りに何十人も人が来るって事だから必然的にボツ」
MMORPGの出番だろうか、それとも昔ながらの協力系もありだなぁ。
「ん〜……ここはそうだなあ……」
☆
つおったー+で宣伝した事もあってか、始まる前から100人弱の人が待機している、少しずつ見てくれる人が増えていることが嬉しい。
恥ずかしさはまだまだあるけれど、自分を知ってもらえる事がこんなに心踊るって思わなかったな……ふふ。
今日も、みんなに楽しんでもらえるように、頑張りたい。
「ちゃお!…自称プロゲーマーなぎちゃん、始まるよ」
『わこつー』『ちゃお!』『ちゃお!好き』『始まった』『出かわ』
「つおったー+始めて見たけど、みんなフォローしてくれたかな?まだしてない人はフォローしてくれると嬉しいです」
『したぞ』『真っ先にしたぞ』『してくるわ』『フォロー欄見たら昨日のゲーム作ったゲーム会社フォローしてて草』『抜け目のないなぎちゃん』
「べっ別にそんなんじゃないんだからね!」
……はっ、無自覚にツンデレ口調が?!
「んんッ、それでそれで、宣言した通り、今日はみんなと何か出来るゲームが無いかなって探してたんだけど〜」
『ええやん』『美少女と一緒にゲーム出来る場所はここですか』『VRゲームするんか?』『雑談とかしないの?』
「VRはまだしなーい、雑談は考えておくね?……今回のゲームはこれ!」
『うおおおおおおお!』『対戦系じゃないのか』『こういうゲームもやるんか』『脱出ゲーか』『割とメジャーなゲームじゃん』『出たー!半オープンワールド型脱出ゲームだー!人形になった主人公を動かして、同じ人形同士で協力しつつ脱出するゲームだー!』『説明乙』
説明しよう!今回やるゲームは脱出ゲーム『リトラス』
元々は人間だった主人公達は、悪い魔女にかわいくデフォルメされた人形になってしまう!
人形になった主人公達を操り、100年前のトーキョーをモチーフにした、恐ろしくもどこか不気味めいた、広大な箱庭を探索しつつ、この作られた世界から抜け出せる場所を探すゲームなのだ!
マップはリアルタイムでランダムに構築されて行き、全く同じ脱出ゲームになることはなく、いつまでも楽しめるゲームの一つとして、ゲームをよくする人達の中では割とメジャー。
最大四人まで同じワールドで探索する事ができ、迫り来る猫や犬、人間であろう足や、魔女の目を掻い潜り、無事脱出口を見つけ潜るとクリアできるぞ!
「ホラーイベントにはあたりませんように………サーバーはなぎるーむで作りました!ってもう一人目!?あわえあ………よ、よろしく」
『かわいい』『ホラーイベント当たれ』『このゲームガチで失禁するぐらい怖いイベントあるからな……』『美少女の失禁と聞いて』『今更ホラーにビビるのか?』『グロとホラーは違うぞ』
ってこの人、最初の放送からいた人だ……見続けてくれてるんだ……あ!この人も見たことある!
「エリックさんとユーさんと、ミクさん…ん?この人形のアバター……おんなのこ!おんなのこだよこのアバター!ねえねえわたしの放送におんなのこいたよ!うおおおおおお!!」
『草』『草』『草』『食い付き方がおっさん過ぎる』『なぎちゃんもおんなのこやぞ』『これはおっさん』『美少女だったりおっさんだったりしろ』『名前呼んでもらえるの裏山』『よろしくお願いします』
「テンション上がって来た……みんな頑張って脱出しようね!」
『昨日の有能無能いる?』『始まりは一軒家の屋根裏からですね、段ボールからプレイヤー達が出て来る今のムービーが終わったら本格的にスタートです、先ずはこの家から脱出する事から始まります』『有能』『有能』『いたのか』
「今日もありがとう……家から出て町に出るから、意外と広いと思われがちなんだけど、実はそうでもなかったりするんだよね」
さてさて先ずは屋根裏から出て家に何があるか物色だ、人が中に入って来るまでに何か良いものがあると良いんだけど……爆竹があると楽なんだけどねー
『ちなみに動いている所を人に見られると捕まります、子供に見られるのは大丈夫です、犬とか猫は逃げないと攻撃されて無残な姿になります』
「ひぇっ早速人が……やばいやばい近い近い、凄い怪しまれてる!」
『人に怯えるプロゲーマー』『エリック さん が猫に引っかかれて綿毛を出しました』『エリーーーーーック!』『これ死んだらどうなるん?』
「ふ〜ひやひやした……リスポーン地点からやり直しだよ、この場合屋根裏からかな」
ってミクさんが家の窓の鍵を拾ってる!これで窓から外に出られる……でも油断したら蜘蛛の巣に引っかかったり、この家の飼っているインコのくちばしに刺されて乙るから、気をつけないと!
