もうやってられっか!!俺はアズレンを抜けるぞー!!   作:捌咫烏(2代目)

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ぷろろーぐ

そこは違う歴史を歩んだ世界

世界を巻き込む2回目の戦争が起きるはずだった少し前

 

海に現れ人間を襲う謎の存在『セイレーン』の出現

各国はセイレーンに対抗するため手を組み『アズールレーン』を結成

 

しかし、国家間の摩擦、プライドに宗教、利権に意見の対立……そしてセイレーンの出現率の低下による余裕

 

 

『鉄血』と『重桜』二大勢力がアズールレーンを離れ『レッドアクシズ』を結成、そしてアズールレーンに対し宣戦布告

 

 

結局第2次世界大戦は起こってしまうのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大西洋某所アズールレーン基地〉

『第3遊撃支援艦隊』執務室

 

 

 

 

その部屋は異様な緊張に包まれていた

応接用の2対2で部屋の中央に置かれたソファ

そこに3人の人物が座っていた

 

3人の内2人は軍服を着ておりもう1人は白衣に眼鏡といかにも研究者な格好だ

 

 

「もう一度言っていただけますかな?」

 

 

その内の軍服を着た男性、第3遊撃支援艦隊の指揮官 『ユウ・イトウ』大佐が正面に座る2人に言うと軍服を着た方の男性、アズールレーン『ユニオン』の大本営より隣の研究者と共に押し掛けてきたユウと同じ大佐がふてぶてしく口を開いた

 

 

「貴様が所有しているレッドアクシズ陣営の兵器を『セイレーン研究所』に引き渡せ」

 

 

「なるほど」

 

 

セイレーン研究所、そこは日々セイレーンに対抗できる技術を生み出しているアズールレーンのアキレス腱

レッドアクシズ陣営がアズールレーンを離反する際研究データを破棄したためアクシズ陣営のセイレーン研究所とはかなり間が離れていると言われている。

何処の陣営の研究所も黒い噂が絶えない場所でも有名だ

ユニオンの大佐に引き続き隣の研究者が続けた

 

「こちらにはセイレーン由来の技術がほとんどありませんのでサンプルとして何体かもらえませんか?」

 

それに対してユウ大佐は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お断りします」

 

 

ばっさりと拒否を示した

 

 

「貴様ぁ!命令が聞けんというのか!!」

 

ユニオンの大佐が怒声をユウ大佐に浴びせる

 

「命令書もなしにですか?」

 

ユウ大佐のこの言葉にユニオンの大佐はウグッ!と続いて浴びせようとした罵詈雑言を詰まらせた

 

「今から大本営に確認してもいいんですよ?」

 

ニッコリとユウ大佐は笑う

目は笑っていないが

 

「お引き取りください」

 

何も言えなくなった2人はそそくさと執務室から出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『外人艦隊の青二才が』

 

 

最後にそう吐き捨てながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人を見送った後、ユウ大佐は執務室の窓から見える海をボウっと眺めていた

 

「まったく、嫌になるよ」

 

ユウ大佐はため息をつくと執務机の椅子に深く腰掛けたあと窓側に向けていた椅子を180度回転させた

 

「お疲れ様です指揮官様」

 

さっきまで向いていた誰もいないはずの窓側からから聞こえた言葉にユウ大佐は肩をビックと跳ね上げた。そしてその上がった肩を元に戻すように白魚のような美しい腕が置かれる

 

「なんだ…赤城か」

 

ユウ大佐は首を縦にそり返し後に佇む黒地に朱のアクセントがついた着物を着た人物『重桜』の正規空母赤城を見る

 

「前にも言っただろう?突然気配も出さず後に立たないでくれって」

 

「申し訳ありません指揮官様、赤城は一刻も早く指揮官様の凝り固まった肩を揉みほぐしたくて…」

 

ユウ大佐は赤城を注意するが肩に置かれた赤城の手が動き始めるとユウ大佐は黙って目を瞑った

 

「ありがとう、気持ちいいよ」

 

「それはよう御座いました」

 

赤城の肩を揉む力加減は絶妙で、ふとした気の緩みで寝てしまいそうな程気持ちがよかった

 

コンコン『指揮官私だ、入るぞ』ガチャ

 

赤城の肩揉みに身を委ねているとノックと入室する旨の言葉と共に1人の女性が入って来た

 

「赤城ちょっと…」

 

「いや構わん、赤城続けてくれ、指揮官もそのままで聞いてくれ」

 

赤城に肩揉みを辞めるいるようにユウ大佐が言おうとすると入室してきた女性、長身に白髪のロングで勲章がついた黒い外套を羽織った『ユニオン』の正規空エンタープライズが構わないと告げた

 

「さて、“いい話”と“悪い話”があるんだがどっちから聞きたい?」

 

「じゃあ…悪い話から」

 

「普通そこはいい話からじゃないのか?」

 

エンタープライズが右手を腰に当てながら戯ける

 

「大変な事はまっ先にやっておきたい性分でね」

 

ユウ大佐はグデーと体を椅子に沈み込ませる

後で肩を揉んでいた赤城はクスクスと笑った

 

「コホン、つい先程『ロイヤル』の”メイド部隊”と『重桜』の“忍部隊”から報告が上がった」

 

そう言いながらエンタープライズは左手に持っていたクリップボードに挟まれた報告書を読み上げる

 

「『重桜』及び『鉄血』の戦闘員の拉致現場を抑えたそうだ、メイド部隊と忍部隊で若干の負傷者がいる以外は特に問題は無い」

 

「そうか…負傷者にはヴェスタルの許可が出るまでは絶対安静と通達、それでも聞かない奴はベットにベルトで縛り付けて置くように」

 

「了解だ指揮官」

 

エンタープライズは苦笑いを浮かべながら報告書を1枚めくる

 

「今回戦闘員を拉致しようとしたのは『ユニオン』の手の者だ」

 

「まぁ、予想通りか」

 

「残念なことに…な」

 

ユウ大佐はその報告に顔を天井に向け両手を顔に添えると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もぉぉぉおぉぉぉ嫌だあああぁぁぁ!?!」

 

 

 

 

思いっきり慟哭した

 

「ああ!!指揮官様おいたわしや…」

 

赤城は肩揉みを辞めユウ大佐を後から抱きしめた

 

「なんなんだよー、人間同士でやり合ってる場合じゃねぇだろうがよー、セイレーンがあまり出なくなったのもぜってぇーなんか企んでるだろうがよー、なんでこんな内ゲバしてんだよー…」

 

「よしよし…」

 

不満を吐き出し若干幼児退行しつつも赤城の胸にに抱き締められ頭を撫でられるユウ大佐にエンタープライズはさらに報告書を1枚めくった

 

「そんな指揮官に“いい話”だ」

 

このエンタープライズの言葉にユウ大佐は顔を覆っていた手をどけて彼女を見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“例の船”が完成した」

 

 

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