「ってエリックさん次は子供にサッカーボールの代わりにされて死んでる」
『草』『無能』『間引かないか?』『動いても動かなくても掴まれたら終わりだからな……』『割と死にゲーよな』『これのVR版とか凄い怖かったぞ』
「え、VR版あるの!?絶対怖いってそれ……うわあっぶね!地雷踏みそうだった!」
てかなんで家に地雷引っかかってんだよ!?ランダムイベントの配置間違ってんぞおい!
「窓から落ちても人形だから死にはしないんですよね〜……いつか電子体の技術がもっと進歩したら、人は痛みを感じなくなるのだろうか」
『深い事言ってる』『ユー さん が 木に刺さって綿を出しました』『なぎちゃんとミクちゃん以外無能なのでは?』『哲学プロゲーマーなぎちゃん』『痛覚の遮断は生物的にどうこうとかでなんたら』
「よーし町に出たぞ!四人だとこんなに早く家から出られるんだ!一人でやった事しかないから知らなかった……」
『あっ(察し)』『ぼっちプロゲーマーなぎちゃん』『このご時世ぼっちなのは結構闇』『分裂すれば一人じゃないよ!(にっこり)』『なんかヤベーやついるぞ』
「ひっ!……なんだ灰猫か、おどかすなよテメー」
このゲームの黒色は基本的に魔女の予兆だから、黒猫だったらホラーイベントが発生していた、あーやだやだ!このイベントさえ無かったらもっと面白いのに。
「うーん何処に出口があるんだろう……てか町綺麗だな〜、100年前のトーキョーが舞台らしいんだけど、高層ビルが良い味だしてるよなぁ」
『今あの都心、大要塞になってるしな』『エリック車に轢かれてて草』『誰も助けに行かないの草』『100年前と変わってないのは群馬と埼玉と愛知だけだぞ』『北海道とか浮いたしな』『原住民だけど暮らしの不自由は無いぞ』
「ミクちゃん何それ……方位磁針だ!やった!やった!これで脱出できるよ!他二人は置いといて二人でハネムーンしよう!」
『方位磁石は出口付近までの場所を示す重要アイテムですね』『幸運を味方につけるプロゲーマー』『ペロッ……これは、百合じゃな?』『今のなぎちゃんはおっさんだぞ』『エリック さん が海に落ちました』『黒の方位磁針……あ(察し』
方位磁針の指す針に向かって人形二人(?)は駆け抜ける、途中でユーさんが合流して、エリックさんは何故か海に落ちていた。
出口と思わしき扉を三人で協力して、扉を開けると。
そこは真っ暗な部屋だった、でも不思議と真ん中に何があるのか、何が"いる"のかを理解した、ぽた…ぽた…と水滴が落ちるような音が部屋に響く。
「えっ………」
"ソレ"は液体だった、液体の中の無数の赤い瞳がわたしを見つめると、下腹部に何十本もの短い足を生やして、ヘビのように鎌首を持ち上げた。のっぺりとした黒い塊のてっぺんに、木の杭のような歯を生やした強大な口、体のあちこちから覗き見る赤い瞳がわたしを見つめる。
「あっあ……」
『こわ』『ちょっとトイレいってくるわ』『ん?このイベント見てるのなぎちゃんだけじゃね?』『ナイスミクちゃん』『腹黒すぎて草』『マウスの手が止まって草』
まるでご馳走を見るかのように、巨大な口からは黒いよだれがぽたぽたと落ちては、そのよだれが意志を持ったかのようにわたしのほうに向かっていく、"ソレ"は本能的恐怖から動けないわたしを嘲笑うかのように、ゆっくりと、ゆっくりと、近づき、近づいて、その口が大きく開かれ、今まさにわたしを捕食するかのように近づいて…
「のゃああああああああああああああ!なんでなんでなんで!ひぁ……あっあやめて!やだ!やだぁ!なんで扉開かないの?!みんなは?!なんで……たすけ……あ、あぁ……」
『かわいそう』『かわいい』『かわいそうかわいい』『興奮してきた』『これはえっち』『SANチェック失敗』『ふぅ…』『えっっっろ』『普通に怖えよ』『VRじゃなくてよかった……』
逃げようとした体に無数の黒い液体が重りとなってその動きを阻害する、黒い液体がにゅるにゅると動くのが気持ち悪い、体がどんどん拘束されるのが気持ち悪い、赤い瞳に見つめられるのがきもちわるい、やだ、きもちわるい、こわいこわいこわい!!いやだ!やっ……………
「ぇぁ………」
今まさにわたしが黒い液体と同化すると思われたそのとき、扉の空いた音と共に黒い液体が光に怯える。
「………あ、ああ、エリックさん!それに二人も!助けてくれにきたんですね!?ありがとう………ほんどに……」
『熱い展開』『エリック有能』『ま た 神 回』『もう少し怯えてたの見たかったです……(ボソッ』『少し泣いてるかわいい』『しれっとミクちゃんが先導切ってて草』『絶対仕組んでただろ』
「こわかった!こわかった!もうないよね?良いんだよね、もうすぐゴールだよね!?出れるよな?!この世界から出れるよなァ!!」
『笑うわこんなん』『ゲーム楽しんでんなぁ…』『段々口調荒くなってって草』『半狂乱で草』『必死すぎる』
「このマンホールを開けて出ればクリア?クリアなの?ならなんで先行かないの?先行ってよ、先行ってわたしの安全確かめてよ、行ってよ、行けって!エリック行け!」
『草』『草』『草』『疑心暗鬼じゃねーか』『名指しで草』『大声でも耳に痛くない声すこ』『エリック さん がクリアしました』
「あっあ、疑ってごめんなさい…はあ……はっ……クリアした……」
『88888888』『おめでとう』『おめでとう』『お疲れ』『パンツ履いたお』『服も着ろ』『一緒にプレイ出来て楽しかったです!』
まだ体が震えている……お水飲もうお水。
「ん……はあ、二度とやらねえからな!!!」
『草』『完全に捨て台詞』『お水民歓喜』『怖がりプロゲーマーなぎちゃん』『また明日もやって?』
「やだ!いやです、やらない、やらないからね…明日は別のことするから』
『かわいい』『かわいい』『かわいい』『これは美少女』『400人超えてたぞ、おめでとう』
「400人にわたしのビビり具合を見られたの?……はーもう……喋る体力もうないよ……そろそろ切りたいと思います」
『いかないで』『いかないで』『おつかれさまー』『楽しかったぞ』『登録したわ』
「登録ありがとう!よければつおったー+もフォローしてね!」
「………よし、じゃあ終わるよ、ここまで見てくれてありがとう、自称プロゲーマーなぎちゃんでした」
配信終了……コメントでえろかったとか喘ぎMADはよとか言われてる……そういう目で見る気持ちも分からなくないからノーコメントで黙認しよう。
あー怖かった、おんなのこにほいほい釣られクマーだったなわたし、今思えば妙に慣れてる動きだったし……ま、まぁおんなのこだし許してやるか。
ん?電話が鳴ってる、親友から?
「………はい」
『昔からホラーは苦手なのな、可愛かったからもう一回やろうぜ!』
「は、な!うるせーー!嫌に決まってんだろーが!くたばれくそ!」
わたしは電話を切って携帯をベットに投げ捨てふて寝した。
日間一位を本当の取れると思いませんでした。ありがとう
ファンアートとかまじで嬉しいし評価10多くてニヤニヤするしでもう……感無量
え?続き?つ、続いたら長編にします……んにゃぴ……